@殺し屋に追われる悪党ギドリーと家族を連れ戻そうと酒癖の悪い夫から逃げ出した母シャーロットとの逃走シーンがこの小説の展開の面白いところだ。双方に身元を明かさずいるが暫くすると悪党に情が芽生え、家族を母親を守ろうと動き始める。その逃走の中での言葉「これから出会うのは新しいことばかりだ。ここからずっと、どこへ行っても。新しいものは古いものよりずっといいかもしれない。その時になるまでわからないんだ」それは、新しいものが必ずしても良いとは限らない、だが経験しないことには誰にもそれを判断できない、と言うことだ。力強い母の情熱と新たな挑戦は子供二人の将来を見通し人生を賭けたのだ。
『11月に去し者』ルー・バーニー
「概要」1963年11月、ニューオーリンズ。暗黒街で生きる男ギドリーは、ケネディ大統領暗殺の報に嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事はこの暗殺絡みに違いない。ならば次に死ぬのは自分だ、と。仇敵を頼って西へ向かう道中、夫から逃れてきた訳ありの母娘と出会ったギドリーは家族連れを装いともに旅するようになる。だが組織が放った殺し屋はすぐそこに迫っていた――MWA賞受賞作家の話題作。
ーギドリーは自分が仕掛けたのはケネディー大統領の暗殺だと悟り、そのボスが証拠となる全て自分を含めて消し去ろうと殺し屋を差し向ける。
ー田舎暮らしの2女を持つ母親シャーロットは夫の酒癖と狭い田舎での生活から自分と将来の二人の子供にもっと人生経験をさせたく突然ロサンジェルスの叔母の家に家出をする。
ーギドリーは独り身で追われるのはまずいと車が故障し立ち往生したシャーロット家族と合流。身元を一介のサラリーマン風に変装し目的地へ向かうが、途中思わぬ罠と助け舟が交差する。