先日NHkのハイビジョンで放映されたメトロポリタン歌劇場のオペラ カルメンを観た。
そこでちょっと気になったことが。
それはカルメンの歌う有名な歌の歌詞の訳(字幕)についてだ。
通常その歌詞は「セビリア城(砦)近くのなじみの酒場リーリァス パスティーア(リシャスパスティアス)でマンザニーアを飲むのよ」というような訳になるのだか、今回の字幕ではマンザニーアをシェリー酒と訳していた。
たしかにマンザニーアはシェリー酒の一種銘柄名で、何を飲んでいるかわかりやすいという利点はあるが、シェリー酒という一般名称にしてしまうとイメージが変わってきてしまう気がする。
日本人の抱くシェリー酒のイメージはちょっとおしゃれなお酒というものだろう。それに対して、この場面は地元の安酒場で地酒を飲むという情景を歌っているものだ。
だから、わざわざシェリー酒とわかりやすく訳すよりもどういう酒かわからないけれども、歌詞そのままのマンザニーアという酒を飲むんだなというところにとどめておいた方が情景が伝わるような気がする。
最近の字幕は原語に忠実にというよりもより分かりやすくということに重点を置いているからなのだろうか。
わかりやすさはいいけれども伝えるべき本質が伝わらないような感じがしてどうも気になる。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます