当日の知事との懇談項目
1 物価高騰・生活苦から県民のいのちと暮らしを守るため、物価高騰対策の思い切った拡充をはかること。
2 県賃金向上推進事業と、中小業者支援対策については予算拡充をすること。物価高騰による労働者の生活と中小企業経営の窮状に鑑み、「最低賃金時給1500円に引き上げ」と全国一律最低賃金制度の創設、中小企業支援策の充実(社会保険料の支援など)を国に強く求めること。
3 小中学校給食費無償化や奨学金返還支援の拡充など、いっそうの子育て支援策を充実させること。また、国に給食費無償化措置や大学等の学費引き下げ及び給付型奨学金の抜本的拡充を求めること。
4 防災対策について、孤立集落対策や、避難計画、避難所の改善等の地域防災計画の充実を図ること。県管理河川整備の着実な推進と、流下能力向上対策費を増やすこと。土砂災害対策の強化を図ること。国に対して、国直轄管理河川の整備計画のレベルアップと事業実施の加速を求めること。
2024年11月27日
山形県知事 吉村美栄子 様
日本共産党山形県委員会
委員長 本間 和也
日本共産党山形県議団
団 長 関 徹
石川 渉
2025年度 県政運営に関する提案・要望
日頃の県政発展のためのご精励に敬意を表します。
昨年来の電気料金の値上げ、燃料費の高騰、食料品や日用品の価格上昇に加えてコメ価格の高騰など物価高騰が家計を大きく圧迫、政府調査でも「生活が苦しい」とする世帯が過去最高水準となっています。
また、異常気象に伴う自然災害が多発するなか、県では7月に過去最大の被害となる豪雨災害に見舞われました。被災世帯・地域は苦難に見舞われ、災害への不安は県民全体に拡がっています。
こうした中で、県政が「県民の暮らし最優先」の姿勢を貫いて、そのための施策を大きく展開する事が強く求められています。
政府の来年度概算要求では、引き続き軍事費が突出して増加し8兆5千億円と、5年間で43兆円の大軍拡を強行する姿勢を示しています。
一方、最低賃金が上昇する中、その賃上げを支援する「業務改善助成金」はわずか22億円です。
衆院選で多くの野党が公約して期待が高まっている、時給1500円までの最低賃金引き上げのための実効有る施策が強く求められます。
農業では水田活用支払い交付金で、米農家の怒りを呼んでいる「5年水張りしなければ対象外」の方針を強行する方針です。
教育では、不登校・いじめ等の増加が深刻さを増しているにもかかわらず、その要因である競争主義教育を見直す姿勢は見受けられません。
児童生徒への丁寧なかかわりがますます求められているにもかかわらず、教職員定数は大幅減です。
若者と子育て世帯を苦しめる大学等の高い学費を引き下げるどころか、来春懸念される大幅な学費値上げの動きを黙視しています。
物価上昇を下回る年金の実質減額の継続は、高齢者の生活不安を一層深刻にしています。
こうした中で、県民のいのちと暮らしを守るための以下の諸施策を実施されると共に、政府に対しては県民の声を代弁する立場を貫いて、必要な事項を強く要望するよう求めます。
2025年度予算要望・提案
【物価高騰と賃金向上対策、子育て支援対策】
1.物価高騰・生活苦から県民のいのちと暮らしを守るため、物価高騰対策の思い切った拡充をはかること。
2.県賃金向上推進事業と、中小業者支援対策については予算拡充をすること。物価高騰による労働者の生活と中小企業経営の窮状に鑑み、「最低賃金時給1500円に引き上げ」と全国一律最低賃金制度の創設、中小企業支援策の充実(社会保険料の支援など)を国に強く求めること。
3.小中学校給食費無償化や奨学金返還支援の拡充など、いっそうの子育て支援策を充実させること。また、国に給食費無償化措置や大学等の学費引き下げ及び給付型奨学金の抜本的拡充を求めること。県立大学の授業料を抑えること。
4.学童保育料の利用料軽減措置を拡充すること。0から2歳の保育料無償化を推進すること。
5.大学生・短大・専門学校生、ひとり親の生活支援を継続・拡充すること。フードバンクなど市町村、民間の取り組みを支援すること。
6.電気代の引き下げを電力会社・政府に求めること。
7.LPガス利用者(家庭・事業者)の負担を軽減する対策をとること。
8.私立高等学校授業料軽減補助は、授業料助成上限額を引き上げ、入学時納付金(入学金・施設整備費)や諸経費を含んだ毎月の納付金を対象にすること。
9.「低所得世帯の冬の生活応援事業」(福祉灯油)の対象を住民税均等割のみ非課税世帯や生活保護世帯に広げ、助成額増額を継続すること。市町村に事務費を交付すること。
10.政府補正予算による介護職員及び障害福祉職員の「賃金引上げ6000円」は極めて不十分であり、政府に抜本的な引き上げを求めること。県として処遇改善に努めること。
11.保育士の配置基準の改善を国に求めること。県独自に配置基準を拡充すること。
12.学童保育の指導員の処遇改善を行うこと。児童養護施設の支援費 部活動費を始め改善・拡充を行うこと。
