山形県は、4月20日(木)新型コロナウイルス感染症に係る危機対策本部第69回本部員会議を開催し、
5類移行後の医療提供体制、感染症法上の位置づけ変更後の感染対策の考え方等についての方針を決定しました。
5月8日以降、「新型コロナを5類として位置づける」という政府方針を受けてそのまま具体化するものとなっており、医療を確保し患者の命と健康を守るという点で多大な懸念を持ちましたし、県議会の意識にも危惧を抱きました。
1)まず入院医療については、指定医療機関・重点病院・協力病院計21病院で確保している294床を11病院104床に減らし、「コロナ患者入院経験あり」の医療機関49病院に378床、「経験無し」の7病院54床を加えて、過去最大入院数536床を確保するとしています。
しかし、「経験あり」とは、コロナ患者の「入院を受け入れた」のでは無く、入院患者からコロナが発生して対応を余儀なくされ、感染拡大抑止もできなかったケースが大半と思われます。
よって、「経験」を踏まえて受け入れるどころか、「入院中に感染が判明した患者も施設・体制の整っている、指定医療機関・重点病院に入院(転院)させてほしい」という回答が返って来るものと思われます。
「経験あり」「経験無し」の医療機関が今後入院を受け入れていく可能性がどこにあるのか、県方針では示されませんでした。
ましてや政府は、コロナ患者の入院受け入れのための病床確保(ベッドを空けておく)に対する補助金、感染拡大抑止に関わる診療報酬特例も縮小・廃止しようとしています。
既に、PCR検査費用は医療機関の持ち出しです。
「施設内療養」検証を/高齢者コロナ感染 井上氏要求/参院内閣委 (jcp.or.jp)
確実な入院に尽きる/高齢者コロナ 井上議員に参考人/参院内閣委 (jcp.or.jp)
2)そしてこの病床確保は、現在コロナの診療・検査をおこなっている医療機関を現状の457から730に増やす事が前提になっていますが、457という数字自体、3年間拡大を要請してきて到達している数字であり、「できない」医療機関には、隔離した診療・検査場所を確保できないことなどの条件があります。
そもそも、入院にも外来にも、医師・スタッフが感染することによる休診・診療制限にほとんど補償が無いというリスクについて、何も対応が示されていません。
3)医療費・検査費用は、原則自己負担になります。
5日間の投与で94000円になる薬の3割負担なら、薬代だけで約28000円になります。
モルヌピラビル「高すぎる」開業医の8割 | m3.com
高い自己負担が受診を抑制することは間違いありませんが、政府はその推計すらしようとしません。
なお、ラゲブリオ、パキロビッドという主力治療薬も制約があったり効果は重症化予防などに止まったり(それ自体は重要な効果ですが)、特例承認までされたゾコーバも「入院期間を一日程度短縮する」という「効果」に止まり、「後遺症の発生軽減」の可能性が新たに言われる程度のようであって、多くの感染者が高い治療費を出して使用するに足る薬は無いと思わざるを得ません。
4)他に、外出自粛要請の廃止、陽性者療養期間の短縮、濃厚接触者待機期間の廃止、健康観察・陽性者登録の終了、保健所への発生届停留角廃止、宿泊療養施設の終了、療養者への食料支援の終了、などなど、感染拡大抑止対策が政府方針通り廃止・縮小されますが、新型コロナウイルス対策について政府に助言する厚生労働省の専門家会合も、5類化に際して、「第8波」を超える規模の「第9波」が起きる可能性もあると提言しています。
5)感染時の症状の軽重に関わらず、重大な症状も含めて後遺症が高い確率で発生することも新型コロナの脅威です
コロナ 4人に1人後遺症/参院決算委 吉良氏、対策迫る (jcp.or.jp)
後遺症 医療につなげて/コロナ 吉良議員「病院リストを」/参院予算委 (jcp.or.jp)
後遺症 子の人生左右/コロナ感染 学校現場に周知を/参院委で吉良氏 (jcp.or.jp)
