柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族の死はいつも突然

2020年06月05日 | 
「そろそろ父の葬儀の相談をしなくてはと思っていたのですが
今亡くなったと連絡がありまして・・・」
慌てた様子で、以前仕事でお世話になった方から電話が入りました。

今朝はいつもと変わらない様子だったとか。
まさかこんなに急に亡くなるなんて思いもしなかったのでしょう。

でも私に葬儀の相談をしようとしていたのですから
家族としては「そう長くはない」と察していたはずです。

身近に看病をしている者にとって
例え意識がない病人でも
今まで動いていた心臓がこの瞬間に止まるなんて誰も思いません。

ところが、家族の死はいつも突然に起こるのです。

心の底で死を覚悟していたはずなのに
死を迎えたその瞬間は心臓がドキドキして「嘘でしょう!」と否定します。

なかには冷静に受け止めている様子の方もいます。
落ち着いて明るい声で話し、時には笑い声も聞こえますが
無意識の緊張感が見受けられます。

そんな時に頼っていただける私は
ご家族が後悔しない葬儀ができるような
アドバイスを心がけています。







お母様を在宅で看取った友人

2020年05月25日 | 
LINEでのやり取りが多くなった友人から
「母が亡くなった」と知らせがありました。

お母様の退院から4か月、自宅でお世話をされてました。

入院中は死を覚悟されていたようですが
退院が決まると回復の兆しがみえ、家族はリハビリを考えたそうです。

家でのお母様は食欲もあり介護のし甲斐があったそうですが
5月に入ってから食欲もなくなり会話もできなくなったそうです。

中身の濃い介護ができた友人はお母様の死を落ち着いて受け止めていました。

「1つ心残りがあるのは死の瞬間に立ち会えなかったこと」と言っていました。

ずっと自宅で介護していたのに・・・
という思いがあるのでしょうね。

お母様が息を止めたのは十分に行きぬいた時だったのでしょう。
身体を使いきってお母様の魂は体を捨てて自由になったのだと思います。

家族がどれだけ大切のしてくれたか、魂は感じているはずです。
最期にいい時間を過ごせたはずです。




死の身近さを感じます

2020年04月23日 | 
毎日、新型コロナの感染者数や死亡者数が伝えられています。
特に著名人の感染や死亡のニュースが伝わると
この病気が今までとは様子が違うのがわかります。
今日も岡江久美子さんが亡くなりました。

新型コロナの死亡は数日前まで病の気配すらない人が突然死に至るので
驚きと共に恐怖が湧いてきます。
死は誰にも訪れるものと理解していても
我々は遠い将来にあるものと思いがちです。
でも現実には、そんな保障など無いのです。


入院をしていると大病を抱えている人が何と多いことか、
今回の入院で親しくしていただいた患者さんがいます。
過去に癌を克服されましたが、今回は体調が思わしくなく
同じ脳外科に入院されました。

程よい関係を持ち、お互いを尊重しながら
余りある時間にたわいもないお喋りができました。

すでに両親を送られたそうで
今になってもっと話を聴いておけばよかった、と話されていました。

彼女にもお子さんがいますが、まだ若いから親に無関心だと嘆いていましたが
「今は興味がなくても、親を亡くすと子供は親を知りたがるもの」
今のうちに自分のことや想いを書き留めて欲しいと話しました。

