太平洋戦争末期の昭和20年7月6日、甲府が爆撃機による空襲を受け、市街地の大半が被害を受けました。 多くの建物が焼失し、大勢の方々が命を失いました。焼け出された方の中には東京からの疎開児童も含まれていました。
清運寺もその空襲ですべて焼け落ちてしまい、その中には寺の貴重な資料も含まれていました。
戦前に撮られた本堂の写真を見ると、雅楽の楽太鼓や鉦鼓などが写っており昔はここでも雅楽の演奏が盛んにおこなわれていたことがうかがわれます。雅楽をやるものにとっては貴重な楽器類、今それが残っていればどんなにありがたいことか・・などと思うこともあります。
さて、本題ですが、この7月6日には毎年正午前に防災無線を通じて甲府市長の話とそれに続く1分間の黙とうをお願いするアナウンスが流れます。それに合わせて甲府仏教会でも7月6日の正午に各寺院での統一行動が行われます。
それは甲府大空襲犠牲者に対し、心より哀悼の意を捧げ、その冥福を祈るとともに、二度と悲惨な戦争を起こしてはならないという願いと誓いを込めて行われるもので、具体的には梵鐘のある寺院は梵鐘を、それ以外の寺院は本堂内の鏧子(けいす=かね)、半鐘等を黙とうに合わせて1分間鳴らすというものです。
今日も清運寺でも正午に本堂の鏧子を鳴らしました。おそらく多くの寺院でも同じ行動がなされたことでしょう。7月6日の正午に甲府市内のあちこちの寺院で鐘の音が聞こえたらそれは甲府大空襲犠牲者を哀悼しているものです。どうか皆様も甲府大空襲の犠牲者に哀悼をささげるとともに二度と悲惨な戦争を起こさないよう願いを込めて黙とうに参加していただきたいと思います。