私自身も、1月3日に発症したコロナの後遺症と診断された咳症状が治まらず、議員の使命と考える街頭宣伝が3ヶ月超えてまだまともにできません。
6)政府が、「コロナは季節性インフルエンザと同等」などといくら言っても、様々な病気で抵抗力の低下した患者にとっては死をももたらし兼ねない恐ろしい感染症であり、医療機関では「コロナを外部から持ち込まないための職員への検査、患者・職員に感染者が発生した場合の検査(ほとんど病院の持ち出しとなる)、職員の日常生活での感染対策の要請、などなどこれまでの対策はまったく変えられない」(県内の民間医療機関経営幹部)と、死力を尽くした対応が続きます。
コロナ 衆院参考人質疑/5類後も医療確保を/塩川議員に太田・大曲氏 (jcp.or.jp)
最前線の治療の実践に裏付けられた専門的知見を発信されてきた埼玉医科大岡秀昭教授が1月26日の段階で指摘しておられた懸念は、まったく解消されていないように思われます。
専門医「コロナ5類移行の"開放感"が最も怖い」 | 新型コロナ、「新しい日常」への前進 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)
東京新聞は、1月26日に
「自己負担が増えれば、受診を控える人が増える可能性」と報じ、「亡くなっても自己責任というメッセージ」という識者の見方を紹介
今月だけで死者8000人…そんな中でのコロナ「5類化」で社会はどうなるのか:東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp)
今後、専門家会議が提言している、高齢者などへのワクチンの追加接種、介護や医療現場での感染対策、それにウイルスの遺伝情報の分析などの実施はもちろんですが、
日本における新型コロナの最大の教訓として、医師・看護師を始めとする医療従事者の配置基準が余りに低すぎて、新型コロナのような緊急事態に対応できなかったということを直視し、欧米並みの体制に向けた改善に踏み出すことが何よりも求められています。
7)私は、20日(金)におこなわれた県議会議会運営委員会に委員外議員として出席し、「5月8日以降の感染対策について議会として緊急に審査すべきだ」と発言しましたが、自民党・県政クラブの委員の誰からも賛同は無く、「意見として聞いておく」という議会運営委員長のまとめで終わりました。緊急対応の必要性を感じていないということです。
県議会の対応も厳しく問われています。
新型コロナ感染拡大第7波で山形県も感染者が急増、確保病床もジリジリと埋まる中、県は行動制限はせず、県民には「換気、手洗い、マスク」の徹底を呼びかけています。onegaihonbun0719.pdf (pref.yamagata.jp)
その中に、「県内の薬局やドラッグストア等において無料でPCR等検査を受けることができますので、無症状でも少しでも感染に対する不安を感じたら、積極的に無料のPCR等検査を活用してください。」とされている、無料検査が満杯になりつつあるようです。
県のHPには、121カ所が紹介されています(山形県 ワクチン検査パッケージ・対象者全員検査等定着促進事業「抗原定性検査」「PCR検査」 (yamagata-pcr.com)。以下、すべて7月31日現在の状況)が、内、鶴岡市の7カ所に状況を確認しました。(検査キットが必要だったために問い合わせたものです)
すると、市立荘内病院が一番早くて8月5日に5人分の枠があるものの、他はツルハドラッグがPCR・抗原検査とも早くて12日、ウエルシアが同日、他3つの薬局は検査キットが無いか、体制上の問題で予約枠無し、1カ所は同様の事情と思われますが、無料検査を中止していました(県のHPから外さねばなりません)。
また、検査キットは荘内病院を除く6カ所中、販売しているのは1カ所のみで、他は入荷予定立たずとのこと。
もとより、「事前確率の低い無症状の希望者に対する検査」は、社会経済活動の観点からおこなわれるもの(政府新型コロナ分科会提言2020年7月14日、日本医師会有識者会議2020年8月5日緊急提言など)であって、感染拡大抑止対策とは目的の異なるものです。
