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絆を守る四十七歌『島津義弘』

2019-08-14 08:05:53 | 歴史から学ぶ

@忠臣・義など多くの武家の社会は「武士道」を重んじた。この戦国時代から島津家が続いたもの先祖、島津義弘の祖父日新斎の作った四十七歌を先祖代々厳守したことにあると解った。特に兄弟間での争いが絶えない時代に一糸乱れず結束団結し、領土を広げた島津家の家宝・歌である。現代のビジネス社会でも十分通用する鋭く「人」、「世」、などの動向を見抜いた歌の観点は素晴らしい。 さらに島津義弘、戦略家としての素晴らしいところは「細作」という情報収拾のための隠密忍者を敵陣は勿論、世に多く分散させ戦いの準備を怠らなかった点だろうか。敵を知り、周りを知り、素早く判断できる体制を常に持っていたことは「率先垂範型」武将としての戦いで多数の勝利をもたらした。現代社会でも常に正しい情報を素早く分析、戦略的に利用することは大切だ。(知恵は万代の宝)

『島津義弘』徳永真一郎

  • 戦国薩摩。鎌倉期より続く島津家に生まれた島津義弘は、初陣・岩剣城の戦いを皮切りに、兄・義久、弟・歳久、家久と共に、伊東氏、大友氏、龍造寺氏と激闘し九州を席巻する。関ヶ原の戦いでは、「ちぇすとー、行け」の大号令のもと、「島津の退口」と賞される敵中突破を勇猛果敢にやり遂げ武人の矜持を示すなど、ただひたすらに「薩摩魂」を体現した戦国最強の闘将の生涯を描いた傑作長編小説。
  • 決して乱れない兄弟の関係は「いろは歌四十七首」に学ぶ。これは日新斎が5年がかりで作り上げた精神・武士・道徳心を作り上げたもの(島津藩の基本的な考え方・忠臣となるべき心得)
  • い=いにしへの道を聞きてもう唄へても、我が行いにせずばかひなし
  • ろ=楼の上もはにふの小屋も住む人の、心にこそはたかきいやしき
  • は=儚くとも明日の命を頼むかな、今日も今日もと学びをばせぞ
  • に=似たるこそ友としよけれ交じはらば、我にます人おとなしき人
  • ほ=仏神他にましまさず人よりも、心に恥よ天地良く知る
  • へ=下手ぞとて我と許すな稽古だに、積もらばちりと山とことのは
  • と=科ありて人を斬るとも軽くすな、生かす刀もただ一つなり
  • ち=知恵能は身に着きぬれど荷にならず、人は思んじはづるものなり
  • り=理も法も立たぬ世ぞとてひきやすき、心の駒の行くに任すな
  • ぬ=盗人は他所より入ると思うかや、耳目の門に戸ざし良くせよ
  • る=流通す貴人や君の物語、はじめて聞ける顔もちぞ良き
  • を=小車の我が悪行にひかれてや、つとむる道を憂しと見るらん
  • わ=私を捨てて君にしむかはねば、恨みも起こり述懐もあり
  • か=学問は明日の潮の干すまにも、波の夜こそなお静かなれ
  • よ=善き悪しき人の上にて身を磨き、友は鏡となるものぞかし
  • た=種子となる心の水に任せずいば、道より外に名も流れまじ
  • れ=礼するは人にするかは人をまた、探るは人を下ぐるものかは
  • そ=そしるにも二つあるべし大方は、主人のためになるものとしれ
  • つ=つらしとても恨みかへすな我れ人に、報い報いて果てしなき世ぞ
  • ね=願はずば隔てもあらじいつはりの、世に誠ある伊勢の神垣
  • な=名を今に残し置きける人も人、心も心何かおとらん
  • ら=楽も苦も時過ぎれば跡もなし、世に残る名をただ思うべし
  • む=昔より道ならずして奢る身の、天のしあはざるはなし
  • う=憂かりける今の世こそは先の世と、思へば今ぞ後の世なるらん
  • ゐ=亥に臥して寅には起くと夕露の、身をいたずらにあらせじがため
  • の=遁るまじ所をかねて思ひきれ、時に至りて涼しかるべし
  • お=思ほえず違ふものなり、身の上の欲を離れて義を守れ人
  • く=苦しくも直ぐ道を行け九折坂の、末は鞍馬の逆さまの世ぞ
  • や=やはらぐと怒るをいはば弓と筆、鳥に二つの翼とぞ知れ
  • ま=万能も一心とあり事ふるに、身ばし頼むな思案堪忍
  • け=賢不肖用い捨つるという人も、心ならば殊勝なるべし
  • ふ=不勢とて敵を侮る事なかれ、多勢を見ても恐れるべからず
  • こ=心こそ軍する身の命なれ、そろふれば生き揃はねば死す
  • え=回向には我と人とを隔つなよ、看経はよししてもせずとも
  • て=敵となる人こそは我が師匠ぞと、おもひかへして身をもたしなめ
  • あ=あきらけき目も呉竹のこの世より、迷はばいかに後の闇路は
  • さ=酒も水なかれも酒となるぞかし、ただ情けある君が事がの葉
  • き=聞くことも又見ることも心がら、皆迷ひなり皆悟りなり
  • ゆ=弓を得て失うことも大将の、心一つの手をば離れず
  • め=巡りては我が身にこそはつかへけれ、先祖のまつり忠孝の道
  • み=道にただ身をば捨てんと思ひとれ、必ず天の助けあるべし
  • し=舌だにも歯のこはきをば知るものを、人は心の中からましやは
  • よ=酔へる世を様霜やらで盃に、無用の酒を重ねるは憂し
  • ひ=一人身をあはれと思へ物ごとに、民には許す心あるべし
  • も=諸々の国や所の政道は、人にまず良く教へならはせ
  • せ=善に移り謝れるをば改めよ、義不義は生まれつかぬものなり
  • す=少なきを足れりとも知れ満ちぬれば、月ほどなく十六夜の空
  • 島津義弘
  •          手ずから握刀の功におよぶ武将「率先垂範型」
  •          「こう攻めよ、こう戦え」の武将とは類を異にした武将
  •          わずかな軍を以ても大軍を討ち果たす「島津・伊藤の合戦」
  •          いろは歌「我欲のために兄弟争い、殺し合うことはあってはならぬ」
  •          敵の戦死者も味方の戦死者と同じように供養した「人道を重んじた」
  •          多方の「細作」(忍びのもの)からの情報を的確に分析