4年間の任期の最後の議会、最後の一般質問で、「市幹部職員の天下り、②企業団体献金、③審議会等の民主化」の三つ、市政の民主主義に関わる問題を取り上げました。
子育て支援と教育の充実、医療・介護・福祉ー市民の暮らしの支援、この二つを中心テーマとして4年間やってきましたが、市政の民主主義の問題=民主主性に欠けるということが、その障害となっていると痛感したからです。
ちょっと感情が先走ったように思われる点は反省もしていますが、ともかく、最も重要な問題と考えました。
要旨をご報告します。
天下り禁止を
関 市の部課長が退職後に就職した市の関連団体、出資団体は11団体15人。
天下り先となる団体の自主性を阻害することが懸念されるとともに、監督業務や契約業務などにおける行政の公正な職務執行が損なわれる原因となる。
定年後の特権であることからも、市民の合意を得られない。
市の出資団体等に限らず、公共事業受注企業や退職前に管理職として在籍した部署の管轄企業なども含めて、原則禁止すべきではないか。
総務部長 給与レベルは、フルタイム勤務で概ね月額20万円前後。本市の一般的な事務・嘱託職員並のレベルであり、定年後の特権などと言われるのは心外。
合併後に定年退職した部長級・課長級の幹部職員38名の内、再就職は12名。民間企業への再就職は無い。
いずれも各団体からの要請があった上で、本人の知識や経験能力を踏まえて、役員会等の承認や、定められた手続きを経ておこなわれている。
従って、改めて再就職について特別な規制を加える必要は無いと考えている。
企業団体献金
企業・団体献金は、金の力で政治・行政を歪めるものとして、禁止を求める世論が高まっている。
H20年度に市の公共工事を受注した鶴岡市に所在する企業、130万円以上の工事で308社が、前年度に自民党の関係支部に献金している金額は、総額1400万円程、受注した企業の平均献金額は、受注していない企業に比べて約2倍。
結果として公共事業費の一部が政党・政治家に環流しているという仕組みが継続しているのではないか。
国での企業団体献金禁止規制の動きについてどう考えるか。
本市独自に、入札の総合評価でマイナス評価をするなどして、公共工事受注・業務委託契約等の企業が政治献金をおこなうことを規制すべきではないか
総務部長 市として特段の意見は持ち合わせていない。
法律上認められている行為について自治体が規制を加えることは適切ではない。
幅広い意見を集める審議会に
関 市の46の審議会・委員会の委員は、同じ団体、同じ名前の方がたくさん兼務。
より幅広い構成にしていくことが必要ではないか。
市民の意見を積極的に反映させていく手法として、委員の公募制を取り入れるべき。
総務部長 「しっかりとした団体」の代表の方々に委員を委嘱し、それぞれの団体での議論や検討を踏まえて、その代表として、審議会で意見を頂いている。
各審議会とも構成委員の分野が多岐にわたっていることに加え、それぞれの分野でも全市的な組織であるなど代表的な団体であることから、結果として、複数の審議会等で委員会等で委員をお願いすることになっている。
公募制の導入は考えていないが、市民の方々からご意見を頂く機会の創設には心がけて参りたい。
関 市の基本姿勢が問われている。
会議開催の告示、会議結果の公開などホームページに載せたらどうか。
総務部長 審議会の性質等を勘案して適正判断をしている。
資料の事前配布については、十分な検討をして頂けるよう余裕をもってするようにしたい。
関 市議団で視察した狛江市では、「市民参加と市民共同の推進に関する基本条例」を制定、各種の審議会等特別の事情のあるもの以外は公開、委員も公募委員がいる。
本市では6年前の質問に対し、「市民に対する情報の提供、公開、市のHPの活用を含む公聴活動の充実等について努力して参りたい」と答弁した。6年経った今になっても改善策は何か持っていないのか。
地域審議会以外の会議の議事録はHPには載っていない。原則として載せられないというもの以外は知らせていくということで検討されたらどうか。
総務部長 審議会の性質等を勘案して適正判断をしている。
関 本来重要な役割を果たすべき審議会が、広く市民の方の意見を拾うという開催の仕方、委員の構成になっていないということは明らか。新しい市政の中で改善させていくために、力を尽くしていく決意を表明して質問を終わる。