関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

H22年度決算に反対討論

2011年09月29日 | 市政全般

市議会9月定例会最終日、議案に対する討論・採決がおこなわれ、私はH22年度決算議案の内2件について反対討論をおこないました。
 当局提案議案は、平成22年度決算議案3件の他、平成23年度補正予算6件等26議案でしたが、採決の結果、決算議案2件は日本共産党のみの反対、その他の議案は全会一致で承認・議決されました。
 以下、討論の全文です。

 日本共産党市議団を代表して、議第75号平成22年度一般会計及び国民健康保険、後期高齢者医療保険、介護保険の3特別会計及び議第76号病院事業会計の決算の認定に反対の討論をおこないます。

 昨年度の政府予算は、一昨年の総選挙の結果を受けて、生活保護母子加算復活、高校授業料無償化、(子ども手当、戸別所得補償)など国民生活にとっては前向きな内容も含んでいましたが、基本路線において自公政治の構造改革路線を引き継ぎ、深刻な生活危機と景気低迷から脱却する道を示すことができない行き詰まったものでした。
 こうした中で、市民の暮らしと福祉を守る地方自治体の役割の発揮がいよいよ求められていましたが、H22年度の本市市政の方向性は、残念ながらその要請に応えるものとはならなかったと考えます。

 第一は、暮らしを守る施策の立ち後れと後退です。
 国保税滞納世帯は加入者の9軒に1世帯にも達し、滞納額は15億円、短期保険証は860件も発行されています。高すぎて納められない国保税は、制度の根幹を揺るがすのみならず、市民生活の重い負担となっています。             
 合併後の税率統一で、全体としては引き下げが図られたことは、市民の声の反映として評価するものですが、一部地域は引き上げとなりました。
 現状は深刻であり、収納対策の強化で解決できるようなものではまったくありません。
根本的解決のために、国に対して国庫負担金引き上げを強く求めていかなければなりません。
 増税をもたらし、被保険者から事業運営を遠ざける国保の広域化はおこなうべきではありません。
老人差別の医療制面を無批判に受け入れる後期高齢者医療特別会計決算も容認出来ないものであります。
 介護保険では、22年が第四期事業計画の中間年でしたが、特別養護老人ホーム増設数は3年間で78床に止まり、計画の上乗せはおこなわれていません。千人を超える入所待ちの方に応えていくことは、保険者の責務です。
 利用料軽減措置の拡充もおこなわれませんでしたが、誰でも必要な介護が受けられる制度に前進させていくために、市の責務は重要です。

 第二に、合併調整と行財政改革という名の、市民負担増とサービス削減が進められました。
委託業者の業務内容への市の関わりが法的に制約され、公的責任をまっとうすることが困難となります。
 さらに、経験を積んだ市職員は誰もいなくなり、業者の職員は市職員とは比べようもない労働条件で同じ仕事が求められています。市民の命と健康を守る仕事には、安定し安心して働き続けられる処遇が必要です。
 また、地場産食材の使用は、委託の前提であったハズですが、業者への要請も、あくまでお願いであって、保障の無いものであることが明らかになりました
 加えて、中央の大手業者への委託ですから、事業の利益は地域の外に流出し、地域経済にもマイナスとなりました。
 荘内病院に関しては、地方公営企業法全部適用もおこなわれました。病院経営の採算性重視が強められ、将来的な独立行政法人化にも道を開くものとして問題です。
 荘内病院が当面する看護基準引き上げのためには、医師とともに看護師の養成・確保に市があらゆる方策を尽くしていくことが求められています。

 市立保育園民営化は東部保育園で3園目となりました。地域の保育には民間も市立も不可欠であり、市は公立保育園の役割をきちんと検証し、地域の保育に責任を果たすべきです。
保育料も24年度の統一に向けて21年度に続く引き上げがおこなわれました。
 学童保育保育料は、旧町村地域で引き上げです。旧市の施設も含めて保育料軽減は切実です
小中学校の図書館司書は、正規職員から臨時職員への置き換えで22年度に全校が非正規雇用となりました。全国に誇るべき子どものための施策の後退は、もったいないという他ありません。
 羽黒中学校改築で自校調理施設が作られず、小学校も含めた外部配送が進められようとしています。
 敬老会への公費負担や老人クラブの補助削減、福祉タクシー券削減なども次々と進められました。
 市一般職職員給与の削減もおこなわれました。財政難を職員に転嫁するものであり、地域経済を冷え込ませるものともなりました。

