関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

たたかうハイヤー・タクシー労働者

2008年09月28日 | 活動報告

 9月29日(月)、自交総連ハイヤーセンター支部第46回定期大会に、来賓として参加、連帯の挨拶を述べてきました。

 同組合は、経営者が経営を投げ出した会社を労働者が自主再建した、株式会社ハイヤーセンターの労働組合で、ハイヤー・タクシー労働者を苦しめる悪政とたたかうことと、職場を労働者みずからの力で守ることを統一して追求するという、大変難しいたたかいに取り組んでいる組織です。

 小泉内閣以来の「構造改革」の政治の下で、ハイヤー・タクシー労働者の賃金は25年前と同水準:平均年収278万円にまで低下したと言います。「おそらく、庄内では200万円を切っているのではないか」ということです。

 日中は、通院などのお年寄りの生活と健康を支え、夜は働き盛りの世代の足となる、そんな、地域に欠かせない仕事(長時間拘束で、ストレスもたまる仕事です)に汗水流しているハイ・タク労働者をこのような状態に陥れている政治に改めて怒りが湧きます。

 
 今回の選挙は政治を変える第一歩と、悪政を変える協力共同のたたかいを心を込めて呼びかけました。


防災訓練

2008年09月14日 | 活動報告

 13日(土)夜におこなわれた、第一学区防災訓練に参加しました。

 駐車場に整列して早速開始された後、担当毎に救護、消火、炊飯などの訓練がおこなわれました。

 救護では、三角巾を使った応急手当(私は受講済み)の他に、毛布と二本の棒があればできる簡易担架に関心させられました。
  
真ん中の二人が消防職員。ご苦労様です。


この上に寝れば、落ちません。

 消火では、おなじみの水入り消火器を使った放水訓練の他、水タンクに蓄えた水を使った放水もありました。


 炊飯でつくられたおにぎりは、訓練終了後の懇親会でおいしくいただきました。

 懇親会の中では、高齢者など要援護者の救出体制の問題などについて、多くの人から心配の声を聞きました。
 共産党市議団としては何度も取り上げている課題ですが、私自身も地域の実態に即して研究しなければならないと思いました。

 日頃から訓練を重ねている消防団の皆さん、各町から参加された皆さん、消防職員の皆さん、大変ご苦労様でした。

 懇親会は大変楽しいものでありましたが、議会準備が頭を離れず、9時にはおとなしく帰宅しました。

 


地元の財産ーペレット工場視察

2008年09月12日 | 活動報告

 11日(木)、櫛引地区にあるペレット製造会社、「グリーン渡会」を視察しました。
 同社には、今春始めて見学させて頂きましたが、今議会一般質問でペレット活用について取り上げたことの報告も兼ねて、改めて常務さんと担当者の方に会って頂きました。

 同社の、庄内砂丘の黒松を原料にしたペレットは、非常に火力が高く、恐らく全国トップレベルの性能と思われます。
 黒松は、出羽庄内森林組合が県から引き取ったものを買い取るものですが、残念ながら県が払い下げ(?)る量が決まっていますので、今後の生産拡大も限界があります。

 一方、鶴岡市は、林業振興施策の一環として、同社に「杉を原料にしたペレット」の製造試験を依頼しており、その事業での同社の取り組みの進展が期待されます。

 今のところペレット製造は、余り割の良い仕事では無いようですが、春に伺った時に社長さんは、「地域の資源を活かした社会貢献と思ってやっている」とおっしゃっていました。
 また同社は、地元の鉄工会社と共同で農業用ペレットボイラーを開発、今、地元はもちろん全国から注文が殺到しているといいます。
 
 全国に発送されるペレットボイラー

 これらの事業は、地域の資源を活かして、雇用も産みだし、100%地元の会社であることから事業の成果も地域経済に還元されます。
 一つの民間企業ではありますが、地域経済振興に役立つ事業は、市としても重視する必要があります。

 もちろん、私とも共産党とも縁もゆかりも無い会社ですが、「地域のためになるなら何でもご覧下さい」と何度も会って下さるという姿勢には感服しました。
 今後のご発展を期待しています。

