この時期に咲く落葉植物の花は、葉に先立って花が咲くものが多い様です。
代表的なものでは、モクレンやマンサクの仲間が浮かびますが、少し馴染みの薄い木では
このシロモジも葉に先立って花が咲きます。樹木図鑑では以前に見たことはありますが、
実際に山を歩いていて見たのは今回が初めてです。
離れて見ると泡のような形ですが、一本の花柄に小さな花が3~4個付いたものが集合しています。
雌雄異株ですが、写真のものは多分雌株。
10月頃には緑黄色に実が熟しますが、油成分があり昔は灯火用の油として使われていたそうです。
これに似た木で、高級楊枝に使われるクロモジという木が有りますが、こちらは枝や幹の色が
かなり黒っぽい色をしているので見分けがつきます。
シロモジ <クスノキ科 シロモジ属>


代表的なものでは、モクレンやマンサクの仲間が浮かびますが、少し馴染みの薄い木では
このシロモジも葉に先立って花が咲きます。樹木図鑑では以前に見たことはありますが、
実際に山を歩いていて見たのは今回が初めてです。
離れて見ると泡のような形ですが、一本の花柄に小さな花が3~4個付いたものが集合しています。
雌雄異株ですが、写真のものは多分雌株。
10月頃には緑黄色に実が熟しますが、油成分があり昔は灯火用の油として使われていたそうです。
これに似た木で、高級楊枝に使われるクロモジという木が有りますが、こちらは枝や幹の色が
かなり黒っぽい色をしているので見分けがつきます。
シロモジ <クスノキ科 シロモジ属>



外来植物の繁殖が目立つ木津川河川敷、以前から気になっていた蔓性の植物があります。
およそ3坪程の面積を占領して繁殖していますが、2週間ほど前から花が咲き始め、ようやく正体が判りました。
和名はヒメツルニチニチソウ、学名はVinca minor(ビンカミノール)というキョウチクトウ科の蔓性常緑半低木で
原産地は中部ヨーロッパ~カシミ~ル、耐寒性と繁殖力にすぐれているので花壇のグランドカバー用によく使われているそうです。
薬用のハーブでもあり、脳機能の改善に効果があるそうです。
「野草」の定義はよく知りませんが、私は園芸種由来の植物も含め、「人の庇護を離れ、独自に生育、繁殖を続ける植物」
と解釈しています。そういう意味ではこのヒメツルニチニチソウも野草と呼んでもいいのではないでしょうか。
ヒメツルニチニチソウ <キョウチクトウ科 ツルニチニチソウ属>



およそ3坪程の面積を占領して繁殖していますが、2週間ほど前から花が咲き始め、ようやく正体が判りました。
和名はヒメツルニチニチソウ、学名はVinca minor(ビンカミノール)というキョウチクトウ科の蔓性常緑半低木で
原産地は中部ヨーロッパ~カシミ~ル、耐寒性と繁殖力にすぐれているので花壇のグランドカバー用によく使われているそうです。
薬用のハーブでもあり、脳機能の改善に効果があるそうです。
「野草」の定義はよく知りませんが、私は園芸種由来の植物も含め、「人の庇護を離れ、独自に生育、繁殖を続ける植物」
と解釈しています。そういう意味ではこのヒメツルニチニチソウも野草と呼んでもいいのではないでしょうか。
ヒメツルニチニチソウ <キョウチクトウ科 ツルニチニチソウ属>




