@17歳の少女が大人の仲間入りを始める、それは成長するため乗り越えなければならない壁(大人の人間関係を理解する)だったに違いない。その表現は「今日、ここで自分の中の何かが死んで、別の何かが生まれてきた」で大人の世界に入ったと実感したのだろうか。人は生死を賭けた場面はもちろん、恋愛含めた人間関係で大きく変わる、成長する。世間でよく言う「出会いは別れの始まり」も同じで一つの経験が次の経験の礎になり、一皮剥けて人は成長するのだ。
『死と乙女』赤川次郎
「概要」あの人、死のうとしている――。放課後、電車の中で偶然居合わせた男の横顔から、死の決意を読み取った絵梨。思い直させるべき? それとも……。ある事件を境に、二つの道に分かれた少女の人生が同時進行する!
ー会社を盛り上げ一心で家族と社員を大切にしてきた時、一人の優秀な部下に裏切られ、会社を手放すことになる。それは不倫の関係を微妙に高校生になる娘、その友人に感じ取られる。自分の存在を悟り、自殺を図るが一命を取り留める。だが家族の絆が壊れたことで仕返しを考える。
ー17歳の少女が大人の仲間入りを感じ始め、大人の複雑な関係を見た時に何かがなくなり、何かを得た、それは大人になったという感じの物語だ。
「生きることの哀しみと、死ぬことの痛み、当人もだが、人の死が、周囲の人々に与える痛みを初めて知った」
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