@現代は「人の幸せ」ではなく「自分の幸せ」を自分で選ぶ時代、個人主義が優先となっている。人々は「物的社会」には豊かになったが、不足気味なのか「心の満足度」、特に自分に対する満足度が足らないと感じている。心が通じる良き仲間不足もある。この書にあるのはネット社会がもたらす「孤独」は如何に自由時間を使い、じっくり考え、自分の夢に向かって行動できるようにする時間と場を与えると言う「善の孤独」である。悪・貧困・侘しい・寂しいイメージである「孤独」とは全く違う「自由の獲得」の「孤独」であると言う。 ネット社会は人々の思考、生活習慣を変え始めているのを自覚し、自分自身で実行する時代なのだ。 「楽しい・素敵な孤独」は自分で選び行動できる時代なのだ。
『孤独の価値』森博嗣
- 人は、なぜ孤独を怖れるのか。多くは孤独が寂しいからだと言う。だが、寂しさはどんな嫌なことを貴方にもたらすだろう。それはマスコミがつくったステレオタイプの虚構の寂しさを、悪だと思わされているだけではないのか。現代人は〈絆〉を売り物にする商売にのせられ過剰に他者とつながりたがって〈絆の肥満〉状態だ。孤独とは、他者からの無視でも社会の拒絶でもない。社会と共生しながら、自分の思い描いた「自由」を生きることである。人間を苛む得体の知れない孤独感を、少しでも和らげるための画期的な人生論
- 「孤独とは何か」寂しいと感じる時。「失った」の無念さを感じた時。「失った」ものは仲間意識にある「安心」。 自分を「認めて欲しい」と言う思考と「無視される」と言う感覚がある。 いじめは「仲間意識」に「弱さ」を見せることでいじめになり、孤独感を持つことになる。
- 「なぜ寂しいといけないのか」孤独を恐れる理由は何も考えたくないと言う「思考停止」に陥ること。だが孤独は「日本古来の伝統美にあるわび・さび」は静けさとシンプルさの中に美を感じる「寂しい」感覚ではなく、自分を自由にすると言う姿勢もある。
- 「人間には孤独が必要である」「貧困」「言葉の綾」など悪者ではない。個人でも生きやすくなった社会、人に合わなくともネットで電話、用件をすますことができる。生活用品もネットで注文、連絡もEメールで用件は達せる。「孤独」は「静けさ」「創造的」など十分「社会との協調」が可能となっている。
- 「孤独から生まれる美意識」自然な美、シンプルな美、質素な美などを産むことが可能。
- 「孤独を受け入れる方法」
- 創作、研究、無駄なことをあえてしてみる
- 孤独とは自由の獲得である
- 社会に縛られない。結婚をしない人が増えている理由は「自由でいたいから」であり「孤独でいたいから」ではない。自分が思い描いたものを目指すこと、自分の夢を実現すること「楽しい孤独」「素敵な孤独」
- 必ずやりたいことをじっくりと考えること
- 「孤独になると人間は優しくなれる。孤独を知っている者だけが友情や愛情に満たされる」