新開発の農業用ペレットボイラー


地域経済振興に向けて、林業と関連産業について質問

2008年09月09日 | 市政全般

 8日(月)市議会一般質問で、林業と関連産業の振興の問題について取り上げました。
 林業と住宅建築などの関連産業は、鶴岡の貴重な資源である森林を活用した産業として、地域経済振興への効果が大きい重要産業です。
 それは本来、百年というスパンで考えなければならない課題ですが、そういう視点を持ちながら、当面の策を考えました。
 質問と答弁を3分の1位に要約してご報告します。(全文は後日)

 林業は元来、「木材生産から、製材、そして木造住宅や木工品としての消費」が循環する中で成り立っている産業。そういう循環を取り戻すことをめざさなければならない。
 第一に、ペレットを始めとする木質バイオマス活用を、地球温暖化対策、林業と関連産業振興の必須課題と位置づけて、消費拡大と、それに必要な供給体制確立を市の課題として、総合的な構想も立て、目標と具体策を持って取り組んではどうか。それは、
 1、間伐等で発生し、廃棄されている端コロ、端材等を原料として買い取ることによる木材生産現場等での利益、
 2つ目に、そのことによる林業活性化
 3つ目に、ペレット製造・販売事業での経済効果、
 4つ目に、公共施設で使用することによる燃料代低減効果、
 5つ目に、こうした先進的事業による地域の活性化効果
 6つ目に、地球温暖化対策としての効果、
 7つ目に、これらの循環をつくることによって成立する森林と人間生活の循環システムが与える深く広い効果。
 地域全体のメリットを俯瞰した構想を立てるといくことが行政の役割。消費拡大も目標を立て、それと合わせて供給体制整備も目標を持って進める。

 質問の二つめは、公共施設でのペレットボイラー導入、学校改築など全ての新規施設への設置を図るとともに、既存施設更新時には入れ替えるべく検討をおこなうということ
 市では以前「検討したが、総合的な費用対効果で見送った」経過があるが、市の施策全体として総合的に考えて克服できない課題と考えているのか、検討の現状を聞きたい。
 三つめに、民間でのボイラー(ストーブ)設置へも補助制度をもうけてはどうか。
 四つ目、地場産材を使い、地元業者を使って建築する住宅への「祝い金」制度を創設してどうか
 これを、自治体が経済的なインセンティブを与えることで、地場産材・地元業者による住宅建築を増やしてやるという施策が祝い金制度。
 なお、地場産材の販売を促進していくという意味で、市外への建築にも支給することを合わせて求めたい。
 最後に高知県檮原町の例を紹介する。(省略)

農林水産部長答弁 1番目、木質バイオマスの活用は、木市の広大な森林資源を活用、さらに地球温暖化対策としても有効で、間伐材や林地残材などの未利用の木質資源をエネルギー源として活用するなど、木質バイオマスの利活用について、研究、検討を進め、有効活用を図っていきたい
 そのため、スギの間伐材等を原料としたペレットを試作、有効性等、運搬手法とコストなど検証する。このような段階であり、具体的な施策を展開するには至っていない。
 2点目の公共施設へのペレットボイラー及びペレットストーブの導入について。
 これまでも公共施設の整備の際にペレットボイラー導入の検討はしたものの採用には至っていないという経過。
 今後、木質ペレットの活用を推進していくためにも、公共施設への導入は重要なことと認識、モデル的な導入について検討したい
 2番目、「祝い金」制度の提案だが、合併前の温海町で実施していたが、近年、利用者がすくなくなり、個効果が薄いということで、昨年度限りで廃止をした。
 このような経過があるので制度を創設することは考えていない。
 なお、森林環境循環システムを構築していくには、地域材の利用の拡大を図っていくことが重要と認識、公共建築物への地域産木材の利用を積極的に進めるとともに、山林所有者に利益が還元されるよう木材の分離発注など。
 また、森林所有者、製材業者、設計事務所、工務店等により組織する「庄内の森から始まる家づくりネットワーク鶴岡・田川」で、シンポジウムや家づくりツアーの開催、農水まつりでの広報活動等、地域材を使った家づくりの推進に取り組んでいる。当地域の木材を使って首都圏で住宅を建築するためのセミナーも東京で開催する予定であり期待している。
 一般住宅での地減産材及び地元業者による建築促進は、林業及び住宅関連産業の活性化を図る上で重要な課題と認識しており、さらに利用拡大に向けて努力したい。

