山と溪を旅して

丹沢の溪でヤマメと遊び、風と戯れて心を解き放つ。林間の溪で料理を造り、お酒に酔いしれてまったり眠る。それが至福の時間。

里山

2008-07-02 01:02:53 | フライフィッシング
暖かい午後のひととき、ふる里の里山で過ごした。

秋山川の支流『王の入川』
王の入園の上流を源流まで釣り上がる。
緑濃い溪がすがすがしい。下界の喧噪を離れて素になれるこんなひとときが好きだ。



雨による増水。
平水時の水量はこの半分もない。



ここまで来ると、稚魚放流されて遡上するヤマメよりもネイティブの方が多い。
釣れてくるヤマメは、おしなべて黒っぽい体色をしている、これがここのネイティブの特徴だそうである。



この更に上流が源流帯。
魚影は極端に少なくなるが、ネイティブの美しさに魅せられてしまった男は更に遡行を続ける。



と、流れが二股に分かれる中州に聳える大木の上で枯れ枝が折れる乾いた音がした。
バキッ、ザザザ-。見上げると黒い影が大木の幹伝いに落ちていった。
ドスンと言う音はなかった。猿か?木から落ちる間抜けた猿がいるのか?
だとしたら小熊?今日は熊対策は何もしていない。急に恐怖心に駆られた。
急な斜面の藪をこいで林道に這い上がる。また今日も半端な行程になってしまった。



『いやしの湯』で汗を流し、少し眠った。



そして里山へ。



このトンネルを抜けると11戸の小さな集落がある。
手入れの行き届いた坪庭のような里山の風景に身を置いていたい。



あじさいが道を挟んだ斜面とあぜ道を飾っている。



ビワの実の色が優しい。



山ごぼうの花。
自然の色合いは何故こんなにも優しいのだろうか?







ひとしきり集落を散策して。
ベンチで食事をしながら、その刻を待った。



午後8時。
里山は暗闇に包まれた。
集落の中心の橋にはお爺ちゃんが4人、5歳ほどの女の子が一人、その刻を待っていた。

話しかけると、杖をついたお爺ちゃんが私を案内してくれた。
去年はたくさん出たのに今年は少ないと言う。


小川のそばのあぜ道に踏み入ると、、、、点滅する源氏蛍の舞が、、、見えた。



ここにも一つ。



葉の上で点滅しているのは幼虫であった。



ここにも。



9時半までの一時間半、暗闇に舞う光を子供のように追いかけた。
蛍の乱舞はなかった。お爺ちゃんと数えた蛍は12。

秘めやかな舞であった、でもその方が却って良かった。
残された自然が、すごく貴重であることを実感できたから。



今週土曜日、この里山では『あじさいとホタル祭』が催されます。
里山の風景とホタルの舞、古き良きあの頃にタイムスリップしてみませんか。
コメント (15)
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