13.インボイス制度導入の廃止を政府に求めること。フリーランスに対する相談支援、小規模事業者への支援を強化すること。地元発注を強めること。
14.消費税の緊急減税を国に求めること。
【医療・福祉】
15.新型コロナが医療・介護・福祉の現場に引き続き人的・経済的負担を与えている現状に即して、患者・利用者の安全確保と従事者の処遇改善のための支援をおこなうこと。
16.高すぎる国民健康保険税を協会けんぽ並みに引き下げることを目指し、基金の最大限の活用を図ること。子どもの均等割りを撤廃すること。国に公費投入を求めること。
17.地域医療構想による公立・公的病院の統廃合・病床削減を中止すること。OECD加盟国でも貧弱な医師・看護師養成と配置定数の見直しと処遇改善など医療体制の抜本的な拡充を国に求めること。県として処遇改善を図り、奨学金制度を拡充すること。
18.奨学金拡充など介護・福祉などの職員養成を進め、事業所等の職員確保策を支援すること。国に対して抜本的な処遇改善を始めとする実効性の有る確保策を求めること。
19.生活保護の申請は国民の権利であることを周知し、扶養照会は行わないこと。
20.介護保険料引き下げと、低所得者を始めとする保険料・利用料軽減の拡充を図ること。事業所への支援を行って必要なサービスの確保を図ること。介護保険事業にとどまらない老人福祉の充実を図ること。国に対して介護保険の国庫負担割合を引き上げるよう求めること。
21.後期高齢者医療保険料の引き下げを行うこと。
22.霊感商法等の悪質商法に対応する取組を強化すること。高校生、若者への啓発を強めること。
23.ひきこもりとその家族への支援について、支援件数や居場所の数などの数値目標を持って抜本的拡大を図ること。事業者・ボランティア組織等を支援し、研修等人材育成、訪問支援、居場所設置、地域ネットワーク構築、家族会の組織・支援を進めること。ひきこもり自立支援センター巣立ちと保健所の相談支援を抜本的に強化すること。巣立ちの庄内支所設置を図り、当面出張相談を十分に実施すること。
24.精神障害者健康福祉手帳を高齢(65歳以上)の認知症の方に交付する自治体が全国で拡がっている。山形県も交付を進めること。
25.高次脳機能障害について職場・地域での理解を進め、2024年6月定例会で部長が答弁した精神保健福祉センターの改善点を遂行すること。
【ジェンダー】
26.困難な問題を抱える女性への支援体制構築のため女性相談員の常勤化、処遇改善を図ること。
27.「生理の貧困」を女性の人権ととらえ、公共施設や学校トイレなどに生理用品を配置すること。国へ財源も含め要望すること。
28.あらゆる分野でジェンダー平等の推進に取り組むこと。アンコンシャスバイアス解消に向けた取組、政策決定の場(管理職・審議会委員等)の女性の比率を高めること。市町村の取り組みに支援強化を行うこと。女性差別撤廃条約の選択的議定書批准、性暴力・DV被害支援の強化、セクハラ・パワハラ禁止を国に求めること。学校教育でLGBTQも含めたジェンダー平等教育計画を策定して推進すること。
29.選択的夫婦別姓の実現を政府に要望すること。パートナーシップ宣言制度は異性間のカップルも対象とすること。
【労働】
30.企業の勤務終了後、次の勤務までに一定時間以上の「休息時間」を設ける勤務間インターバルの導入促進のため、事業所の実態調査と推進を図ること。
31.女性・若者・障がい者の就労環境、ハラスメント対策など職場環境の改善を進めるため、職場環境改善アドバイザーを拡充すること。
32.障害者雇用の法定雇用率(R6~法定雇用率アップ)の周知とともに、民間企業の障害者雇用を支援すること。
【防災・減災対策の充実】
33.防災対策について、孤立集落対策や、避難計画、避難所の改善等の地域防災計画の充実を図ること。
34.生活再建支援制度の拡充を行うこと。避難所の強化と応急仮設住宅について人権を保障する基準を設けて整備を進めること。
35.県管理河川整備の着実な推進と、流下能力向上対策費を増やすこと。国に対して、国直轄管理河川の整備計画のレベルアップと事業実施の加速を求めること。
36.土砂災害の予防対強化を含め防災・減災対策の強化を図ること。
37.道路の除排雪予算を確保すること。雪による事故防止に努め、中山間地、高齢者、障がい者、ひとり親などの雪下ろしを支援すること。全ての児童・生徒の通学路の安全確保のための除雪を徹底すること。国に財政支援の拡充を求めること。
【地球温暖化・エネルギー対策】
38.政権の原発回帰方針に反対し、原子力に頼らない「卒原発」の姿勢を堅持し、引き続き国に訴えること。
39.熱中症予防の広報啓発を推進し、クーラーの電気代を補助すること。恒久的な制度(福祉灯油制度の夏版)を創設すること。
