「ローマから日本が見える」 塩野七生著 (集英社文庫) 定価:648円
【この本を読んだ理由】
この本のタイトル「ローマから日本が見える」に惹かれ、読み始めた。
ところが途中で、帯状疱疹を発症したので読書を中断していた。
この程、やっと読み終えた。
【読後感】
“資源も富もない、小さな都市国家ローマが地中海世界を制覇する。
そして幾度となく起こる危機を乗り越えるべく、不世出の指導者カエサルが採った帝国方式とはーーー
国家盛衰の法則を探りつつ、今日の日本を考える著者渾身の一冊。”
これがこの本の宣伝文句であり、この本に惹かれた理由である。
ローマは多神教であった。この点も多神教国日本とも共通する点だと著者は言う。
「ローマから日本が見える」というメイン・テーマは、最終章第9章に纏められていた。
そのなかで、特に印象に残った一部をピックアップしてみた。
“「五五年体制」を再評価する
いかに「経済一流、政治三流」といわれていても、政治システムがそれなりの機能を果たしていなければ、経済発展などありえない話です。
・・・当時の自民党が長期にわたって政権を掌握していたのは、・・・自民党が「人材のプール」としての機能を果たしていたからでした。”
“【特別付録】英雄たちの通信簿
「指導者に求められる資質は、次の五つである。
知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。
日本の場合なら、かならず登場してくる決断力、実行力、判断力などといったことが、ここではまったく触れられていない。
その理由は・・・。
要するに、人の上に立とうとする以上、この三つの資質は当然持ち合わせているべきことで、あらためて採り上げるまでもない。そう考えられているからです。”
2000年以上も前の古い時代のことが、現代にも通用するということに、とても驚いた。
そしてこの本の内容はとても難しかったが、何となく納得させられたような気がした。
この本を読み終えて、通信簿に示されている
「指導者に求められる五つの資質、
知力。説得力。肉体上の耐久力。自己制御の能力。持続する意志。」
で、日本の歴代の首相を評価したらどうなるのか?
著者に期待したいと思った。