 最初に、祝い金制度の問題について。
 田川建設労働組合という団体が、「住宅関係融資・利子補給・補助金制度」を創設することを求めて自治体に申し入れ。
 この団体の見解は、「利子補給制度は10万、20万程度では、施主が利用しようという心理が働かない。補助金制度が消費者性向を刺激して住宅需要の喚起に繋がる(概略)」。
 長年鶴岡で住宅建築に関わる運動、不況の最中で苦闘されている方々の提言として貴重
 それから、「庄内の森から始まる家づくりネットワーク鶴岡田川」の関係者の一人も、「祝い金というのは、家を建てようという人に直接アピールして、効果があるのではないか」と期待。
 今年創設した庄内町では、大いに地域経済を刺激する大いに効果を上げているという。
 関係者の声に耳を傾けて、検討をするということでよろしいか
 市外に建築する場合について。
 庄内温海材などは、全国的にも高い評価を得ていて、関係者は県外販売に意欲。
 家づくりネットワークでも、鶴岡の木を都会に売り出すキャンペーン。
 市外への建築の場合も、そういう関係者の声に基づいて検討するということで宜しいか。

温海森林組合

部長 田川建労さんは、色んな形でご意見を聞いている。特に地元の業者を育てる活動で敬意を表している。
 住宅建設の13-18%が木材であり、そこに祝い金を出すと、全体のバランスとして適切かという判断がある。そういう点で全体の効果は別としてもなかなか難しいものがある。
 ただ、意見を聞きながら、色んな形で促進する方法は検討していきたい。

 従来の補助金とはバランスも少し違うが、林業自体が事業の7,8割を国や自治体の補助金で充当していくという構造になっているということも頭におきながら要望しておきたい。
 ペレットの件、市としての位置づけについては改めて確認した。多面的なメリットを、行政全体としてしっかり考察して計画を立てていただきたい。
 ボイラーの検討は、どのぐらいのところまで見積もりを立てたのか。

部長 ペレットも一定の木材利用、二酸化炭素吸収源も必要であり、前向きに検討していきたい。

 市として総合的な施策の中でつくっていただくことをお願いしたい。
 住宅の方について、消費者の要望に応えたものにしていくための工夫も、関係者の皆さんと協力して進めていただきたい。
 最後になるが、林業や関連産業の困難の根底には、長年に渡って外材依存で、中山間地の農業の荒廃も生んできた政治
 自治体としては、地域経済の振興にあたって「地域の資源を活かして、地域にお金を回す」ということを一番重視する必要がある。そのことを申し上げて質問を終わる。

温海杉の角材


(飲めませんでしたが)ワイン祭に参加

2008年09月07日 | 活動報告

 7日(日)、第32回ワイン祭に参加しました。

 会場は、湯殿山スキー場のなだらかなゲレンデに並べられたテーブル席から、下の方に設けられたステージを見下ろす形に配置され、周囲の山並みを見渡すすばらしいロケーションです。

 会費3千円で、私でも食べきれないほどの牛肉や野菜が配られ、会場各所に置かれた樽から、赤・白・ロゼ、やまぶどうジュースが飲み放題と、ワイン好きにはたまらないサービスです。
 
 私は、地元の共産党支部の方と一緒に会場を歩き回りましたので、沢山の方を紹介して頂くことになりましたし、旧鶴岡市内のPTAの関係者など自分の知り合いの方にも結構会いました。
 それで、挨拶と対話に大忙しで、ワインの方は味見程度に終わりましたが、朝日地域のことや、子育てのことなど、大変有意義な歓談をすることができましたので、これはこれで来た甲斐があったと言うものです。

