さくら・たわわにたわごと

四季折々、愛しきものたちとの日々と思いを綴ります。

寒露・蟋蟀戸に在り~紅型の袷

2023-10-20 | 着物のおけいこ
新暦の、およそ10月18日~22日ごろの今の時期は
旧暦では寒露の末候、
「蟋蟀戸に在り(きりぎりすとにあり)」
です。

蟋蟀戸に在り とは、
きりぎりすが、戸口で鳴くころ。

この「蟋蟀」とは、こおろぎか、きりぎりすか。
諸説あるようで定かではないのですが、
昔はこおろぎのことをきりぎりすと呼んでいたので、
この蟋蟀はこおろぎや鳴く虫の総称 といえそうです。

この夏最後の浴衣を着て、お友達と会おうと思っていた9月の予定は、
コロナにかかってしまったおかげで実現できず。
そのほかにも、いくつかの予定をキャンセルしたり、延期してもらったり
でした。

心残りの浴衣は、来年夏のお楽しみとして…
7月~8月の間に何回かは着られたので、よしとします~。

記事には書けずじまいでしたが、
お世話になっている先生のお宅におじゃましたり、
着物でお世話になっているおかみさんのお店での集まりがあったり、
りんが来てからはめったにしない夫との夜の外食で
(もはやイベントなみ!)
ひと駅むこうの串揚げ屋さんまで歩いて行き…
(暑かった;;)

盆踊りにも出かけました(夫と一緒に、カート付きでりんも連れて^^)
着物のお仲間さんたちと、すっぽん雑炊のランチ会、夜のお食事会も楽しみました。
数えてみると…6回くらいかな?
あら、今年はけっこう着ていました!

コロナにかかったのは、そのあと9月に入ってすぐのことでしたね。。。

仕事に復帰してからも、しばらく倦怠感と気鬱に悩まされ、
ようやく元気になった!回復した、と自覚できるようになり…

先日、
おかみさんのもとに集う着物仲間のみなさんとのおでかけに
ご一緒することができました。

暑がりの私は、体感的にはまだ単衣を着たいくらいなのですが、
どうしても今着たい着物があったので、袷のその着物を着ました。
時期的には、本来袷なので、その方が望ましいのですが
暑さでしんどくなったり、汗びっしょりになったりすることは避けたくて…
それでも、コレが着たいという気持ちが勝りました。

お稽古では着ましたが、いちどもおでかけしたことのない着物です。
袖を通すのは昨年春以来で、
母のものではないのですが、私がどうしても欲しくて買った沖縄の紅型。
アンティークなので、格安ですよ♪

 

 

 

帯留めは、輪島塗の月うさぎ。
 旧暦の十三夜の「後(のち)の月」ということで、
 いいんじゃない?
と、おかみさんが教えてくださいました。
私は、単に帯との相性で選んでいたのですが^^;
その日の着物に、ストーリーやテーマがあると、なお楽しいですよね。

そういえばみなさん、10月ということで、
ハロウィンを意識した装いをされている方が多かったです。
紫と黒の入った縞(ハロウィンカラー?)の着物や
かぼちゃのイメージの帯、
コウモリの帯留めやイヤリング…
帯留めのコウモリは、銀製だったり陶器だったりそれぞれ味わいがあって個性的。
黒猫をモチーフにした、斬新な草履をはいていらしたり…

そして、白い狐の柄の帯を締めていらしたかたは
(これだけでも、私はドはまり^^;)
葛模様の着物で、半襟にも葛の柄。
帯の前面には、何やら歌文字が。
 
 恋しくば尋ね来て見よ 和泉なる信太の森のうらみ葛の葉

この白い狐は、安倍晴明のおかあさんなのですね。

とてもお洒落!
見せていただくだけで楽しく、勉強にもなります。

この日は、新開地からすぐの喜楽館で落語の昼席で笑い、
元町に移動しておいしい懐石料理をいただきました。
めったに食べられないごちそう!
お酒を飲みたいお仲間さん数人が近い席に集まり
ビールと日本酒も少々。
こちらの会は、ほとんどのかたが飲まれないのですが、
少数派のお仲間さんと、いつもお酒少々をいただくことにしています♪
(あくまで少々です^^;)