 以上のように、合併調整と引き続く行財政改革は、民間に委ねてはならないものも民間に投げ出し、その評価もおこなわないものであり、事業の意義・内容の精査を省略した支出削減追求、民主党政権流のいわゆる事業仕分けのようなものになっているのではないかと危惧されるものです。
 特に、民間委託による事業の「効率化」とは、結局、労働者の処遇の引き下げによって経費削減を進めるだけのものになっているのではないかという疑念が深まりました。
 年度末に発生した未曾有の大震災の体験は、安心して暮らしていくことのできる地域をつくるということが、自治体施策の根本的テーマであること、暮らしを守ることが政治の最大の課題であることを、すべての関係者に警鐘を鳴らしていることに注目すべきです。

第三に、産業と雇用政策の基本方向についてです。
 先端生命科学研究所関連事業として、産業支援センターの拡張がおこなわれました。
 「バイオ産業での企業40社の創業と一千人の雇用創出」という10年前の市の説明が達成される見通しも無いままに投資が続けられています。
 その事業は産業面のみならず、「多面的観点からの戦略的振興策」などとしして、本市の命運をかけるかのような巨額プロジェクトとなっています。
 このような事業が市民の合意も無いままに際限なく進められていることは、市政の最大の問題です。
 世界最先端という研究の進展が価値あるものであることは言うまでもありませんが、本市の支援は、地場産業・中小商工業の振興と雇用拡大に結びつくものでなければならないものであり、研究の推進は国の支援でおこなわれるべきものであることを改めて指摘するものであります。

 次に森林文化都市の問題では、外国との交流事業よりも何よりも、森を守る中山間地の住民の生活を成り立たせる施策が求められます。旧町村でつくられた条件不利地への支援、暮らしを守る施策の意義を見直し発展させるべきですが、特色ある農業・林業と関連産業の振興とともに、自然エネルギーの産業化が期待されています。
これまで重ねられてきた各種の実験的事業をふまえ、22年度には再生可能エネルギー賦存量調査が実施されました。
 世界でも日本でも脱原発の大きな流れが広がりつつある今、本市の豊かな資源を活用するこの分野を花開かせる施策が求められます。

市政運営で改善された面にも触れておきます。
 行財政委員会への公募委員導入と公開の原則については、今日多くの自治体で当然の施策となっていますが長年の市政への批判に対応したものであり、選考課程もオープンになつつ、すべての審議会・委員会に拡大していくべきものと考えます。 
 子どもの医療費軽減制度が入院で中学三年生まで拡大されたことも、子育て世代の要望に応えるものです。県内他市に遅れを取ることなく、一層の伸展を図ることが望まれます。
 市長の車座トークなど、市民の生の声に触れようとする取り組みが開始されたことについても評価してきましたが、今議会に請願が寄せられた羽黒地区の学校給食の問題のように、市民と行政がぶつかりあったときにしっかりとした合意形成が追求されるのか否か、市長の姿勢の真贋が問われるところであります。
 合併の弊害に目を向けて地域庁舎への予算と権限を配分するごとは適切なものでしたが、規模が小さすぎて地域要望に応えるにはほど違いものに終わっています。
 地域審議会の権能を高めることなど、地域分権を進めるべきです。

 最後に、決算全体についてでありますが財政上の様々な指標から「決算は大変良好」なものになったと説明されましたが、それは申し上げてきたような市民サービス縮小と負担増の進行の中で生じたものでした。
 合併後10年、今から5年後にやってくる財政上の危機への対応として、H22年度市政の広範な分野で市民の痛みが広がったということであります。
 合併5年の決算は、市町村合併が国による最大の自治体リストラであり、住民に大きな負担をもたらすものであったことをいよいよ明白なものとしました。
 「合併してよかったと思える町づくり」などという 市民感情にそぐわない 不合理な
スローガンはやめて、合併の弊害を直視しつつ、徹底した市民参加の仕組みを構築することによって、市民の知恵を総結集して危機を乗り越える道を拓くことこそが今もとめられています。
 そうした方向性にはなりえていないということを指摘して、反対討論とします。

 


