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書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

歴史の謎解き「探求」は面白い『人間・歴史・風土』

2022-09-20 07:39:00 | 歴史から学ぶ
坂口安吾氏(1906年生まれ)は日本史の「謎」を探求し続けた文学者であり歴史家。それは「異端の日本史」にあるように日本は疑史、偽史の類の捏造された文献が多くあることから探究心旺盛な人だったとある。文中にある伊勢神宮、天皇系絵図、聖徳太子など歴史を紐解く「古事記」「日本書紀」「風土記」「万葉集」「台記」「玉葉」などの文献からのもので疎い私には理解できない事柄が多く割愛です。が、気になったのが隠れキリシタンのその後、埼玉県の入間郡高麗神社など先祖は古くから朝鮮半島からの今でいう移民の人たちだったのも興味深いものがあった。
『人間・歴史・風土』坂口安吾
自然の風土の中で生きる人間をとおして作られるのが真実の歴史であるとする安吾独得の歴史観を背景に、自ら現地に足を運び、卓抜した洞察力を働かせてものした歴史紀行の中から「天草四郎」「安吾・伊勢神宮にゆく」「飛騨・高山の抹殺」など10篇を収録。
ー天草四郎(16歳の美青年)
キリシタン一団と農民一団が起こした島原半島にある廃墟の城で決起し、全員が死亡したと言う
城内にの空壕にいたと言う3千人の女と子供は喜々として死んだ
四郎は長崎の小物商を商う丁稚という説と、父と一緒に小物商を大阪江戸などで行商した説
武将は猪突し死亡した武将 板倉、後に豪勇、名称とされる その後松平伊豆守によって終結
ー直江山城(当主は上杉謙信、弟子は真田幸村)
上杉謙信の家老が秀吉から30万石の城主となり東北の守刀となる
山城は信長、秀吉、家康に仕えることになる律儀温厚な人物、関ヶ原の戦いには三成に協力
ー勝海舟(江戸徳川で国防で中立)
薩長との戦争をせず江戸幕府が負けることに努力、だが維新後の政治に登用されなかった
勝海舟の心得第一は「高い税金は国を滅ぼす」で「形式ばるな」の思考が型破りだった
勝海舟の父親は喧嘩好きで剣術好き、人助けも大胆にだが、金を取ることはしなかった
ー飛鳥の幻
吉野には蔵王堂、聖地の本堂(山伏の根元道場)の九三建築としては東大寺の次の大きさ
長子相続は大化の改新から始まり壬申の乱を起こす(藤原一族の勢力の兄弟争い)
藤原武士にも3種の神器があり、長者の印、漆器、台盤
仏教の伝来以降急速に文字が普及した、聖徳太子以降の学問僧により憲法を定め、12階を定め、7大寺を建立、仏典を講じる文化生活が始まった
古文書などでは□□などが多くある写文、天皇系の古文書でも兄弟争いの□□も多い
ー長崎ちゃんぽん
長崎には古い地図が一才ない(参謀本部の拠点が多く禁止されていた)
隠れキリシタンの英雄的存在徳田球一は近隣の藩等(数万の人材)を巻き込んだ捕物劇を演じた
匿った隠れキリシタン含めた人々も五百余名を数え死刑にされた(35日間の捕物劇)
徳田は1637年に処刑されており島原の乱には参加は不可能で、名残谷に「金鍔」で有名
長崎のの原爆で亡くなった人はその当時8500名、キリシタンが1万人いたと言う
昭和24年の調査では原爆死は73,884名、行方不明1,887名、重軽傷者76,796名
長崎人の大食(1日3合)ちゃんぽんでは特大サイズであり、棄教したのは食不足だった
ー飛騨高山
千光寺は縁起の上での空海の弟子真如が開山となり、ここがスクナの墓(否、大友皇子、日本武尊らの運命を負った人々の霊場)
ー高麗神社(満州、朝鮮からの移民地区)
霊亀2年5月に高麗村に移された1799名は元は高句麗等の出身者
向島にある白髭神社は武蔵野にある高麗神社が総本家だと言われる
ー富山の薬と越後の毒消し
富山の薬の元は岡山、江戸城殿中の急病で利用されたことで有名、富山の薬箱(後払い)
薬で有名なのが反魂丹とケロリン、越後の毒消しは女の行商人が日用雑貨と共に売った
富山薬売りは製造と販売売子(帳主)に分かれており売子は現金で購入、利用者は後払い


