ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

貪欲な数少ないトップが多くの国民の人生を変える『マリアンヌ』⭐️4.0

2022-09-23 07:53:50 | 映画から見える世の中の動き
誰の為に、何の為に人は動くのか。本当の愛を掴みたかっただけに、愛する人を亡くすのは悲しい、それも一人の子供を残して、罪深い。全ては過酷な戦争という人の人生を狂わせる所為なのだ。現代のウクライナ戦争も双方の国の国民の人生を変えている、何も恐怖のない、殺戮も平気なのは命令を出している国のトップだけ。ロシアの予備軍30万人の公募は果たしてどんな結果を招くか
『マリアンヌ』
戦時中、諜報機関としてドイツに派遣された二人、マックス(ブラッド・ピット)とマリアンヌ(マリオン・コティヤール)は無事に任務を遂行すると正式な夫婦となり1子を携えロンドンに移り住む。 だが、情報部からマリアンヌが機密情報をベルリンに送付しているというスパイ容疑が持ち上がる。そしてその仕掛けをマックス自身が仕掛けることになる。 果たして妻がスパイなのか、仕掛けを明らかにして妻を守るのか。


「夢」の異次元体験は誰でもありそう『Chariot』⭐️3.0

2022-09-22 07:41:01 | 映画から見える世の中の動き
ある日、変わった次元に自分がいることが分かった、それは前世の自分で全て夢の中で起こっている、と言う奇妙なSFスリラー映画だ。現実、死にかかった人が見る臨死体験、トンネル・光・幽体離脱・亡くなった人の霊などを見ると言うのが共通認識だ、そうだが。 やはり「あの世」と言うのがあるのかもしれない。そのためにも現世で常に「善良」でいたいものだ。
『Chariot』
患者としてきた青年の悪夢の過程を検証していくSFスリラー映画だ。医師のカーン博士(ジョン・マルコビッチ)は、実は患者を生まれ変わりへと導く奇妙で風変わりな専門家だ。ある日、青年のハリソン (トーマス・マン) は不思議な夢を何度も見ると、カーン博士に助けを求め、前世で愛した女性マリア (ローサ・サラザール) との出会いを告白する。不気味な次元の不具合に気づいた医師は、患者の将来を永久に狂わせてしまう前に、問題を解決しようとする。


貪欲な「正義の味方」の生き様『Wire Room』⭐︎4.0

2022-09-21 07:58:05 | 映画から見える世の中の動き
この映画は「正義の味方」(SWAT+警察所長)が地位と権力を利用して共犯者になり、自分達の悪事の証拠、関係者を殺害していく、そこを阻止し反撃する元情報捜査官らのアクション映画だ。最近の映画もそうだが特に地位と権力を利用して貪欲になる輩が「正義」だと主張する社会が常世となり始めている。さまざまな格差が社会に矛盾を生み、真面目で正直者が罰を受け、悪となる。そんな世常となり現実になるのが怖い。
『Wire Room』
犯罪者を監視するワイヤールーム(監視カメラ)を運営する国土安全保障省のエージェントであるシェーン・ミューラー(ブルース・ウィリス)は、新入社員のジャスティン・ローザ (ケヴィン・ディロン) に武器密輸カルテルのメンバー、エディ・フリン(オリビア・トレビナ)をカメラで監視するように命令する。SWATチームがフリンの家に押しかけたとき、ローザは規則を破り、フリンに直接連絡する。さらに地元の警察に救援電話すると「正義」に矛盾を起こし、その警察が武器密輸の仲間だと判明する。やがて、ワイヤールームのビルの警備員も異様な行動を示し犯人達が証拠隠滅するためにワイヤー ルームに侵入、ミューラーとローザは、腐敗した犯人達(SWATチームや警察)に対して、最後の必死の抵抗する。