 気になったことは、
  市役所前から会場までのバスが、一時間も早く到着したこと。
  帰りのバスのアナウンスが不正確で、出発まで30分も待たされたこと、
  雨が降った時の逃げ場が無いこと 
  などでした。


 JAや地元業者などの要員の方々のお話も聞いてみましたが、大変な毎日の仕事の中で、何日も前から準備し、設営などは前日の土曜日からと言うことで、これだけの会場での企画は大変なものだと感じました。
 朝日庁舎の市職員の方々も、年間5回ある庁舎のイベントに「交代で参加する」ということでした。

 どなたからも、朝日地域の振興を願う気持ちが伝わってきて、ご苦労を心から評価したいと思いました。

 今後益々の発展を期待します。


「子どもがやる気になる魔法の言葉」~小学校教育講演会~

2008年09月06日 | 子育て・教育

 6日(土)朝暘第一小学校の教育講演会で、県立保健医療大学の佐竹真次先生による「子どもがやる気になる魔法の言葉」という演題の講演がおこなわれました。
 私は、この企画を担当する学年PTA部副部長として、司会進行役を務めました。
 深い内容をわかりやすく、楽しくお話しされた、非常にためになる講演でした。

 先生のお話の中で、特に心に残ったところを紹介したいと思います。(あくまで個人的な感想であり、文言も違っていますし、内容の取り違いもあるかも知れませんことをご了解下さい。)

☆「十分なコミュニケーションをとる」「子どもの存在価値を無条件に認める」「心をこめて、相手に共感し、相手を受け入れる」「ソーシャルスキルの実行をほめる」など「やる気を伸ばすポイント」として6つのことをお話されましたが、
 特に、ソーシャルスキルというものについてのお話に、頷かせられました。

ソーシャルスキルとは、「社会の中で他社から受け入れられ、他所の役に立って生きていくための、基本的な対人的行動の技術。」で、以下のような内容ということでした。
  種類1 ○あいさつをする。 ○人の話を最後まで聞く。 ○発言を肯定的に受け止めたり、適切に批判したりする。 ○わからないときは質問する。 ○必要なものを要求する。 ○順番を守る。 ○約束を守る。 ○人の美点をほめる。 ○人の成功に嫉妬しない。 ○人によくしてもらったら感謝の意を表す。 ○過ちを犯したら謝罪できる。 ○返事をする。 ○自己紹介をする。
  種類2 ○自分の考えや気持ちを素直に言う。 ○人を楽しませるような話題を提供する。 ○自慢をしない。 ○常識的な指示には従う。 ○適切な拒否ができる。 ○必要な弁解をする。 ○弁解をし過ぎない。 ○必要に応じて人に援助を求める。 ○グループの仕事に協力する。 ○仲間と適切に遊ぶ。 ○仲間を励ます。
  種類3 ○仲間を弁護する。 ○仲間を誘う。 ○仲間に入れてもらう。 ○持ち物を人に分ける。 ○他人の持ち物を大切にする。 ○適切に感情を表出する。 ○過剰な情動はコントロールする。 ○弱い者を保護する。 ○権力・腕力を乱用する者に話し合いで抗議する。 ○生活のスケジュールを守る。 ○始めた勉強や仕事を区切りのよいところまで終える。 ○その他

 これがまさに、大人が子どもに教えなければならないものであり、大人も身につけていくために努力しなければならないものなんだなあと思いました。

 講演の最初と終わりで、「何をやる気にさせたいのか」として、「一番大切なことは『人生を』やる気であること」、「『人生をやる気』の子どもを育てるためには、毎日の生活の中に『癒し』と『楽しさ』と『手応え』があることが大切」とお話されました。

 参加した保護者の皆さんも大変感激したようで、いつにない数の感想文も集まりました。

 県立大学の教授と言うことで、近寄りがたいような方を想像していましたが、全く違って気さくで心配りの細やかなお話で、最後には「子どもたちとのコミュニケーションのために練習した」という手品まで披露していただきました。