平安時代、人が亡くなった時に着る喪服の色は「鈍色」(にびいろ)と呼ばれる鼠色で、喪の重さにより
黒に近い色から薄鼠色まで何段階かに染め分けられていたそうです。
妻の喪は3か月、夫の場合は1年間濃い色の喪服を、また故人との関係が深いほど濃いものを着たといいます。
この鈍色を出すのに使われたのは、主に矢車(やしゃ)などのタンニン系染料で、原料にはタンニンを多く含む
このヤシャブシの果穂やクヌギの樹皮が用いられていた様です。
化学染料が主流の現在では、このヤシャブシが染料に使われることはほとんどありません。
ところが近年になって、このヤシャブシは別なところで注目を浴びるようになりました。
それはこのヤシャブシが、今や国民2人に一人と言われ、国民病となった感のある花粉症の一翼を担い始めたからです。
特に関西では阪神地区で砂防や緑化に植栽されたものが多く、数年前から住民に花粉症被害が出ています。
ヤシャブシ花粉症の主な症状は果実アレルギーで、リンゴやモモなどバラ科の果実を食べると「かぶれ」が出るので
要注意です。なお五倍子(ふし)というのはウルシ属のヌルデにできる虫瘤から作る黒い染料のことです。
夜叉五倍子はその代用品で、果穂を夜叉に見立てての命名と思われます。
ヤシャブシ <カバノキ科 ハンノキ属>


黒に近い色から薄鼠色まで何段階かに染め分けられていたそうです。
妻の喪は3か月、夫の場合は1年間濃い色の喪服を、また故人との関係が深いほど濃いものを着たといいます。
この鈍色を出すのに使われたのは、主に矢車(やしゃ)などのタンニン系染料で、原料にはタンニンを多く含む
このヤシャブシの果穂やクヌギの樹皮が用いられていた様です。
化学染料が主流の現在では、このヤシャブシが染料に使われることはほとんどありません。
ところが近年になって、このヤシャブシは別なところで注目を浴びるようになりました。
それはこのヤシャブシが、今や国民2人に一人と言われ、国民病となった感のある花粉症の一翼を担い始めたからです。
特に関西では阪神地区で砂防や緑化に植栽されたものが多く、数年前から住民に花粉症被害が出ています。
ヤシャブシ花粉症の主な症状は果実アレルギーで、リンゴやモモなどバラ科の果実を食べると「かぶれ」が出るので
要注意です。なお五倍子(ふし)というのはウルシ属のヌルデにできる虫瘤から作る黒い染料のことです。
夜叉五倍子はその代用品で、果穂を夜叉に見立てての命名と思われます。
ヤシャブシ <カバノキ科 ハンノキ属>


室町時代と言えば、南北朝合一(1392)から織田信長による
征夷大将軍、足利義昭の京都からの追放(1573)までの凡そ180年間を指します
平成の今から数えると400~600年ぐらい前ということになるのでしょうか。
そんな時代に生まれた種子が、600年もの長い眠りから覚めて現代に蘇ったとしたら
これはもう奇跡としか言いようがないでしょう
この椿の種子は1997年2月、平等院鳳凰堂の後背部庭園を発掘中に、室町時代に積もった
池底の泥から出土しました。宇治市教育委員会で、土器などの出土品と一緒にパックに封入して
保管していたところ、種子が発芽しているのが発見されました。
この種子を平等院の依頼で宇治市植物公園が預かることになり、実生株と危険分散のため平等院の許可を得て
山茶花の台木に接ぎ木した株を同公園で管理してきました。
山茶花の台木に接ぎ木で育てた株が2003年4月に初開花、それ以来、毎年花を咲かせています。
一方、実生株は地植えできる大きさにまで育ったので、平等院へ戻されています。
数年後には、この実生株での開花が平等院で見られることでしょう。
室町椿・・・原種ヤブツバキの一種と思われますが、普通種に比べ花は大輪で葉もしっかりしている様です
(写真の花は宇治市植物公園で管理されている接ぎ木株で開花したものです)