「高校授業料軽減措置の継続・拡充を求める意見書」を提案・議決

2011年09月29日 | 子育て・教育

9月市議会最終日、「高校授業料軽減措置の継続・拡充を求める意見書」が採択されました。

これは、私立高校の授業料軽減を拡充すべきだということを市議会の意志として政府に提出するというもので、私が文案を提案し、各会派の協議で一部修正の上合意に達したものです。
 文章は以下のようになものです。

高校授業料軽減措置の継続・拡充を求める意見書
 政府が2010年度予算において公立高校授業料無償化と私立高校生への授業料支援をおこなったことは、国民の切実な要求に応えるものであり、遅まきながら「教育の無償化」という世界の流れに沿うものとして関係者・国民に大きく歓迎されました。
 実際、2010年度の私立高校での経済的事情による退学者は、13年間を続けられている私立学校教職員組合の調査では最小人数に減少しています。
 公立高校の授業料が無償になったもとで、今後は私立高校の授業料の支援を一層進めていくことが期待されています。
 よって、本市議会としては、高校授業料軽減措置を後退させず、私立高校生への支援を拡充していくことを強く求めます。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する

私が提案した原文には、
①(公立高校授業料無償化と私立高校生への授業料支援をおこなったことは)基本的人権の保障を拡充する重要な一歩
②今、政党間の協議の中で、この制度を「見直す」動きが進められています。
  それは、折角軽減された高校生とその家族の経済的負担を従前に引き戻すものであり、さらには、一昨年の総選挙で国民が期待した最も重要な内容が反故にされるということであって、政治への信頼をも大きく損なうものです。

という内容が含まれていましたが、これは削除することになりました。

高校授業料の無償化は、政権交代に伴って実現した国民の要求の一つであり、その実現のために関係者の皆さんと長年努力してきた日本共産党としても評価し、後押ししてきたところです。
民主党政権が発足2年目にしてこれすら投げ捨てようとしている中で、提案した訳です。

21日におこなわれた協議の中では、

政友公明(保守・公明系):中沢洋議員
「現在朝鮮学校に適用していることは問題だが、願意は賛成。今、不況で生活が大変な家庭が増えている。この制度で『授業料払えず退学』という生徒が減った。高校までは義務教育にしなくてはならない。教育をきちんとしないと日本がダメになる。」
新政(自民系):岡村正博議員
「本当に困窮している家庭に支援をする見直しが必要(所得制限を設けるべきというのが自民党の主張です。)だが、この制度によって途中退学が無くなって効果はある。」

当然、三党合意に関わる会派としては、「気がすすまない」内容であった訳ですが、生徒・保護者の立場に立って一致できる点では合意しようという前向きの対応がありました。関係議員の見識に敬意を表したいと思います。

私はこの問題を取り上げてきた経過は以下の記事に掲載しています。
http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/b25c77be966f168734510b7b10cf9a5a

http://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/1b5849d7ebbf52a5c0045bcb7ed5385c

← 「ブログ村鶴岡」ランキング参加のためワンクリックのご協力をお願いします。(何のご負担も発生しませんのでご心配無く)
            


市立病院の医療を守れ~荘内病院職員労働組合定期大会~

2011年09月23日 | 医療・介護・福祉など社会保障

 9月22日(木)夜、市立荘内病院職員労働組合の定期大会に出席し、来賓として挨拶させて頂きました。

 会場となった病院講堂には、その日の勤務を終えた組合員が三々五々集合、看護師を始めとして女性の比率が高いこと、最初から最後まで真面目にきちんと参加することが医療の労働組合の特徴です。
 命と健康を守る仕事を終えて、疲労とともに充足感をも漂わせた参加者の独特の雰囲気は、医療労働組合の役員として大会準備も十年間やった私には、特に心地の良いものであり、脳内にアルファ波が発生するのがわかります。(現役時代は大会の責任者として、アドレナリンが過剰に分泌され、頻脈・血圧上昇・口渇・胃痛という状態でした・・)、

 議案書に記載された2011年度方針案は、医療を取り巻く情勢について、「医療・介護分野を取り巻く人員や労働条件は、患者や利用者へ提供するサービスの質を決定します。医療現場では人員不足と労働強化によって、年々過重労働が進んでいます。」として日本看護協会の調査結果を紹介し、「特に荘内病院は県内でも有数の高い病床稼働率であり、看護師の労務の密度も高くなっています。必然的に慢性的な人員不足・過密労働・夜勤回数増加など、労働者を取り巻く環境は一向に改善の兆しが見えません」と告発しています。
 私も同じ認識です。