エンディングノートと聞くと、
そんな年齢でもないし・・・
大した財産もないし・・・

そう答える人が大勢いますが
子どもにとって、親の生活は知り得ないもの。
でも、親を亡くした時一番知りたいものなのです。

私が一足先に退院したので、その時にエンディングノートを
お世話になったお礼に差し上げてきました。

先日、退院しました、と吉報を頂きました。

こんな状態ではまだ当分会えそうにありませんが
またの再会を楽しみにしています。


「幸せな終い方を求めて 」この本お薦めします

2019年10月22日 | 
「三鷹 自分の死を考える集い」の主宰者 醤野良子さんが本を出されました。

「幸せな終い方を求めて」

看護師として、ケアマネージャーとして高齢者の死に携わった醤野さんは

閉じようとしている命を無理に引き延ばそうとしている医療や介護に疑問を投げかけています。

また、死を受け入れず少しでも長く生きて欲しい家族や世間にも懸念を感じています。

京都で「自分の死を考える集い」を始めた中村仁一医師の「幸せなご臨終」という本に納得をし

自ら三鷹でもこの会を立ち上げた方です。

「三鷹 自分の死を考える集い」10年のまとめを本にされました。


私は葬儀の現場で多くの死を見送ってきました。

その後のご遺族とも接点を持ち続けています。

その中でも、看取り方や送り方は遺族の立ち直りに大きな意味を持ちます。

自然な死は人として当たり前のこと

私も醤野さんのお考えに賛同しています。

私には、終活セミナーで一般の方に人生の後半に関わる話をする機会があります。

そこで延命措置や看取りの話を積極的に話そうと努めています。

その上でもこの本はとてもいい勉強になりました。


幸せな終い方を求めて
文芸社
1200円


映画「みとりし」を見ました

2019年09月25日 | 
日比谷のスバル座にでかけました。

ずいぶんとご無沙汰している場所で、街の様子が変わっていて迷いました。



以前よりご縁がある、日本看取り士会の柴田久美子さん原案の映画です。

榎木孝明さんが主演で看取り士役を演じています。


看取り士の仕事を映画にしている…という訳でもなく

死のあり様はこんな風、という映画でした。


今は延命措置をどうするか?多くの方の関心事ですね。

「自分なら何もしないで」という声が多い中

どんな手段を使っても少しでも長く生きて欲しい、、、という家族も大勢います。


また「延命はしない」と思っている方でも、いざとなったらどうなるんだろう。苦しいのかな?」と不安を持っている方もいます。

そんな方に見て欲しい映画でした。


これからは病院ではなく自宅で迎える死も増えてくるでしょう。

そばに医師や看護師がいない中で、死にどう対処したらいいかは、看病する家族なら誰しも思っていることです。



今年の5月に、私は病院ではありましたが、母の死に行く姿をずっと見続けることができました。

ほんの少しですが、看取りの知識があったのが良かったと感じました。

チャンと送れたような気がしています。



スバル座は間なく閉館になります。

映画「みとりし」は、順次全国で上映されるらしいですが

機会を作ってみて欲しいと思いました。




母の友人が逝きました

2018年12月04日 | 
母の老人ホーム暮らしが始まって1年半がたちました。

母には長年お付合いのある友人が沢山いましたが

年と共に欠けていき

自宅を離れるときにはほんの数人になりました。


ホームから時折電話で話すことしかできなくなりましたが

お互いの不自由を棚に上げ「遊びに来てね」「行くわ」の会話が続いていました。

その方たちが、秋に1人。つい先月1人。

ご家族から亡くなった知らせが届きました。

このご時世に、訃報を知らせてくださったご家族に感謝しました。

長年、母が親しくしていただいた方の葬儀は子供としても無視できません。


周囲には「ショックを受けるから知らせない方が・・・」という声もありましたが

きちんと伝えることにしました。

母からは「私は行けないから代わりに行ってお香典を届けてね」という返事でした。


私は必ず葬式の様子や遺影写真を撮って母に見せます。

物忘れが激しくなった母からは

「あの方、亡くなっていないよね」とよく聞かれますが

その度に、写真を見せています。



母にとって「死」は縁起が悪いことでも、遠い世界のことでもないようです。

私も母との別れは「明日かもしれない」と覚悟しています。

人としてこの世に生まれれば「死は当り前の出来事」で

「寂しい」けれど「不幸なこと」ではありません。






自然に死ぬこととは・・・

2018年02月14日 | 
高齢のおばあ様が入院先から延命をどうするか、問われている。

というご相談がきました。

病気というより高齢になって次第に体力低下がみられたそうです。

ご家族はまだ生きていて欲しい、との想いが強いのだそうですが

医師からは、胃ろうなどの処置は年齢的に無理かも…と伝えられらそうです。


死は誰にも訪れるものですが

「今ではなくもう少し先に」と考えるのも家族だからこそ、でしょうね。


私の義母も心臓が弱って入院しましたが

検査がこれからと聞いて、一度自宅へ帰って支度して…と思った矢先に
急変しました。

以前から「延命はしない」とお伝えしていたので

病院からの電話で急いで戻った私が見たのは

誰もいないベッドで安らかに寝ている義母の姿でした。

慌ただしい状況を想像していたのですが

死を確認したと同時に医療器具はすべて外されていました。

傍に座って他の家族が来るまで「これが延命をしないことなのか」と

悟ったのを覚えています。

これまで何回も入退院を繰り返し
良くなったようでも、一定期間が過ぎるとまた同じ状況になる。

昔なら入院せずに、家族が弱ってきた高齢者を見とどけていたはずですが・・・

死を延ばせることができる今、死の選択は難しいですね。


死が怖い?是非この映画を見てください

2017年09月27日 | 
映画「生死」の紹介です

いきたひと読みます。

名も無き四児の母が、夫の生き様・死に様をホームビデオで撮ったドキュメンタリー

●プロローグ
●第1章 看取った人達
●第2章 臨命終時
●第3章 心医
●第4章 受け渡されたもの
●エピローグ





子供の体内記憶
から始まって
私の死への追求は今も続いています

もちろん
そこに看取りもあります。
何故生きるのか
どう生きたらいいのか?

