
「凡人として生きるということ」 押井守著 (幻冬舎新書) 定価:760円
【この本を読んだ理由】
この本も新聞の文庫・新書の紹介欄を見ていて、タイトルに惹かれた。
【読後感】
著者は、
“1951年東京生まれ。
アニメーション・実写映画監督。”
私は著者の映画は、まだ観たことがない。
著者は、“あとがき”で、
“映画『スカイ・クロラThe Sky Crawlers』は、今の僕が若者に向けて放つメッセージである。
映画監督としては精いっぱいに本質をえぐり出し、若者たちの置かれた状況を映像に投影したつもりだ。”
と、述べている。
この映画も私はまだ観ていない。
著者が述べていることで、一、二、気になった文章を紹介すると、
“損得勘定で動く自分を責めてはいけない。
しょせん人間は、損得でしか動けないものだ。
無償の友情とか、そんな幻想に振り回されてはいけない。
そうすれば、この世界はもう少し生きやすくなる。”
“天才でない人間はどう生きるのか。
天才の身でない我々は、情熱を持ち続けることしか、この世を渡っていく術がないのだ。
金や名声を追っていけば、それが失われたときに人は堕落する。
だが、自分の美学と情熱があれば、富と名誉に煩わされることなく生きていける。”
これらの言葉の中に、自由で平凡な人生が最も幸福で刺激的だと知る、押井哲学の真髄が示されているらしい。
映画を観ないと、著者の言っていることに同感できるかどうかわからないような気がした。