征夷大将軍、足利義昭の京都からの追放(1573)までの凡そ180年間を指します
平成の今から数えると400~600年ぐらい前ということになるのでしょうか。
そんな時代に生まれた種子が、600年もの長い眠りから覚めて現代に蘇ったとしたら
これはもう奇跡としか言いようがないでしょう
この椿の種子は1997年2月、平等院鳳凰堂の後背部庭園を発掘中に、室町時代に積もった
池底の泥から出土しました。宇治市教育委員会で、土器などの出土品と一緒にパックに封入して
保管していたところ、種子が発芽しているのが発見されました。
この種子を平等院の依頼で宇治市植物公園が預かることになり、実生株と危険分散のため平等院の許可を得て
山茶花の台木に接ぎ木した株を同公園で管理してきました。
山茶花の台木に接ぎ木で育てた株が2003年4月に初開花、それ以来、毎年花を咲かせています。
一方、実生株は地植えできる大きさにまで育ったので、平等院へ戻されています。
数年後には、この実生株での開花が平等院で見られることでしょう。
室町椿・・・原種ヤブツバキの一種と思われますが、普通種に比べ花は大輪で葉もしっかりしている様です
(写真の花は宇治市植物公園で管理されている接ぎ木株で開花したものです)

ミツマタはジンチョウゲ科の落葉低木です。原産地は中国で、17世紀に和紙の原料として渡来しました。
それまでの和紙の原料は、主として楮(こうぞ)や麻が使われていた様です。
しかしミツマタそのものは、それ以前にも日本の山野に存在していて、万葉歌に「さきさく」、「さきくさ」、「さいぐさ」
などと詠まれているのは、三椏を指すのではないかとする説もある様です。
和紙の需要が減った現在では、あまり栽培されていませんが、現在でも高級和紙や障子紙の原料には
楮と共に、この三椏が使われています。
特に三椏を使った円紙幣の質の良さは世界一とも言われています。
春、葉が出るのに先立って、この様に球形の頭状花序をつけますが、花弁に見えているところは
先端で4裂した筒状の蕚で、花弁ではありません
ミツマタの名前の由来は、枝が必ず3本に分岐する特徴に依ります
ミツマタ<ジンチョウゲ科 ミツマタ属>
それまでの和紙の原料は、主として楮(こうぞ)や麻が使われていた様です。
しかしミツマタそのものは、それ以前にも日本の山野に存在していて、万葉歌に「さきさく」、「さきくさ」、「さいぐさ」
などと詠まれているのは、三椏を指すのではないかとする説もある様です。
和紙の需要が減った現在では、あまり栽培されていませんが、現在でも高級和紙や障子紙の原料には
楮と共に、この三椏が使われています。
特に三椏を使った円紙幣の質の良さは世界一とも言われています。
春、葉が出るのに先立って、この様に球形の頭状花序をつけますが、花弁に見えているところは
先端で4裂した筒状の蕚で、花弁ではありません
ミツマタの名前の由来は、枝が必ず3本に分岐する特徴に依ります
ミツマタ<ジンチョウゲ科 ミツマタ属>

畑の隅に植えられた木に、黒光りした丸い実が成っていました。
葉をよく見ると、神棚に供えたり神社で玉串として使われる榊のようです。
しかし、普段はこんなにいっぱい実の成った榊を見ることはありませんね。
榊はツバキ科の常緑高木で、大きいものでは高さ10mにもなります。
日本固有の植物ではなく、アジア東南部に広く分布しているので、日本人の
祖先のうち、南方から渡来した人達が持ち込んだとする説もあります。
最近は輸入農作物が問題になっていますが、この榊も花屋さんで売っている
安いものは中国産のものが多くなっています。
サカキ <ツバキ科 サカキ属>

榊の日本での分布は関東以南です。
こちらは関東以北や、榊の無い地方で代用して神事に使われるヒサカキ(姫榊)です
榊と違って、葉の縁に鋸歯(ギザギザ)があり葉もかなり小さくなります。
葉をよく見ると、神棚に供えたり神社で玉串として使われる榊のようです。
しかし、普段はこんなにいっぱい実の成った榊を見ることはありませんね。
榊はツバキ科の常緑高木で、大きいものでは高さ10mにもなります。
日本固有の植物ではなく、アジア東南部に広く分布しているので、日本人の
祖先のうち、南方から渡来した人達が持ち込んだとする説もあります。
最近は輸入農作物が問題になっていますが、この榊も花屋さんで売っている
安いものは中国産のものが多くなっています。
サカキ <ツバキ科 サカキ属>

