11月初旬に次回の散歩がありますので、その下見に出かけました。
日本橋で銀座線に乗り換えて渋谷まで。そして京王電鉄井の頭線の、「東大駒場前」で下車します。
岡本太郎の美術館もある、東京メトロ渋谷駅から京王線乗り場に急ぐ通路です。井の頭線で東大駒場前駅下車、閑静な住宅街で瀟洒な家が点在する街並みをきょろきょろしながら、駒場公園に向かいました。
ここ、駒場公園は旧前田邸の敷地でもありました。駒場公園と表札が無かったら、立ち入って良いのかしらと、考えてしまうような門構えです。
これは、今では公園の正門です。
正門前のロータリーにもなっているエントランスの辺りに、案内板があります。
今回の下見では、こちら東門から入りました。ここは前田邸の和館が近くにあるのです。
旧前田邸の和館と、洋館です。
以前私は旧岩崎邸を訪れたことがありますが、岩崎邸は女性的な優雅さがあるように思いました。ネットによると、旧前田邸はダントツで、他に追随を許さないような印象をもった…という感想がのっていました。そう言えばこちらはがっしり男性的な様子でそんな観点で見ても面白いかと思いました。
スリッパに履き替えて階段を上りますと、居住の部屋が多くあります。マントルピースのある部屋は、鏡のついたご婦人の寝室です。
昔の貴族になった気分で静かに階下へ歩を進めました。その生活に想いを馳せると、ため息がもれてしまいますね。
この塀の向こうには、はじめに見学した和館があります。どちらも入場無料で見学出来ます。
日本近代文学館も駒場公園内にあります。ちょうど、この期間は秋の特別展が開かれています。
テーマは「芥川龍之介の書画」「川端文学のヒロインたち」です。興味を惹きそうな嬉しい気分ですが、これは本番にとって置くことにしましょう。
ここは入場料200円です。
そろそろお腹の時計がお昼を知らせます。東大教養学部がお隣です。何十年ぶりかの東大生??になって、学食に寄ってみたいと思います。銀杏(公孫樹)並木は、今ギンナンの実がぽろぽろ落ちています。臭いけれど、15,6粒拾って、リュックに入っていたビニール袋に確保しました。
歴史を感じさせる校舎…進んでみますと、土曜日ではあるけれど階段教室でまだ講義を聴いているようでした。
昔、私が大学生だった頃は国立というと、校舎の外見はあまり美しいとは言えない、ただ学生の心根というか学ぶ目的意識がはっきりして輝いているような…そんな風景でした。私立大生は洒落た雰囲気のイカした学生が多いのに、国立大生は如何にも野暮ったくて、まじめで信用性が感じられて安心感があった…(偏見? そんな中に居たからの感想です)。
私は東大には勿論関係ない、駅弁大学(大宅壮一はこれを諷して「急行の止まる駅に駅弁有り、駅弁あるところに新制大学あり」と発言したとされる。)などと揶揄された国立大の、単なる一学生でしたのですが、どことなく共通項を見つけてはひとり懐かしく思い出していました。
食堂の斜め前、面白そうな演題で公演をするようです。ちょうど教養学部掲示板の前でした。この立て看板の様子も“大学だぁ~”って感じです。興味を惹くような、ちょっとセンセーショナルで謎を含ませての面白い表現です。「ダマシ男」ですって…「モノクロハ」は何を意味するのかしら? 男と女をネガティブにしたら…と言っているのかな。
懐かしい雰囲気でした。不思議な感覚でした。 こんな風景を見ると、昔の若かったころを彷彿とさせてくれるようでした。
左写真は学生食堂のある建物。この日は土曜日で学食は2時までです。あとはお隣の建物に移って、喫茶で疲れをいやしたという訳です。
こちらは学食。全部セルフサービスでトレーを持ってショウケースの向こうの人に注文品を装ってもらって、会計のレジに進みます。お茶もお箸もレンゲも自分で整えます。「当日もここで食べよう」ということになりました。計画では前田邸の洋館前芝生で、お弁当を広げようとしていたのですが…。
東大生に交じって昼食を摂りました。若い気分になれること請け合います。私は健康を考えて血管を強くする「みちのくネバネバ丼」(¥320)を戴きました。モロヘイヤや納豆などがネバネバで、その味付けがなかなかでした。
…と書いて、食べる目的が若くない(ショボン…)ことに気づきました。ひとり笑ってしまいましたが、ネバネバを小鳥の巣に見立てて、真ん中に温泉卵を落としたネバネバ丼でした。わかる?
イタリアントマト(勿論キャンパス内です。)という喫茶店で、ブレンドコーヒーを会長にご馳走になってしまいました。会長が「これも写していいよ」って渡して下さいましたので、遠慮なく写させて戴きました。ご馳走さまでございました。
お腹を満たして、疲れを癒して次に回るところは、結構長く歩きます。
Kojimaさんは、「午後の散策は予定通りにしますか。」と会長はじめ私たちに疲れ具合などの様子を確認されながら、歩を進めます。
足や膝の調子が、以前より自信がなさそうな様子の会長も、また年なりにヘタって来た私たちもよく歩きましたが、会長は特に頑張って歩かれたように思いました。凄いと思います。
《もし私だったら…》なんて考えますと、これとて《会長の真似すら出来ないのでは?》と、会長の責任感や頑張りがあるからこそ…会が円満に続いているのだと、密かに尊敬しています。
決して先ほどのコーヒーのお礼で言っているのではありません。神様の前で嘘はつかない善人のつもりですから…念のため。
代々木八幡宮は、小高いところにあります。階段の勾配がきついように思えました。大きな立派なお宮でした。そしてここの境内には、作家平岩弓枝の生家があります。表札を確かめましたら、今もお住まいになっておられるようです。番犬が待機している様子でした。
ここから代々木上原駅まで~これもこの間に何があるでもなく、結構歩きましたが、ありました!!「古賀政男音楽博物館」です。入場料は525円。 面白そうだとItohさんの興味はカラオケに向いているご様子。自分の歌声をCDに納めることが出来るなんて…上手い人は嬉しいかも…。古賀政男音楽博物館ならではの企画かも知れません。
Itohさんは、二千和会の女性役員をうっとり痺れさせるような歌唱力で、ご自慢の?歌ごころという評判です。
左は代々木八幡宮の境内。 右の写真は音楽博物館です。
此処まで歩いてくれば、代々木上原の駅はそのすぐ近くです。