現に、鶴岡のある無料検査所では、感染者が急増した7月後半に二百人近い検査をして陽性者はゼロ。有症状者を検査する市内の外来診療で3割、4割の陽性率となっているという状況に照らしても、陽性者の早期発見・早期隔離・早期治療を進める効果は低いということが鮮明になっています。
最近はPCR検査の不足で無症状者では感度の低い抗原定性検査が多用されていることも「効果」を下げてしまっていると思われます。
社会経済活動の維持は重要ですが、今は、検査の資源(医療従事者と検査キット)を医療や高齢者施設等の従事者の頻回検査に振り向けることに注力する必要があると思います。
県も、「無料検査予約・検査キット購入」の滞りの状況について説明すると共に、無用の混乱無きよう、拡大抑止対策との区別があいまいにならない説明に留意してもらわねばなりません。
<この一週間の新規感染者数>
25月 355
26火 675
27水 851
28木 926
29金 817
30土 784
31日 729
計 5137人
※累計感染者42049人の12.2%に当たる
感染者が一週間で発生しています。
7月25日 共産党山形県議団として、県に新型コロナ感染拡大抑止に関する緊急要望をおこないました。
本県でも陽性者が急増し、連日過去最大を更新、まだ病床使用率が高くないとはいうものの、コロナ患者受け入れの有無に関わらず、既に勤務制限の職員も増えつつあります。
医師•看護師数も少ない脆弱な医療体制の中で、感染者発生数が下がらなければ、コロナ病床逼迫はもちろん、その前にコロナ以外の医療が麻痺してしまう、「緊迫した局面を迎えている」という認識のもとに、緊急6項目に絞って要請を行ったものです。
概要は、
①ワクチン接種の強力な推進
これまでより低いとはいっても一定の感染予防効果と重症予防効果が期待される。医療従事者とはピークには間に合いそうにありませんが。
②高齢者施設と保育所等の従事者への頻回検査
医療逼迫させる最大のリスクである高齢者施設と、施設内での対策が困難な保育園等幼児の施設の従事者への頻回検査を、政府対策本部も打ち出しました。十分な資金や資材が提供された訳ではありませんが、県独自でも最優先でやるべきです。
③福祉施設などの人的支援
④「効果的な換気の徹底」など「基本的な感染防止対策の徹底」のアナウンスの強力な推進。
6月に電力逼迫と熱中症対策としてのエアコンの適切な使用のアナウンスが交錯し、社会に混乱がもたらされました。そうでなくても冷房をかけながら常時換気をするという生活習慣を根付かせるのは簡単なことではありません環。
境対策とコロナ対策の統一したアナウンスを強力に推進することが必要です。冬場だって暖房つけながら換気をするという生活習慣ができなかったわけですから。
⑤保健所体制の更なる強化と、一般医療も含めた医療体制確保
過労死ラインを超える長時間残業を強いられる職員が多数発生すると言う状況は何状況は放置できませんが、保健所機能を後退させることがあってはなりません。県が打ち出した対策の中には。体制強化はありますが機能強化は見受けられません。むしろ濃厚接触者特定やリスクのある人の検査への誘導等の縮小が打ち出されています。これではまずい。
⑥医療機関、介護施設等物価高騰対策
医療機関では既に6月7月、平年比1割を超える水光熱上昇が発生しています。年年間数千万円の規模です。機能強化させるつもりならこういうことには直ちに手を打たなければなりません。
5月12日は「近代看護教育の母」と言われるフローレンス・ナイチンゲール生誕を記念する看護の日。今年は201年目にあたると言います。
<コロナが問う日本の医療>
今、コロナ禍で日本の医療・看護のあり方が根本から問われています。
欧米諸国に比べれば少ない患者数で病床不足が広がっています。病床に配置されている医師・看護師等の医療従事者の数が、先進国で最少レベル、普段から目一杯の状況におかれていたという問題が露呈しました。
