前回予告したシギとチドリの採食方法の違いは???
よく「シギチ」という言葉を使いますが、シギとチドリの事を総称して使っています。
シギチは、特に春と秋に、渡りのシギやチドリなどがやって来て、鳥撮りさんたちもシギチを求めて田圃や海岸・河口など右往左往?
名前を特定するのに苦労するのもこの仲間たちですね。
それではシギ類とチドリ類の行動の違いはどうでしょう?
まずは採食の仕方
前回載せたハマシギの採食の動画をご覧になると、シギ類の典型的な採食方法がお分かり頂けたと思います。
シギ類は、嘴が細くて、泥などに嘴を差し入れながら、あちこち歩き回りながら採食するのが基本のようです。
一方、チドリの仲間は、コチドリの採食シーンをよく見ると、時々立ち止まっては、辺りを見渡して、獲物を見つけるとそちらに走って採食しています。
こんな動作を繰り返しているため、見た目はチョコチョコあっちへ行っては止まり、こっちへ来ては止まり、実に忙しい動きをしていますね。
すなわち、シギ類は嘴の感覚で食べ物を探し、チドリ類は、自身の目で食べ物を探してるということになります。(「日本の野鳥識別図鑑」参照)
でも、先日、お馴染みのイソシギがこんな恰好で餌を捕ってる姿を初めて見ました。
いつものように泥を嘴で突っつきながらではなく、何か狙いを定めるように姿勢を低くして・・・・・

小さな生き物(?)をゲット!

次の写真を見て下さい。連続写真ですが、狙いを定めた後、首を伸ばして一気に獲物(?)を採ります。
こんな採食の仕方をするとは・・・・地表に出てきた獲物の時は、定番ではない採食の仕方もすることがあるんですね。


それでは、シギの仲間は、どのようにして泥の中の獲物を探すことが出来るのか??
実は、シギの仲間は「触角定位」と云って、嘴の触覚によって餌を探す事が出来るんです。
嘴を開いて水中に差し入れたり、左右に振ったりして、嘴に餌動物が触れると、瞬間的に嘴を閉じて捕まえる事が出来ます。
種類は違いますが、ヘラサギなども同じような行動をしてますよね。
次の写真のタシギの嘴の先端をよく見て下さい。(この写真は以前、嘴の事を書いた時に使用したものです)
あの硬そうな嘴の先端が、広がっています。

このように、シギの仲間は、敏感な感覚があるクチバシの先端だけを動かすことが出来るんです。
次の写真は、先日ハマシギをドアップで撮った時のものですが、ここでも、嘴の先端だけが開いてますね。

オグロシギも同様に、硬そうな嘴ですが、先の方が弓なりに開いてるのが分かりますか。
驚いた事に、このような嘴の構造を持つのはシギ類だけではなく、メジロやカモ類・ウ類も上嘴には支えになる骨が先端まで通じ、嘴の元を閉じたまま、先端だけを開閉できるそうです。
この機能の事を、「嘴端開閉(したんかいへい)」。
ついでに、もう一つ・・・・・鳥の嘴に歯はある??
もちろん、ありませんね。歯は鳥が空を飛ぶために体重を軽くするため、進化の途中で捨ててしまったものの一つだそうです。
歯で噛み砕くことが出来ない分、鳥には、特殊な消化器官が備わってるそうですよ。上手くできてますね。(「我孫子市鳥の博物館ガイドブック」より)

「日本の野鳥識別図鑑」にシギとチドリの「頭掻き」の違いも出ていたので、紹介しておきます。
鳥たちが羽繕するシーンは、よく見ますよね。
そんな時、嘴では届かない頭や顔を足で掻くことがあります。そのことをよく「頭掻き」とか「頭カキカキ」とかで表現します。
実は、この頭掻きには、脚を翼の外から頭へ持っていく「直接頭掻き」と、翼の内側をくぐらせて頭へ持っていく「間接頭掻き」の二通りがあります。
シギ類の頭の掻き方は、写真のように「直接頭掻き」をします。
次の写真は、ハマシギの頭掻きですが、脚が直接頭の方へ・・・・・

次のツルシギもそうですね。

ところが、チドリ類の頭の掻き方は、翼の内側に脚をくぐらせて掻く「間接頭掻き」をします。
次の写真はセイタカシギの「頭掻き」ですが、セイタカシギはシギの中で最もチドリに近いので、チドリと同じように「間接頭掻き」をするそうです。

チドリの頭掻きシーンを、過去の在庫の中にないか調べたのですが、見つかりませんでした。
今度機会があれば撮ってみたいものです。
因みにその他の鳥たちは、直接頭掻きの方が多いみたいですね。
参考に、ササゴイの写真を載せましたが、在庫の写真を調べてみると、ツミなどの猛禽類やアジサシなども同じでした。

