ヘイリー・ベネットが、極度のストレスから異物を飲み込まずにはいられない女性を演じる、スリラー映画です。
公開時に見たいと思いながら、痛そう... と躊躇して見逃してしまった本作。Amazon Primeに上がっていたので勇気を出して見てみました。正直主人公にはなかなか共感できなかったのですが、映画としてはスリリングでおもしろかったです。
監督は本作が長編デビュー作となるカーロ・ミラベラ=デイヴィス。ニューヨーク郊外のハドソン川を見下ろす、生活感のない豪邸。ヘイリー・ベネットの、お人形さんのようなメイクとファッション。ヒロインの空虚な心を思わせる、パステルトーンの映像が印象的でした。
大富豪の御曹司と結婚したハンター (ヘイリー・ベネット) は、仕事に忙しい夫とほとんど会話がなく、義父母とも話が合わない。孤独を深める中で、氷、ビー玉...と異物を飲み込むことで、達成感や自己肯定感を覚えるようになっていく、というストーリーです。
そもそも私は、夫や義父母がそんなに問題あり、とは思えなかったのです。夫は妻であるハンターにいつも感謝していたし、お義母さんはハンターを何かと気遣っていたし。妊娠がわかった時は、みんな心から祝福してくれたではないですか。
ハンターにしても、あれだけのお屋敷を維持して、自身もいつもきれいにしていて、大勢のお客様を招く自宅でのパーティを切り盛りして。それってすごいことですよ。十分胸を張っていいことだと思うのですが。
夫に不満やこうして欲しいという要望があったら、そのことを話していっしょに解決すればいいのに。わからないことがあったら、夫に相談すればいいと思うのです。彼はきっとハンターの話に耳を傾けてくれると思う。
気軽に自分の気持ちを吐き出せる人が、そばにいたらよかったのかもしれませんね。シリア出身のルエイが言うように、戦争が身近にある環境だったら、ハンターも異食症にはならなかったかも。一種の贅沢病なのかもしれません。
あ、いっそのことルエイと仲良くなって話を聞いてもらったら、ハンターも気持ちが楽になって病気が治ったかもしれないな... なんてことばかり考えてしまいました。これでは映画になりませんね。^^;
ハンターが欲しかった自由って、いったい何だったのだろう? あの結末が彼女が求めていたことなのかな? ふと考えてしまいました。