関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

山形県のPFAS汚染

2024年12月01日 | 原発・自然エネルギー・環境

 調査報道新世紀File8 追跡“PFAS汚染” - NHKスペシャル - NHK 
 (こちらは11月29日水道水のPFAS濃度 過去4年間に14か所で目標値超える 国が調査 | NHK | 健康 )

 12月1日夜、NHKが「調査報道新世紀File8 追跡“PFAS汚染”」という番組を放映しました。
 私は昨年8月議会で山形県におけるPFAS汚染の問題を取り上げています。
 PFAS(ピーファス)とは人工的に作られた有機フッ素化合物の総称で4700種類以上あると言われますが、防水服、焦げ付かないフライパン、泡消火剤、半導体等に幅広く利用されています。一部の種類で自然界ではほとんど分解されない事から、生物の体内に蓄積しやすく、「永遠の化学物質=フォーエバーケミカル」と呼ばれています。
 問題なのはこの物質が人体に対する有害性が明らかになってきたということです。
 2022年、全米アカデミーズは、5000本以上の論文を分析して、PFASの有害性について、
  ○動脈硬化などの原因となる脂質異常症 
 ○腎臓がん
 ○抗体反応の低下(ワクチン接種による抗体ができにくい)
 ○乳児・胎児 の成長・発達への影響 
 などについて「関連性を示す十分なエビデンスがある」とし、
 ○乳がん
 ○肝機能障害
 ○妊娠高血圧症 
 ○精巣がん
 ○甲状腺疾患または機能障害
 ○潰瘍性大腸炎
などについて「限定的または示唆的なエビデンスがある」としました。

私の質問は、議会HPの会議録に以下のような要旨が載っています。

令和5年8月閉会中 厚生環境常任委員会の主な質問等 令和5年8月22日 
関委員  有機フッ素化合物(PFAS)の本県における調査状況はどうか。 
水大気環境課長 令和元年度及び2年度に国の調査が行われ、酒田市の地下水1か所で暫定基準値を超過した。この調査結果を踏まえ、本県では3年度から5年度にかけて調査を実施しているところであり、現時点において、暫定基準値を超過する箇所は確認されていない。 
関委員  PFASが高濃度で検出される要因の一つとして、泡消化剤由来のものが挙げられており、泡消化設備等の切替えが進められているが、本県における泡消化設備の処分状況はどうか。 
水大気環境課長 国の調査によると本県の消防機関、空港、自衛隊関連施設などにおいて泡消火設備等の保管実績があり、消防機関では全て処分済みであると聞いている。その他の機関においても、適切に対応が進められていると考えている。 
関委員  重大な問題であるため、県としてもしっかりと実態把握を行うべきと考えるがどうか。 
水大気環境課長 今年、国でPFASに対する総合戦略検討専門家会議が行われてきたことから、その状況も踏まえながら、今後、本県として必要な調査、対応を進めていきたい。
(議会の委員会の会議録は「要旨」に止まり、かなり省略されて、当局が載せたい事が載せたい表現で記載されるキライがあります。私は、東根に自衛隊駐屯地があり、半導体工場も県内各地に存在すること、国の規制が(この時点では)遅れているが有害性は明らかである事から、県として自主的に検査すべきと質問しているハズです。)
 
 県の検査では、国の暫定目標値50ナノグラムを超えた地点は無いとされていますが、ドイツではPFOSの基準値が20ng/ml、PFOAは10ng/ml。米国ではPFOS・PFOAの基準値が4ng/L、PFHxS・PFNA・HFPO-DA(GenX Chemicals)は10ng/L。日本の基準(PFOSとPFOAの合算で50ng/L以下)に疑問を唱える専門家は少なくないようです。
 米軍、自衛隊、大企業を守ろうという力が働いていないのか、疑念を禁じ得ません。
 安全性が明確で無いものは予防原則で調査し、可能な規制も図る、そういう姿勢を県に引き続き求めていきます。

もう少し詳しい事はブログに
https://blog.goo.ne.jp/sekitouru/e/9a395caf107c65173ae76d45cfc0823d