皆さんも、こんなことを観察しながら、鳥撮りを楽しまれてはいかがでしょう。
(今回の記事は、上述の通り、「日本の野鳥識別図鑑」を中心に参照)
よく「シギチ」という言葉を使いますが、シギとチドリの事を総称して使っています。
シギチは、特に春と秋に、渡りのシギやチドリなどがやって来て、鳥撮りさんたちもシギチを求めて田圃や海岸・河口など右往左往?
名前を特定するのに苦労するのもこの仲間たちですね。
それではシギ類とチドリ類の行動の違いはどうでしょう?
まずは採食の仕方
前回載せたハマシギの採食の動画をご覧になると、シギ類の典型的な採食方法がお分かり頂けたと思います。
シギ類は、嘴が細くて、泥などに嘴を差し入れながら、あちこち歩き回りながら採食するのが基本のようです。
一方、チドリの仲間は、コチドリの採食シーンをよく見ると、時々立ち止まっては、辺りを見渡して、獲物を見つけるとそちらに走って採食しています。
こんな動作を繰り返しているため、見た目はチョコチョコあっちへ行っては止まり、こっちへ来ては止まり、実に忙しい動きをしていますね。
すなわち、シギ類は嘴の感覚で食べ物を探し、チドリ類は、自身の目で食べ物を探してるということになります。(「日本の野鳥識別図鑑」参照)
でも、先日、お馴染みのイソシギがこんな恰好で餌を捕ってる姿を初めて見ました。
いつものように泥を嘴で突っつきながらではなく、何か狙いを定めるように姿勢を低くして・・・・・

小さな生き物(?)をゲット!

次の写真を見て下さい。連続写真ですが、狙いを定めた後、首を伸ばして一気に獲物(?)を採ります。
こんな採食の仕方をするとは・・・・地表に出てきた獲物の時は、定番ではない採食の仕方もすることがあるんですね。


それでは、シギの仲間は、どのようにして泥の中の獲物を探すことが出来るのか??
実は、シギの仲間は「触角定位」と云って、嘴の触覚によって餌を探す事が出来るんです。
嘴を開いて水中に差し入れたり、左右に振ったりして、嘴に餌動物が触れると、瞬間的に嘴を閉じて捕まえる事が出来ます。
種類は違いますが、ヘラサギなども同じような行動をしてますよね。
次の写真のタシギの嘴の先端をよく見て下さい。(この写真は以前、嘴の事を書いた時に使用したものです)
あの硬そうな嘴の先端が、広がっています。

このように、シギの仲間は、敏感な感覚があるクチバシの先端だけを動かすことが出来るんです。
次の写真は、先日ハマシギをドアップで撮った時のものですが、ここでも、嘴の先端だけが開いてますね。

オグロシギも同様に、硬そうな嘴ですが、先の方が弓なりに開いてるのが分かりますか。
驚いた事に、このような嘴の構造を持つのはシギ類だけではなく、メジロやカモ類・ウ類も上嘴には支えになる骨が先端まで通じ、嘴の元を閉じたまま、先端だけを開閉できるそうです。
この機能の事を、「嘴端開閉(したんかいへい)」。
ついでに、もう一つ・・・・・鳥の嘴に歯はある??
もちろん、ありませんね。歯は鳥が空を飛ぶために体重を軽くするため、進化の途中で捨ててしまったものの一つだそうです。
歯で噛み砕くことが出来ない分、鳥には、特殊な消化器官が備わってるそうですよ。上手くできてますね。(「我孫子市鳥の博物館ガイドブック」より)

「日本の野鳥識別図鑑」にシギとチドリの「頭掻き」の違いも出ていたので、紹介しておきます。
鳥たちが羽繕するシーンは、よく見ますよね。
そんな時、嘴では届かない頭や顔を足で掻くことがあります。そのことをよく「頭掻き」とか「頭カキカキ」とかで表現します。
実は、この頭掻きには、脚を翼の外から頭へ持っていく「直接頭掻き」と、翼の内側をくぐらせて頭へ持っていく「間接頭掻き」の二通りがあります。
シギ類の頭の掻き方は、写真のように「直接頭掻き」をします。
次の写真は、ハマシギの頭掻きですが、脚が直接頭の方へ・・・・・

次のツルシギもそうですね。

ところが、チドリ類の頭の掻き方は、翼の内側に脚をくぐらせて掻く「間接頭掻き」をします。
次の写真はセイタカシギの「頭掻き」ですが、セイタカシギはシギの中で最もチドリに近いので、チドリと同じように「間接頭掻き」をするそうです。

チドリの頭掻きシーンを、過去の在庫の中にないか調べたのですが、見つかりませんでした。
今度機会があれば撮ってみたいものです。
因みにその他の鳥たちは、直接頭掻きの方が多いみたいですね。
参考に、ササゴイの写真を載せましたが、在庫の写真を調べてみると、ツミなどの猛禽類やアジサシなども同じでした。

皆さんも、こんなことを観察しながら、鳥撮りを楽しまれてはいかがでしょう。
(今回の記事は、上述の通り、「日本の野鳥識別図鑑」を中心に参照)