甲府の隠れた名店、牡丹亭満寿太。
1709年創業の和菓子の老舗です。
江戸時代は山田町(現在の中央町)にありましたが、現在は朝日町通りを南に下った丸ノ内にお店を構えています。
牡丹亭とは歌舞伎の市川団十郎家の屋号、成田屋の紋が由来だそうです。
江戸時代には甲府で行われた歌舞伎興行の際のスポンサーになったこともあるそうです。
昔からの老舗ですから、甲府のいろいろなお寺の御用達にもなっていました。
清運寺でも以前は施餓鬼のお供物に、ここの小麦饅頭を使っていましたし、もっと昔は清運寺の文字の入った落雁の型もあって、特注で落雁を作ってもらったりもしていたそうです。
満寿太の名物と言えば、酒饅頭。
お酒の麹を発酵させて作る本格派です。
麹はデリケートなため、冬の温度の低い時はなかなか発酵しないし、真夏は暑すぎて発酵がうまくいかないなど、気温に左右される大変な作業です。
ここの酒饅頭は、ほんのり発酵した麹の香りがするちょっと堅めであまずっぱい味の皮に、甘さ控えめの黒こしあんが入った素朴な味です。
和菓子というより、軽食に近いかもしれません。
とてもデリケートな和菓子なので、今では酒饅頭を作るお店も少ないですし、作っていても、発酵にイーストを使っていたりと、これだけ本格的に作れる店はあまり見かけません。
市川海老蔵さんの結婚式に、引き出物のひとつとして使ってもらったりすれば、全国的に有名になるかもしれません。
でも、温度の関係でうまく発酵出来ないときは饅頭が作れませんし、店主一人で手作りしていますから、ちょっと無理かな。
酒饅頭と押していただけると・・・
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