脅迫電話

　東京のあるテレビ局に脅迫電話を掛けたとして、沖縄県宮古市の24歳の無職の男が威力業務妨害容疑で逮捕された。動機は不明だが、「自宅から電話をかけたのは間違いない」と容疑を認めているという。

　この男は昨年12月中旬から今年の3月中旬にかけての3ヶ月間に自宅からこのテレビ局の、意見や要望を受ける「視聴者総合センター」に約1,600回も電話し、応対した女性に「ぶっ殺す」とか「刺し殺す」と言ったり、猥褻なことを言ったりして、業務を妨害した。

　３ヵ月間に1600回とは、かけもかけたりと呆れるが、多い時には１日数百回、電話したというから、並大抵の執念ではない、薄気味悪くさえなる。1日に数百回電話するとしたら、ほとんど電話の前から離れなかっただろうし、電話代も莫大なものだっただろう。沖縄にいてこの東京のテレビ局に、いったいどのような不満や怒りがあったのだろうか。何かの番組を見て触発されたのかも知れないと想像したりもするが、異常と言うほかはない。

　気に食わない相手に何回も無言電話をかけるような、執拗に嫌がらせの電話をすることは、これまでにもニュースになったことはある。正常な感覚では理解できないことだが、現代の社会にはこのような、人間の精神のバランスを崩してしまうような、何か病的な土壌や要素のようなものがあるのだろうか。