@「趣味が功を奏する」、現代のデジタル基礎を確立させた発明家・天才数学者である。 「天才の3つの条件」1、生まれながらの才能 2、訓練・試練・経験から生まれる能力 3、物事に対しての好奇心 とある。特にこの天才数学者と言われるシャノン、平凡な幼少時代に他人と違った点は、#3の『好奇心』だったとある。「チェスの機械やジャグリングロボット研究開発などは、趣味としても時間と金の無駄のように思えるかもしれないが、貴重な結果はしばしば単純な好奇心から生み出される」と京都での公演で発言し、シャノンの信念である『面白い見方から新たな発見をすること』とある。世の中の発明・発見は正に物事に対し興味関心を他人以上に持ち、人とは違った見方、考え方から新たな発想に繋がっている。天才は決して物事を途中で諦めないどころかとことん追求する勇気を持ち、常にワクワクさせるものを作り出し、最後の喜びである結果を追い求めている。 シャノンという人物は、平凡な機械いじりが好きな子供で、生まれながらの天才教育も受けてはいないが、好きな事に傾ける「好奇心」は人並み以上にあった事である。 だがシャノンは生涯引っ込み思案な性格を残した、それは業界以外の人々にはほとんど無名の存在だったことだ。 (孔子の倒れ)
『クロード・シャノン情報時代を発明した男』ジミーソニ、ロブ・グッドマン
- 携帯電話、電子メール、インターネット、ストリーミング。今日の世界はこの男なしにはありえなかった。「情報理論の父」と呼ばれる孤高の天才数学者シャノンなしには実現しなかった―。今日の全てのデジタルコンピュータを支える基本的な概念築き、フォン・ノイマンやチューリングも感服した孤高の天才数学者、 影響力の大きさは、アインシュタイン以上とされる。
- ミシガン州ゲイロード、1916年に生まれたクロード・エルウッド・シャノンはアメリカ合衆国の電気工学者、数学者。20世紀科学史における、最も影響を与えた科学者の一人である。 情報通信、暗号、データ圧縮、符号化など今日の情報社会に必須の分野の先駆的研究論文『情報理論』を残した。シャノンは1949年にチェスプログラム開発、画期的な論文「チェスのためのコンピュータプログラミング」を発表した人物。この論文はコンピュータゲームでのコンピュータの思考プログラム設計の原典となった。
- 「シャノン」
- 父は商売人(家具の販売と葬式商売、地域の社会奉仕委員会、判事)、母は教師・校長(社会活動・赤十字など協力)で機械いじりが好きな少年で至って平凡で引っ込み思案の幼少期だった。組み立てエレクターセット、電気機器、無線機、ラジコンの船なども作った。ミシガン大学の姉の影響から数学が得意で学校でも数学と科学、それにラテン語がA評価であとはB。工学部の人気でミシガンの工学部に入学、その後MITで大学院生、微積分解析開発の助手などを経て、恩師となるヴァネヴァー・ブッシュと出会う。22歳で発明家として頭角を現し人工知能研究を始める。1937年に「継電器と開閉回路の記号的解析」(芸術を科学に変える)修士論文を始め、ベル研究所に勤める。1942年ENIACが誕生、ベル研3賢人(ジョン・ピアース、バーニー・オリバー、シャノン)らが通信「ビット」情報の単位を(情報理論)を確立。1948年シャノン32歳で「情報理論」発表、最愛で研究助手的パートナー、ベティー・ムーア(ベル研従業員)と二度目の結婚。工具店で様々な機械の部品等を多く購入した。それは「価値ある結果はしばしば単純な好奇心から生み出されることを科学の歴史は教えてくれる」と悟り、機械仕掛けの迷路脱出するおもちゃネズミ(ラット=テセウス)を手作りする。(ヒゲで感知する継電気開発=センサー)、後に「記憶力を持つネズミ」と紹介される。『僕の最大の夢は、本当に考え、学習し、人間とコミュニケーションするだけでなく、高度な方法で環境を操る機械をいつか作ること』(思考が最後の牙城として浮上する)、また『我々の人工知能の研究者は満足することを知らない』と1984年には人工知能が人間を凌ぐ時代が来ると予測していた。『人間は機械だと思う。人間は簡単に複製できる。人間には10の10乗、およそ100億個の神経細胞を電子機器でモデル化できる』とも予測している。
- 「天才の3つの条件」
- 生まれながらの才能・訓練と好奇心である
- 『モチベーション、すなわち解答を見つけようとする熱意、物事を進行させる仕組みを理解しようとする情熱』が必要だと説する。
- 『才能・訓練・好奇心・苛立ち・喜びが正しく配合した人材』
- 問題・解決策・分析=最終結果を見つけることの喜び
- シャノンの講義は「これがなになにしかじかの要点だ」ではなく「昨夜これを眺めていたら、こんな面白い見方を発見した」である
- アイデア・直感・解答へのアプローチ『これはどうかな〜』である
- 解決法を「思い描く」、様々な工具、おもちゃで実証する
- 1985年京都賞(基礎科学部門)で受賞
- 京都公演「エジソン、ベル、マルコーニなどの発見はエンジニアや発明家が仲介役にならない限り一般の生活には影響がない」を指摘
- 「チェスの機械やジャグリングロボットなどは、趣味としても時間と金の無駄のように思えるかもしれないが、貴重な結果はしばしば単純な好奇心から生み出される」と発言している。
- 「シャノンの生涯」
- 数学者、科学者、エンジニア、さらにジャグラー、一輪のり、機械製作者、未来科学者、ギャンブラー
- ロボット工学から投資、コンピュータチェス研究(人工知能)
- 考え抜く『勇気』(研究にどう取り組むべきかの教え)
- 『僕は問題が何の役に立つかではなく、問題がワクワクするほど面白いかどうかに興味がある』研究者としての立場を貫く。それは例えば『なぜ一輪車が面白いのかを見つけること』だと 『遊び心』を持ち続けた。
- 第二次世界大戦時には大統領顧問として日本の暗号解析などで功績を出す。
- 1983年にはアルツハイマー病が発症、2001年2月24日世を去る
- W・H・オーデン『天才とは、もっとも幸運な人間である。やらなければいけないことと、やりたいことが同じなのだから。たとえ生前に天才として認められなくても、この世の最高の報酬は常に彼らのものだ。素晴らしい成果は時の試練を乗り越えて、後世に伝えられるだろう。天才も仮に天の王国に行けば最も小さな存在かもしれないが、すでに地上で十分な報酬を手に入れている』