歴史の謎解き「探求」は面白い『人間・歴史・風土』

2022-09-20 07:39:00 | 歴史から学ぶ
坂口安吾氏(1906年生まれ)は日本史の「謎」を探求し続けた文学者であり歴史家。それは「異端の日本史」にあるように日本は疑史、偽史の類の捏造された文献が多くあることから探究心旺盛な人だったとある。文中にある伊勢神宮、天皇系絵図、聖徳太子など歴史を紐解く「古事記」「日本書紀」「風土記」「万葉集」「台記」「玉葉」などの文献からのもので疎い私には理解できない事柄が多く割愛です。が、気になったのが隠れキリシタンのその後、埼玉県の入間郡高麗神社など先祖は古くから朝鮮半島からの今でいう移民の人たちだったのも興味深いものがあった。
『人間・歴史・風土』坂口安吾
自然の風土の中で生きる人間をとおして作られるのが真実の歴史であるとする安吾独得の歴史観を背景に、自ら現地に足を運び、卓抜した洞察力を働かせてものした歴史紀行の中から「天草四郎」「安吾・伊勢神宮にゆく」「飛騨・高山の抹殺」など10篇を収録。
ー天草四郎(16歳の美青年)
キリシタン一団と農民一団が起こした島原半島にある廃墟の城で決起し、全員が死亡したと言う
城内にの空壕にいたと言う3千人の女と子供は喜々として死んだ
四郎は長崎の小物商を商う丁稚という説と、父と一緒に小物商を大阪江戸などで行商した説
武将は猪突し死亡した武将 板倉、後に豪勇、名称とされる その後松平伊豆守によって終結
ー直江山城(当主は上杉謙信、弟子は真田幸村)
上杉謙信の家老が秀吉から30万石の城主となり東北の守刀となる
山城は信長、秀吉、家康に仕えることになる律儀温厚な人物、関ヶ原の戦いには三成に協力
ー勝海舟(江戸徳川で国防で中立)
薩長との戦争をせず江戸幕府が負けることに努力、だが維新後の政治に登用されなかった
勝海舟の心得第一は「高い税金は国を滅ぼす」で「形式ばるな」の思考が型破りだった
勝海舟の父親は喧嘩好きで剣術好き、人助けも大胆にだが、金を取ることはしなかった
ー飛鳥の幻
吉野には蔵王堂、聖地の本堂(山伏の根元道場)の九三建築としては東大寺の次の大きさ
長子相続は大化の改新から始まり壬申の乱を起こす(藤原一族の勢力の兄弟争い)
藤原武士にも3種の神器があり、長者の印、漆器、台盤
仏教の伝来以降急速に文字が普及した、聖徳太子以降の学問僧により憲法を定め、12階を定め、7大寺を建立、仏典を講じる文化生活が始まった
古文書などでは□□などが多くある写文、天皇系の古文書でも兄弟争いの□□も多い
ー長崎ちゃんぽん
長崎には古い地図が一才ない(参謀本部の拠点が多く禁止されていた)
隠れキリシタンの英雄的存在徳田球一は近隣の藩等(数万の人材)を巻き込んだ捕物劇を演じた
匿った隠れキリシタン含めた人々も五百余名を数え死刑にされた(35日間の捕物劇)
徳田は1637年に処刑されており島原の乱には参加は不可能で、名残谷に「金鍔」で有名
長崎のの原爆で亡くなった人はその当時8500名、キリシタンが1万人いたと言う
昭和24年の調査では原爆死は73,884名、行方不明1,887名、重軽傷者76,796名
長崎人の大食(1日3合)ちゃんぽんでは特大サイズであり、棄教したのは食不足だった
ー飛騨高山
千光寺は縁起の上での空海の弟子真如が開山となり、ここがスクナの墓(否、大友皇子、日本武尊らの運命を負った人々の霊場)
ー高麗神社(満州、朝鮮からの移民地区)
霊亀2年5月に高麗村に移された1799名は元は高句麗等の出身者
向島にある白髭神社は武蔵野にある高麗神社が総本家だと言われる
ー富山の薬と越後の毒消し
富山の薬の元は岡山、江戸城殿中の急病で利用されたことで有名、富山の薬箱(後払い)
薬で有名なのが反魂丹とケロリン、越後の毒消しは女の行商人が日用雑貨と共に売った
富山薬売りは製造と販売売子(帳主)に分かれており売子は現金で購入、利用者は後払い


