庭に種がこぼれたのか
所々に「花菱草」が。
215年前の
いわきではどんな行事を・・・・・
長谷川安道著
寛政十一年農家年中行事から。
翻訳は
私たちの「なるほど歴史塾」が現代訳しました。
一.六月一日は、
氷室(ひむろ)また俗に歯固めといって、
正月の若水に備えた時の餅を水もちにしたのを
今日の祝とする。
一.土用は、
立夏より七十五日めのことで、
寒・土用といって今月の土用は常の土用とは格別である。
持病などある人は、
寒・土用療治、灸治療が必要だ。
又この時節は
寒と土用二季は格別によいのであって、
また、寒中にあつらえておいた物はいつまで貯め置いても変わることがない。
麦をつき貯めて、何年も無事に過ごすため、貯蔵せよ。
一.稲の虫気ある時は、
村役人より触れ付けられたとおりに、村境まで行き、
虫送りしなければならない。
一.木綿、タバコの芯を止めて、
ままこの枝を油断なく取らなければいけない。
一.にんじんは、
土用の10日前に播くように。
遅れて播けば色が悪くなる。
また、大根と蕪(かぶ)の播きどきは、
土用に入ってからは、日和をみて、
村やその土地によって見定めることだ。
肥し、手入れ等の事は、
(村内の)巧者な人に聞き合わせていかにも気をつけて行うべきだ。
と今に伝わる
「歯固め」なども行われていたのですね。
氷室(氷室)とは:
宮中で、「氷室の節会」といい、氷室の氷を取り出して
臣下に賜る儀式があった。
江戸時代にも行事として残っていて、
旧臘(前年の12月)の雪水で製したかき餅または氷餅などを祝って食べた。
歯固めとは:
年の初めに歯を固めると称して、鏡餅や押アユ、
イノシシの肉などを食べる風習。
歯は齢(よわい)の意味で、
歯固めには長寿を祝う意も含まれている。
年神に供えた鏡餅をそのまま歯固めと呼ぶところがあり
これを夏季まで保存し、六月一日に食べるところもある。
虫送りとは:
作物などの害虫を除くため、
村人が大勢で松明(たいまつ)をともし、
鉦鼓を鳴らして、
村はずれまで稲虫の作り物を送り出す行事。