介護、病人となり知る世の常四苦八苦『般若心経』

2022-09-19 16:50:45 | 人生を「生かす」には
身内が病人となり、延命しない人生を看取るまでの姿を綴った本書、お経とともに描いた思いは身に沁みる。菩薩、如来など「般若心経」「観音経」、ブッダ、釈迦の「法句経」、特に「法句経」はむしろ人生訓、箴言集、自己啓発書という。「無常偈」にある「常なるものは何もない。生きて滅びる定めである。生き抜いて、滅び果て生きるも、滅ぶもないところに 落ち着く」は心に残る
『般若心経』伊藤比呂美
「概要」死にゆく母、残される父の孤独、看取る娘の孤独。
苦しみにみちた日々の生活から、向かい合うお経。
・読み解き「懺悔文」 女がひとり、海千山千になるまで
「我昔より作りし所の諸々の悪行は、皆無始の貪瞋痴に由る。 身と語と意より生ずるところなり、一切を我今皆懺悔して奉る」
    貪瞋痴:貪る心・思いのままにならぬ怒る心、知ろうとしない愚かな心
・読み解き「香偈」「四奉請」 おはいりください
・読み解き「般若心経」 負うた子に教えられ
新訳「般若心経」
    生老病死・愛別離苦・怨憎会苦(人間が切っても切れない四苦八苦)
・読み解き「発願文」忘れること忘れないこと
    人は昔の確執、諍いを思い出す(忘れたという思いが思い出す)
・読み解き「大地の歌」浄土をさがして
・読み解き「ひじりたちのことば」いぬの話
 延命治療をしないという意味「口から食べられなくなった老人をそのままにしておくのは、医療従事者としても家族としても大変辛いものだんですよ、生きながらミイラになるのを見ているわけですから」
・読み解き「白骨」ほらほらこれがぼくの骨だ
 「骨拾い」で「もっとダディーに教えてもらいたいことがあった」と泣きながら・・・
・読み解き「観音経」あなたにはかんのんがいる
・読み解き「地蔵和讃」母が死んで、父が残った
・読み解き「七仏通戒偈」「無常偈」いつか死ぬ、それまで生きる
「諸悪莫作 諸善奉行 自浄其意 是諸仏教」(悪い事をするな 良い事をしなさい 清い心を持ちなさい これが仏の教えだ)
・読み解き「四弘誓願」ぼんのうはつきません。あとがきにかえて
無常偈「諸行無常 是生滅法 生滅滅己 寂滅為楽」(常なるものは何もない。生きて滅びる定めである。生き抜いて、滅び果て生きるも、滅ぶもないところに 落ち着くのだ』


