29日(金)5月市議会臨時会が開催されました。
今回の主要な議題は、市職員の6月期末手当等を引き下げるという当局提案の議案で、日本共産党市議団は反対しました
引き下げの根拠になった人事院の調査は、春闘で先行妥結した大企業を中心とした340社での動向のみに基づくもので、対象企業の13.5%、従業員割合で19.7%の状況を調査しただけのものです。
山形県人事委員会の調査に至っては、例年の訪問調査でなく郵便・FAXによるもので、解答したのは121事業所ですが、夏期一時金については16事業所しか答えていません。
このように根拠が不明確な中での勧告は、「公務員を叩けば受ける」などという、政府・与党の選挙目当ての政略に沿ったものでしかありません。
それは結果として、春闘の相場を冷え込ませ、民間労働者の賃金にも引き下げ圧力となります。
内需拡大による景気回復が求められている中で、消費低迷と景気悪化の悪循環を加速させるという重大な結果を招くものです。
「公務員の賃金下げろ」という声は、世間にかなり広がっていることを日頃実感していますが、私としてはちょっと賛成しかねます。
公務員賃金は、民間の相場を考慮した人事院勧告に基づいて決定されますが、以前は「従業員100人以上の企業の賃金の平均」を基準にしていたものが、現在は「従業員50人」に下げられており、「低い方に」シフトする動きが進んでいます。
鶴岡のように賃金相場が低い地域ですと、公務員賃金の位置は高い方にあがりますが、全国的に見れば「民間の平均的な水準」となっているのです。
「自分に比べて高い」と思う方がいっぱいいる訳ですが、それだけでは決められません。
議員になってから感じたことですが、市職員の仕事は全体として高度で複雑なものであり、それを遂行するために求められる能力もかなり高いものが求められていると思います。
昨年、「国保税の計算を間違えた」自治体のことがニュースになりましたが、国保税を算定する仕事一つとっても非常に難解なもので、残念ながら私などにはちょっとできそうにありません。
妊娠から出産、育児まで、専門的能力を駆使して子どもと母親を支える健康課や社会児童課の仕事には、民間の「採算性」はありませんが、その価値を否定する人は稀でしょう。
私なんぞより、色々な面で遙かに能力のある市職員が、様々な分野で正確に業務を遂行しています。(「能力の無い議員」も問題か??)
一般的に、能力の高い労働者を確保するためには、賃金・労働条件を高いものにする必要があります。
「能力」というのもなかなか評価が難しいものではありますが、役所に市民のニーズに応える仕事をしっかりやらせようと思ったら、ある程度高い労働条件を保障して、高い「能力」をもった人材を確保することが必要になると言うことです。
公務員の賃金・労働条件については、その客観的な位置、行政サービスとの関係、経済への影響など、冷静に考える必要があると思います。
公務員の能力が低くてサービスの質が低下すれば、損をするのは市民ですから