大國魂神社の大杉です。
先日の鍋は猪肉でした。
下記の江戸時代(219年前)には
猪肉は食べていたのでしょうか。
農家年中行事には書かれていなかったようですが。
219年前(1799年)のいわきの4月初めを書き残した、
長谷川さんの「寛政十一年 農家年中行事」
(現代訳は「なるほど歴史塾」で。)から
一.四月一日は、綿ぬきという。
今日より布子を脱ぎ、あわせを着る。
時節不相応の衣装は、女房の恥である。
まず、刈敷(かりしき)の支度は
仕事着・襦袢・夏帯・タスキ・火打巾着・フンドシ・キャハンなどは、
使う前の月に揃えておくように心掛けなければいけない。
※衣替え(ころもがえ):現代は6月1日に行うのが例である。
男は、植え物・播く物・麦の跡のこと。
天気・不天気・土の乾き・しめりなどの土の加減を
よくよく考えるべきで、中でも、生姜(しょうが)、蒟蒻(こんにゃく)、茸(つく)藷(いも)、
木綿などは、特別に念を入れなければいけない。
次に、藍(あい)の植え付け、肥料のほどこし方、
また、大豆、小豆(あずき)、大角(なた)豆(まめ)、粟、ヒエの播きつけ、瓜、
茄子(なす)、煙草(たばこ)の植え付けなどは、刈敷の前に済ませておくべきだ。
刈敷は、騎刈(のりかり)・挽刈(びきかり)・薙刈(なぐりかり)、
抱山(かかしやま)・散(さん)野(や)の入合(いりあ)野(い)の柴の刈り出し、
荷送(におくり)、間配(まくはい)散らし、朝返し、
小返しなどを気魂次第で働いた跡をめざましくなるようにすることだ。
一.七日は、
平、子鍬倉大明神のお祭りで町方の屋台で、
狂言、手踊りの出し物がある。
面白いことだが、数日の見物は、
家業の妨げになるので、心得なければならない。
一.四月八日は、
潅仏(お釈迦様の誕生日)といって、諸寺院において、法要があります。
また、処々の鎮守・うぶすなの祭礼があり、
貴賤、老若、参詣するけれど、正直者はまれである。
不正直者が参詣しても無益のことだ。
一休の狂歌に
(参拝する者の心が曲がっていては、利益はなく罰が当たります。)
又、古歌に
( 心に実の道があるならば、祈らずとも神が守ってくれます。)
(菅原道真)
天照大神のご託宣には、
正直は一旦の依怙にあらずといえども終(つい)に日月の憐れみを蒙出る。
謀計は眼前の利潤をなすといえども終(つい)に神明の罰を蒙る。
右の信託に背く故に、生霊、死霊、呪調伏、此罰、彼罰、祟り(たたり)、怨霊を取り除いても、
又、祟り(たたり)があたるのは、自分の作った罪の報いなのである。
或る書物に、
積善の家に余慶があり、
積悪の家に余霊(たたり)があると。
この心得を考え、悪事をつつしむことがたいせつだ。
一.今月のきまった行いとしては、
田畑の手入れ、これは、日月が草木国土を照らして、野菜のひきわけ、
鍬目を入れ、
厩(むまや)糞(こい)、掃溜(はきため)、毟(むしり)草(くさ)のつけ運び、
畔のふちなどまでよく刈込をして五月を待つべきだ。
4月の衣替え・農作業・行事の事を
細かく書かれ
宗教心があふれ出ていますね。