戒名と法名の違い 仏教の基本『日本人のための仏教ガイド』

2022-09-19 11:46:02 | 歴史から学ぶ
@現代お寺に行くのは年に数回の葬祭くらいに行く程度しかならないが、仏教の基本を知る事の大切さは現代の世の人々に欠け始めている事柄を暗示させてくれる。特に三毒(貪瞋痴)と言われる人間の邪悪・邪念が「利己主義・自己主義」で様々な格差・混乱・戦争を生んでいるように思う。
『日本人のための仏教ガイド』永田美穂
「概要」お釈迦さまの伝記、仏教のおしえ、歴史、仏像の見方など、多彩な内容を満載。お釈迦さまの伝記、仏教の基本的な教え、仏教の歴史、仏像の見方など、多彩な内容を満載。
出家を決意した理由
自然界での植物や虫や鳥が互いに弱肉強食を繰り返しているのを見で生きるものの運命の儚さを痛切に感じたこと。自分が生・老・病・死の問題に回答を得るには出家し修行者となるしかない
ーお釈迦様(釈尊)の29歳のパパだった
出家は一時のパパであり名をターフラ、母は第一妃ショーダラー(結婚後12年後の子供)
苦行6年(衰弱した体)となったが、その後45年間に亘る遊行、布教、80歳きのこ毒で没
「所業は無情である」(あらゆる現象は移ろでゆく)
「お釈迦様」は紀元前566年に誕生したと言う説、463年と言う説
(キリストはその500年後に生まれている)
ー4つの聖なる真理
「苦諦」(煩悩の有様)「実諦」(原因理由)「滅諦」(悟り後の有様)「道諦」(悟り手段)
「苦諦」:愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦
「実諦」:三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)
「滅諦」:「無明」理論的な悟りと実践的な悟りが必須 
「道諦」:無明になる状態の方法を教えること
ー仏堂の修行(戒・定・慧)3学
戒:戒律をも守ること
定:邪念にとらわれないこと
慧:真実を身をもつための知恵
「悟り」の対局が「煩悩」(108つ)がると知る事
「供養」(供物・施物)「布施」(宝・金・言葉)
ー「お経」
「般若心経」最も古い貝葉の現存
「仏教聖典:経蔵・律蔵・論蔵)
「法華経」「華厳経」「密教経典」「浄土教経典」「阿弥陀経」
日本への仏教伝来
6世紀中頃、538年~百済の聖明王からの貢献物としての仏像、経典類
進歩派の蘇我氏(vs保守派の物部氏)が仏教を利用し政治軍事を統制する
推古天皇による聖徳太子時代に憲法その他官僚制度への登用で仏教普及(飛鳥建築等)
中国からの鑑真、最澄、空海(弘法大師)、法然、親鸞、一遍、栄西、道元へと宗派が完成
仏像 如来像、菩薩像、天部像、明王像(4つ)
如来像:人間で形で表す32相(釈迦如来・薬師・阿弥陀・毘盧遮那・大日)
菩薩像:未来の如来(弥勒菩薩・文殊・普賢・地蔵・虚空蔵・日光・勢至・観音)
天部像:蓮華座等には座ることができない像(仏教の守護神:梵天・帝釈天など)
明王像:曼荼羅の世界をもつ守護する神、火災と怒りも愛のための王(不動明王など)
ー仏具とお寺・竜(仏教を守る味方)
糞掃衣袈裟(ボロボロの袈裟)・鉢(食器)・数珠・木魚・魚鼓(ほう)・幢慢(のぼり)
天蓋・錫杖(しゃくじょう・毒蛇・毒虫除け)・独鈷杵
金堂・本堂(本尊の安置場所):法隆寺・唐招提寺・興福寺・三井寺・東寺・根本中堂
梵鐘:最も古いのは法隆寺の鐘、美しさでは平等院、音色では三井寺
五重塔は土饅頭(墓):仏陀など尊敬される聖者たちの遺骨(舎利)
竜:人間雨や建物を守る神・鳳凰・麒麟(西洋はドラゴン:退治すべきものという印象)
金毘羅:「ワニ」のこと
「草冠」仏門で嫌われるもの:ねぎ、らっきょう、にら、ニンニク、はじかみ(5葷)
お経から出たカタカナは江戸時代の国学者本居宣長によるもの(梵字の影響)
戒名:一定の修行を終えたものが師によって授かるもの
浄土真宗などは法名として全て「釈」(女性ならば釈尼)、戒名として「居士(男)、大師(女)の他に「院殿」「院」「信士・信女」の呼び名がつく


「生者必滅」を心して知る事の意味『寂聴生きる知恵』

2022-09-19 07:38:57 | 人生を「生かす」には
「蜜蜂の生き方」を見習う=「飛び立つ鳥 後を濁さず」などにもある仕事に、退職に、蜜を得て花を転々とする蜜蜂の様に、入る時も、飛び立つ時でも決して花びら等を傷つけたりはしない。そんな生き方を愛する事は今の世に必要だと言うことだ。「生者必滅」人は必ず死ぬことを思えば、決して争いをしてまで憎まれ者になりたくないものだと言うことも特に国守(大統領・首相)は知るべきだ。
『寂聴生きる知恵』瀬戸内寂聴
「概要」人生をならう真理のことば。命を生かす真実の教え。法句経は最古のお経です。その知恵に照らして寂聴師が説く、生きるとは、愛するとは、自分とは。
ー法句経 一番古いお経 (生きる知恵・」真理の言葉)釈尊の423の詩
ー「生者必滅」生きる者は必ず死ぬ 「会者定離」会う者は必ず別れる 人間の運命
    だからこそ与えられた持ち時間に精一杯励む、精進努力して人間としての価値を実現
「貪・瞋・痴」三毒を振り捨てる
    貪欲の心や、怨みの思い、執着心を捨てる事
    「蜂は花びらを傷つけないようにはいり、出る時も静かにそっと振り舞う」
ー古代インドの夜の3つの区別
    遊戯に夢中になる・妻子を養う・善をなすべき時
   (少年期・壮年期・老年期)
ー古代インドの人生の4つの区別
    学生期・家住期・林行期・遊行期
ー伝教大師は54歳、弘法大師は61で亡くなっている
    釈尊は80歳(当時は30歳前後が平均寿命)
「愚かさに気づかない人こそ愚か者」
「諸々の善をなし、諸々の悪をなすなかれ」
「死んでも生き続ける命、生きていても死んでいる命」


