先月24日付の山形新聞等で報じられましたが、県議会自民党会派が、「山形県笑いで健康づくり推進条例」(案)を公表し、県民から意見募集をおこなった上で、2月定例会での制定をめざすという考えを表明しました。
条例案は、県民に「1日1回は声を出して笑う等、笑いによる心身の健康づくりに取り組むよう努める」と、笑うことを努力義務として課しています。
また、県には「笑いによる心身の健康づくりに関する意識の啓発に努める」と、県民の意識の変容に取り組む事を求めています。
笑いが暮らしと人生に幸福感をもたらすものの一つであり、健康の維持・増進にも資する事については、社会に一定の共通認識があり、笑顔で暮らせる社会をつくっていく事は、多くの県民の願いであると考えます。
しかしながら、いかなる理由であれ、笑うことについて行政が県民に義務を課すような事があってはならないと考えます。
条例案が別の項目で「個人の意思の尊重」を記載し、発案者自身も努力義務を打ち消す必要があるという認識を示してしているように、努力義務規定は軽視できない問題です。
北海道では「道民笑いの日」を制定していますが、「要領」に拠るもので、主な活動は、講演会の開催や健康づくりの普及・啓発活動等にとどまっています。
(※「要領」とは、行政機関内部の規律で、「条例」のように国民の権利義務に関する定めとしての性質を有さず、議会の議決を要しないものです。)
日本共産党山形県議団は、笑いの推進についての取り組みをおこなうとしても普及・啓発の範囲のものにとどめるべきであって、本条例の制定には問題があると考えます。
笑いに関わった行政の仕事があるとすれば、誰もが生きやすい社会をつくることで、自然に笑顔が生まれる条件を整備する事ではないでしょうか。
なお、笑いの日として定めるという8月8日とその日を含む8日間は、長崎原爆投下の日、終戦記念日を含んでおり、日程設定も好ましくないと考えます。
県議会自民党会派が意見募集をおこなうとしていた期間は1月24日から2月6日まででしたが、そのような短期間にとどまらず、この問題に広く県民の声が寄せられる事を期待していますし、
私共もご意見をお伺いしたいと考えております。
条例案はこちらで拝見できるようです。
自由民主党山形県支部連合会 http://www.jimin-yamagata.com/