 講演の後にささやかな昼食会(校長室で弁当を食べました)を設けたのですが、そこでも、緊張する保護者に楽しい話題を提供して下さるばかりか、手品も連発して下さるなど、一同大いに感激しました。

 こういう方に出会えることは、人生の喜びの一つです。
 今後益々のご活躍に期待したいと思いました。



新鶴岡病院の役割を考える~医療観察病棟とは~

2008年09月05日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 4日(木)夜、「新しい”心の病院づくり”講演会」という学習会に参加しました。
 これは、2012年に移転新築が予定されている県立鶴岡病院の役割を考えることを目的としたもので、私は6月6日に続いて2回目の参加となります。

 今回は、特に「医療観察病棟」についての二つの講演がありました。

  「医療観察病棟の運営と現状について」 
               国立病院機構花巻病院診療部長 中嶋正人氏
  「医療観察病棟の治療と看護について」
                      〃      病院看護師長 佐藤紳一氏

  「医療観察病棟」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」に基づいて、「重大な他害行為を行ったが、精神障害のために責任を問えない(心神喪失)と判断された人で、裁判官と精神科医による審判によって、入院による専門的な医療が必要と判断された方」が入院する病棟ということです(当日配布された花巻病院の資料から)。

 日本共産党は、政府・与党がこの法案を国会に提出してきたのに対して、2002年5月に医療観察法についての「見解と提案」を発表しています。
 そこでは、「現行の処遇制度は抜本的に見直す必要がある」という見解に立ちながら以下の6つの提案をおこなっています。

 1.逮捕・捜査段階での精神鑑定と治療を充実させる
 2.「入院治療」をふくむ処遇の決定は、裁判所・医師などが関与する「審判」によっておこなう
 3.医療処分の内容と「再犯のおそれ」を適切に判定できるようにする
 4.医療・生活支援、社会復帰促進のための地域ケア体制を確立する
 5.遅れているわが国の精神保健・医療・福祉を抜本的に拡充する
 6.市民の不安を解消する措置を採る

 言い換えれば、政府・与党が成立させた医療観察法は、6つの点で問題のあるものだということです。

 そんなことを頭に置きながら講演を聴きましたが、お二方とも、医療観察病棟に入院する患者さんに最善の医療を提供するために精魂を傾けているということがヒシヒシと伝わってくるお話でした。

 参加されている方も、鶴岡病院関係者の方が多いように見受けられましたが、精神障害者の就労を支援している方、グループホームを運営している方などなど、この問題に高い関心を抱いている方々がほとんどのようで、大変熱気の感じられる学習会でした。

 私は、議会準備で余り寝てなかったところに、冷房の効かない会場であったことが災いし、何カ所か記憶が飛んでしまいました。真剣に参加していたのですがちょっとガッカリです。

 まずその分も、今後一生懸命勉強して挽回したいと思います。
                                               
 

 



 


市長提案に総括質問

2008年09月04日 | 市政全般

 4日(木)、鶴岡市議会が開会、市長提案とそれに対する総括質問がおこなわれ、日本共産党市議団は加藤太一市議が質問しました。
 要旨を紹介します。


1.経済動向をどう見るか、家計を暖める施策を
質問 4-6月GDP2.4%マイナス、4半期決算としては7年振りのマイナス。報道でも経済政策の失敗が指摘されている。景気後退を招いたのは01年からの構造改革=大企業優先で輸出頼み、労働者賃金抑制、社会保障破壊など暮らしを破壊した政策。本市でも市民生活の困難が増大している。
 GDPの58%を占める家計を暖める政策に変えることが求められている。
 市長は、今の経済局面をどう捉えているか。
 福祉施策の一層の充実や、農業、地場産業などを大事にしていくことに重点を置くべき。
 「先端生命科学」を町づくりの基本に据えようとしている。研究は大事だが、バイオベンチャーの成功は低い。成功の見通しのない先端生命科学を町づくりの基本に据えるのは見直すべき。