男と女の魅力とは『白痴』

2022-09-18 07:46:01 | 人生を「生かす」には
@男の魅力と女の魅力、見せる側と見せられる側、至って違うのは当たり前。誰もが裸になれば同じ男と女になる、そんな人間の精神と肉体を鋭く視た小説だ。男と女はどうあるべきか、恋人同士の時、夫婦となった時、互いが老いを感じる時、など 人の魅力はいつも違う、見つけ感じるのは自分だ。文中の空爆後生き残った女の言葉「私は過去よりも未来、いや、現実があるだけなのだ」と生きている今こそ本当の自分を試す事ができるのだと悟った、に深い印象を持った。
『白痴』坂口安吾
白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める
「いずこへ」男と女、飲み屋の女はいつもだでから寝泊まりしているが、若い男の亭主持ち。亭主は気にせず金を貰えば消え去る。ある日、女が自分の部屋に訪ねてくるようになり掃除、料理などして行く事があり好きでも無いのに何処かに一緒に住みたいと言い張る。性的欲求もないが
「白痴」ある日白痴な女が自分の部屋に忍び込み、対話もできず、怯えて押し入れに隠れていた。夜になっても怯えるだけで帰るとも無く一夜を過ごす。一人の若い女、でも白痴を泊める事で躊躇する。やがて東京の空襲で周りが焼け野原になるが、かろうじて何故か白痴の女を庇い一緒に逃げる。
ー時は終戦間近の男と女・露天商の醜い年老いた女、白痴で対話ができない若い女、芸者上がりの人妻娼婦、貞操の概念がないマダム女、周りが火の海となった空襲で好きな男に身を捧げ熱風地獄から生き延びた女郎、何も情欲、肉欲が絡む展開となる
ー「女の必要があったら金で別れることのできる女を作れ」アドルフの一説
ー「己の欲するものを捧げることによって、真実の自足に至ること。己を失うことによって、己を見出すこと」


リドルストーリーとは、これから増えそうな感が『追想五断章』

2022-09-17 07:44:00 | ミステリー小説から見えるもの
「リドルストーリー」(結末を読者の想像に委ねる)短編小説に託した可南子の父は、世に遺したのは謎を秘めた真実だった。密室事件にありがちな当事者しか知らない真実を娘にも告白せず半永久に残る小説に託したのだ。読者の想像、予測に委ねた作品は「消化不良」となりがちで、「後味」が悪い。だが、今後「我が人生」としてそういった内容も遺書をネット上に残す人も増えてくる気がする。それは今までずっと秘めていたことを告白し、気持ちを軽くして逝きたい人が増えると感じる
『追想五断章』米澤穂信
「概要」5つのリドルストーリーに秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受け5つのリドルストーリーを探し始める。実はその著者は生前「アントワープの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり……
「リドルストーリー」とは「読者に委ねて結末を書かない小説」
夫婦と幼い娘3人が家族が旅に出る。ある晩妻が自殺を図り、夫がその殺人容疑で逮捕される。夫は紳士で金持ち、だが酒と女に酔いしれていた。妻は貞淑で高潔、女優であった。 既に夫も癌で亡くなり、成熟した一人娘可南子が父の幻の小説5篇があると知り、探そうと古書店のアルバイト芳光に依頼する。いずれもその5点がリドルストーリーであり一行の要約文があることは知っていた。
ー芳光は可能性のある古い人脈などから4編を探し出し最後の5編目が病院の看護婦に委ねていた。それらを繋げると「母の死亡が自殺だったのか他殺だったのか」が読みとれ、それを反故にしようとしていた存在が娘だった。