 

 

 


お食事は、海岸ビル15階にある「梅の花」で。
神戸の夜景も楽しむことができました。

 

 

↑ この、最初に出された「嶺岡豆腐」がとてもおいしかった!^^
また味わう機会があるといいなあ。。。


帰りは雨に降られましたが、楽しく、おいしい1日でした。
元気であればこそ…の思いもしみじみです。
大好きなこの着物を着て、おでかけできてうれしかった。。。
そうそう、
この日落語の桂鹿えもんさんが着ていらした着物も紅型だったように思います。
地色は黄色(からし色?)でしたね。


 日常を愛し時には非日常 さくら


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芒種・梅の実黄なり~浴衣と半幅帯

2023-06-19 | 着物のおけいこ
新暦の、およそ6月16日~20日ごろの今の時期は
旧暦では芒種の末候、
「梅の実黄なり(うめのみきなり)」
です。

ひとつとばしてしまった次候は
「腐草蛍と為る(ふそうほたるとなる)」
…蛍があかりをともし、飛びかうころ 
でした。
昔の人は、腐った草が蛍に生まれ変わると信じたそうです。

梅の実黄なり とは、
梅の実が熟して色づくころ。
季節は梅雨へ。
今年は早い梅雨入りでしたね。
すでに梅雨明けしたかのような暑さの日もあって;;

6月のおけいこは、浴衣と半幅帯。
母の有松絞りの浴衣と、同じく母の半幅帯。
帯留めには、レンコンの箸置きを♪
帯留め金具はつけず、レンコンの穴に帯締めを通しています。

写真は、おうちで自分で着たときのもの。
最近、おけいこでは写真を撮りそびれていまして。。。

 

この半幅帯、通常のものよりかなり短めで、
基本通りの結び方をするには長さが足りません。
しかたがないので、苦しまぎれの片蝶々結び。

 

…でしたが、

 「あら、いい結びかたね。
  えっ?短くてこれしかできなかった??
  いい感じよ」

と、なぜかご好評をいただきました^^

おけいこでは、通常の長さの帯で、
文庫結びと割り角出しを。
しばらく日があくと、すぐ手順を忘れてしまうので、
しっかり身につけないと~

この夏も、浴衣で何度かおでかけできたらいいな♪


 長短を生かした帯の結びかた さくら


りんの健康状態に、ハラハラしたりホッとしたりの毎日です。
仕事から帰宅すると、ケージの中が大惨事;;;
ということもありました。。。
今年の初めくらいまでは何とかなっていた点滴も、
最近ではガマンしきれず体動のため途中で抜けたり漏れたりで
刺し直す必要のあることがしばしば。
おたがいにつらいことです。
どこまで、何をしてやるのがりんにとっていいことなのか。
もの言わぬ彼女の老いが進むなかで、たえず考えさせられます。

夫の出張がまたいくつか予定されており、
今週は九州、7月早々からは2週間ほど海外。
夫の仕事も、りんとの暮らしも、ぶじにクリアできますように。



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啓蟄・蟄虫戸を啓く~えんじのお召

2023-03-06 | 着物のおけいこ
新暦の、およそ3月5日~9日ごろの今の時期は
旧暦では啓蟄の初候、
「蟄虫戸を啓く(すごもりむしのとをひらく)」
です。

啓蟄とは、陽気に誘われ、土の中の虫が動きだすころのこと。
ひと雨ごとに春が進んでいくのを感じる、そんな季節ですね。

蟄虫戸を啓く とは、
冬ごもりしていた虫が、姿を現し始めるころ。
虫ばかりでなく、さまざまな生きものの、目覚めの季節です。

先日の着物のおけいこでは、母のえんじ色のお召を。
(かなり着込んでいた様子で汚れもありますが、まあこれくらいいいかと。
 私の記憶にはないのですが、母が若い頃には何度も着ていたようです)
なんの柄でしょうね、これ。

 

 

