中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

劇症肝炎

2009-04-22 09:18:45 | 身辺雑記
 かつて同じ高校に勤めていた同僚の1人が急逝した。詳しいことはよく分からないのだが、少し前までゴルフなどして元気だったのに、鼻血が出たので診てもらったら昏睡状態になり、そのまま果敢無くなったと言う。劇症肝炎だったそうだ。享年73、私よりも2歳若い。劇症肝炎は怖い病気だということは聞いていたが、詳しいことは知らないので調べてみた。

 名前の通り非常に症状の激しい、またたく間に肝細胞が全滅する肝炎で、治療しなければ100%、治療してもおよそ70%が死に至ると言う。ほとんどの原因はウイルス性肝炎で、薬剤によってもおこるらしい。年間約1000人が発症しているそうだ。

 肝臓は再生能力と代謝機能が優れているが、劇症肝炎になると,肝細胞の破壊が急激で広範囲に進むため,再生が間に合わず正常な機能を維持できなくなる。発症までのメカニズムは未解明と言う。一般的な急性肝炎として症状が始まり。急性肝炎はある時点でピークに達した後は時間と共に軽快していくが、症状が悪化の一途をたどり、肝性脳症という意識障害と、全身の出血傾向が出てきたら、これが劇症肝炎のサインだと言う。故人が鼻血を出したり昏睡状態になったのはこのサインだったのだろう。

 発生率は高くはないとは言え、非常に恐ろしい病気だということは再認識できた。故人は発症以前にどのような症状があったのか、ウイルス性肝炎があったのかまったく不明だが、不運なことだと思う。同世代の人の訃報を聞くと、もはや老境に入ったわが身についても、やはりいろいろと考えてしまう。