起業家に必要なこと信頼と人脈『胸突き坂(2)』

2022-09-16 07:43:10 | 起業家への知恵
「用意周到」何事にもしっかり調査してことを進めること。現代、あまりにも情報過多で理論武装しすぎて一歩前に進める冒険的な起業家が減った気がする。元々日本はベンチャー企業に対する好意的な見方がないが、それは「頭でっかち」社会が今の政治家のように「先延ばし」「無策」「無責任」となった要因かもしれない。 更に「人脈」は出世、拡販などにはとても重要だ。それにはやはり「行動」すること、その度に長く付き合う為に良い面での「持ちつ持たれつの関係」を築くこと、だと言うこと。
『胸突き坂(2)』鈴木英治
「概要」百姓の家に生まれた青年・徹之助は、地主の娘・おあゆとの恋を成就させ結婚する。さらなる幸せを夢見た二人は、高値で売買される干椎茸を元に、江戸で商売することを思いつく。ひとり高級料理店の門を叩く毎日を送る徹之助は、姉を殺されたという占い師の女と出会う。金、女、誇り・・・・・・。男たちの野望が渦巻く江戸で、一旗揚げることができるのか
地元で成功した椎茸の栽培と販売、江戸に出て拡大させようとゼロから奮闘する。人助けすることで自分の幸せを掴んで着る姿が見える。何も知らない江戸での拡販は困難をきたし、ましてや干し椎茸を保存していや蔵から一切合切進まれる。 だが、その立ち直りへの発想は、人脈を頼って余っているところから調達、新たな顧客への悩みを解決、更に盗賊に対しての2度と犯さないようにする手立ては関心する
ーある殺害事件に徹之助が占い師の若い娘と現場見聞する。事件は徹之助の洞察力で解決するがその時の娘と恋心が・・・


日本語の心地よい響きと季節感が失くなった『大人のための短い文章』

2022-09-15 07:48:44 | 人生を「生かす」には
現代は「季節のあいさつ」を書くことがなくなった感がある。それはいつでもどこでも相手とメール、SNSでやり取りしているからあえて使うこともなく忘れがちだ。また、尊敬語、丁寧語なども使う頻度が減り、日本語の心地よい響と季節感を表す語彙の良さも忘れがちだ。
『大人のための短い文章』川崎麻子
「概要」「書く技術」は、誰にとっても必要なスキルです。
本書はシーン別の構成で、知りたいときに知りたいフレーズをすぐに探せて活用できます。
相手に好感を持たれる表現や豊富な語彙力を身につけ「伝わらない」から解放されましょう。
文章で大切なこと
・主語と述語を対応させよう
・品詞を意識する(動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞、連体詞 など)
・句読点のルールを覚える(。、!。? などの利用の仕方)
・接続詞・こそあど言葉の乱用に注意(従って、しかし、この、その、あの、どの など)
・てにをはを正しく使う(「は」と「が」、「で」と「に」 など)
・明確にする(5W1Hを意識する)
・文章は短くシンプルに、、読みやすさ、見た目を整える
ー称賛・感心
「誇りに思います」「感心しました」「模範とするところでございます」
「ご一緒できて光栄です」「とても勉強になりました」「お手本にさせていただきます」
ー気遣い
「さぞかし大変のことと推察します」「ご加減はいかがですか」「ご心痛のほど」「いつもお心遣いいただき」
ー断り
「お気持ちだけ頂戴します」「事情をお察しいただき」「急な差し支えがございまして」「不本意ながら」「心苦しいのですが」「あいにくですが」「せっかくのお話ですが」
ー謝罪
「不手際で」「言葉足らずで」「失念しており」「考えが及ばず」「不行き届きで」「平にご容赦願います」
ー決意・反省
「肝に銘じます」「尽くす所存です」「周知徹底を図ります」「自責の念に駆られております」
ー相談・質問
「ご助言いただけないでしょうか」「ご教授いただけないでしょうか」「お知恵をご拝借できれば」「ご回答賜りますようお願い申し上げます」「忌憚の愛ご意見をお聞かせください」
ーお見舞い・お祝い・お悔やみ
「心よりお見舞い申し上げます」「思いもかけぬご災難お見舞い申し上げます」
「ご心痛のことと拝察いたします」「心から哀悼の意を表します」「突然のことでお慰めの言葉もございません」
ー季節のあいさつ
1月「新春を寿ぎ」「松の内の賑わいも過ぎ」
2月「余寒厳しき」「春の訪れが待ち遠しい季節となり」
3月「三寒四温を実感する季節ですが」「春寒の候」
4月「桜花爛漫」「花冷え」「新年度を迎えご多用のことと存じます」
5月「薫風」「向暑」「五月晴れ」
6月「梅雨」「梅雨寒」「夏至」
7月「いよいよ夏本番を迎え」「盛夏」「蝉の声」
8月「立秋」「残暑」「土用明けの暑さ」
9月「名月」「爽秋」「秋色次第に濃く」
10月「秋雨」「金木犀」「清涼の秋気身にしみて」
11月「菊花」「小春日和」「深冷」
12月「迎春」「年の瀬」