ろうけつ染めの鹿柄の帯は、手ごろなお値段で買えたもの。
鹿さんの柄を、お太鼓にうまく出すことがだいじな課題^^
これをお初で締めてみたくて、合いそうだなと選んだのがこのお召です。
もうひとつ、椿の帯留めを使ってみたかったので(これもお初♪)
帯の前面にもろうけつ染めの柄が来るべきところを、
裏の無地になるように締めました。
その方がすっきりとして、椿もきれいに映えるかな、と思ったので。
 
 

今ごろの季節限定の椿。
なんとも味わいがあって、ひとめぼれしたものですが、
ようやく登場してもらえました。

けれども、帯にはいつも以上に悪戦苦闘し、
おけいこに出かける時は惨憺たるありさまでした;;
鹿さんの柄をうまく出すとかいう以前に、
帯枕はうまく上がらないし、お太鼓はゆがむし、
たれが長くて納めるのに苦労するし、
帯留めの椿はさかさまになってしまうし。。。
よくもまあ、これだけ難関があるものです。

おまけに、
必死にがんばりすぎたせいか気分がわるくなってしまい、
着付けを何とか終えたあと、このままおけいこをお休みしようかと思ったほど。
血圧がビックリするほど上がっていました。。。

時間いっぱい安静に休んで、
まあ大丈夫でしょうと出かけました。
おけいこは、ぶじ元気に参加することができました。

先日着た水仙の柄の着物と同じような系統の色に思えますが、 ↓
水仙の方は赤紫がまさっている感じ。
今回着たお召は、それより少し赤茶っぽいように感じます。
布地の質や、柄によっても雰囲気が変わりますね。
合わせる帯や小物によって、またさらに。

 


そしてもうひとつ、
同じようなえんじ色のお召を、母は持っていました。
こんな感じの色の着物が好きだったのかな?? 
コレです(昨年の1月に、おけいこで着ました) ↓

 

かく言う私も、一見ハデに思えるこの色みが
着ていて不思議に気にならず、落ち着くのです。
母が着ていたから、というのもあるのでしょうけど。。。

洋服だと、ちょっと気後れしそうな色ですが、
着物だと少々派手な色でも、大胆な柄でも、
あまり気にならないのが不思議です。

若い頃から着物をよく着ていたのに、
帯留めを使うことはなかった(と思われる)母ですが、
まだ着物を着るようになってまもない娘の私は、
帯留めの楽しみにまで手を染めてしまって。。。

気軽に買えるものから、
ちょっとがんばれば買える、というものや、
手持ちのブローチや箸置きを使うこともあったり、
自分の身の丈に合うかたちで楽しんでいるつもりですが、
それでも、ぜいたくをさせてもらっているなあと思います。

今回はこの着物を着たいなあ、
もしくは
この帯を締めたいなあ、
から始まって、
半襟や帯揚げ、帯締めなど合わせる小物を考えるところから、
着物を着る楽しみはもう始まっています。

母がのこしてくれた着物も、
ご縁あって新たに仲間入りした着物も、
これからたくさん着て楽しみたいと思います。
すったもんだしながらでも。


 人が着た途端生き生きする着物  さくら


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雨水・土脈潤い起こる~水仙柄の着物

2023-02-22 | 着物のおけいこ
新暦の、およそ2月19日~23日ごろの今の時期は
旧暦では雨水の初候、
「土脈潤い起こる(どみゃくうるおいおこる)」
です。

雨水とは、降る雪が雨へと変わり、氷が解け出すころのこと。
この季節は昔から、農耕の準備を始める目安とされてきたそうです。

土脈潤い起こる とは、
早春の暖かな雨が降りそそぎ、大地がうるおいめざめるころ。
古くは「獺魚を祭る(かわうそうおをまつる)」
という、不思議な季節とされていたとか。

よく魚を捕える獺が、岸に並べたあと
なかなか食べようとしないのだそうです。
それが祭の供え物のように見えたことから
獺が先祖の祭をしているようだと、
この季節の名が生まれたのですって。
それでいつも思い浮かべてしまうのは、
山口のお酒「獺祭」。

