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敗戦要因は「官僚化」と「机上学」『決断の太平洋戦史』

2025-01-06 07:46:25 | 歴史から学ぶ
日米英の様々な軍人の生き様を綴った本書。戦略戦術で成功、失敗など記述があるが、特に日本の敗戦の要因が気になる。それは「情報収集・解析力不足」及び「人事権・官僚化」だという。
太平洋戦争では日本の暗号が完全解読され、古い体質の戦略(対米英の最新鋭の武器・船隊対航空隊、レーダー、長距離大砲、燃料・物資輸送確保)のまま、机上学と学歴重視の上から目線、さらに人事にコネ・先輩後輩序列が何よりの組織で「否定できない組織」となった事だ。現代日本の政治家組織も多くが自民党の年功序列に従うだけで規制改革・変化は政治家自身の為のものが多く、国民の立場のものはほとんど無くなった。例:人口減・少子化対策など殆ど効果なしで先延ばしの対策しかできない、10年後20年後の日本を背負う世代に「多額の負債」を残し、国家予算を右肩上がりに国会議員はいつまで使い続けるだろうか
『決断の太平洋戦史』大木巌
「概要」「人材養成哲学」が勝敗を分けた――。日米英12人の人物像と戦歴を再検証。参戦各国の指揮官や参謀たちは、いかなるエリート教育を受けたのか。どの国も腐心したリーダーシップ醸成の方策とは何なのか――。「指揮統帥文化」という新たな視座から、日米英12人の個性豊かな人物像と戦歴を再検証。組織と個人のせめぎ合いの果てに現れる勝利と敗北の定理を探り、従来の軍人論に革新を迫る野心的列伝。
ー大東亜戦争・15年戦争・太平洋戦争・アジア太平洋戦争での軍人の行動や逸話
・アーサー・パーシャバル名誉中将(イギリス陸軍)1970年マレー戦役での敗北
    防戦体制の準備未成・質的劣勢・イギリス本土での軍部分散理由(北アフリカ・中東)
    シンガポール陥落の責任を一人で背負った
・三川軍一中将(日本海軍)真珠湾攻撃に参加 ガダルカナル
    連合艦隊山本五十六からの承諾書を得ず攻撃(作戦を認可したが承諾書を出さなかった)
    輸送船団を攻撃する目的がぶれた(現状把握で判断)帰還した
・神重徳少将(日本海軍)戦争の諸階層の必要性を訴えた
    日本海軍のコマンドカルチャー(現場の指揮官たちに自主独立の柔軟な指揮の欠如)
・A・ヴェンデグリフト大将(米国杯兵隊)日本軍伝説を粉砕
    米国海兵隊の存在意義を証明する(ガダルカナル上陸戦)
・北條圓了軍医大佐(細菌戦での研究・参謀)
    生物兵器開発への研究(ドイツ留学)・ソ連はすでにハルビンでの利用
    ヒトラーの反対で生理的な嫌悪から細菌・毒ガスは禁止(ヒムラーは使用賛成派)
・C・シェンノート名誉中将(米国空軍)義勇兵を雇用した軍隊(フライングタイガース結成)
    義勇兵パイロットで中国を保守(カーチスH-75戦闘機)
    300機とパイロット養成(敵1機で5百ドルのボーナス)
・小沢治三郎中将(海軍)3本の指となる軍人・山本五十六・山口多聞
    教科書に捉われず先頭計画(真珠湾への空母機動部隊編成)
・W・ハルゼー・ジュニア元帥(米国海軍)ヒット&ラン (とにかく叩け・怯むな)
    戦艦ミズーリでの魚雷(水雷屋)からホーネット・ワシントンでの猛将
    台風の進路予測で誤り味方が全滅(航空機146機・駆逐艦3隻)
・酒井鋼次中将(陸軍)東條英機と対立 近衛文麿との接点
    傭兵思想や戦争指導を研究内閣との対立(三国同盟への解決)
・山下奉文大将(陸軍)フィリッピン・マレーの虎
    昭和天皇の不興を買われ、2・26事件での関与
    前線での優れた戦略眼、終戦まで統率に優れた大将
・O・ウインゲート少将(イギリス陸軍)インドでのゲリラ部隊
    チンデッツでジャングル作戦
・カーティス・ルメイ大将(米国空軍)爆撃機
    東京等大都市での空襲計画(焼夷弾で焼き払う計画)
    B-29 300機での都市壊滅、無差別爆撃作戦・原爆投下
日本の指揮統師文化
    形骸化・官僚化した軍隊は軍隊の弱体化を招いた
    戦争指導の閑視(戦術次元の知識や理解もなく)
    人事システムの硬直(官僚化した組織・コネと学歴)



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