中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

富裕層

2009-02-21 10:47:31 | 身辺雑記
 東京銀座に日本で初めてのフィンランドの高級携帯電話ブランドの直営店がオープンしたそうだ。最低で1台67万円、最高価格は貴金属などを使ったもので、ホテル予約などの要望に24時間対応するサービス、アカデミー賞作曲家による着信音付きなど、毎月の基本料は5万2500円で、価格は600万円(!)という。オープン前に数百件の問い合わせがあったそうだ。当然のことだろうが富裕層向けのものだ。

 阪神間の高級住宅地と知られる芦屋市で、全戸2億円以上(約2億1千万~約3億6千万円)のマンションが売りに出されるそうだ。大理石や、高級木材をふんだんに使った内装で、間取りはすべて3LDKで、全12戸の内9戸には、強盗などが侵入したときの緊急避難用に、広さ6~8畳のシェルターが別に設けられているようだ。ターゲットは「阪神間の山の手に住む富裕層で、高齢になったために交通の便がいい場所に引っ越したいと考える人」だそうで、すでに問い合わせは数件あるという。

 こんなことよりもかなり小さい話になるが、白いイチゴが話題になっていて、人気が高まっているという。ばら売りの場合は1個あたり約25グラム~約40グラムのもので840~1050円、お祝いの贈答品として赤と白、各6個ずつの組み合わせになると8400円になるらしい。イチゴの小売価格は昨年の12月で、5個前後で100グラム当たり154円というからかなり高いものだが、あればあるだけ、すぐに売り切れてしまうそうだ。

 「億」ションや高級携帯電話はもちろんのこと、1粒1000円くらいもするイチゴも、私にとっては、はるかに高いところにある「すっぱいブドウ」のようなもので、はなから興味の対象にもならないし、大部分の庶民にとってもそうだろう。高級携帯電話の基本料月額の5万2500円などは、独り身の年金生活者の私の1ヶ月の食費よりもはるかに高い。

 それにしても所得格差の広がりが言われて久しいが、このようなニュースに接すると改めて思い知らされる気持ちになる。悪辣な手段を使わない限り、いくらでも金持ちになることには文句をつけるほうがおかしいだろう。富裕層に属していてもつましい生活を送っている人もあるだろうし、社会事業に私財を使っている篤志家もいるだろう。しかし、600万円もする携帯電話に問い合わせが殺到したり、超高級な住宅が売り出されることには、どうしても違和感を覚えてしまう。それに金持ちが税制の面で優遇されたり、ましてや話題の定額給付金も「公平」に富裕層にも交付され、ホームレスで住民票が取得できなければ受け取れないなどということを聞くと、不公平がまかり通っているように思う。

 2世、3世のお坊ちゃま、お嬢様の政治家や、退職後も天下り先を渡り歩く高級官僚などには、この不況の中で喘いでいる庶民の生活などは、しょせんは理解の外なのだろう。