市長 景気は大変弱い動き。本市でも設備投資・雇用を増やす企業もあるが、多くの経営者の皆さんは大変苦労している。
 今後も、市民生活に重大な影響を及ぼす景気対策雇用対策などに対して国にも積極的に意見を言いたい。
 しかし、国際的にも日本も第3次産業に重点が変わっている。経済を発展させるには、地方の文化・特性を活かしながら、観光産業だとか、生命科学が重要。農業にも若者対策にも必要。
 私は市政の第一の重点として健康福祉対策を掲げている。例えば、モデルになるような保健対策を十数年やっている。福祉対策も他におとらない。
 地場産業でも、確かに中には商店街など、苦労しているところもあるが、山王町を中心に頑張っている。改めて問われる筋合いはない。
 同時に、全国的に共通するような問題も生じているので積極的に国に要望している。少なくともナショナルミニマムは国が基本的に責任を負ってもらわねばならない。市の独自財源投入も努力するが、その前に国の姿勢を質す。

2.福祉灯油助成急いで。
質問 灯油価格の高騰は昨年にも増して深刻であり支援は重要。
 介護施設、福祉施設でも大きな影響が出ている。県がおこなった調査で20%から、60%増えたところもある。施設にも、灯油助成をおこなうべきではないか。

市長
 確かに灯油の高騰は生活への影響が大きい。国の対策が出たので、障害者、高齢者、一人親、生活保護5200世帯に助成。今冬の価格も大変憂慮されるが、基本的には国においてやるべき。
 福祉施設への助成は、施設の報酬で賄われるべきで、現段階では考えていない。

3.農業問題は価格保証と所得補償が大切
質問
 農業と食糧問題も深刻な危機に直面している。自給率は40%。生産者米価も底が見えない落ち込み。枝豆・メロンなども下落の一途。認定農業者、大規模農家もやっていけない。現状の打開策を示さなければ、担い手の確保も耕作放棄地の解消もできず、農村コミニュティも守れない。
 農業施策の基本になるのは、生産コストに見合った価格保証制度。生産者米価が生産費を下回ったら不足払いをおこなう。それを補う所得補償。

市長
 基幹である米価の下落、産地間競争もあり、燃油高騰に起因する農業用機械や生産資材、飼料高騰で大変厳しい。特に畜産経営。こうした状況の中で認定農農業始め、集落営農組織の担い手の経営安定対策は喫緊の課題。県・農協などと十分に協力しながらやっていく。
 農産物の価格保障制度については、例えば次のような制度がある。
 一つは、水稲などの土地利用型作物に対する水田経営所得安定対策。水稲麦大豆などを対象に、生産コストに対する補填と、収入減少に対する補填を直接農家に交付することによって担い手の経営の安定化を図るもの。昨年12月に対象者の見直しがおこなわれ、H20年度の加入の拡大に結びついた。
 二つ目は、野菜、花卉の青果物価格安定対策制度。複合経営や産地化の柱となる、野菜・花卉・キンタケの平均販売価格が著しく低迷した場合、県市町村農協生産者が積み立てていた資金を補給金として生産者に交付する。農業者の経営安定と園芸の産地化に務める重要な施策。 
 水田経営安定対策は益々重要であり、22年以後も継続を要望していく。
 青果物安定対策事業も重要な制度であり、対象作物の拡大など県に要望。

4.学校耐震改修の具体化は
質問
 文科省の取り組みが遅れていたが、ようやく耐震改修に踏み出した。市では、緊急度1の学校の耐震改修は「3年」の改修期間に実施するのかどうか。改築計画との関係は。更に緊急度度2以上の学校の改修計画はどうするのか。
 学校耐震改修は、改築と合わせて市の重要事業費位置づけるべきだが、国の3年の事業では終わらない。国に対して継続を求めるべき。
市長 今年6月に、改正地震防災対策特別措置法が施行、大規模な地震で倒壊の危険が高い校舎について、本年度から22年度までの3カ年補助率が引き上げられた。
 本市では、昨年度に市内51校の耐震調査を完了した。その結果緊急度1の学校20棟は、本年度から順次補強を実施する。この度の補正予算で6棟。緊急度2以上は、1の完了に続いて対処する。
 学校施設は児童生徒が一日の大変を過ごす学習教育活動の場であり、災害時には地域住民の避難所としての役割を果たす施設であり、非常に重要。市の重要施策として位置づけていく。
 県市長会も8月に補助率かさ上げ・期間延長など国に要望書提出。
 本市議会でも同様の趣旨の意見書を検討しているということだが、市としても国に要望していく。

