セレンディピティ ダイアリー

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INDEX・本

2021年03月08日 | INDEX・本

国内:小説・随筆、国内:その他、国外:小説・随筆、国外:その他、雑誌ごとに
作者名の五十音順、作品名の五十音順 の優先度で並べています。

国内:小説・随筆

有吉佐和子: 恍惚の人

池井戸潤: アキラとあきら

池井戸潤: 鉄の骨

池井戸潤: 陸王

今村夏子: 星の子

小川糸: ツバキ文具店

荻原浩: 海の見える理髪店

押切もえ: 永遠とは違う一日

恩田陸: 蜜蜂と遠雷

桐野夏生: 夜の谷を行く

今野浩: 工学部ヒラノ教授

今野浩: 工学部ヒラノ教授と4人の秘書たち

今野浩: 工学部ヒラノ教授の事件ファイル

佐藤厚志: 荒地の家族

佐藤泰志: 黄金の服

須賀しのぶ: 革命前夜

須賀しのぶ: また、桜の国で

瀬尾まいこ: そして、バトンは渡された

高村薫: 冷血

馳星周: 少年と犬

千葉雅也: エレクトリック

凪良ゆう: 流浪の月

原田マハ: アノニム

原田マハ: 暗幕のゲルニカ

原田マハ: スイート・ホーム

原田マハ: たゆえども沈まず

原田マハ: モダン

東野圭吾: クスノキの番人

東野圭吾: 白鳥とコウモリ

東野圭吾: マスカレード・ホテル

平野啓一郎: ある男 A Man

平野啓一郎: 本心

平野啓一郎: マチネのあとに

又吉直樹: 劇場

三浦しをん: 

宮下奈都: 羊と鋼の森

宮本輝: 灯台からの響き

村上春樹: 一人称単数

村上春樹: 猫を棄てる 父親について語るとき

村田沙耶香: コンビニ人間

森絵都: 風に舞いあがるビニールシート

森絵都: みかづき

柳美里: JR上野駅公園口 Tokyo Ueno Station

柚月裕子: 慈雨

柚月裕子: 盤上の向日葵

吉田修一: 犯罪小説集

吉田修一: 横道世之介

国内:その他

秋田麻早子: 絵を見る技術 名画の構造を読み解く

末永幸歩: 「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

国外:小説・随筆

アキール・シャルマ 小野正嗣・訳: ファミリー・ライフ Family Life

アゴタ・クリストフ 堀茂樹・訳: 悪童日記 Le Grand Cahier

イアン・マキューアン 村松潔・訳: 恋するアダム Machine Like Me and People Like You

カズオ・イシグロ 土屋政雄・訳: クララとお日さま Klara and the Sun

カズオ・イシグロ: 日の名残り The Remains of the Day

コルソン・ホワイトヘッド 谷崎由衣・訳: 地下鉄道 Underground Railroad

チョ・ナムジュ: 82年生まれ、キム・ジヨン Kim Jiyoung, Born 1982

ディーリア・オーエンズ 友廣純・訳: ザリガニの鳴くところ Where the Crawdads Sing

国外:その他

エドワード・スノーデン他: スノーデン 日本への警告

キャシー・オニール 久保尚子・訳: あなたを支配し、社会を破壊する、AI・ビッグデータの罠 Weapons of Math Destruction: How Big Data Increases Inequality and Threatens Democracy

マッケンジー・ファンク: 地球を「売り物」にする人たち 異常気象がもたらす不都合な「現実」 Windfall

雑誌

オール読物 2021年2月号 特集「将棋」を読む

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猫を棄てる/一人称単数

2021年03月07日 | 

昨年出版された村上春樹さんの本2冊の感想です。

村上春樹「猫を棄てる 父親について語るとき」

これまで私が読んだ自伝的小説の中で、最も衝撃を受け、心に残っている本は、三浦哲郎さんの「白夜を旅する人々」と、宮尾登美子さんの「櫂」です。それらと比較するつもりはまったくないものの、作品としては少々物足りなさを感じてしまいました。

本作は、村上春樹さんが初めてお父様について書いたエッセイです。おそらく村上さんは、亡くなられたお父様のとの関係について、心の中でまだ整理できていなかったのではないか、と思いました。