介護、病人となり知る世の常四苦八苦『般若心経』

2022-09-19 16:50:45 | 人生を「生かす」には
身内が病人となり、延命しない人生を看取るまでの姿を綴った本書、お経とともに描いた思いは身に沁みる。菩薩、如来など「般若心経」「観音経」、ブッダ、釈迦の「法句経」、特に「法句経」はむしろ人生訓、箴言集、自己啓発書という。「無常偈」にある「常なるものは何もない。生きて滅びる定めである。生き抜いて、滅び果て生きるも、滅ぶもないところに 落ち着く」は心に残る
『般若心経』伊藤比呂美
「概要」死にゆく母、残される父の孤独、看取る娘の孤独。
苦しみにみちた日々の生活から、向かい合うお経。
・読み解き「懺悔文」 女がひとり、海千山千になるまで
「我昔より作りし所の諸々の悪行は、皆無始の貪瞋痴に由る。 身と語と意より生ずるところなり、一切を我今皆懺悔して奉る」
    貪瞋痴:貪る心・思いのままにならぬ怒る心、知ろうとしない愚かな心
・読み解き「香偈」「四奉請」 おはいりください
・読み解き「般若心経」 負うた子に教えられ
新訳「般若心経」
    生老病死・愛別離苦・怨憎会苦(人間が切っても切れない四苦八苦)
・読み解き「発願文」忘れること忘れないこと
    人は昔の確執、諍いを思い出す(忘れたという思いが思い出す)
・読み解き「大地の歌」浄土をさがして
・読み解き「ひじりたちのことば」いぬの話
 延命治療をしないという意味「口から食べられなくなった老人をそのままにしておくのは、医療従事者としても家族としても大変辛いものだんですよ、生きながらミイラになるのを見ているわけですから」
・読み解き「白骨」ほらほらこれがぼくの骨だ
 「骨拾い」で「もっとダディーに教えてもらいたいことがあった」と泣きながら・・・
・読み解き「観音経」あなたにはかんのんがいる
・読み解き「地蔵和讃」母が死んで、父が残った
・読み解き「七仏通戒偈」「無常偈」いつか死ぬ、それまで生きる
「諸悪莫作 諸善奉行 自浄其意 是諸仏教」(悪い事をするな 良い事をしなさい 清い心を持ちなさい これが仏の教えだ)
・読み解き「四弘誓願」ぼんのうはつきません。あとがきにかえて
無常偈「諸行無常 是生滅法 生滅滅己 寂滅為楽」(常なるものは何もない。生きて滅びる定めである。生き抜いて、滅び果て生きるも、滅ぶもないところに 落ち着くのだ』


戒名と法名の違い 仏教の基本『日本人のための仏教ガイド』

2022-09-19 11:46:02 | 歴史から学ぶ
@現代お寺に行くのは年に数回の葬祭くらいに行く程度しかならないが、仏教の基本を知る事の大切さは現代の世の人々に欠け始めている事柄を暗示させてくれる。特に三毒(貪瞋痴)と言われる人間の邪悪・邪念が「利己主義・自己主義」で様々な格差・混乱・戦争を生んでいるように思う。
『日本人のための仏教ガイド』永田美穂
「概要」お釈迦さまの伝記、仏教のおしえ、歴史、仏像の見方など、多彩な内容を満載。お釈迦さまの伝記、仏教の基本的な教え、仏教の歴史、仏像の見方など、多彩な内容を満載。
出家を決意した理由
自然界での植物や虫や鳥が互いに弱肉強食を繰り返しているのを見で生きるものの運命の儚さを痛切に感じたこと。自分が生・老・病・死の問題に回答を得るには出家し修行者となるしかない
ーお釈迦様(釈尊)の29歳のパパだった
出家は一時のパパであり名をターフラ、母は第一妃ショーダラー(結婚後12年後の子供)
苦行6年(衰弱した体)となったが、その後45年間に亘る遊行、布教、80歳きのこ毒で没
「所業は無情である」(あらゆる現象は移ろでゆく)
「お釈迦様」は紀元前566年に誕生したと言う説、463年と言う説
(キリストはその500年後に生まれている)
ー4つの聖なる真理
「苦諦」(煩悩の有様)「実諦」(原因理由)「滅諦」(悟り後の有様)「道諦」(悟り手段)
「苦諦」:愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦
「実諦」:三毒(貪欲・瞋恚・愚痴)
「滅諦」:「無明」理論的な悟りと実践的な悟りが必須 
「道諦」:無明になる状態の方法を教えること
ー仏堂の修行(戒・定・慧)3学
戒:戒律をも守ること
定:邪念にとらわれないこと
慧:真実を身をもつための知恵
「悟り」の対局が「煩悩」(108つ)がると知る事
「供養」(供物・施物)「布施」(宝・金・言葉)
ー「お経」
「般若心経」最も古い貝葉の現存
「仏教聖典:経蔵・律蔵・論蔵)
「法華経」「華厳経」「密教経典」「浄土教経典」「阿弥陀経」
日本への仏教伝来
6世紀中頃、538年~百済の聖明王からの貢献物としての仏像、経典類
進歩派の蘇我氏(vs保守派の物部氏)が仏教を利用し政治軍事を統制する
推古天皇による聖徳太子時代に憲法その他官僚制度への登用で仏教普及(飛鳥建築等)
中国からの鑑真、最澄、空海(弘法大師)、法然、親鸞、一遍、栄西、道元へと宗派が完成
仏像 如来像、菩薩像、天部像、明王像(4つ)
如来像:人間で形で表す32相(釈迦如来・薬師・阿弥陀・毘盧遮那・大日)
菩薩像:未来の如来(弥勒菩薩・文殊・普賢・地蔵・虚空蔵・日光・勢至・観音)
天部像:蓮華座等には座ることができない像(仏教の守護神:梵天・帝釈天など)
明王像:曼荼羅の世界をもつ守護する神、火災と怒りも愛のための王(不動明王など)
ー仏具とお寺・竜(仏教を守る味方)
糞掃衣袈裟(ボロボロの袈裟)・鉢(食器)・数珠・木魚・魚鼓(ほう)・幢慢(のぼり)
天蓋・錫杖(しゃくじょう・毒蛇・毒虫除け)・独鈷杵
金堂・本堂(本尊の安置場所):法隆寺・唐招提寺・興福寺・三井寺・東寺・根本中堂
梵鐘:最も古いのは法隆寺の鐘、美しさでは平等院、音色では三井寺
五重塔は土饅頭(墓):仏陀など尊敬される聖者たちの遺骨(舎利)
竜:人間雨や建物を守る神・鳳凰・麒麟(西洋はドラゴン:退治すべきものという印象)
金毘羅:「ワニ」のこと
「草冠」仏門で嫌われるもの:ねぎ、らっきょう、にら、ニンニク、はじかみ(5葷)
お経から出たカタカナは江戸時代の国学者本居宣長によるもの(梵字の影響)
戒名:一定の修行を終えたものが師によって授かるもの
浄土真宗などは法名として全て「釈」(女性ならば釈尼)、戒名として「居士(男)、大師(女)の他に「院殿」「院」「信士・信女」の呼び名がつく