5.副市長2人制は必要ない
質問
 昨年3月議会で「本市と同程度の規模で副市長2人制を取っている自治体は少ない。『合併で議員や特別職を減らす』と言ったことにも反する」と指摘。人口50万人でも一人、副市長をおいていない市もある。副市長を二人置かなくても支所長の権限を増やすことなどで十分。
 合併時の首長の処遇対策ではないかとの指摘もある。副市長二人は必要ない。

市長
 政令市を除く全国765市中249市32.5%で複数。県内には無いが全国的には希ではない。人口10-20万人150市中63市42%で複数制。中山間部、海岸地域の過疎対策が重要であると認識して配置。私も十分承知している地域でも無く、抽象的なお経文句で済むものではない。具体的な集落の個々のケースに応じて責任を持って対応するために。

6.国民健康保険、高い税下げよ
質問
  19年度は限度額の引き上げと、羽黒、温海の介護分の増税。H18年度の大幅増税に引き続いて市民負担増。短期保険証は合併時の3.3倍になったが、収納率は上がっていない。基金と繰越金の財源留保額は2.7億円増で17億円超。国保滞納額は合併時より2億円増。国民皆保険の形骸化であり危惧すべき状況。
 滞納者の増加は増税を含む高負担が原因であり、国庫負担を増やせと主張すべき。基金と繰越金の活用や一般財源の投入で税引き下げを検討すべき。滞納者の生活実態を把握し、多重債務対策や各種生活支援で滞納対策をすべき。医療を必要とする世帯には資格証明書や短期証明書は発行しないこと。

市長 本市国保の一世帯当たり平均所得133万円、軽減対象世帯の割合が45.2%と半数近く。こうした国保の構造的な状況に対し、国の定率負担に加え、保険基盤安定制度。医療保険制度改革でも医療保険各制度の負担の公平化が進められた。制度の健全な積極的な措置について、6月全国市長会を通じて国保と後期高齢者医療制度について要望をおこなっており、今後とも必要な措置を強く要望。
 一般財源からは、現在でも3.5億円を繰り入れている。本市の国保加入割合は長寿医療制度導入で減少したが21370世帯(45、2%)、39744人(28.3%)。このうち、一般被保険者数が37115人26.4%。今後ともルールに従った支援措置をおこなう。
 財源保留額17億4500万円だが、旧市町村ごとにかなり状況が違う。19年度の単年度収支では、国からの特別調整交付金1億8700万円を除くと、鶴岡が黒字で他は皆赤字。市全体が一億円の赤字決算。
 H20年度から、医療保険者による特定検診などで1億円余りの新たな財源が必要。今後その増加が見込まれる。
このような状況の下で不均一課税の統一が求められている。財源留保については、医療給付費や景気の変動等に対応するために一定規模の保有が必要であり、その取り扱いは、今後とも国保運営協議会などに諮りながら十分検討していきたい。
 滞納者対策は、個々の事案に応じて、滞納原因や生活実態の把握に取り組んでいる。議員ご指摘の多重債務対策や、各種制度の適用による生活支援策についても、引き続き庁内関係部局の連携により取り組む。
 資格証明書と短期保険証の発行については、個別に審査して、特別な事情がない、故意、悪質な滞納が継続される場合は法に従って行う。税負担の公平を期す。