気になる「世間の目、噂」で心を閉じる『コンビニ人間』

2022-09-14 11:05:57 | 人生を「生かす」には
日本人は世間の目が気にし、噂話が好きな人種なのか、振り回し、振り回されることがある。それは昼のドラマ・芸能人ニュースでもお馴染みになっている通り、ちょっと違った「普通の人間」の事を陰で言うのが好きな不思議な人種だと思う。まさにこの短編小説はそんな「世間体」話をフォーカスしたもので実存傾向が強いものだ。平和の証拠かもしれない
『コンビニ人間』村田沙那香
「概要」36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、店長は8人目だ。ある日、婚活目的の新入り男性、白羽がやってきて、そんなコンビニ的生き方は「恥ずかしくないのか」とつきつけられるが……。現代の実存を問い、正常と異常の境目がゆらぐ衝撃のリアリズム小説。
個性が強い女性恵子が世間と家族の目から心を閉じ始める。就職もせずコンビニのアルバイトで生計を立てていこうと決意。恋愛も友人との付き合いもせず18年間勤めるとコンビニにとっては優秀で頼り甲斐のある存在となる。
ーそんなある日、ある偏見のある男がバイトに来るが周りとの調和が取れず、やがて辞めさせられる。ある気っかけから男と女の関係を持たない同棲することで恵子は周りから注目される、だがそれは横目で見られる存在となり、結局自分の居場所が職場で失くなり退職する。
ー何もしない、仕事もしない2人の生活があるコンビニに買い物に行くと変異する。


人間の知性が導き出すもの『カンパニー・マン』(上巻・下巻)

2022-09-13 07:42:53 | ミステリー小説から見えるもの
@上巻、寂れた漁村を大都市に成長させたマクノートン社には隠された秘密が多数あった。経営者と労働者の紛争を組合組織を作り、労使問題する火の粉を経営者側からの組合員が防ぐ役割を持たせた。それがある殺人事件につながる。さらに人の心が読めると言うの力を活かし秘密捜査員ヘイズを利用して経営者と労働者との関係から事件に発展しないように調査を開始させる。
下巻、このSFミステリー小説は現代に起きるかのような予言にも思えた。それは「人間の知性が新たな欲を醸し出し、新たな文明が街を、国を、世界を作り出す。やがて人間が貪欲となるにつれ領土を増やそうと人間同士の戦争を引き起こす。それが敷いては人類を壊滅状態に導きだす。最終的には地球の壊滅をも引き出してしまう」と言うメッセージだ。今まさに原爆の使用有と独裁者のプーチンが叫び出した経緯が、この小説の人類滅亡の予言にピッタリ当たるのでは無いかと心配だ。