(百床あたり看護師数はドイツの半分、イギリス・アメリカの5分の1程度)
国が支出する医療・社会保障費は少ないほど良い、医療や介護は自己責任という自民党政治=新自由主義の政治がもたらしたものです。
本県でも、重症者を受け入れる県立中央病院のコロナ病床利用率は一時8割を超え、先月は日本海総合病院もそういう状況に近づきました。
コロナ病床をこれ以上増やそうとしても、医師・看護師が確保できないため、いかんともしがたいところに立ち至っています。
<「休んでる看護師が多いから大丈夫」!?>
ところが菅首相は、こうした根本問題に一切触れないどころか、東京五輪・パラリンピック組織委員会が日本看護協会に依頼している大会期間中の看護師500人派遣の問題について、「現在休まれている方(看護師)もたくさんいると聞いているのでそうしたことは可能だ」などと述べました。
70万人にのぼるとされる「休まれている方=潜在看護師」の離職理由は、結婚、出産、育児との両立困難、続いて健康の問題です。
過酷な労働条件で実に有資格者の3分の1が離職するという異常な事態を作り出していることに無反省のまま、オリパラ要員にカウントしようなどとは、看護師という職業を舐めていると言うほかありません。
<「コロナ笑笑」!?>
その首相が任命した内閣官房参与が、日本のコロナ感染状況を「さざ波」といい、「笑笑」とつけてツイートしたことを日本共産党山添拓衆議院議員が取り上げ、「首相もそういう認識だからオリパラをやろうとしているのか」と追及しました。
首相の答弁は例によって冷酷・無反省なものでした。
人の命の重みを感じない人物が国の指導者に居座っています。
<看護師を大切にする社会を>
私は医療職場20年+議員15年、多くの看護師の方々と対話してきました。直接語り合い、名前と顔がわかる人で200人以上はいるでしょうか。
「毎日やんだぐなる」ほどの過重な仕事、にも関わらず感じる大きなやりがい、健康のこと、子育てを始めとする家族のこと、そして退職の決断などなど、看護師人生を色々な角度から知りきました。(32年間一緒に暮らしている人も一人います)
看護師は、人生の「苦」の一つである病を得た人の生命と人生に寄り添い支える仕事であり、エッセンシャルワーカーという言葉でも足りない深い価値を持つ職業です。
この方々がどう処遇されているか、ゆとりを持って働き暮らせているかと言う事は、その社会で人間がどう扱われているかの分かり易い指標の一つに違いありません。
この間、NHKスペシャルを始めとして、テレビや新聞で、限界を超えるコロナ病棟の看護師の仕事が紹介されてきました。
看護師資格があれば日本中どこでも働ける中で、辞めてしまうのが当たり前と思える過酷な現場で頑張っているのは、使命感以外に無いと言う事が痛感されます。
看護師をしっかり支える社会を作っていかなければなりません。
配置基準、休日休暇、賃金などなどを先進国水準に急いで引き上げる、そういう政策の必要性を山形県の認識にすること、そしてそういう立場に立った政府を何としても作っていくこと、そのために頑張るぞと強く決意する看護の日でした。
<ナイチンゲールの言葉>
私も素人ながら、看護というものについて、当事者のお話を聞くにとどまらず、いくつか本も読んできました。
ナイチンゲールの有名な言葉にこういうのがありました。
「天使とは、美しい花をまき散らす者ではなく、苦悩する者のために戦う者である。」
優しさだけでなく、辛い仕事もおこなわねばならないという意味と聞きましたが、それだけでなく、軍や国とも戦ってみずからの看護を社会に広めたナイチンゲールの生き様を、この言葉から学ぶべきだという専門家のご意見に得心しました。
今こそ、一人でも多くの看護師が現場の声を社会に発信してくれることを願って已みません。
最後に、ナイチンゲール記章受賞者のお一人、川島みどり先生のお言葉。私なんぞが看護を語るのが恥ずかしくなりますが。
(1) Facebook
11月27日、山形県医労連の県への要請書提出と懇談に同席しました。
医労連各単組から参加した役員から、
