関とおるの鶴岡・山形県政通信

安心して住み続けられる山形県をめざして、住民の暮らし、県政の動き、そして私の考えと活動をお知らせします。

 消費税減税・インボイス中止を

2022年11月02日 | 経済と労働

先日、消費税廃止各界連絡会の「消費税減税・インボイス中止」を求める商店街訪問行動に参加しました。
鶴岡駅前⇒日吉町⇒山王町⇒銀座⇒南銀座、と鶴岡市のメインストリートの商店街を訪問し、ご商売のご様子と消費税等へのご意見を伺い、国会請願署名を集めようというもので、駅前から東進・南下するコースと、南銀座から北上・西進するコースの二手に分かれ、私は駅前から出発。

最初に訪ねた薬局からいきなり、「今年度で店を閉める。ドラッグストアなどがどんどんできて続けられない」という厳しいお話。
その後も、「自分の代で終わり」、「コロナから回復できず、いつまだ続けられるか・・」という声が続きました。
ある商店街振興会長さんは、「長く商売をやっている店では、昔からの付き合いが多く、インボイスへの対処に非常に苦慮している。もともと、コンビニとドラッグストアが増え続ける中で、古いお店が廃業していった。政府の政策は、個人では商売ができなくなる方向に進んでいる」と語りました。
またある老舗の店長さんは、「商品の加工をお願いしている業者もある。技術を要する仕事なので簡単に代わりもいない。消費税減税ができるなら一番いいが、今の政治は大企業のためにやられている。消費税は防衛費に使われるのでは?」と、これまた政府に対して厳しいお話でした。
日頃おつきあいの無いお店が多い中、私に率直なご意見を聞かせてくれた事に感謝に堪えませんが、鶴岡の商店が置かれている状況の厳しさをヒシヒシと感じました。
中小企業を重視する県の施策の更なる拡充を求めていくと共に、消費税減税・インボイス中止の声に見向きもしない政府を追い詰める運動に一層力を入れていく決意が固まりました。


R3年度決算審査をおこないました~新型コロナから地元・小規模事業者を守る取組の結果を確認~

2022年10月30日 | 経済と労働

 10月26日から28日、令和3年度決算審査がおこなわれ、私は27日の商工労働観光常任委員会で質問をおこないました。

Q1 県内に就職する若者を対象にした、奨学金返還支援事業の実績について
A 令和3年度45名に合計1716万円を支給。当初予定は88名だったが、43名には支給をおこなわなかった。内訳は、県外就職20名、公務員になった9名(公務員は対象外)、他に、正社員にならなかった、学校中退。
Q予定していたが支援対象から外れた方が43名いるということだが45名への支給・就職は貴重。
 
Q2 新型コロナ感染拡大時の飲食店等の自粛要請に応えた事業所に対する感染症拡大防止協力金交付事業の状況は
A R3年度2回の交付の内、R4年1月からの分はR4年度に繰り越して支給したので、ほとんどがR3年3月からの分だが、対象店舗は全部で(R4年度も含めて)3204店、その内、新型コロナ対策認証店は1961店、非認証店は1243。
Q 飲食店に客が全く来ないような状況の中で貴重な支援だった。
  認証店については、感染拡大対策が変化してきた。当初の「パーティション」などは要らないと言われるようになっている。見直しが必要では。
A 株が変異してきたこともあって、感染の仕方などかわってきた。お話頂いた点は担当部局(暮らし安心部)に伝える。

Q3 国の事業復活支援金の申請に対する県のサポート事業の実績は
Q R4年2月21日から4総合支庁に政府支援金の申請を援助するために窓口を設けた。合計5783件、その内、制度の概要説明2687、申請手続きで、ID取得が549、事前確認が1486、オンライン申請1065。それらの内2,3月はそれぞれ994,226、396,234、計1850。
 ※国の事業でしたが、県内事業者が活用できるように支援するという積極的な事業で、制度が複雑でわかりにくいこともあって、非常に歓迎される取り組みとなりました。私は、対応できる人数を拡大することと、国が制度延長をしたことに対応して援助も延長することなどを繰り返し主張しましたが、県はしっかり応えてくれました。

Q4 職場環境改善アドバイザーを200社に派遣したようだが、訪問してわかったことは。
A 企業からの派遣要請が無くとも、労働関係法令の改正などの助言も含めて訪問している。企業からの申請は13件。相談内容は、働き方改革全般97で、その内ハラスメント32、次が国・県の助成金について。3番目が年休関連20件。
Q ハラスメント防止措置が今年4月から義務になった。改善を進める上での課題をどう認識したか。
A 改正法について訪問されて初めて理解した事業所もあり、特に措置を就業規則にどのように反映するかについて、「参考になった」という声があった。30人以下の事業所を回っているが、小さい事業所だと人事労務管理部門の担当がいない企業もある。
Q 県の調査でも小さい規模ほど対策おこなっていないことが解っている。訪問したことで企業の理解が深まった、意義ある取り組みだった。

