私がよく行く、近隣のJR駅の構内にあるエキマルシェという駅中スーパーの一隅に喫茶室がある。ここの従業員たちは皆女性だが、ほとんどが学生で、元気がよくて接客態度もなかなか良いので気に入っている。その中の一人にYさんという娘がいたが、昨年の秋ごろから姿を見せなくなっている。聞けば3年生で、就職活動で忙しいのだそうだ。今時は4年生になってというような悠長なことではなく、3年生にもなると就活に走り回らなければならないから大変だ。
私の長男が勤めているのは、紡績機械や工作機械などの産業機械を製作している歴史の古い中堅企業で、やはり学生の就活時期になると役目上面接もするようだが、「最近の学生ときたら」と冴えない表情をする。あまりクラブ活動(特に文化系)はしないし、3年生だから専門に通じるゼミにもまだ入っていない。だからこれまで自分に役立ったことは何か程度の質問をせざるを得ないのだが、居酒屋でアルバイトをしていて人間関係の難しさが分かりましたなどという答えが返ってくる。それも理科系の女子学生だ。息子が冴えない気分になるのも分かるような気がする。息子は企業なんて言うものは理不尽なことが多いものだが、それに耐えていくことも必要で、結局は、これも理不尽な上下関係が多い体育系を採用することが多いのだと言う。情けないことだ。
滑稽だったのは、東大卒で採用した新社員が3年で辞めた話だ。息子の会社は京都にあって、「○○機械」というのだが、同じ京都に「○○製作所」という電子部品の製造と販売を行なう企業があって、「○○」はまったく同名だ。その社員が辞めた理由は、「○○機械」を「○○製作所」と間違って受験し、採用後に社内の様子から気がついたというのだから呆れてしまう。「○○製作所」のほうが知名度は高いようだが、会社案内書もあるのになぜ受験時に気がつかなかったのか、それにしても3年もたってと、長男は呆れるのを通り越して憮然としていた。この学生がその後どうしたのか、「○○製作所」に入れたのかは分からないが、いずれにしても頼りなく、使えそうにもないように思う。
だいたいそういうことが分かっているのに、なぜ3年生を就活の対象にするのかと聞いたら、やはり大企業の採用期の影響があるからだそうだ。ブログ友のSさんも書いていたが、大学生はもっと勉強しなければならない。入学してからすぐには専門のことは無理にしても、人生のこと、教養のことなど何でもいい、もっと勉強しなければならない。まして専門の過程に入ったらなおさらだ。最低、最小の単位をとればいいという姿勢ではどうにも物足りない。
(朝の散歩から)
ヤマブキ(山吹)。バラ科の植物。一重と八重とがある。黄金に例えられる黄色が美しい。
グミ。グミ科の常緑低木。これは我が家のもので、大きな実がなるが酸っぱく、渋い。