「2交替夜勤で午後8時半に出勤し翌日午後3時まで仕事。月の半分を病院で過ごす」
「人数の少ない準夜勤は、休憩中だろうとナースコール対応。口に食べ物が入ったまま飛び出していく」等々、
鬼気迫る現場の報告に、県の担当課も真剣に聞き入りました。
県内の看護学校で定員割れが増えている事などを見ても、医療職場の労働条件改善はいよいよ待ったなしの課題であり、
看護師配置基準や診療報酬の見直しなど国の厚生労働行政改善を求める姿勢は、医労連も県も一致点が確認されたように思われました。
その後、高橋啓介県議のご案内で吉村知事とも初の懇談。
例年にも増して、意義深い行動となったようでした。
私も今年、医師・看護師不足に対する国の施策が間違っている問題、地域医療構想が患者・住民の願いに反するものとなっている問題などなど
取り上げてきましたが、医労連を始めとする関係者の皆さんと力を合わせてたたかっていく決意を新たにしました。
「実習生の報告書を黙って何度も突き返す」「成績の良い、誰が見ても真面目で優秀な学生なのに、『札付き』の厳しい医療機関での実習になって、合格点を貰えず留年」などという例もあったといいます。
「実習を受け入れてもらう」という学校と医療機関の関係の中で起こっている事ですが、学校もパワハラに対しては学生の人権を守るために毅然とした態度をとらねばなりません。人権侵害を容認してどんな理学療法士を「育てる」と言うのでしょう?
優越的地位の上に立って、学生を自死に追い詰めたこの医療機関には、自らの有り様を根本から総括するか、それができないのなら廃業を勧めたいとさえ思います。絶対に許されません。
と、この二つだけ断罪するだけではすみません。技師会など関係者の方々には、この問題を重く受け止めて、実習にみならずリハ技師養成校の在りかたを問い直す機会にされる事を強く期待します。
https://www.pt-ot-st.net/index.php/topics/detail/897
鶴岡市障害者地域自立支援協議会しごと部会の研修会「障害者と仕事」に出席。
障害者相談支援センターの方から「障害ごとの特性と関わり方」、ハローワークの方から「障害のある方の就労支援」のお話。
一般企業の関係者が10人位は出席した模様です。
障害者も健常者も共に生きる社会とは、障害者が働いて自分の能力を活かすことのできる社会であることは言うまでもありません。
それは、企業のみならず、社会のあり方全体に係わるとても大きな困難な仕事ですが、こうした地道な取り組みを積み重ねることが何よりも大事です。
県は今年度、バリアフリー推進員の養成事業に着手、農業での仕事の開発などにも取り組んでいますが、私も、そうした啓発の事業、具体的な仕事を広げる事業などなど県に求めてきました。
厳しい福祉の仕事の中で、企画し、準備された関係者の皆さんに心から敬意を抱きました。
今日は吉村知事に来年度予算への要望を渡して懇談しました。
私は地域医療構想の病床削減の問題と、「医療から介護へ」「施設介護から在宅介護へ」「介護は『卒業』をめざす」という国の方針の問題点を指摘しました。
知事は、「社会保障財源をどうするかという課題はあるが、親の介護のために離職して山形に戻って来て、人生を介護に追われて終えられたような方のことなど知って心を痛めている。県民の実情に寄り添って考えていきたい」と表明、促されて発言した担当課長も「在宅も施設も整備が必要」と述べました。
私は重ねて、県が今研修会などに呼んでいる介護サービス「改善」の国のモデル事業について、「サービス卒業」が36%も出たなどと宣伝されたが、要介護度が改善したのは2.7%しかおらず、要介護認定率の低下なども合わせて、本人の状態は変わらないのにサービスだけ縮小させたに過ぎないことを説明、県民の実情に沿って考えるという知事の表明を歓迎し、その方向での努力に期待すると述べました。
要介護となっても住み続けられる地域を作っていくことは県民の願いであり、国が狙う社会保障費削減のためではなく、住民のための包括ケアを目指して進んでいくように、引き続き取り組んでいきます。