 来賓挨拶の中で私は、今おこなわれている市議会9月定例会でおこなった看護師養成・確保に関する質問の内容をパネルも使って紹介しつつ、
 看護師不足の根本には民主党政権が自民党政権の医療費抑制政策を引継ぎ、看護師養成・確保の方向性を持っていないという国政上の問題があること、その転換のたたかいに奮闘することを訴えました。



 労働組合を「既得権益を守るための集団」などと決めつける論調もありますが、市立病院の労働者の生活と権利を守ることと、地域医療を守ることは一体の問題であり、荘内病院職員組合の役割は市民の利益を守る上で大変大きいものだと改めて感じました。

← 「ブログ村鶴岡」ランキング参加のためワンクリックのご協力をお願いします。(何のご負担も発生しませんのでご心配無く)
                                                   


看護師不足に市の対策を!~定員拡大、奨学金制度ナドナド質問~

2011年09月15日 | 医療・介護・福祉など社会保障


 9月12日の本会議一般質問で、看護師不足への対応と、スイミングクラブの問題について取り上げました。
 看護師問題は再三再四の質問になりますが、養成に責任を負う県に対しての働きかけの必要性については認識の前進がありました。
 市独自の取り組みについては、及び腰と言わざるを得ない答弁でした。
 こちらの問題から
要旨を報告します。一部割愛し、言い回しも修正しています。
 完全な議事録は、12月頃に市議会ホームページに掲載されます。録画は既に観ることができます。35分間です。

「日本の看護師問題」

 日本の看護師数は、100病床あたりドイツの半分、アメリカの4分の1と極めて低く抑えられてきた上に、患者の高齢化と重症化、医療の高度化の進行、さらに、入院日数の短縮政策などが加わって、看護の現場は限界を超える過密労働が強いられています。
 それは世界でも異常な医療費抑制政策によってもたらされたものであり、解決のためには社会保障切り捨ての「構造改革」、医療費抑制政策を転換することが求められています。
 昨年9月、今年3月議会でも述べましたが、市内の民間医療機関では、看護師を常時募集する状況が続いており、最近では看護師不足から病棟の一部閉鎖も発生しています。看護師不足が地域医療の後退を生んでいるということであります。
「鶴岡の看護師不足」~養成数が少なすぎる!~
 特に本県では、地域の看護師養成数が少ないという問題があります。
 県の第七次看護職員の需給見通しでは、需要に対する不足は初年度の今年2011年で934人、5年後の2015年でも449人としています。 
 
 これは行財政改革委員会に委員から提出された資料ですが、一年間の看護師養成総数は今春入学者数で440名ですが、高齢者人口当りでみると全国47都道府県で山形県が最小となっています。一番多い徳島県の3分の1にもなりません。
 しかもこの内、4割前後が県外就職になっています.
 県外から県内に就職する方もこの半分くらいいますが、いずれにしても少ないものです。
 特に酒田看学が再来年にならないと卒業生が出ませんので、20名しか卒業生がいないという超異常事態です。25年以降でもこのままでは将来に渡って看護師不足の解決の見通しが立たないと思うのであります。
あらゆる対策をとって
 当局では、民間も含めた庄内の看護師需給について、本年3月議会で「課題があると認識している」と答弁していますが、市としてこれまでの延長線上ではない、できうる限りの確保対策に取り組むべきと考えます。
 たとえば、公益大への学部新設の要請、山大への看護学科定員拡大の要請、看護学校の新規誘致、准看学校を運営する医師会への要請、市独自にできる取り組みとしては荘看の定員拡大、奨学金制度創設などさまざま考えられます。
 まず最初に求めたいのは、特に県に対して、看護師養成拡大に責任を果たすように強く働きかけるということです。
 県が直接おこなう奨学金制度の再開・拡充、庄内への県立学校の設置から、県立保健医療大学の定員拡大、今申し上げたような様々な取り組みに県が全力を上げ、財政面等の支援もおこなうことなどなどいずれも県の役割は重大であります。
 需給計画達成の責務を果たしてもらうということですけども、特に庄内としては少ない県の養成数の中で特に少なく県内の11%にとどまっている。この現状を踏まえた対策を強く求めていくべき。
地域医療体制を崩さない看護師採用を
 次に、荘内病院のH24年度の看護師採用計画についてですが、
 荘内病院は患者7人に看護師1人の看護基準の取得をめざして、来春採用の看護師を約50人と募集をおこなっています。現行の10対1から7対1に引き上げること自体は、病院が担う急性期の医療を確保充実させるために適切な方向と考えます。 