無理やり絞り出すように書かれた文章に、私は少々痛々しさを感じてしまいました。今の段階で本として出版する必要がはたしてあったのか、疑問を感じますが、出版社としては是非とも出したかったんだろうな。。。との事情も理解できます。

ちなみに「猫を棄てる」という物騒なタイトルは、村上さんが子供の頃、さる事情から飼っていた猫とお別れせざるを得なくなり、お父さんといっしょに猫を段ボール箱に入れて、自転車に乗せて海浜に猫を棄てに行くというエピソードからきています。

その後、家にもどると棄てたはずの猫が先にもどっていて、その後も飼い続けることになったという顛末なので、猫好きの方もどうぞ安心してお読みになってください。(=^・^=)

村上春樹「一人称単数」

この本は、短編集で雑誌「文学界」で発表された7作品と、書下ろしの表題作が含まれています。最初の短編「石のまくらに」の冒頭の1パラグラフから ”春樹節” 全開で、思わずにやりとしてしまいました。

私は初期の頃の村上春樹さんの小説が好きでしたが、いつしか苦手だと感じるようになったのは (といいつつ新作が出るとつい読んでしまうのですが) 自分のものさしに合わない人を、冷ややかなことばで断じるところにカチンとくるのだと思います。

本作では特に、女性蔑視やルッキズムともいえる表現がそこここに散見され、正直言って、不愉快に感じる描写や作品もありました。このご時世に、よくぞこのまま出版にこぎつけられたと少々驚きもしました。

8編の短編の中で、私が一番気に入ったのは「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」です。村上さんの小説は、時にどうしようもなく死の気配を濃厚に感じるものがありますが、本作もそうしたタイプの作品で、不思議な余韻が残りました。

「謝肉祭 (Carnaval)」はストーリーとしては悪くないのだけれど、全編に貫かれたルッキズムに辟易。「品川猿の告白」は人間のことばを話す猿が登場する、シュールでちょっと気持ちの悪い物語。

なんだか悪口みたいにばかりになってしまってすみません。

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銀座 みかわや

2021年03月04日 | グルメ

夫の誕生日に、彼が大好きな洋食のランチをごちそうしようと「銀座 みかわや」を予約しました。銀座三越の離れにある、クラシックな洋館の佇まいの一軒家レストランです。

席は入口から螺旋階段をのぼって2階へ。階段に近い場所でした。窓のカーテンの装飾が華やか。調度もクラシックで重みを感じます。コロナを忘れるくらいに、店内は多くのお客様でにぎわっていました。

私たちはランチのコースをいただきました。

コーンポタージュ。濃厚なおいしさでした。

次のお料理は、定番のかにクロケットのほか、この時期は牡蠣フライが選べました。夫は牡蠣フライにしました。

私はかにクロケットにしました。どちらのお料理にもみずみずしいサラダがつきます。

レモンをしぼってから、テーブルに用意された好きなソースを使っていただきます。私は自家製のタルタルソースを添えましたが、このほかレトロなイカリソース、しょうゆが用意されていました。

ごはんとパンが選べるため、テーブルにはナイフとフォークのほか、箸がセッティングされているのがおもしろい。私はパンにしましたが、ごはんを選ぶとぬか漬けがついてきます。

メインのお料理は、ビーフシチューまたはハンバーグステークが選べます。こちらはハンバーグステーク。やや酸味を感じるソースがジュ―シィなハンバーグを柔らかく包みます。

私はビーフシチューをいただきました。柔らかく煮込まれたお肉のすみずみにまでシチューのお味がゆき渡り、豊かな気持ちになるおいしさでした。付け合わせの野菜はひとつひとつが宝石のように美しく、お味のハーモニーが楽しめました。

デザートはカスタードプリンです。フルーツが添えられ、プリンアラモードのような装いにわくわくしました。プリンが少し固めというのも、レトロな味わいがあってうれしかったです。

日本の洋食の発祥の地ともいえる、横浜のホテルニューグランドの流れをくむお料理は、どれも正統派のお味で大満足しました。

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