この方のことは存じ上げませんが、そこに書かれている内容は、子どもに関わるすべての大人に深く問いかけるものでした。
既に判決が確定したとのこと、胸がえぐられる思いがしました。
短い文章ではありませんが、できるだけ多くの方に読んで頂きたいと心から思いました。リンクを張れば言い訳ですが、原文に勝手に青を加えて掲載させて頂きます。(田中さんのブログはこちらhttp://officerico.co.jp/blog/?p=4277です)
「懲役15年の判決は妥当だったのか?公開日:2016/08/30
皆さん、昨日の読売新聞の特集をご覧になりましたでしょうか。
稲垣信さんという記者さんの渾身の記事、2014年 川口市で起きた、17歳少年による祖父母殺害事件です。
この事件、それほどマスコミが取り上げたわけでもないので、事件そのものをあまり記憶されていないかもしれません。
しかし、弁護団により、判決が最高裁まで争われた事件なのです。
事件のあらましは、
父母は就学前に別居して離婚。
少年を引き取った母親はホストクラブに通いづめとなる。
少年は毎晩のように家に来るホストに付き合わされ、小学4年生からは学校に通わなくなった。
母親はホストクラブに通って、1カ月も家に戻らない時があった。
母親は再婚して元ホストの義父と母親と3人で静岡で暮らすこととなり、2〜3カ月間は静岡の小学校に通う。
しかし、住民票を残したまま埼玉に引っ越し小学5年生からは学校に通わない日々となる。
日雇い仕事をしていた義父は、収入がある日は3人でラブホテルに宿泊。
仕事がない日は、ラブホテルの敷地内にテントを張ったり、公園で野宿をしていた。
14歳(中学二年生)のころには、横浜スタジアム周辺の公園などで生活していた。
義父に日常的に虐待を受けており、前歯が4本折れるほど殴られたこともある。
母親と義父の指示で、少年は親戚に金銭を無心させられていた。
裁判での父方の祖母の姉の証言では「約4年間で、借金して400万〜500万円を調達した」としている。
塗装会社に就職した義父は会社の寮で暮らしその後失踪。16歳の少年は代わりに働き、母親は給料の前借りを強要。
金が尽きた所で今回の事件となる。
母親は少年に、「祖父母を殺してでも金を借りて来い!」と指示。
少年は、祖父母に借金の申し出をするも断られると、母親の指示通り祖父母を殺害。
夫婦を殺害したことを聞くと、少年に再度アパートに戻らせて現金8万円やキャッシュカードを奪わせた。
これらのことから、公判では裁判長が検察側証人の被害者遺族である少年の母の姉に「決してあなたを非難しているわけではないが、周囲にこれだけ大人がそろっていて誰か少年を助けられなかったのか」と問うている。
というのがこれまでに報道されていた事件のあらましでした。
そして、昨日の読売新聞によると、夫婦と少年そして、義父と母の間に生まれた妹の4人は、野宿をしている際に、何度も職務質問をされており、
なおかつ一度は、横浜市で生活保護を受給し、市内の簡易宿泊所に移ったのですが、母親が窮屈な生活を嫌がり、無断で転居。そこで生活保護が打ち切られたとのことです。
さらに、日雇いとはいえ、義父が収入を得ていたにも関わらず、何故野宿生活を強いるほど困窮していたかと言えば、母親がパチンコなどで浪費を重ねていたとのことなのです。
そして、読売の記事によれば、静岡から埼玉に移る際に、学校側は転校先を把握できないまま、1年後に静岡の学校を除籍処分。住民票も抹消されました。埼玉県では元少年の存在が確認される術がなく、また妹は出生届すら提出されませんでした。
横浜市では、住民登録はしたものの再び消息不明となってしまいます。
そして私が最大のターニングポイントだと思うのは、横浜市が保護した際に、児相での一時保護を提案したにもかかわらず、母親が「子供と一緒に暮らしたい」と希望したため、保護が実行されなかったということなのです。
この児童を保護しなかったら、一体誰を保護する必要があるのでしょうか?