 ①同時に、採用のあり方として地域の看護師需給を考慮し地域医療供給体制を損ねないということが求められます。
 来春と再来年と庄内の新卒者が20人しかいない中で、「民間からの引き抜き」による強引な確保であってはならないと思うのでありますが当局はどうお考えでしょうか。
  ②一方、全病棟一括して取得するものとされる7対1を全510床の荘内病院で取得するには、純増で50~60名の看護師増員が必要であるのに対して、今年の応募が47名、5年間みてみますとグラフ④例年の退職者が10名程度あって、88名採用しても純増は26名となっているということですから、もとより今の病棟運用であれば来年度の基準取得は厳しい状況と拝見しました。
 一方、障害者病棟、回復期リハ病棟、精神病棟などの基準を取得する病棟は、7対1の対象から外すことができるとされていますから、一定の病棟でこれらの基準を取得して、残った病棟から7対1を取得するという選択肢がある訳であります。
 そういうことも考えながら、あくまで地域医療体制を損なわない形での7対1取得をめざすことが適切な手法ではないかと考えますがいかがでしょうか。
「看護師の需給には課題がある」
健康福祉部長
 医師、看護師の確保については、医療計画を作成する県においておこなわれているが、昨年12月に県がとりまとめた、山形県の看護職員の需給見通しでは、平成23年における県内看護職員需要数は14604人、供給数は13670人で934人の不足、充足率は93.6%となっており、これが27年では不足数は、不足数が449人、充足率は97.7%まで回復するとされています。
  しかし本年7月8日の県の22年度の速報値として、需要に対して1388人不足し、不足数は拡大傾向にあると報告され、既に需給見通しとの間で乖離が生じ始めているようです。
  また市内医療機関の内、特に病院において、一部病棟の老人保健施設への転換の動きや、福祉施設で看護師の確保がしにくい状況などもあり、やはり看護師の需給には課題があると認識。
  看護師不足の解消には、看護師の養成数を増やすこと、養成した看護師が地元に就職すること、就職した看護師が継続して就労することができるようにすること、いったん退職しても再び看護師として再就職できるようにすることなどが考えられますが、県が5月に県内68病院を対象とした実態調査では、H22年の離職者は536人、主な理由として中途退職486人では、本人の健康問題、他の分野への興味、適正能力への不安、配偶者の転勤、家族の介護といったものが挙げられている。
  県は、看護師需給見通しを達成するために、看護師養成所への助成、県ナースセンターの運営による再就業の斡旋や、再就業支援、看護技術講習会の開催、離職防止策としての病院内保育所への運営助成などの対策を講じており、就業者数は徐々に増加をしているということ。
  ただ、ナースセンターでの求職登録は村山地域が多い、ということで庄内での動きはまだ少ない
  。さらに、短時間勤務や子育て期間中の時間外勤務免除の義務化など、雇用や勤務態勢に変化が生じている。
「県の対応をみて考える」
 看護師確保は現在県において種々の施策が講じられておりますので、こうした県の看護職員確保対策や、新たに現在策定作業に入っております「山形方式看護師等生涯サポートプログラム」などの動向などを見定めながら、状況が改善されないようであれば、県に対してより実効性のある対策をご要望申し上げていかなければならないと考えている。
地域のバランスが崩れないよう配慮
荘内病院事務部長 来年度からの7対1看護体制の取得に向け、今年度の職員採用試験にあたっては、例年よりも多い人数、50名程度ですけれども採用試験案内に掲載した。
 応募者の確保に向けた具体的な取組みとして、今年度初めて、看護師募集の専門パンフレットを3,000部作成し、県内及び全国の看護学校など72校に送付した。当院看護師の教育プログラムや院外研修を始めとして、認定看護師の養成・静岡がんセンター等への長期派遣など、看護分野のスペシャリスト育成などを内容としており、当院が取組んでいる充実した教育・研修制度や手厚い看護師育成の状況等をアピールする内容となっております。また、これも初めて、県内ならびに新潟県、宮城県、福島県の看護学校・大学、24校を訪問し、採用試験への応募をお願いしてきた。
  このように、今回の募集にあたっては、県内だけにとどまらず、広く県外からの応募を働き掛けておりますし、また、従来から「地域内の医療機関に勤務している看護師への勧誘・働きかけは行わないこと」としており、この度も、その徹底を図ったところでございます。
  看護師の採用にあたりましては、職業や職場選択の自由という大原則もあり、難しい面もございますが、今後とも、地域全体の医療提供体制のバランスが崩れないよう配慮して参りたい
  次に、来年度からの7対1看護体制の取得が困難な場合の対応についてでございますが、議員からは具体的な手法として、一部の病棟を障害者病棟や回復期リハビリテーションなどに充ててはどうかというご提案でしたが、こうした病棟に対する地域的な充足具合や今後の需要見通し、新たな人的スタッフ確保の必要性、さらには収支見通しなど、様々な観点から検討すべき事項があります。
  ご提案の一部病棟の機能転換以外にも、幾つかの手法が考えられますが、いずれに致しましても、一次試験の受験者数が確定していない段階であることから、今後の検討課題とさせていただきたいと存じますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