「生者必滅」を心して知る事の意味『寂聴生きる知恵』

2022-09-19 07:38:57 | 人生を「生かす」には
「蜜蜂の生き方」を見習う=「飛び立つ鳥 後を濁さず」などにもある仕事に、退職に、蜜を得て花を転々とする蜜蜂の様に、入る時も、飛び立つ時でも決して花びら等を傷つけたりはしない。そんな生き方を愛する事は今の世に必要だと言うことだ。「生者必滅」人は必ず死ぬことを思えば、決して争いをしてまで憎まれ者になりたくないものだと言うことも特に国守(大統領・首相)は知るべきだ。
『寂聴生きる知恵』瀬戸内寂聴
「概要」人生をならう真理のことば。命を生かす真実の教え。法句経は最古のお経です。その知恵に照らして寂聴師が説く、生きるとは、愛するとは、自分とは。
ー法句経 一番古いお経 (生きる知恵・」真理の言葉)釈尊の423の詩
ー「生者必滅」生きる者は必ず死ぬ 「会者定離」会う者は必ず別れる 人間の運命
    だからこそ与えられた持ち時間に精一杯励む、精進努力して人間としての価値を実現
「貪・瞋・痴」三毒を振り捨てる
    貪欲の心や、怨みの思い、執着心を捨てる事
    「蜂は花びらを傷つけないようにはいり、出る時も静かにそっと振り舞う」
ー古代インドの夜の3つの区別
    遊戯に夢中になる・妻子を養う・善をなすべき時
   (少年期・壮年期・老年期)
ー古代インドの人生の4つの区別
    学生期・家住期・林行期・遊行期
ー伝教大師は54歳、弘法大師は61で亡くなっている
    釈尊は80歳(当時は30歳前後が平均寿命)
「愚かさに気づかない人こそ愚か者」
「諸々の善をなし、諸々の悪をなすなかれ」
「死んでも生き続ける命、生きていても死んでいる命」