暖かな雨が降るとされる季節、雨水に入りましたが
職場のある西宮のほうで、昨日は雪が降ったり止んだり。
風も強く、寒い1日でした。
今日は少し寒さも緩むそうですが。。。

今年は、雨水に入るのを待たず、
早々にお雛さまを飾りました。
今年も変わらず、仲睦まじく。

 


↓ 先日、着物のおけいこに出かける前の、家での写真です。
 母がむかし着ていた水仙の柄の着物に、紅型の帯を合わせてみました。
 最初、えんじ色&白の帯締めにしたのですが、
 孔雀?の帯留めを使いたいなと思い、それが通る帯締めに替えてみました。

 

 

 


この着物を着ている母の写真を1枚見つけました。
娘の私から見ても、若いころの母はきれいだな~と思います。
歳をとっても、可愛いひとでした。

 

母が帯留めをしているのは見たことがなく、
ひとつも持ってはいなかったように思います。
ぜいたくなものだったのかもしれません。

 
 古写真この日の母と語りたい さくら


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立春・東風凍を解く~色大島(?)

2023-02-08 | 着物のおけいこ
新暦の、およそ2月4日~8日ごろの今の時期は
旧暦では立春の初候、
「東風凍を解く(とうふうこおりをとく)」
です。

立春とは、初めて春の兆しが現れてくるころのこと。
この季節最初に吹く南寄りの強い風が、
春一番です。

東風凍を解く とは、
あたたかい春風が吹いて、川や湖の水が解け出すころ。
そして、旧暦の七十二候最初の候。
ここから新年が始まります。

まだまだ風は冷たいですが、
時折のひざしには、ほんのり春を感じるようになりました。
これからは、
風のぬくみや、歩く道々の景色に春を見つけるのが楽しみになりますね。

先日の着物のおけいこでは、
前回と同じ帯で練習しようと、この帯に合いそうな着物を選びました。
母の着物で、おけいこに通い始めたころにも何度か着たのですが、
大島?らしいです。

今回も、おけいこ後の写真は撮れなかったので、
出かける前に自分で着た、自宅での写真です。

 

大島を、母は持っていないと思っていたのですが、
白い大島やら、この一見わからない色大島やら
どちらも本当に大島でまちがいないとすれば、
典型的とはいえないタイプのものを持っていたということでしょうか。。。
母が着ている姿も、写真も見たことはないので残念です。

まあ、大島か大島でないかというのは
私にとってはそれほど重要なことではなく、
母の着物を着ているということだけで満足ですが、
自分の着ている(持っている)着物が何であるか
を知ることも勉強なので、
機会あるごとに教えていただくことにしています。

 

なぜこの帯をくり返し練習しているかというと、
母の持っている帯には、これと同じような作りの
ポイント柄のものがいくつかあって、
これをマスターしたいというのがひとつ。

もうひとつの理由は、
前回おけいこしたとき、
帯の中に入っていた白い芯がはみ出てきてしまっていたので
先生が

 「芯は外してしまってもいいかもね。
  その方が締めやすいかも。
  外して、そのあたりの帯の部分をかがり縫いしてきてあげる!」

と言われ、直してきてくださったからです。

帯の正面とお太鼓の部分に柄が来るべきポイント柄タイプのものは、
これからもしっかり練習しなくては~と思っています。
母の、同じタイプの帯たちは、
たぶん同じように芯が入って硬めのものかと思われますが…
そんなにカチカチに硬いわけでもないので、
練習を重ねれば大丈夫でしょう。きっと。
(たぶん)。。。

人に着せる「他装」では、まず長襦袢までだけをやってみましたが、
襟のぬき加減も、合わせ加減も、
紐の締め方や締める強さ加減も、何もかもが難しかった!です。
前途多難ですが。。。ぼちぼちやっていきます。

あ、そうそう、
帯揚げの色合わせもコレでいいんじゃないか♪
と思いながら出かけたら、

 「それ、絽(ろ)?」

夏のものだったようです。。。
そういえば、前にも一度同じような失敗をしたような。^^;
まあ、お仲間うちの場だし、これぐらいはご愛嬌ということで
ゆるしてもらいましょ??

 


 失敗も楽しみながら着る着物 さくら


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