榊の日本での分布は関東以南です。
こちらは関東以北や、榊の無い地方で代用して神事に使われるヒサカキ(姫榊)です
榊と違って、葉の縁に鋸歯(ギザギザ)があり葉もかなり小さくなります。

穏やかな日が多いからか、近くの里山にヤブツバキが咲き始めました。
椿には改良された園芸品種も多く、八重咲きや斑入りのものなども多く栽培されています。
しかし一方では原種であるヤブツバキの艶やかで深みのある緑の葉と真紅の花のシンプルな
組み合わせを愛する人も決して少なくありません。
そのため、現在でも公園樹や庭木に植えられている椿の多くはこのヤブツバキです。
ヤブツバキはこれまで、日本固有の原種ツバキと考えられてきましたが、最近では中国や朝鮮半島にも
同一種の有ることが知られています。
ヤブツバキ <ツバキ科 ツバキ属> 別名 ヤマツバキ

園芸品種には無いこのシンプルで飾り気のない美しさは捨てがたいものです

椿には改良された園芸品種も多く、八重咲きや斑入りのものなども多く栽培されています。
しかし一方では原種であるヤブツバキの艶やかで深みのある緑の葉と真紅の花のシンプルな
組み合わせを愛する人も決して少なくありません。
そのため、現在でも公園樹や庭木に植えられている椿の多くはこのヤブツバキです。
ヤブツバキはこれまで、日本固有の原種ツバキと考えられてきましたが、最近では中国や朝鮮半島にも
同一種の有ることが知られています。
ヤブツバキ <ツバキ科 ツバキ属> 別名 ヤマツバキ

園芸品種には無いこのシンプルで飾り気のない美しさは捨てがたいものです

源氏物語と宇治茶で知られる宇治市では、この季節に宇治川畔などにある桜や榎などの落葉高木に
着生しているヤドリギが多く見られます。
ヤドリギは半寄生性の常緑樹で、宿主の木が落葉した後にも葉は緑を保っているため、冬になると
俄かに存在が目立ってきます。
ヤドリギ <ヤドリギ科 ヤドリギ属>

よく見ると、この一株は果実を付けている様です。約6㎜ほどの小さな果実で、果肉は強い粘性を持つ液果
で中に一つの種子があります。
果実を鳥が食べた後、種子は糞に混じって体外に排出されますが、この時果肉に含まれる粘液によって他の木に
付着し、そこから寄生根を出して幹に食い込ませ再び着生します。
自分以外の木に寄生して、そこから水分と養分を採る吸血鬼の様な植物ですが
ヨーロッパでは、クリスマスの飾りに使われる縁起物で、ヤドリギの木の下では誰にでもキスをしてかまわない
という風習が有り、これを「ヤドリギの下のキス」と呼んでいるそうです。
着生しているヤドリギが多く見られます。
ヤドリギは半寄生性の常緑樹で、宿主の木が落葉した後にも葉は緑を保っているため、冬になると
俄かに存在が目立ってきます。
ヤドリギ <ヤドリギ科 ヤドリギ属>

よく見ると、この一株は果実を付けている様です。約6㎜ほどの小さな果実で、果肉は強い粘性を持つ液果
で中に一つの種子があります。
果実を鳥が食べた後、種子は糞に混じって体外に排出されますが、この時果肉に含まれる粘液によって他の木に
付着し、そこから寄生根を出して幹に食い込ませ再び着生します。
自分以外の木に寄生して、そこから水分と養分を採る吸血鬼の様な植物ですが
ヨーロッパでは、クリスマスの飾りに使われる縁起物で、ヤドリギの木の下では誰にでもキスをしてかまわない
という風習が有り、これを「ヤドリギの下のキス」と呼んでいるそうです。
