昨年帰省したときに、両親へのお土産に持っていった本。
斉藤明美著「高峰秀子の流儀」です。
子供のころ(たぶん小学生くらい)・・・
これはおかしい。変だな~と思っていたことがあります。
TVなどでタレントや女優たちが「お仕事が忙しくて」「お仕事が楽しくて」と
話すことに。
「お仕事」??自分の仕事に「お」をつけるの??・・・と。
もちろん大人になった今も同じ考えですが、この表紙のかたは自らのお仕事に
絶対に「お」はつけなかったはず。
このかた・・・先月28日に亡くなった高峰秀子さんは私の親世代のうえに
55才で女優業を引退なさっているので、私はよく知らないのですが
この本を読み、「お」をつけない方と確信しました。
映画をビルにたとえ、女優はそのビルを作るネジの1本にすぎない。
ただ、顔が出るだけに目立つけれど・・、そんな名文句を著者斉藤明美さんが
記していますが・・・
華やかな世界にいながら浮かれることなく、怜悧な目でものごとを見つめ
地に足をつけた生き方をしてきた方と推察できる名文句。
親世代にとっては憧れの方でしょうが、私にとっては「文才があり名エッセイを書く
お料理上手の往年の名女優さん」でした。
でも、両親に渡す前に読んだワタシ・・・その生き方にコロリとまいりました。
仕事に穴をあけたことのないプロ根性や、あっさり引退する潔さ。
大きな家を老後に備えて小さくし、沢山のものを処分して身軽になどなど・・・
強靭な筋が通った生き方が、素晴らしい!!
<私と同世代である著者斉藤明美さんが高峰秀子さんを敬服し
高峰さんが斉藤さんを可愛がっていること>その上で出来た本であることを
充分に承知した上でも、このかたの流儀に、ただただひれ伏すのみです。
そして・・・静かにご冥福を祈ります。
おこがましくも、本日のタイトル。「わたしの流儀」ですが・・・
子供の頃思った疑問を大切に(笑)・・・自分の仕事や勉強。通う教室に
「お」はつけない・・ぞ。
はい。ささやかな「ワタシの流儀」でございます