集団から得る知恵と工夫『しんせかい』

2022-09-12 11:01:45 | 人生を「生かす」には
都会の生活から田舎での生活は、生きていく為のさまざまな作業含め苦労も肉体的疲労度も全く違う。日々の食費・食糧を稼ぐだけと言えども農作業はスーパー・コンビニで商品を買うような生活はできない。自然環境を知り、日々の成長を確認しながら農作物を育てるという、時間と手間暇をかけなければ生まれないのだ。「人vs人」が「人vs自然」で何が変わるのかよく知り弁えることが必要だ。 また「勉強」は一見目的とは関係ない事でも「行動」そのものが心体にさまざまな力を得ることができるのだ。
『しんせかい』山下澄人
「概要」山下スミト、19歳。俳優や脚本家を目指す人募集で学ぶため辿り着いたのが富良野。第一期生と二期生いれて30人ほどが農業、林業を手伝いながら食費を稼ぎ集団で自給自足生活を経験する。苛酷な肉体労働、先生との軋轢、そして地元の人々との人間関係を描く作品。
ー2年間の自給自足の集団生活を田舎の富良野で始める。目的は俳優になるための勉強を先生母教わると言うのが本筋、滞在費と授業は無料だが、自らの食費は作業で得ることになる。生活は農作業、建設作業など持久力を試す程の肉体労働が主の生活となる。
田舎での「新鮮さ」を学び創意工夫をしながら効率良い仕事を巧みにこなしていく日々だが、厳しい作業と日々の生活内容は将来を見越した内容に劣ると感じた者は脱落者として去った
ー2年後の世界は思ったものとは違い迷う。


行動・経験から学ぶもの『賢者の書』

2022-09-11 11:05:34 | 人生を「生かす」には
「成功と幸福」に対し人の多くは何かで堕落、すると「世の中が変だ」「不公平だ」「差別化だ」など、社会に溶け込むほど「世間(上司)の所為」があるかのように愚痴るようになる。だがよく考えるとそれは全部自分が作り出した被害妄想、思いあがりであり、「自分の所為ではない」としたいと言う願望だ。この書にある賢者の教え「言葉」の発信では、決してマイナーもしくは負につながる言葉はなるべく発信しないように努力すべき、と言うことだ
『賢者の書』喜多川泰
「概要」あなたの心を奮い立たせる冒険の物語。
仕事も私生活もうまくいかず、くすぶっていたアレックスの前に、不思議な少年サイードが現れる。サイードは九人の賢者を求めて旅していて、これまでに八人の賢者と出会ってきたと語る。
サイードの旅の記録である「賢者の書」を読み始めたアレックス。そこには、サイードの冒険譚と、賢者たちから学んだ人生に成功と幸せをもたらす教えがしるされていて……。九人の賢者と会いそれぞれの学びを得る、成功へのベンチャースピリッツの書だといえる。
第一の賢者「行動」(おじいちゃん)
    夢を描きビジョン(絵)を持つ(約束・信念)
    失敗を恐れず行動をまず起こし何事も経験を積み重ねていくこと
第二の賢者「可能性」(僧侶)
    人間には無限の可能性がある、創造力を持ち成し遂げる力がると信じ、気づくこと
第三の賢者「自尊心と他尊心」(騎士)
    自分も無限の可能性を持った唯一無二の存在だと言い聞かせ自信を持つ
第四の賢者「目標」(先祖が武家の人)
    どんな人間になりたいかを問いただすこと、何になるのかを考えるのではない人生の選択
第五の賢者「今」(裕福な屋敷の主人)
    「今」を大切に思う事に成功のための「行動」と「言動」を積み重ねていくこと
第六の賢者「投資」(投資家)
    時間という財産を投資したのが成功者、背景には壮大なビジョンがある
第七の賢者「幸福」  (砂漠での紳士)
    「幸福」を誰もが探している 幸せにする人幸せにしてくれる人(西と東のアオシス) 
第八の賢者「言葉」(看護婦)
    医者の言葉、著名な人の言葉で人は影響し、最強に思い、人生をも変える
    「人生は不幸だ」「ついていない」「成功は程遠い」マイナス言葉を止める
最後の賢者「「発見」 (アレックスという社会に会社に、家族に存在感を無くした人)
    「学ぶ」という事に対する素直な気持ち
    人生を暗く苦痛にしていたのは学ぼうとする真摯な姿勢が欠けていた
    「感謝」の言葉を口にする毎日を送ること
    「与える」人に感動を与える生き方をすること、人との出会いに感謝
    (感動の多い人生は間違いなく幸せな人生である)