「カラマツの下の花畑」・・・・♪

軽井沢での子供時代に作った落葉松の下の花畑ーー心は今も~!「草花」「99歳の軽井沢物語」「葛西スケッチブック」ほか。  

忘備録・・・ ハゼラン・春になると

2009-08-01 | いとしき草花たち

 

2005年6月2日 (木) 三時の貴公子!?          <いとしき草花たち>
                ☆☆☆☆☆
                 ☆☆☆
                  ☆ 


 最近、街なかや道端などで、よく見かける花が、ハゼラン。濃いピンクの小さな花と、紅い実が目立ちます。マツバボタンやポーチュラカなどに近い、スベリヒユ科の帰化植物です。日照りや乾燥にも強いので、道路のコンクリートのすき間や線路脇の石ころだけのところからも芽を出し、たくましく育っています。
 
 以前、友人から,
「午後三時になると、必ず咲く花があるっていうんだけど、知っている?」
と、尋ねられたことがありました。
 
 その花が「ハゼラン」で、 “三時草”とか“三時の貴公子”とも呼ばれていることを知ったのは、つい、この間のことです。
 午後三時ごろになると、小さなつぼみが、次々と爆ぜるようにして開き、五ミリほどの濃いピンクのかわいい花を咲かせます。
 その花の美しさを蘭に喩えたのでしょうか、「爆ぜ蘭」。夕方には、もう閉じてしまいます。花の後にできる実の色が赤褐色で、珊瑚(コーラル)に似ていることから、イギリスではコ―ラル・フラワー。

 ハゼランのほかにも、咲く時刻の決まっている花はあります。
 午前十一時から午後一時頃に咲く―ー、ゴジカ(午時花=アオギリ科)、
 午後四時頃から咲き出すのは、オシロイバナ、など。
 花たちに組み込まれた、DNAの不思議さを思わずにはいられません。
 
 
 さてこの時季、高原では、ツリガネニンジンが、その青紫色の小さなベルを、たくさん風に揺らせています。
  キキョウ科の多年草で、花は釣鐘形、根茎が朝鮮人参に似ていることから、名がつきました。漢方薬では、根茎は沙参といって、セキ止めや去痰剤に用いられています。
 
 若芽は、「トトキ」といい、摘んで、天ぷらや和え物、味噌汁の実などにします。「山でうまいは、オケラにトトキ ~」と、俗謡にも謳われ、古くから愛されてきた山菜です。
 むかし、田舎の母からの小包の中に一掴みのトトキが入っていて、そこから、夏草の茂る山道や、浅間山の姿までが、懐かしく立ちのぼり、嬉しかったことを思い出します。

  釣鐘人参の花になぐさむ峠かな       池原信子


        (2003年「いとしき草花たち―ー8月の花」より)

2005年4月19日 (火) 落葉松の下の花畑         <いとしき草花たち>
 
  
 
  ♪春になると

 

 子どもの頃、近所に花好きのおばさんがいたので、春にはよく花畑の手伝いをした。
 子どもたちは、みな自分のちいさな花畑を持っていて、おばさんのお余りのダリアなどの球根をもらって育てた。
 サクラソウやクリンソウ、苧環、山百合など、思い思いにお気に入りの花を植えた。
 大きな落葉松の下の、あまり日当たりの良くない場所で、5~6センチも掘れば、軽石がごろごろでてきた。それでも、せっせと世話をしては、花が咲くとおばさんを呼びに行った。

「まあ まあ、きれいに咲きましたこと。ようございましたに」
 
 ちょっと太目の、和服姿のおばさんは、子どもたちに案内されて、5-6箇所の花畑を見て回っては、ほめてくれた。
 
 おばさんに子どもはいなかったが、毎日のように遊びに行って、石灯籠や錦鯉泳ぐ池のある日本庭園の中を、駆け回った。さぞ迷惑だったろうに、いつもにこやかだった。
 石楠花や、牡丹、ケマンソウを知ったのもこの庭から。

 T山さんのおばさん、私の花好きのルーツは、あなたでしたね。

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