いつも、いい時期に、偶然に
目の前に現れる情報があります。

監督とのトークセッションもあるので
私も見に行きます。

魂を送る場だから・・・追悼を

2016年04月11日 | 
いくつもの追悼祭を企画してきました。






原点は、葬儀社の立ち上げをして1年目

平成11年の事です

亡くなった方を送るのが葬儀社の仕事ですが

関わるのは、故人の魂と遺族の想いです

そして私達葬儀社もご縁をいただいて

同じ時間を過ごします

毎日の仕事ではありますが

事務的になってはいけない仕事です

その空間には、いつも人の想念、魂が存在していると思っています


だから1年ごとにご遺族とともに故人を偲ぶべきだと考えて

追悼祭をはじめました。

コンサルタントになってからも

各社で追悼祭を提案企画してきました







音楽会で追悼をしていた葬儀社が

今年初めて、追悼式を行いました

故人も、遺族も、葬儀スタッフも全員参加で行います


始まってすぐに涙をぬぐう遺族がいます


遺族の言葉に、スタッフの言葉に

あの日を、あの時を思い出しているようです


「ばあちゃんの時も、ここで送ってあげたいね」

「今日は来てよかった!感激です」


ご遺族の会話に

携わったスタッフは追悼する意味を実感しました




追悼祭は遺族も、葬儀スタッフも

心が癒される気がします






人生最終章のドレスで納棺式

2016年02月25日 | 
エピローグドレスというネーミングが
グッと胸に入り込みました。

このドレスでお見送りをしたいと、久々に葬儀に携わりたい気持ちが湧いてきました。

生きてきた人生の最終章に着るドレスです

とても高級な死装束です。

ウエディングドレス仕様の生地で
寝ている体に合わせてデザインされています。

寝ていて着るドレスは
普通は洋服が立体的ではなく平たくなります。

エピローグドレスは寝ていても立体的な厚みがあり
ドレスの美しさを象徴しています。

もちろん高価なドレスです。
5万3千円から20万円位まで既製服としてあります。

「死ぬときにお金をかけたくない」という声を聞きますが
自分なりに一生懸命に生きてきた人生です

自分を褒めてあげてもいいのでは?

人は生まれてきた時は裸でも
両親や祖父母に囲まれて初めての祝い事がお宮参りです。
親の気持ちで赤ちゃんの祝い着を着せてくれます。

人生を閉じてこの世を去るときに
今度は子供や孫たちが送り出してくれる衣裳があってもいいはずです。

葬儀の必需品は柩と骨容器と霊柩車
宗教が関われば、その為に欠かせない道具があればOKです。

祭壇が欲しい人もいますが
祭壇にかける費用をもっと故人にかけたほうがいい、という方もいます。
それなら故人を讃えるドレスが5万3千円でも高くない気がします。

世の中の変化と共に
故人との別れのけじめをつける葬儀であるならば
故人を中心にした遺族や親族、そして本当にその場にいたいと
思う人が織り成す葬儀があってもいいのではないか?

そんな気がします。

このドレスを使ってエピローグ納棺式を考え出しています。
故人と家族と親しい知人との新しい別れ方です。



http://hikarinoniwa.co.jp

ご参考までにご覧ください。

高齢者施設で看取られ、そこで別れの場を・・・

2016年02月21日 | 
「介護・医療セミナー」に出向く機会が多くなりました。

先日のセミナーでは
~『看取り』の先を見据えた葬儀事業参入へのメリット~
という葬儀展開を高齢者施設に推奨するセミナー と

~『看取り』によって強い事業体質へ転換~
という看取りに特化した施設のセミナーを受けました


人が年を重ね次第に衰弱し、死を迎える
極、当り前の事ですが、医療や介護に関わっている方々は
葬儀業界との連携を快く思っていない・・・

そんな風潮がありましたが
死までを受け止め、死後の分野まで関わろうと動き始めたようです。

私は高齢者施設での葬儀は一番自然なものだと考えていますので
今後の動きにとても興味があります。

施設内の葬儀に一般の人たちが関われるのか?
それとも切り捨てるのか?

そこも大いに気になるところです。

人が亡くなる
それを悼む人がいる
そこに線引きをせずに、施設でのお別れが出来ないものでしょうか????


