アンソニー・ホプキンスと、アン・バンクロフトの心温まるヒューマンドラマです。
チャーリング・クロス街84番地 (84 Charing Cross Road) 1986
ここのところ、アンソニー・ホプキンスがマイブームとなっていたので、NETFLIXで偶然見つけた本作にアンテナがピピッと反応。期待通りにすてきな作品でした。「日の名残り」(The Remains of the Day) を彷彿とさせる、ホプキンスの英国紳士の魅力を堪能しました。
ロンドンの古書店に勤めるフランク (ホプキンス) と、ニューヨークに住む作家で、希少本の収集を趣味とするヘレーヌ (アン・バンクロフト) との往復書簡が、本作の主たるストーリーとなっています。ヘレーヌのマニアックなリクエストに
これまたプロフェッショナルな立場から適切なアドバイスを行い、彼女の希望にぴったり合う書籍を探し出し、小包を発送するフランク。二人が送り合う手紙の、知的で流麗な文章のやりとりに魅了され、うっとりと酔いしれました。
今は海外との仕事のやりとりもメールがほとんどで、カジュアルで実務的な文章がふつうとなっているので、二人が交わす格調高い文章に、はっとさせられました。手紙や注文した書籍が郵便で届くのを待つ、その時間さえもが贅沢に感じられました。
それから、ニューヨークとロンドン、それぞれの街の風景や文化の違いが、うまく描き分けられているところも楽しかった。ロンドンの重厚な街並み。マンハッタンの高層アパートメントからの眺めや、タクシーのクラクション、BGMのガーシュインっぽい音楽など。
舞台は戦後、1950年代頃でしょうか。同じ戦勝国でありながら、戦争による経済的損失を引きずっているイギリスと、物質的に豊かなアメリカ。物不足に困っているフランクたち古書店員たちに、ヘレーヌは缶詰やハムなど、ホリデイ用のごちそうを送ります。
まったく会ったことがなくても、文章のやりとりで相手の人となりは通じあうもの。それはメール時代の今でも同じではないでしょうか。私も自分の経験からそのことを実感していますが、本作を見て言葉の持つ力に改めて気づかされました。
いつしかヘレーヌからの手紙を心待ちにしているフランク。それはヘレーヌの手紙を読むフランクの表情から伝わってきました。二人は互いに惹かれ合いながらも、一度も愛のことばをささやくことなく、20年以上一度も会うことがなかった。
フランクは妻ノーラ(ジュディ・デンチ)を深く愛していましたが、ノーラの心の中は決して平穏ではなかったかもしれません。良識ある大人のひそかなロマンスが、本作を尊いものにしています。
わざわざ足をお運びくださり、たいへん恐縮です。
瞳さん、チャーリングクロスの感想を書いていらっしゃるかも...と検索したら、Book Shop Cinema 2がヒットしました。
最初の4作品、どれも大好きな作品です!
本屋さんというくくりで見たつもりはなかったのですが、気がつくと意外と見ていたんですね。
蔦屋書店は Barnes & Noble を参考にしたのかな~?と思っていました。
昔は(今でも?)立ち読みは本屋さんでは嫌がられると思っていましたが、それを逆手に取ったビジネス、画期的でした。(それも今はAmazonにすっかり席巻されてしまいましたが)
イコライザー、私も好きなシリーズだったのですが、なぜか本の場面があまり思い出せません。紅茶のシーンもあったのですね。また見直してみたくなりました。
チャーリングクロス、お気に入りの作品になりました☆
イケメンもいいですが、深みのある知的なおじさまもいいですね。^^
ロンドン、ニューヨーク、どちらも魅力的ですね。
本作は街中のシーンはほとんどない(ロンドンの古書店と、ニューヨークの自宅の仕事場のシーンが多い)のですが、さりげなく伝わってくる街の雰囲気や、文化の違いなどが感じられるのが楽しかったです。
キムタクももう over 50 なのですね。
トム・クルーズみたいにいつまでも若々しいのもすごいなーと思いますが、ホプキンスは若い頃から落ち着いた感じでしたね。
この映画を見て、ことばのもつ力を改めて実感しました。
メールを書く時にもちょっと意識するようになりましたよ。^^
Book Shop Cinema 2 、わざわざ検索してくださったんですね、ありがとうございます。
じっくり読んでくださったとは!感激です。
「ユーガット~」と「ノッティングヒル」そうでしたか~!アメリカに住んでらした時にご覧になったのですね、それは思い出深いですね。
Barnes &Nobleも「カフェラロ」も行かれたことがあるんですね。今でこそ、買う前の本を読むというのは日本の書店でもありますが、Barnes &Nobleが最初だったのかしら?
