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無言の夫婦生活を覗く『終の住処』

2019-08-22 08:18:13 | 人生を「生かす」には

@「夫婦無言生活」とはこの小説の内容。夫は、結婚しても妻の「無言」で「夫婦の会話」を持たない生活を余儀無くされる。世間にはよくあることかもしれない、特に結婚生活が長くなればなるほど「夫婦の会話」は無くなる、だが子供ができれば違う。それは子供優先の生活環境に代わり、子供が仲介役的な存在にもなるからだ。 だが、この小説は最後までなぜ「妻は無言」なのかが解けない。苦労して手にした「家」も「今更離婚して手放さない」と夫は思ったのか・・永遠の住処になる。夫は最初から妻に見捨てられていたのか、ではなぜそんな生活を続けるのか。最近は「夫の居場所」、退職後の夫の居場所が話題になっているが、そんなに夫の居場所はないのか。妻が嫌うのは「生ゴミのようにだらだら家にいること」らしい。で妻が喜ぶことは「夫が一人で終日外出すること」ともある。(喪家の狗)

『終の住処』磯崎憲一郎 第141回芥川賞受賞作

  • 結婚後、妻はそれきり11年、口を利かなかった――。30を過ぎて結婚した男女の遠く隔たったままの歳月。過ぎ去った時間の侵しがたい磐石さ。その恵み。人生とは、流れてゆく時間そのものなのだ――。
  • 30を過ぎて結婚、結婚生活は最初から妻の無言が。夫婦間に無言生活が続き、夫は浮気を何度も何度も重ねる。それは妻の無言の原因を突き止めることもあったがついに夫はそんな妻に対して離婚を決意する。だがその日に「妊娠」の報告を受け、そのままの生活が続く。その後長女ができ、仕事も快調に。だが心を体も満たされないままの生活は浮気を重ね、外での宿泊も多くなった。その後一戸建を購入に、妻の紹介の建築家が百年も持つ家を提唱。三年かけて大黒柱が揃い完成する。そんな時会社からの海外赴任の命令が出る。数年の海外赴任後、会社としての役割、米国にある薬品会社を買収する、が成功し帰国する。ところが娘が夫の居た米国に住んでいると言う妻。夫への連絡もしない「無言」の家庭は永遠の住まいを残して「無言」のままとなる。