「県に強く要請を」
関 答弁にあった、「山形方式・看護師等生涯サポートプログラム策定検討委員会」には養成の拡大は位置づけられていない。
 日本海病院の方でも看護師の大量の採用が始まっていることについても是非話をしていただきたい。市は、「地域医療のバランスが崩れないようにやっていきたい」ということですから、県も是非そういう立場に立っていただく必要がある。
 それから、荘内病院の採用のことは、地域の医療供給体制を崩さない、確保するという立場からのもの。
「地域医療を崩さない政策を」
 病院の機能分化で、急性期を荘内病院で、概ね12日ぐらいの入院をした後で、多くの方が湯田川病院か民間病院で、こちらも3ヶ月を目安にした療養。
 そして、公立病院は一般会計からの一定の投入をおこなっている。不採算医療確保、市のサービスを直接担う職員を確保していくということで、適切なものだと思っているが、そういう中で、労働条件としてはやはり公立の方が高いものを確保している。
 ですから、民間病院では看護師の取り組みについては必死の取り組みを20年来おこなって、なんとか医療を確保するということになっている。
 「職業選択の自由」というお話は当然のことだが、病院の採用政策として、既卒者をいっぱい抜かなければならないような政策は採るなということを申し上げたい。
「有効な奨学金制度創設は可能」
次に、市独自の採用の取り組みについて、一つは、奨学金制度の創設。
前に取り上げた時に、「県の奨学金制度が効果あがらなくて廃止された経過がある」というお話があったので私調べてみた。すると
 ○准看護師を対象にした月額15000円から最高で36000円決して高くない奨学金。
 ○しかし、3年間の支給で、返還義務を免除される就労期間が5年間と長いということ、
 ○そもそも目的が小さな規模の病院の採用を確保すると言うことで、200床以上の病院は対象にならないということ
 ○選考も各看護学校へ概ね3%程度の人数を割り当てるということ
 ○H10年以降、H18に廃止されるまでほぼ毎年、前年実績を下回るかやっと確保するという予算で、最後は前知事の強引な行革の中で廃止された。
 ですからこの制度の状況を見ますと、むしろ問題点を色々そこから学んで、改善をすれば有効な奨学金制度作れるんではないか。
 卒業したら「都会に一定期間行きたい」とかいうことであれば、卒業後返済開始までの「猶予期間」を設ける等も考えられる
 ちなみに、酒田市の方では学生への進路アンケートをおこない、「経済的に困窮している学生が多く、そのことが大病院を選択する動機にもなっているようだ」と分析をしている。
 本市としても、是非とも様々な必要な調査もおこなって、この奨学金制度の創設を検討されたらどうかと思う。しかも至急の課題として今年の取り組みとして検討をおこなってはどうか。
健康福祉部長 先の定例会でもお答えいたしている通り、貸与を受けた学生の卒業後の動きと事業目的が合致した成果が得られない、などによって現在県では募集が停止されている。学生のキャリアアップ指向があり進学や都市部、大病院への就職希望が出ている、それから、低所得というお話もありましたが他の就学援助制度との関連とか、様々なものがあろうかと思う。(以上の部分、前の議会の答弁の繰り返し)
 修学資金の貸し付けがどの程度この問題の解決に寄与するのかということを検証するためには、市町村レベルでは情報量も体制も難しいものがある。
 また、有効であると考えられた場合でも、既に県において制度が創設されているので、募集の再開をお願いしていくと言うことが一義的に必要なことになるのではないか。
 今後の県の検討経過に注目し、その中で、奨学金の問題も、成果と効果も検証しながら、必要であれば県に再開をお願いしていきたい。
 色々な課題が県の制度に見られたと(前の議会で答弁があったので)、私見たところそれらは克服可能なものではないかと思ったので改めて申し上げた。県に対する働きかけはもちろんですけども、市としても是非とも検討していただきたい。
次に荘看定員拡大の件、これも最前、建物を拡大しなけれがならないのでお金がかかる、教員の確保、実習先の確保、それらのことで困難という答弁であったが、大体いくらぐらいかかるのか、教員とはどんなところから想定できるのか、また研修先実習先とは日本海病院など他の医療機関でカバーできないのか、そのような具体的な検討がおこなわれたのかということを伺いたい
荘内病院事務部長 当然ながら大規模改修を進めるという方針も無い中ですので、試算はしていない。教員の確保に関しては、教員資格を持つ看護師を直接採用することは中々難しい状況にありますので、職員の中から研修して資格をとっていただくという形で教員を確保している。
研修に関しては、荘内病院の研修体制あるいは患者さんとの関係などで、これ以上受け入れは困難な状況にある。他の病院・施設で研修施設として認定していただいて、看護学生を受け入れることが可能だと言うことになればクリアできるのではないかと思っている。
 病院の定員拡大も、健康福祉部にお願いしたことも、いずれもハードルは低くない。
しかし、市として看護師がどうしても必要であり、学校に行って地域で働きたいというかたが沢山いらっしゃる訳ですから、市の事業の中でもしっかりとした位置づけで是非とも進めてもらいたい。
← 「ブログ村鶴岡」ランキング参加のためワンクリックのご協力をお願いします。(何のご負担も発生しませんのでご心配無く)
             