住民登録もせず、学校にも行かせず、野宿暮らしを子供たちに強いる親の元に、何故、このまま養育させようと、横浜市の職員は思ったのでしょうか?
さらに、裁判で弁護団は心理的・精神的に母親の指示に逆らうことは難しかったとして、教育をしなおすために医療少年院送致を求めたにも関わらず、判決は懲役15年。に対し、母親の判決は懲役7年です。
果たして、この少年を刑務所が更生させるなどということが、可能でしょうか?
刑務所にカウンセリングや、トラウマ治療、また学習支援など、必要なケアが整っているのか?
この判決を出した裁判官、そして少年たちの更生に関わっている、全ての関係者に問いたいです。
少年は、事件を起こした時には、まだたったの17歳でした。11歳の時から、学校にも行けず、日々転々と野宿して歩き、両親に殴られ、そして母親に、「祖父母を殺してでも金を持って来い」と指示されたのです。
15歳と16歳の母親である私は、17歳がいかにまだ子供か、よく分かります。この判決は妥当だったのでしょうか?
少年は、読売新聞の記者さんに、同じような境遇の子供たちに対し、手紙でこう綴っています。「本当の思いを大事にし、流れに逆らえ」
流れに逆らえるような社会を、私たち大人は作っていると言えるのでしょうか?「助けて」という子供達の叫びが届く社会でしょうか?
今年7月の時点での、厚生労働省の全国調査で、所在不明児童は全国で25名います。出生届が出されていない児童はもちろんここに含まれていません。」
特別養護老人ホーム(特養)やショート専用施設等に短期間入所して、食事、入浴などの日常生活上の支援や機能訓練などを行うもので、介護する家族の急病や冠婚葬祭などの場合や、介護者の休養や負担軽減のために利用されるもので、在宅介護の継続に欠かせない大事なサービスです。
私も、「おじいさんの在宅介護のためにおばあさんが参ってしまった高齢者二人暮らし世帯」の危機を乗り切るなど、ショートが決定的に役立ったこといくつかの経験をしてきました。
鶴岡には16の施設があり、合計定員は268人になっています(H26年度鶴岡市「健康と福祉の概要」)。
ところで、連続利用は30日までとされていますが、1400人を超える特養入所待ちの方等が30日を超えて利用する場合があり、関係者の間では、「ロングのショート」などと言い方もされてきました。
最近ではさすがに「言葉として変」ということで、呼称は憚られているようですが、短期療養のハズのショートが長期で使われざるを得ないという介護提供体制の貧困を浮き彫りにする言葉です。
介護報酬引き下げ
それが、4月からの介護報酬改定で30日を超えた利用の報酬が削減されたことから、「30日で利用を打ち切る」か、「削減分を利用者から徴収する」かという動きになっています。
「ショートステイの本来の趣旨と違う」と言う訳ですが、特養不足をそのままにして、やむにやまれず「ロング」で使っている利用者を切り捨てる改定は本末転倒です。
史上最大の引き下げとなった今回の介護報酬改定は、サービス低下と負担増、職員の労働条件の益々の低下等々、今でも深刻な介護の現状を更に悪化させ、介護崩壊をもたらすものと批判が高まっています。
ショートも基本報酬自体が引き下げられたことから採算を取ることが困難になり、ショートそのものを止めてしまう事業所の話しも聞きました。
介護報酬引き下げの影響を県政の場で明らかにし、県としての対策を求めていきます。
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