40.再エネの導入は、売電収入を中心に地域に利益がもたらされる事を目的に据え、利益分配、健康被害・災害防止、自然環境・景観配慮等で住民合意を得ることを事業者に求めること。洋上風力も住民への十分な説明を行って合意が形成されることを条件とすること。
41.地球温暖化対策を強力に進めること。徹底した省エネ・再エネの普及、プラスチックゴミの削減など循環型社会の実現を行うこと。県民運動を行うこと。
【農業】
42.家族農業・小規模農業支援を強化すること。
43.所得補償・価格保障を始め、実効ある政策で食料自給率引き上げることを国に求めること。
44.市場まかせの米政策を見直し、ゆとりある生産量と備蓄の確保、供給超過の場合には備蓄に回すなど、作り続けられる政策に転換することを政府に求めること。
45.有機農業を推進すること。減農薬を進め、農薬を極力使わない農業技術の開発研究と普及を一層進めること。販路拡大、販売方法改善・強化取り組みへの支援を強めること。
46.さくらんぼを始めとする果樹振興の上での最重要課題である人手不足対策を強化すること。
【交通】
47.国の責任でJR米坂線の災害復旧を急ぐように求めること。
48.国が公共交通に責任を持つことを強く求めること。国が線路・駅などの鉄道インフラを保有・管理し、運行はJRが行う上下分離方式など持続可能な鉄道網の維持・発展を国に求めること。
49.地域公共交通の確保とともに交通弱者対策を始めとした市町村の対策を支援すること。
50.米沢トンネルは、途中駅住民の方の意見をよく聞くとともに、防災と安定運行の観点から、「現在の板谷ルート改良案」との比較検討を行い、費用対効果を再検討すること。
【教育】
51.子どもの意見表明権をすべての施策で保障すること。
52.教員定数を充足させ教員未配置を解消し、20人学級を目指し教職員配置を拡充すること。「多人数単学級」を直ちに解消すること。
53.異常な長時間労働の是正のために、学校の業務削減を進めること。一年単位の変形労働時間制を導入しないこと。
54.受験競争の低年齢化と学校間格差をもたらし、経済力による生徒の選別につながる進学校の中高一貫校化政策を見直すこと。庄内中高一貫校ではそうした弊害の発生を抑制する対策をとること。
55.次期山形県教育大綱、第7次山形県教育振興計画(~R6 現計画)の策定に当たっては、児童・生徒のストレスを拡大し「精神的幸福度」を低下させ、不登校・いじめ等の要因ともなっている競争主義と管理主義を見直し、一人ひとりの人間的成長を教育の最大の眼目とすること。全国いっせい学力テストの中止を国に求めること。
56.児童生徒の通学手段・連絡手段の確保充実を行うこと。
57.不登校、いじめ、暴力、自殺などに対応して、教職員配置の拡充を行うこと。国のスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置を拡充し、勤務時間の拡充を図ること。市町村の教育支援センター(適応指導教室)への人員配置等への支援をおこなって、不登校等児童生徒への公的支援の拡充を進めること。県教育センターの関連する機能を拡充すること。フリースクールを始めとする民間のサービスの利用料等負担を支援すること。
58.特別支援教育において、通級指導を全小中高校での実施をめざし抜本的に拡充すること。支援員を拡充すること。発達障がいの児童・生徒の実態把握を進め、個別の教育支援計画・指導計画の策定と計画に基づく指導を拡充する事。高校での計画策定を進めること。
59.困難な生徒の受け皿となっている定時制・通信制高校について、生徒の自立支援を十分おこない得る教職員配置を図ること。スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーを配置すること。全日制から定時制・通信制への「編入」の実態について十分把握し、全日制の困難な生徒の対策も充実させること。スクールバス実施など通学の保障をおこなうこと。国・県・市町村の福祉・労働施策の活用を進めること。
60.定時制・通信制について、教職員配置定数改善など、大きく変化した実態にあった制度に改めるよう国に求めること。
61.学校ICT化に伴う、学校現場・保護者負担をなくすこと。高校生のタブレット導入に係る経費は公費負担で行うこと。
62.家庭教育は行政が家庭に介入せず、多様性と自主性を尊重すること。
【デジタル化】
63.デジタル化は業者任せにせず、県が責任をもって運用できる体制をとること。個人情報の保護を徹底すること。マイナンバーの取得の強制を行わず、監視社会づくりに用いないこと。デジタル化を理由に、人員削減を行わないこと。
【平和】
64.敵基地攻撃能力保有と先制攻撃戦略、大軍拡・負担増について、反対を表明し、政府に撤回を求めること。
65.核兵器禁止条約批准を国に求めること。
66.政府に、イスラエルの軍事行動を国際法違反と批判し、即時停戦するよう求めること。
67.侵略戦争の反省と戦争の悲惨さを将来の世代に引き継ぐ事業をおこなうこと。