7.介護保険、要支援移行はサービス削減では
質問
 昨年度は、軽度者が要支援に移行させられ、介護予防や自立支援の名でサービスが縮小された。経済的に困難な人は必要な介護も我慢する事態が進んでいる。
 特養待機者は約940人、申請をしても4年、5年と待たされる。待機者解消に特養増設の具体的な計画を示すべきだ。
  昨年12月議会で高齢者交流センターを「高齢者と子育ての交流施設」として2千万円かけて改修することが決められた。「事業内容も不明瞭で、民間施設にそれだけの金をかけるのは不適当」と反対した。賛成した議員も「高齢者と子どもの交流」に期待して賛成した。当初の設置目的が伴っていない以上、見直しが必要。

市長 18年度の制度改正で新予防給付が創設された。高齢者の自立を支援するという介護保健の基本理念に沿って、心身の状態が改善する可能性がある方については、サービスの見直し、新たなサービス。
 状態が安定しない方や急速に悪化する可能性のある方、認知症の方は要支援に移行しない。
 ご提案の独自サービスの上乗せについては、こうした制度の趣旨にそって慎重に検討。


自民党の最後~政権投げ出し×2~

2008年09月02日 | 政治全般
 総理大臣がまた仕事を投げ出しました。

 一年前の安倍首相の辞任の繰り返しです。

 安倍首相は、健康上の理由ということでしたが、精神的に追い詰められた原因は、政権運営が行き詰まったことであり、今回の福田首相も同じ事です。

 昨年の参院選での大敗を始まりとして、自公政権が国民に見放されているのは、「構造改革」などと言って、アメリカいいなり・大企業のもうけの確保を図る政治を遮二無二進めてきたことにあります。

 もともと小泉純一郎首相が5年間の任期中に進めてきたことの結果ですかが(当の本人が人気者のようになってテレビに出てくるのには、呆れてしまいますが)、その路線を切り替えようという方針を持たなかった安倍・福田政権が行き詰まったのは当然の結果です。

 何でも、「公明党が言うことを聞いてくれない」ということがとどめとささやかれていますが、スネに重篤な傷を負って行き詰まった連立相手に揺さぶられて、首相が政権を投げ出してしまうなどという事態は、戦後続いて来た自民党政権もいよいよ終わりという感を強くさせます。

 多くの国民は新しい政治、新しい日本への期待に胸を膨らませる情勢ですが、
 自民党支持者の方にしてみれば、「世も末ぢゃ!」
というところでしょうか?


  

森に生きる人のお話を聞く

2008年09月01日 | 原発・自然エネルギー・環境

 今議会では、一般質問で林業と関連産業の振興、そのことを通した地域経済の振興について取り上げます。

 妻の実家が旧朝日村の大網という山合いの集落であった関係から、そういう地域の方々の暮らしと交わり始めて20年余り経ちました。 
 
 昔に比べれば暖かくなったとはいうものの、冬は2階の窓まで雪が積もり、高齢者などの外出は大変困難になります。
 旧鶴岡で「今日は結構雨が降ったな」という日には、山間部では崖崩れなどの被害が発生しています。

 医療機関も遠く、郵便局の業務縮小も始まり、「暮らしにくさ」は加速しています。

 しかしそういう地域には、人間が本来あるべき自然の中での暮らし、「そんなの関係ねえ」人のいない、心通う人間同士の交わりがあります。
 子どもたちも、素直で優しく、澄んだ瞳をしています。

 農業をつぶし、社会保障を縮小、地方交付税を削減してきた自民党の政治が、こういう暮らしを壊してきたことに憤りを禁じ得ません。

 中山間地の暮らしを支えてきた林業もこういう政治の下で破滅寸前まで痛めつけられています。
 根本的解決には国政の転換がどうしても必要です。

 しかし、国の政治が今すぐ変わらないもとで、住民の暮らしを少しでも希望の持てるもののするための施策を研究し、提案していくのが市議会議員の仕事です。

 厳しい厳しい現実の上に立って、未来を展望しながら、今、可能な施策を考える。
 林業振興についてもそういう立場で、質問を練っています。

 9月1日(月)の一般質問まで、今まで暖めてきたものを仕上げるために、林業家や森林組合など、関係者の方々と会って、お話を聞いています。

 詳しいことは、質問の後で。