20日(木)市議会本会議で請願8件の採否を問う討論がおこなわれましたが、最大会派新政クラブによる議会運営のルールを無視した横暴がありました。
議会に提出された請願は、まず4つの常任委員会のいずれかで審査されます(「委員会に審査を付託する」と言います)。
委員会では、質疑され、採否について討論されたのち、多数決で採決されます。
それから本会議に、委員会での質疑の内容と採否の結果が報告され、本会議でも質疑・討論・採決となります。
今回、産業建設常任委員会に付託された「品目横断的経営安定対策の見直しと多様な担い手の育成を求める請願」について、20日の本会議には、委員会質疑の概要とともに、「委員会では全員賛成で採択された」と報告されました。
ところが、本会議での採決直前の場面で、新政クラブの川村議員団長から、「会派として検討したいので休憩してもらいたい」などという「動議」(お願い?)が出されました。
共産党が「議会運営上休憩する必要は無い」と指摘しましたが、新政クラブ榎本議員が休憩動議を出し、議長がそれを認めたため休憩となってしまいました。
再開後、改めて共産党から「不要な休憩動議が認められたことは問題。新政クラブは謝罪すべき。できないなら議会運営委員会で是非を正してもらいたい・・」と指摘しました。
請願は採択に移りましたが、委員会で質疑し・賛成の意思表明をした新政クラブの産業建設常任委員会所属議員6人が退席してしまいました。
引き続いて、「日豪をはじめとするEPA路線を転換し、自給率の向上と食糧主権にもとづく農政を求める請願」の質疑・討論に移りましたが、またまた新政クラブの6人が退席しました。
これには、他の会派も怒り爆発、「審査を付託された委員会で賛成した議員が、本会議で退席するとは、どういうことか」「永いこと議員をやっているがこんな異常な議会は見たことがない」などなど、新政クラブの横暴を糾弾する声が収まらず、急遽、議会運営委員会が開かれることになりました。
昼休みを挟んだ議会運営委員会の後、再開し、議長から「議会運営委員会で、新政クラブから『議会を混乱させたことへのお詫び』が表明された。私の議事進行にもまずい点があったことをお詫びする」と見解が出されたため、事態は収拾され正常な運営に戻りました。
それにしても、議会進行中に、会派の勝手な都合で休憩を求め、会派内の検討をおこなうなどは、正常な感覚ではありません。
しかも前議長である榎本議員は、やりとりの中で、「委員会で審査したといっても、本会議まで一週間ある。その間に個々の議員が検討して態度を決めればいい。会派の都合も出てくる」と述べました。
委員会で議員が態度表明したことを、「その後検討した結果」とか「会派の都合」と言えば覆してもいいのだという主張は、議員・議会の責任を軽んじているのではないかと思いました。
それも、新政クラブが38議席中、26議席を占めてしまったこと、日本共産党以外の他会派もオール与党となったために、新政クラブの意向(すなわち市長の意向)が何でも通るという議会になってしまったこと、などよって生まれた驕りというものではないかと感じました。
この際の議会の様子は、
「鶴岡市議会」→「市議会録画データ」→「平成19年12月定例会」→「請願第19号 品目横断的経営安定対策の見直しと多様な担い手の育成を求める請願」(16分)、「請願第20号 日豪をはじめとするEPA路線を転換し、自給率の向上と食糧主権にもとづく農政を求める請願」(23分)で観ることが出来ます。
珍しく、議員の感情がぶつかり合う、緊迫のやりとりです。
私は、出番無く、憮然とした顔で座っていますが、一カ所ヤジを飛ばしています。それはどこでしょう?(などというのは、少々不謹慎です)