韓国の元徴用工訴訟の原告弁護士が外国特派員協会で会見(2018年12月4日)
政府系ファンドの高額報酬 世耕大臣が給与自主返納(18/12/04)
官民ファンドの産業革新投資機構(JIC)の高額報酬を経済産業省が認めず対立している問題で、世耕弘成経産相は4日、自らの監督責任を問い、大臣給与を1カ月自主返納すると発表した。また、事務的な手続きに不手際があったとして、事務方トップの嶋田隆事務次官を厳重注意処分にし、嶋田次官も給与を1カ月(30%)自主返納する。
JIC株の9割超は国が握っており、世耕氏は閣議後の会見で「今後の報酬のあり方は、国の意向をしっかりと反映させたい」と指摘。事態の早期収拾を事務方に指示したと強調した。経産省は9月、年間1億円を超える場合もある報酬案を文書でJICに提示したが、これに政権内から異論が噴出。11月に報酬案を白紙撤回した。JICは反発し、9月の報酬案をもとに報酬規定を届け出たが、経産省は3日、認めないことを決めた。世耕氏は、9月に経産省が示した報酬案について「具体的な金額を提示するとの報告は受けていなかった」と事務方の独断だったと釈明。報酬案の撤回で「事務的な失態を起こし、相互不信の状況を招いた」と処分理由を説明した。大臣給与の自主返納は「組織全体に責任を持つ監督責任の観点からだ」と述べた。ただ、世耕氏も11月の会見で「優秀な人材を確保するための一定の相場観はある」と高額報酬を一定程度容認する考えを示していた経緯がある。この点について「ある程度の報酬を約束しないと世界的な人材は獲得できない」としつつ、「国の資金で運営する(官民ファンドの)報酬は、国民が納得できる相場観がある」と説明。「私の考え方はぶれていない」と話した。適正な報酬の水準は「今後しっかり議論したい」と明言を避けた。経産省は、JICに報酬規定の再考を求めるが、JIC経営陣が応じない場合、田中正明社長らの解任なども視野に入れる。田中氏は3日夜、報道陣に「取締役が全員一致して行動する。世耕氏の4日の会見を楽しみにしている」と対決姿勢を崩していない。
失踪実習生、最低賃金未満67% 野党が分析、「政府説明は虚偽」
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案に絡み、国会で記者会見する野党の議員ら=3日午後
外国人労働者受け入れを拡大する入管難民法などの改正案に絡み、立憲民主党や共産党など野党7党派は3日、失踪した技能実習生を対象にした昨年の法務省調査で使われた聴取票を分析した結果、67%に当たる1939人が最低賃金を下回っていたと公表した。政府は「より高い賃金を求めて」という失踪理由が多かったと説明してきたが、野党は「説明は虚偽だった。審議の前提が崩れた」と指摘し、14~16年調査の聴取票開示を求める。野党によると、聴取票は22人分の重複がある2892人分として法務省が開示した。月額給与は平均約10万8千円で、光熱費名目など控除額は平均約3万2千円。。(共同)
津吹みゆ公式FC 『第3回ファンの集い』
辺野古埋め立て 対立を深める暴挙だ
沖縄県名護市辺野古へ米軍新基地建設を進める政府は、十四日から埋め立ての土砂投入に踏み切る方針だ。県との集中協議は単なるポーズだったのか。対立を深めるだけの暴挙と気付くべきである。集中協議は県側の提案で、十一月に約一カ月間行われた。玉城デニー知事は安倍晋三首相との締めくくり協議で、新基地建設の工費は当初予定の十倍超の二兆五千五百億円に膨らみ、工期も今後十三年に及ぶとの県の試算を提示。「いつまで沖縄なんですか、どれだけ沖縄なんですか」と事業の抜本見直しを求めた。これに対し首相は、計画通り建設を進めると述べるのみだった。具体的な反論をしなかったのは、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設を「辺野古ありき」の政治的判断で進めているためとしか思えない。最初から埋め立て準備の工事を続行しながらの話し合いであり、誠意が欠けていた。防衛省沖縄防衛局が進めている工事は、決められた協議が行われず軟弱地盤も判明したなどとして県が埋め立て承認を撤回、八月末から中断されたが、防衛局の申し立てにより国土交通相が撤回の効力を停止し十一月に再開された。行政不服審査法に基づくこの手続きは、身内のお手盛りで公平性がない。そもそも防衛局は同法の定めで申し立ての当事者になれないと行政法学者らが批判しているのに、政府はお構いなしだ。県は対抗手段として十一月末、国地方係争処理委員会に国交相の措置の取り消しを訴えた。今後は法廷闘争も見込む。国の強引な手法に対する判断を注目したい。さらに県は、県民有志が直接請求した辺野古新基地の是非を問う県民投票を来年二月二十四日に行うと決めた。埋め立てに賛成か反対か二択で答えてもらう。極めて明確に民意を測る機会となる。翁長前県政時代の埋め立て承認取り消しを巡る法廷での争いは最高裁で県側敗訴が確定したが、民意の在りかについては判断がなされなかった。県民投票の結果自体に法的拘束力はないとはいえ、新たな裁判では焦点になり得よう。
「辺野古が唯一」の政府方針があらためて問われる局面が続く。
こうした状況を無視して土砂投入を強行するのは、県民の反政府感情を高めるだけだ。辺野古は元の「美(ちゅ)ら海」に戻らないと諦めさせるのが目的としたら、思い通りにはなるまい。埋め立て開始の決定こそ撤回する必要がある。