ジョニー・デップが悪人を演じる<未体験ゾーンの映画たち2021>で上映された一本ですが
<未体験>ですから見るには見たんですが、なんと駄作鶴瓶うちの彩プロさんが配給していたのね
しかし、たまにあるのよね力作が・・・
そして役者にしてもマーク・ライランス、ジョニー・デップ、ロバート・パティンソン、ハリー・メリング、サム・リード、グレタ・スカッキと実に
そう<未体験>の映画で良いのかっていうくらいの配役
これって配給会社に力がなかったっていうより、コロナ禍での緊急事態宣言の煽りを受けて上映劇場が玉突きになったって感じですね
こっちも見てて帝国って一体どこの国か?っていうのは気になりましたが
寓話としての作品ですから、具体的に架空の国になってる様ですね
従って日本語訳では”barbarian“を”蛮族“ってしてるんですが
原作がある様でその日本翻訳タイトルは『夷狄を待ちながら』だそうですね
これって”東夷西戎南蛮北狄“の中華思想からきてるんですよね夷、戎、蛮、狄
全部が未開の野蛮人って事でして
従って帝国支配下の民族は皆敵であり未開の野蛮人って事なのね
その思想の具象化した人物像がジョニー・デップが演じてる大佐な訳で
強権によって敵を制圧支配することしか念頭に無い
に対してマーク・ライランス演じる現地の民政官は、現地にいることで決して彼らが野蛮人でないことを知っており
融和で和平を保っている人物であるが
そこに政治的な配慮もない普通の人間であるんですが
ジョニデは、国に対しての敵を作る事で国家の支配と帝国の繁栄を信じてやまない人間を演じきっており
サングラス姿が実に似合っている
帝国統治ってある意味恐怖政治なんですよね
日本が大日本帝国であった時代もそんな統治の仕方をしていたし
今回のというかミャンマー時代戦後からこの様な軍隊統治できてたんですがスーチーさんによって民主化が定着しそうになったときの今回の軍のクーデターでも
軍が民間人を撃つのもこの統治原理なんですよね
ただそれがこの時代どこまで通用するんかは疑問ですが
力で押し付ける恐怖統治はやがて破綻してしまうというか
最後は軍人たちが略奪の限りで逃げていくんですが
そう四季を通して辺境の砂漠の中の砦で起きる恐怖統治の崩壊の様を静かに描いている
本当に何も起きない作品でしたが、なぜかネオチせずに2時間見てられた作品だった
2019年製作、イタリア・アメリカ合作映画
シロ・ゲーラ監督作品
出演:マーク・ライランス、ジョニー・デップ、ロバート・パティンソン、ハリー・メリング、サム・リード、グレタ・スカッキ、デヴィッド・デンシック、ビル・ミルナー、デビッド・ムースト