かつてから細君より訪ねてみたい場所として、小樽、石川県の松井ミュージアム、岡山の大原美術館等々を含めていくつか聞かされてきましたが、湯布院、白川郷、そして安曇野が残っていました。
その安曇野旅行に次男夫婦からの誘いがあり急遽行くことになりました。当初はコロナ禍も鎮静化した年明けをとの計画はあったのですが、前倒しとなりました。
次男はデイラー勤務のため、休暇の取れる曜日を選んでの強行軍となりました。当初計画では次男の休暇の前日、業務が終わった後出発し途中で常宿として使っているホテルに一泊する予定でした。しかし、業務関連等で不可となり、首都圏の通勤ラッシュを避けるため早朝の出発となりました。
中央自動車道を使い甲府、岡谷を経由し松本に着いたのは9:00頃で、渋滞に合わず、かなり順調に進んできたとの実感でした。次男は電気自動車のため、長距離走行は充電設備の心配もあり、今回は私たちのe-パワー車を用い運転は次男に「お任せ」でした。
松本は、細君や次男夫婦は通過したことはあっても、ゆっくり観光したことがないことから
市内散策と、国宝松本城の見学をすることになりました。松本城は戦国時代の永正年間に造られた深志城が始まりで、現存する五重六階の天守の中で日本最古の国宝の城とのことです。大天守と、泰平の世になって造られた辰巳附檜・月見檜のまとまりは「複合式天守」と呼び、それぞれの時代を象徴しているとのこと。この連結複合式天守は松本城だけに見られる特徴的な構造のようです。
五重六階の天守に登るのは、私以外は皆初めてで、その階段の急傾斜と段差のアンバランスに
結構苦労したようです。しかし、最上階から眺めるお城と、松本の眺望は、生憎雲に閉ざされ
北アルプスは望めませんでしたが、周辺の山並みも含めて流石に見ごたえがありました。
昼食は、細君の希望もあり、お城の近くにある「そば庄松本城店」で頂きました。
この「そば庄」は、かつて、「そば庄蓼科高原店」で頂いた「山菜の天ぷらそば」が絶品で、
細君はそれ以来このお店がお気に入りのようでした。久しぶりに味わう信州そばに文句なく
舌鼓を打ちました。
昼食の後は、松本市内の散策を行いウイークデーにも関わらず、人出の多さにコロナ禍から少し解放された状況が、ここでも垣間見れました。松本でなければ買えないと言う品や、出汁用の具材屋さん、さらに、パルコ 松本店等々含めていくつかのお店をめぐりお土産を買い求めました。
頃合いを見計らい、宿泊先の「ホテルアンビエント安曇野」に向いました。
途中の山並みと、森の木々は既に紅葉の時期は過ぎ鮮やかなもみじから、落葉松の黄葉に移っているとの印象を受けました。
「ホテルアンビエント安曇野」は、標高1,000mの大自然に抱かれた「自然との調和」をテーマにした、リゾートホテルとのことですが謳い文句通り、常念岳を望む山の中腹に位置し、等高線に沿って建てられたフォルムが自然に溶け込んでいました。
客室はメゾネットタイプの101㎡のスイートを、本来は4人部屋とのことですが、その部屋を二人で使えるサービスを提供して頂き、息子夫婦とは隣り合った部屋を確保できました。
窓のカーテンを開けると目の前の落葉松の森の彼方には、常念岳や蝶ケ岳などの山並みが広がっていました。
浴室は中房渓谷から引湯した泉質アルカリ性の温泉で、「美肌の湯」とも言われているとのこと。開放感あふれる露天ジャグジーバスは、目の前に広がる落葉松の森や、北アルプスの眺望を堪能しながら、癒しのひと時を楽しむことが出来ました。
夕食は早めの5時半で予約していたので、息子夫婦と共に揃ってレストラン「フレンチ ル・プラトー」へ。信州安曇野、北アルプスの地元の厳選された食材、こだわりの食材を使用したと謳うコース料理は、シェフのこだわりと、職人技を感じさせる「極上の食」を、眼も舌も感じさせ、味合わせてくれました。
中でも前菜のスープと、信州黒毛和牛の炭火焼き、さらにホテルで焼いていると言われるクロワッサンは絶品でした。
次に料理のショットを、鮮明な写真が撮れませんでしたが掲載します。
~霜月の安曇野~ アミューズ・ブーシュ(前菜)
松本産スワン蕪と松本1本葱のサラダ仕立て
マイタケのクリームスープ
オマール海老のポワレ
御口直しのアイスクリーム
私と息子のお嫁さんがチョイスした「信州黒毛和牛の炭火焼き」
安曇野山椒と赤ワインソース
息子がチョイスした「イベリコ豚 肩ロースのポワレ」
細君がチョイスした「牛肉の赤ワイン煮」
デザートは「秋色に染まって~安曇野モンブラン」
これらは芸術的とも言える盛り付けの素晴らしさと共に、味も絶品でした。
暮れなずむ信州安曇野の山並みの景観を眺めながら、息子夫婦と静かに語らいながらディナーを楽しむことが出来ました。なお、お酒はワインリストも充実していましたが、シャルドネ シュール・リー、ココ・ファーム等の白ワインや、お薦めの地ビールを少し(笑)頂きました。
翌日も、良い天気に恵まれ、バイキング形式の朝食を頂いた後、早々に安曇野散策に出発しました。まず、「大王わさび農場」、「蓼川と三連水車」に向いました。
この農場は、もともとは雑草の生い茂る原野でしたが、扇状地に豊富な湧水を利用したわさび畑の開拓に着眼した深澤勇市氏の、一大プロジェクトによるもので、105年目を迎えているとのこと。
148,000㎡余の農場に広がるわさび田は、澄んだ湧水に溢れ、晩秋の日差しの中で山葵たちが青々と茂っていました。
原野を開拓し、これだけの農場を作り維持・発展させてきた人々の、労苦と開拓に掛ける浪漫と矜持を改めて思い起こしていました。
わさび田を散策した後に、蓼川の澄んだ流れと三連水車を見学し、ハイジの里等を経由し町田のアウトレット「グランベリーパーク」に向い、走行距離約800Kmの安曇野旅行のフィナーレとしました。
即興で詠んだ一首を掲載したいと思います。
☆安曇野は 燃えるもみじと アルプスの 茜に染まる 白銀の嶺