 以上、4つのテーマについて質問しました。その他、時間の関係で質問はできなかった様々な事業(事前に聞き取り調査)も含めて、2年目となったコロナの深刻な影響から、主に小規模である県内事業者を守るために、創意工夫して様々な取り組みがおこなわれ、成果が上がったことが確認できました。


2022/07/12

2022年07月12日 | 経済と労働
~参院選結果に思う~


 参院選の投開票が終わり、結果が判明しました。
 日本共産党は、改選議席を2つ下回る4議席に止まりました。
 ご支持・ご支援下さった皆さまに心から感謝申し上げます。

 マスコミ報道のポイントは、
 ○自公が改選過半数
 ○改憲勢力3分の2
 ○1人区で野党4勝28敗
 ○立民後退   といったところ。

 詳細な分析にはこれから暫くかかるでしょうが、個人的な感想を申し上げれば、

1)6年前の参院選で始まり、3年前の参院選まで前進してきた、市民と野党の共闘が大きく後退、自民党政権を倒して政治を変えるという展望を国民に示せなかった事が、自公の「勝利」を許した。これが最大のポイント。
 その際、維新や国民民主などの自公政権の補完勢力も「野党」に見えて、野党の役割についての国民の理解を混乱させた。
 それは、山形県選挙区の結果にも複雑に反映。

2)改憲、防衛費倍増、消費税減税、ジェンダー平等、食料自給、気候変動対策、脱原発などについての自公の政策が信任されたのではないことが、世論調査などから見て取れる。
 やはり、自公多数の要因は、「自公に替わる」選択肢が見えなかった故の、消極的支持と言える。
 よって、政権はこれらのテーマを強行することは許されないし、世論と運動によって強行を阻止する展望がある。
 阻止するのみならず、要求を前に進める事も可能であり、それは今後の草の根からの運動の発展にかかっている。

3)先進国では異常な低投票率が今回も続いた。
 今に始まったことではないが、選挙というものが、上記のような重要テーマについて、各党の政策の是非を明らかにするものとして十分機能しなかった。
(それは、選挙期間以外の日常生活の場で、多くの国民が政治を考え、政治活動をおこなうという、民主政治の土台のところの遅れの反映でもあります。「若者の政治への関心」の向上もそういうところから充実しないとなりません。「選挙割」の拡大などは方向違いではないかと思います)
 特に、権力批判をしない大手の報道が世論に影響を与えている状況は重大。
 それは岸田内閣の高支持率の最大の要因ですし、安倍元首相の事件の報道でも自民党の弔い合戦を後押ししました。
 せめて、選挙中にはまともな政党討論会(十分な時間が確保され、重要な論点を深めていく運営)を活発におこなっていくことはマスコミに課せられた責務です。

4)暮らしと平和を始めとするご要望は、いよいよ切実なものとなって広がっていくに違いありません。
 今後私は、住民の皆さまの要望実現をめざす市民運動との協力・共同を一層深めつつ、私自身のその取り組みを強化していきます。
 また、県政を始めとする政治の状況についての報告を充実させるとともに、住民の皆さまのご意見を聞き、疑問にお答えする場、政治を一緒に考える場をできる限り増やして参ります。 
 無論、日本共産党が、マスコミの状況がどうあろうとも、どんな難しい選挙でも、主張をしっかり届け、支持を組織できる力をつけていかなければなりません。

 今後とも、ご意見をお寄せ下さり、ご指導下さいますよう、宜しくお願い致します。







雇用確保へ、灼熱と轟音

2015年09月02日 | 経済と労働
今日から明後日まで、商工労働観光常任委員会の最上・庄内視察。最初に舟形町の自動車部品メーカー「キリウ」。「労賃月一万円」のアジアの国々と競って、「舟形で雇用を確保するために」、従業員の総力を集めて効率化に取り組んでいることがビンビンと伝わってきました。行政に求めたいことは、「輸送コストの軽減につながること」のようでした。鉄を溶かし、部品を加工する現場の灼熱と轟音と、それに劣らぬ熱い仕事振りに圧倒されました。

「まちづくり」と商店街の振興~まちづくりシンポジウムに参加~

2015年08月11日 | 経済と労働
 

9日(日)午後、鶴岡市の「まちづくりウイーク」最期の企画、シンポジウムに参加しました。

 この週の水曜日からおこなわれてきたワークショップなどのまとめ的な位置づけでしたが、私はこのシンポジウムだけの参加となりました。
 鶴岡市のまちづくりが全国的にも非常な先進事例となっているということを改めて認識しましたし、鶴岡の貴重な財産である歴史と文化とそれを体現したまちづくりに思いを寄せ、多年に渡って情熱を傾けて来られた皆さまの姿に感銘し、感謝の念を深くしました。
 
