飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆民主主義の再生 首相の覚悟が見えない

2021年10月09日 09時02分54秒 | ●YAMACHANの雑記帳
きのう行われた岸田文雄首相の所信表明演説=写真(下)=には「民主主義の危機」への言及がなく、その克服に向けた覚悟は読み取れない。自民党総裁選で「民主主義の危機」を訴えたのは首相に就くための方便にすぎなかったのか。過ぎたことだからといって、忘れるわけにはいかない。
 岸田氏は総裁選立候補の際「政治の根幹である国民の信頼が崩れている。わが国の民主主義が危機に瀕(ひん)している」と述べ、その後も「民主主義の危機」を強調した。それは九年近く続いた「安倍・菅政治」が民主主義を傷付けたことへの危機感ではなかったのか。私たちは、主権者である国民を代表する国会を軽視し、反対意見には耳を傾けず、数の力で法案を押し通す分断政治が、民主主義を危うくすると訴えてきた。歴代内閣が継承してきた「集団的自衛権の行使」を違憲とする政府解釈や、日本学術会議の会員任命に関する法解釈を勝手に変えたり、森友・加計両学園や「桜を見る会」の問題を巡って不誠実な対応を続けたりする独善的な政権運営を厳しく批判してきた。岸田氏が「民主主義の危機」に言及して総裁選に立候補した際、自民党にも同じような危機意識を抱く政治家がいると受け止めた。しかし、私たちと岸田氏の認識は全く異なっていたようだ。岸田氏は首相就任後、民主主義の危機に直接言及しなくなった。森友問題の再調査に否定的で学術会議会員の任命拒否も撤回せず、自民党は選挙違反事件があった参院選広島選挙区への支出一億五千万円の再調査もしないという。首相交代とは思えない「安倍・菅政治」の継続だ。総裁選で示した覚悟は何だったのか。岸田氏は所信表明で「私をはじめ全閣僚が車座対話を積み重ね、国民のニーズに合った行政を進めているか、徹底的に点検する」と述べたが、民主主義を危機に陥らせた誤りを正さずして、危機を克服することはできない。国民との対話は重要だが、それだけでは再生できないほど日本の民主主義が深く傷付いていることに、岸田氏は気付くべきである。

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