「Rizzoli (リッツォーリ)」にも行かれたことが!?うわ~、素敵ですね。
「イコライザー」はまさか本が!?というジャンルの映画なんですが、「1」では奥さんの残した本を読んだり「2」でも書店に本を注文したり、あと紅茶も登場したりして。大好きなシリーズです。
「チャリングクロス街」をご覧になっていろいろ思い出されて、セレンさんのそのお話を伺うことができて、私もとても楽しいです。映画ってやっぱりいいですね♡
なかなかの佳作のようですね!イケメンが出てる漫画映画もいいけど、秋にはこういう知的で落ち着いた大人向けの映画が観たいです。ロンドン&ニューヨーク、舞台となってる映画を観るたびに行きたいな~と憧れが募ります。
レクター博士、もとい、アンソニー・ホプキンスこの映画の時50歳!?キムタクより年下?!チャラいおじさんより老成した紳士のほうがやっぱ素敵。映画を観たらきっと、誰かに手紙を書きたくなったり読書したくなることでしょうね。
本作、本の好きな瞳さんがお好きそうだな...と思いながら見ていましたが、すでに瞳さんはご覧になられていたのですね。すてきな作品でしたね。
ヘレンの手紙、かなり辛辣なことも書いていましたが、それをわかる、わかるという感じで、にこやかに読んでいるフランクが印象的でした。
ヘレンはニューヨークには理解してくれる本屋がないと嘆いていましたが、遠くロンドンに我が意をくんでくれる友を得て、うれしくてつい、思いのたけをぶつけてしまったのでしょうね。
二人の知的なやりとりが刺激的でした。
原作も是非読んでみたいです♪
ーーーーーーーーーーーーーーー
瞳さんがチャーリングクロスの感想を書かれていらっしゃるかもしれない、と思って検索し、Book Shop Cinema 2 の記事を見つけましたが、何度コメントを入れようとしてもうまくいきません。
で、こちらに書かせていただきました。
すてきな記事をじっくり読ませていただきました。
私は最初の4作品&最後のイコライザー2を見ています。
特に「ユーガット~」と「ノッティングヒル」はちょうどアメリカに住んでいた時に見た作品で、特に懐かしく心に残っています。
(以下思いがけず長文になってしまいましたが、お許しを)
ユーガット~でトム・ハンクスが経営する大型書店のモデルは Barnes &Noble です。おしゃれで、店内にある Starbuck のコーヒーを飲みながら、買う前の本を自由に座り読みできるのが、当時アメリカで画期的でした。
実際に人気がありすぎて、映画のように小さな町の書店が閉店に追い込まれることが起きて、ニュースになったりしていました。
メグが経営する絵本屋さんはフィクションですが、映画に登場する(Billさんのコメントにあった)「カフェラロ」は私も入りました。^^(超ミーハーです)
当時AOLも人気があって、私も最初のプライベートメールアドレスはAOLで作りました。
今思えば流行の最先端を行く映画でしたね。
「恋におちて」の舞台になったのは、ニューヨークの「Rizzoli (リッツォーリ)」という書店で、こちらもクラシックで、重厚感があって、大好きな書店でした。
残念ながら、今は引っ越しして新しい店舗になってしまいましたが、当時の雰囲気も少し残っているようです。
「ノッティングヒル~」も当時大好きな映画でした!
主題歌のエルヴィス・コステロのSheは今もマイ・ベストのひとつです。
イコライザー2のことは忘れていましたが、デンセルの知的な雰囲気が本好きというキャラクターにぴったり合っていましたね。
チャーリングクロスをきっかけに懐かしいことをいろいろ思い出しました。
すてきな記事をありがとうございました☆
margotさんはバンクロフト目当てでこの作品をご覧になられたのですね。
私は、ホプキンズ、ジュディ・デンチ...と傑作の予感がして見ましたが、期待以上にすてきな作品でした。
二人の手紙、愛のことばは何も書かれていないのに、お互いがひそかに惹かれ合っているのを感じました。ノーラは昔の女性らしく、一言も差し出がましいことは言わなかったけれど、内心は穏やかではなかったのではないでしょうか。そうした心の内を、ジュディ・デンチが繊細に演じていましたね。
友人が訪ねるシーンは、ちょっぴりスリリングでした。
チャリングクロス駅、まだ~むさんにはなじみの駅なのですね。
84 Charing Cross Rd を Google Maps で検索したら、チャリングクロス駅よりはもう少し北で、コヴェントガーデンに近いエリアでした。
どうやら古書店は閉店してしまったようで、Google View を見たら、マクドナルドになっていました。^^;
これも時代の流れでしょうか...。
本作は1986年の映画で、この時ホプキンスは50歳くらい。
すでに円熟した演技でしたよ。
そしてこの5年後に「羊たちの沈黙」のレクター博士で大ブレイクですね。
ご実家からもどられたら、是非ネトフリでご覧になってみてください♪
私はホプキンスは少々苦手なのですが、
バンクロフトの出演に惹かれての鑑賞でした。
メールやLINEがとても味気なく感じてしまいます。
二人の手紙はまるでLove Letterのようで、
ノーラも嫉妬していたし...。ジュデイが可愛い。
ヘレーナの友人が本探しに店を訪ねる。
一瞬フランクは、あの女性はへレーナ?
と、思ったに違いありませんね。
そしてそっとストッキングを置いていく。
とってもniceでした。
大好きな作品です。本や書店が出てくる映画といえば、必ず思い出します。
率直で、時には手厳しい、でもユーモアたっぷりのヘレンの手紙に笑い、温厚で、優しく丁寧なフランクの返信にほっとさせられました。
読みたかった本を手にした喜び、ページをめくる楽しさ!そんな気持ちを思い出させてくれますよね。
原作もとてもいいですよ。おススメです。
チャリング・クロス!ロンドンで街へ出掛けるといえば、先ずはチャリング・クロス駅だったので、俄然興味が湧いています。
加えて、アンソニー・ホプキンスの若い頃の映画って、実はあまり見たことが無いので、そういう意味でも興味津々です。
実家ではネトフリ見られないので、東京戻ったら見たいわ☆