昨日、今日と近隣寺院のご住職のお母様の葬儀でした。
その寺院は同じ地域の組寺院ですから、うちも含め、組寺院の方々がお手伝いします。
昨日の通夜、そして今日の火葬、葬儀、初七日と無事終了しました。
最近は霊柩車というとリムジンが多く、宮型の霊柩車をみることは少なくなりました。
昔、子供のころ、道で霊柩車を見かけたら、親指を隠さないと親の死に目に会えないという話があって、学校の帰り道で霊柩車を見かけると、あわてて親指を隠した覚えがあります。
いったいどんな根拠があるのかいまだにわかりませんが、子供の間ではちょっとした都市伝説のようになっていたのを思い出します。
今日の葬儀で使われたのは、珍しく宮型の霊柩車でした。
火葬場で何台かの霊柩車を見かけましたが、どれもが黒のリムジンで、今や宮型は絶滅寸前なのかも知れません。
霊柩車と言えば、先日アカデミー賞をとった「おくりびと」、それにちなんだのかどうかはわかりませんが、光岡自動車が新型霊柩車「おくりぐるまtype2-04」を発売したそうです。
タイプ2ということですから、タイプ1も発売済みなのでしょう。
この光岡自動車は個性的な車を製造販売しているメーカーですが、まさにグットタイミングな発売です。
きっと、「おくりびと」のヒットに伴って「おくりぐるま」もヒットすることでしょう。
霊柩車という響きよりも「おくりぐるま」という呼び方の方が、優しい感じがします。
もしかして、そのうち霊柩車のことを「おくりぐるま」と呼ぶ時代が来るかも知れませんね。
<ずらっと並んだ生花など。>
<宮型の霊柩車>
私も子どもの頃は、霊柩車が通るとき親指を隠しました。懐かしい…。
そういえば火葬場そばの学校の父兄が、「朝、学校へ行くとき霊柩車を見ると、その日はラッキーデイになる」という噂が子どもたちの間にある、と話してくださいました(微妙にニュアンスが違うかも。でもだいたいそんな感じです)。
「死」の象徴的存在を、自身の「生(運命)の上昇」に転換する豊かな想像力に、感心したものです。
そういえば、朝、信号が赤になって、偶然こちらのお寺さんの前に停まりました。山門前の大看板に亡くなった方の名前以外に戒名が書かれていて、珍しいなと思ってました。
お寺の人間が亡くなった時の看板は、俗名だけでなく、戒名を書くのが一般的です。
あまりにも当たり前に思っていましたが、改めて指摘されると、普通のお宅では俗名だけですね。
霊柩車の変遷もいろいろあって、昔は桶に入れたご遺体を人が担いで運んでいた時代もありましたし、その後、リヤカーに屋根をつけたもので運び、それがやがて宮型の霊柩車と進化していったという流れがあります。
今主流となっているリムジンの霊柩車が流行り出したきっかけとしては、リムジンが芸能人の葬儀で使われていて、それをスマートでかっこいいと感じた人から次第に広まったという話を聞いたことがあります。
確かに、宮型は目立つので葬祭場の近隣の方は嫌がるかも知れませんね。
一方、やはり葬儀は豪華にしたいという方には宮型の方が好まれるようです。
また、霊柩車に関して、葬祭場の近くにお住まいの人の話では、御遺体を乗せた霊柩車が葬祭場から火葬場に出発する時、長くクラクションを鳴らして発車するという習慣が甲府近辺ではあります。
毎日その音を聞かされると、自分のご家族が亡くなった時のことを思い出すので辛くでいやだという話を聞いたことがあります。
霊柩車に対しての拒否反応もいろいろあるようですね。