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umeさんの復活<想像力>
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「お母さん、k さんの住所がわかったから、はがきを出してみない」
5階の食堂で、お昼を済ませたあと、持っていった花の絵はがきを取り出しました。
kさんは、母の軽井沢時代の、一番仲良しの友人です。
去年ご主人を亡くし、一人住まいを続けていましたが、寒い冬の間だけ、佐久市のケア施設に入っているのです。
「しばらく字を書いていないから、うまく書けるかねえ」
このごろやっと、また、手が使えるようになった母です。
少し力は足りないものの、昔の達筆の片鱗をうかがわせるような文字でゆっくりと書きあげました。そして、
「あさってには着くね」
と、ぽっと笑みを浮かべました。
母には、このはがきを受け取って喜ぶKさんの顔が想像できたのでしょう。
「そうだね。帰りに駅前のポストに、必ず入れるからね」
Kさんに思いを馳せることができるようになった母の気持ちを、私もうれしく思いながら、帰りました。
体と心って、本当にリンクしていますね! 願わくは、Kさんから、返事がきて、母が喜んでいるといいなあ。 (2005年3月22日 /火)
*(母は、感染症で、何ヵ月間か、寝たきり状態の苦しい日々をおくりました。高熱が続き、足は腫れ、食事もとれず、このまま死んでしまうのでは・・・と思ったくらいです。少しずつ少しずつ回復し、元気になってきました。)
☆☆後日談・・・Kさんから、お返事がきたそうです。長男のお嫁さんが代筆してくれて。
母はとても喜んでいたそうです。よかった!
2005年3月17日 (木) | umeさんの復活 |
*********** * * * 母を見舞いに * * * *********** 高田馬場10時34分の特急小江戸に乗って1時間で、S駅に到着。そこから各駅停車で、一駅。 駅前のスーパーで、果物やお弁当を買って・・・と。タクシーでワンメーターのところに母の病院はあります。 先週行くと、母は、車椅子に乗り、日当たりのいいところまで、車椅子を自分で移動させて、テレビを見ていたので、びっくりしました。 去年の10月ごろから3ヶ月近く、母は、突然かかった感染症で、寝たきりになってしまいました。 高熱と痛みに苦しみ、足はパンパンに腫れ、足も手も動かせなくなりました。部屋も変わり、まるで、砂漠の中に置かれたように、何の刺激もない、また、唯一の刺激ともいえるテレビを見る気力すら失うというような状況になってしまったのです。一時は、このまま弱って死んでしまうのでは・・・と心配しました。 その前までは、見舞いに行ったときには、車で駅近くの店までランチを食べに行ったりするほど、元気だったのです。90歳とは何が起こってもおかしくない歳ということなのでしょう。 一週間も病気や怪我で寝てしまったら、そのまま寝たきりになってしまったという話はよく聞くところです。 しかし、この年代のひとの強さ!行くたびに少しずつ、ほんの少しずつ回復し、ついに、先日は、車椅子でトイレに行けるようになったと、うれしそうに話しました。 自分の手で食べることが出来、トイレにも自由に行ける、このあたりまえの尊厳を失って行くことが、老いの行く手には待ち受けています。 一つでも取り戻すことが出来て、母はどんなにうれしかったことでしょうか。 少しでも、歩けるようになるといいね! |