 一方、シンポの中で商店街振興会の会長さんから、「茅原の区画整理はまちづくりの取り組みにマイナスでは?」といった質問が出されました。
 市の回答は、「問題点の一つは、大規模未利用地の利用だが、宅地として提供するということ。長い間新しい宅地開発が無かった。もう一つの問題は、大きな商業施設。それは(既存の商業=地元商店と)棲み分ける」というものでした。

 宅地の問題では、同じシンポジウムで紹介されていた空き家対策(「これからは空き地対策になる」と話しておられましたが)への影響はどうか、市として考え方を示す必要があるでしょう。

 商業の問題では、「棲み分け」ができない中で地元商店街が急速に衰退してきたという認識を市が持っていないとすれば問題です。
 H10年から27年までの間に、鶴岡の商店街の数は24から12に半減しています。県内全体の減少率は15%であり、鶴岡の場合は「古い商店街」の問題が如実に表れていると思われます。
 大きな商業施設を作らなければ古い商店街が衰退しないという単純な問題ではありませんが、「大手資本・県外資本が拡大すればするほど、お金が地域外に流出し、地域の経済が衰退する」という経済の構造の問題が、人口減少問題も含めた地域の経済・社会の根本問題です。

 そして、地元商店街はまちづくりの中心的担い手であり、その「生業」の成立は、まちづくりの根幹となる問題ですから、区画整理問題は今回の「まちづくりウイーク」でも避けては通れない問題でしたが、これまでのまちづくりの関係者の方々全体が課題とするところではないようです。

 それはそれで、やむを得ないことであり、別の枠組みで取り組まなければならないということが分かりました。

 いずれにしても、鶴岡市の考え方は厳しく問われています。



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商工労働観光の課題を考える~常任委員会視察~

2015年07月31日 | 経済と労働
7月21日(火)から二泊三日で商工労働観光常任委員会の村山・置賜地域視察。
午後の最初に、オバマ大統領の婦人がニットを着用したことで評判となった、寒河江市の佐藤繊維株式会社。

県内に有って世界最先端の事業が行われていることにビックリ。
工場に隣接する店舗にも、M &K yokoの服を求めて県外から客が押し寄せるとのこと。
事業を支える人材をどう確保育成しているか質問したところ、「有名になって社長が全国各地で講演するようになったことで、県外から若い人材が次々とやって来た」とのこと。羨ましい好循環です。
お店で大変美しいカーディガンを「奥さまに」と勧められましたが、持ち合わせ(と愛情)が不足していたため買えませんでした。
申し訳無いことです。
他に、県工業技術センターでは、この施設が産業振興のために貴重な活動をおこなってきたことを理解。
もっと内外に知らせていくべきと思いました。

(2500万円の3Dプリンター。今は県内大手が購入しているそうですが、この機械が県で最初に購入され中小事業者に活用されたとのこと)

蔵王温泉観光協会では、火山活動による深刻な被害の応急対策と、中長期的な振興策の両面で切実な生の声を伺いました。

二日目は、でん六(上の山)、KDDI エボルバーやまがたワークプレイス(上の山)、山形食品(南陽)、サクサテクノ(米沢)。
やまがたワークプレイスはコールセンターですが、「これまでのコールセンターの(ダークな)イメージを払拭する会社をめざす」として、施設面では相当の工夫と投資を行い、勤務管理も中々合理的にやっているようです。
私は、鶴岡コールセンターの問題などで「これまでのコールセンター」の深刻な実態を知りましたので、この業界の雇用の質というものには懐疑的なのですが、県が2億8千万円を補助して誘致した同社のチャレンジには、注目していきたいと思います。

最終日は、米沢織物工業組合と、組合で最も由緒あるN社(明治17年創業)に伺いました。
木造の武家屋敷のような建物で、染色から織りまで自社でやっておられました。


木製の織機で、女性の職人さんの手から美しい織物が紡ぎ出されていく様子には吸い込まれるようでした。


機械織りの織機も60年以上メンテナンスしながら直しながら使われていて、「これでなければならない」ということでした。

(これは木製織機)

社長さんは「伝統とは、新しいものを吸収してその時代にあったものを産み出していくこと」と話されました。
若い専務さんに夢を尋ねたら、「伝統を受け継ぎ、米織と米沢とNの名を世に一層知らしめていくこと」と語られました。
また、生産の拡大については、「職人を守り育てながら仕事の質を高めていきたい」とのこと。
私などは産業振興というと、如何に儲け如何に事業拡大するかということにすぐ頭が行ってしまうのですが、本来産業とは、人と暮らしの継続と一体のものであり、如何に良い仕事をするかということを何よりも大切にしなければならないものだということに、改めて気づかされました。

3日間で9ヶ所、ちょっと窮屈な日もありましたが、それぞれの産業・企業の実情と行政への要望など色々理解でき、大変有意義な視察でした。