男と女の魅力とは『白痴』

2022-09-18 07:46:01 | 人生を「生かす」には
@男の魅力と女の魅力、見せる側と見せられる側、至って違うのは当たり前。誰もが裸になれば同じ男と女になる、そんな人間の精神と肉体を鋭く視た小説だ。男と女はどうあるべきか、恋人同士の時、夫婦となった時、互いが老いを感じる時、など 人の魅力はいつも違う、見つけ感じるのは自分だ。文中の空爆後生き残った女の言葉「私は過去よりも未来、いや、現実があるだけなのだ」と生きている今こそ本当の自分を試す事ができるのだと悟った、に深い印象を持った。
『白痴』坂口安吾
白痴の女と火炎の中をのがれ、「生きるための、明日の希望がないから」女を捨てていくはりあいもなく、ただ今朝も太陽の光がそそぐだろうかと考える。戦後の混乱と頽廃の世相にさまよう人々の心に強く訴えかけた表題作など、自嘲的なアウトローの生活をくりひろげながら、「堕落論」の主張を作品化し、観念的私小説を創造してデカダン派と称される著者の代表作7編を収める
「いずこへ」男と女、飲み屋の女はいつもだでから寝泊まりしているが、若い男の亭主持ち。亭主は気にせず金を貰えば消え去る。ある日、女が自分の部屋に訪ねてくるようになり掃除、料理などして行く事があり好きでも無いのに何処かに一緒に住みたいと言い張る。性的欲求もないが
「白痴」ある日白痴な女が自分の部屋に忍び込み、対話もできず、怯えて押し入れに隠れていた。夜になっても怯えるだけで帰るとも無く一夜を過ごす。一人の若い女、でも白痴を泊める事で躊躇する。やがて東京の空襲で周りが焼け野原になるが、かろうじて何故か白痴の女を庇い一緒に逃げる。
ー時は終戦間近の男と女・露天商の醜い年老いた女、白痴で対話ができない若い女、芸者上がりの人妻娼婦、貞操の概念がないマダム女、周りが火の海となった空襲で好きな男に身を捧げ熱風地獄から生き延びた女郎、何も情欲、肉欲が絡む展開となる
ー「女の必要があったら金で別れることのできる女を作れ」アドルフの一説
ー「己の欲するものを捧げることによって、真実の自足に至ること。己を失うことによって、己を見出すこと」


リドルストーリーとは、これから増えそうな感が『追想五断章』

2022-09-17 07:44:00 | ミステリー小説から見えるもの
「リドルストーリー」(結末を読者の想像に委ねる)短編小説に託した可南子の父は、世に遺したのは謎を秘めた真実だった。密室事件にありがちな当事者しか知らない真実を娘にも告白せず半永久に残る小説に託したのだ。読者の想像、予測に委ねた作品は「消化不良」となりがちで、「後味」が悪い。だが、今後「我が人生」としてそういった内容も遺書をネット上に残す人も増えてくる気がする。それは今までずっと秘めていたことを告白し、気持ちを軽くして逝きたい人が増えると感じる
『追想五断章』米澤穂信
「概要」5つのリドルストーリーに秘められた物語
古書店アルバイトの芳光は、依頼を受け5つのリドルストーリーを探し始める。実はその著者は生前「アントワープの銃声」事件の被疑者だったことが明らかになり……
「リドルストーリー」とは「読者に委ねて結末を書かない小説」
夫婦と幼い娘3人が家族が旅に出る。ある晩妻が自殺を図り、夫がその殺人容疑で逮捕される。夫は紳士で金持ち、だが酒と女に酔いしれていた。妻は貞淑で高潔、女優であった。 既に夫も癌で亡くなり、成熟した一人娘可南子が父の幻の小説5篇があると知り、探そうと古書店のアルバイト芳光に依頼する。いずれもその5点がリドルストーリーであり一行の要約文があることは知っていた。
ー芳光は可能性のある古い人脈などから4編を探し出し最後の5編目が病院の看護婦に委ねていた。それらを繋げると「母の死亡が自殺だったのか他殺だったのか」が読みとれ、それを反故にしようとしていた存在が娘だった。


恐怖を煽る疑似体感映画の様『ノープ』⭐️3.5

2022-09-16 11:04:27 | 映画から見える世の中の動き
未確認飛行物体、UFOへの疑問を持った牧場経営者と電気工事技師、更にUFO研究家が一緒に正体の撮影に挑戦する。映画の結末はリドルストーリーとなる。やはり最近の映画も「結末は観衆の想像に委ねる」が流行っているのかちょっと消化不良気味になったのは私だけだろうか。米国含め情報公開で今後さらにUFO等の写真、動画が一気にSNSで発信されるだろう。
『ノープ』Nope
カリフォルニアで牧場を経営する 2 人の兄弟が、上空で不思議で不吉な物体を発見。それ以来上空の様子が不気味に変化し、停電が起こり、車のエンジンも停止、電気関係が全て利用不可となる。そこで街の電気屋から監視カメラを数台設置するとその不気味な姿を発見する。隣接するテーマ パークでは、不思議な別世界の現象を観衆に見せようとすると急激な空の変化と雲の中から巨大な物体が出現し、観客がその物体に飲み込まれる。