かけはしまつり

2011年09月05日 | 医療・介護・福祉など社会保障

9月4日、社会福祉法人やまがた虹の会の「かけはしまつり」がおこなわれました。

 入所者、家族、職員、地元住民、ボランティアの方々などなど、参加者は全部で4百名にも達していました。
 売店(焼きそば、おでん、フランクフルト、じゃがバター、あん玉、アイス等々)、遊びコーナー(輪投げ、魚釣り、黒ひげ、わたあめ等)などなど、老人保健施設かけはしの建物全体が賑やかなまつり会場です。
 
メイン会場では、「居合い抜き」「剣舞」など、玄人裸足の出し物が参加者を楽しませてくれました。

 

 
 その合間に(どちらが合間か分かりませんが)、各病棟ごとの利用者さんが、日頃リハビリとしておこなっているのであろう、十八番の歌などを披露。
 会場の手拍子に包まれて、本当に楽しそうな様子に、かけはしでの日々の喜びを少し分けてもらったような、幸せな気持ちにさせて頂きました。

 参加者の内、ボランティアさんが約80名も来てくれているというところにも、かけはしが暖かい人の輪の結び目になっていることが実感されました。
 私が昨年まで6年間PTA役員をしていた中央高校からも福祉系の高校生たちがボランティアに来て、遊びのコーナーを受け持っていました。
 
 明るくいきいきと活動している姿が光っていました。

 来春、虹の会では、29床の小規模特別養護老人ホームの開設を予定しています。
 地域密着型で、利用者・家族の願いに応える新しい事業として大きく期待されています。

 相次ぐ介護保険制度改悪の下で、介護事業を守り発展させることは容易なことではありませんが、「かけはしまつり」に集まった人の輪が、きっとこれからも力強く虹の会を支えていくであろうという思いを深くしました。
 もちろん、私も一緒にがんばります!

← 「ブログ村鶴岡」ランキング参加のためワンクリックのご協力をお願いします。(何のご負担も発生しませんのでご心配無く)