「ハッピーエンドの選び方」観ました

2016年01月23日 | 
映画「ハッピーエンドの選び方」を見てきました。

第71回ベネチア国際映画祭で観客賞をとったイスラエル映画です。

新聞の小さな広告で見つけ、どうしても観てみたくなりました。



老人ホームで暮らす人々の死に直面した時の葛藤が描かれています。

死にかけている夫は毎日痛みに苦しみ、妻はもう見ていられないので
友人に何とか楽に死なせて欲しいと頼むところから映画は始まります。

見かねた主人公が安楽死ができる機械を発明し、人助けをする・・・

という内容ですが

これを使うべきか?

「罪に問われる殺人だ」と言い張っていた主人公の妻がやがて病に犯され
自分にもその機会を使って欲しいと懇願しだします。

でもその時、主人公は機械をぶち壊し・・・



死にかけている人たちも皆、状況や立場が違い
見ていて考えさせられました。

尊厳死と安楽死が違う事が、更によくわかった映画でした。

毎年送る供養のお花

2015年08月11日 | 
毎年1月と8月に供養のお花を送っています。
1月は友人の娘に。

留学先での交通事故死でした。
20歳の夢多き女性でしたが
帰国を目の前にした死です、
彼女の母親と大親友だったので
その悲しみは、痛いほどわかり
私に遺族ケアを考えさせてくれました。

8月には
やはり友人の息子が山の事故で亡くなりました。
彼の死は、年末の喪中葉書で知り
鳥肌が立ったのを覚えています・

喪中葉書ではことの詳細がわからず
「どうして?」の繰り返しばかりでした。

その後、御嶽山での滑落事故と知りました。
彼は息子と同じ年でした。


私には彼らが不幸な死をとげた、とは思えません。
生まれる必然があり、生を終えた意味があったのでは・・・と思っています。
この世の姿はなくなっても、彼らの魂というか根源というか
そういう本来の物は存在している、と思っています。


本来の魂は人より、より神に近いらしいです。
そちらの世界では死は、次へのつながりらしいのですが

そうは言っても
親にしてみれば、目の前にいる子供を亡くすのですから
簡単に割り切れるはずもなく
悲しくて苦しいばかりです。

生は永遠と考える私でも
自分の身に起きれば、気が狂いそうになるでしょう。

親友たちを納得させられる言葉も持ち合わせない私が出来る事は
「忘れていないよ!」と伝える事だけです。

その為に毎年お花を送っています。
また、それぞれの一年が始まります。

ワンルームでの孤独死

2015年03月02日 | 
知り合いのワンルームのアパートで76歳の男性が亡くなりました。
死後2日目の発見です。

前日まで普通の暮らしをしていました。
発見した大家さんは、居住者の世話をよくみる、とてもいい人です。
この男性には家族がなく、親戚の所在も知らされていなかったそうです。

結局、警察が探し出した親戚が遠くから訪れて葬儀をしました。
故人とは、ほとんど付き合いも無かったようです。

家財は全部処分して欲しいと、大家さんは頼まれましたが
どうしていいか困って相談に見えました。

遺品整理が出来るように手配をし、そしてお祓いもアドバイスしました。


終活セミナーでは荷物の整理や遺品整理の話を良くします。
遺品整理は通常一部屋10万前後かかります。

しかしインターネットで見てみると
一部屋4万円~のような表示が多くあります。

オプション料金が明記されているところもありますが
別途にかかるものが、解かりにくいものがほとんどです。

実際には、10万以上の見積が当たり前のようですね。



葬儀社の見積も、それに似た表示が多いですね。
家族葬50万円で全てが出来ます・・・・
でも実際は料理や返礼品は別途料金が必要です。


インターネットに書かれている金額が本当の費用でない、と分かった時
一生懸命調べていた人は、がっかりでしょうね!


この男性は心臓の発作で急死だったそうですが、
大家さんにはショックと心労が大きかったようです。





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生命保険金の受け取り漏れが多いそうですよ

2014年10月16日 | 
90歳以上の保険加入者が亡くなった時に
保険金を受取っていないケースが多いそうです。

家族が保険に入っていることを知らなかったり
本人が介護施設に入所したり
認知症になって連絡が出来なくなったり

保険金は受取人が請求しないと支払われません。
また契約者が亡くなって3年以内に請求が無い場合も
保険会社は支払う義務がなくなるそうです。

90歳を超える方は
定年退職を迎える60~65歳頃に
支払が終わる終身保険に入っている可能性が高いとか。

確かに景気のいい時代を過ごしている年代ですからね。

思い当たる方は
亡くなった親の生命保険書を確認したほうがよさそうですね。