四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その86)

2023年05月31日 05時42分16秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その86)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 プリンセスアイコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」


【詞書】葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」のうち、特に優れた作品とされる
  「神奈川沖浪裏」「凱風快晴(赤富士)」「山下白雨(黒富士)」は3役という
  そうです。「神奈川沖浪裏」では1作品に3首詠んでみましたので三役には3首
  提出致します。
 註)「山下白雨」
☆にわか雨富士の裾野に激しくて 暗黒の中稲妻走る
☆青空にたなびく瑞雲と稲妻 激しい白雨は天国と地獄
☆人生の深さあらわす白雨こそ 黒富士に相応しい題材
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「山下白雨(黒富士)」に寄せて詠まれた三首の歌は、いずれも北斎の「黒富士」の
 特徴を
上手くとらえて分かり易く詠っていると考えます。
 「黒富士」は「対照的な天候を描くことによって富士山の高さや大きさを視覚的に
 訴えてくる作品」との
解説がありましたが、歌に詠む事によって絵の本質がより
 重層的に表現されると思います。

 詠われているように、富士山を挟んで瑞雲の天界と、下界の稲妻がせめぎ合う様に、
 人間の世の、また、人間の内面を一幅の絵で表現しているかにも感じられます。
 そんな思いを込めて、三首目を添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★天と地を白雨でつなぐ黒富士よ 極め尽くすや北斎絵画

【詞書】スズランの地植えを、鉢に植え替えている強面の男性を見てイメージを広げて
  みました。
男性とスズランの取り合わせが似つかわしくなくて、純情という言葉が
  浮かびました。

☆ひげ面の男(ひと)は持ちくるスズランを一鉢ほどの純情みせて
【詞書】庭の木陰に毎朝のように露草が咲きますが、一日花の哀れさを詠みました。
☆つゆくさの けさのしずくのつめたさに いちにちばなの いのちいとしむ
【詞書】ふとした時に出る言葉から、なんとか歌に出来ないかと試行錯誤の毎日です。
☆大欠伸して飛び出した言葉なら なだめて歌の形となさむ
                          夕庵さん
【解説】
 一首目、二首目は作者の観察眼の確かさと、物や、人に寄り添う優しさが表現された
 良い歌と思います。とくに一首目の「一鉢ほどの純情みせて」には、ほっこりとした
 想いと共に
人の本質に迫る温かな眼差しが感じられます。
 このような感性こそ、歌を詠む私たちに求められる資質かとも想います。
 三首目の「おかしみ」と、それを表現するゆとりを是としたいと思います。
 歌が醸し出す心地よさに浸りながら、じっくり味合わせて頂きました。

【詞書】ちさき恋のはじまりと、その後を詠んでみました。
☆六月の学生街のパーラーの淡きあかりに恋みつけたり
☆街の灯が川面に揺るる出会ひ橋 今 求婚のふたりを照らす
                          みっちっちさん
【解説】
 「ちさき恋」の顛末を、突き放さずに優しく寄り添いつつ詠んだ歌は、二首をもって
 短編小説を
凌ぐ、恋物語を紡いでいますね。
 「出会ひ橋」でプロポーズなんて、良いですね。しかも街の明かりに照らされた二人を
 見守る
「目」も句間にしっかりと表現されています。
 このように温かく見守ってくれる方がいる限り、若い世代も明日に向かって力強く歩んで
 行けるのだと
思います。私たちも「神田川」の世代でしたが、思えば大人たちの温かな
 眼差しによって、
ずいぶん助けられて来たのだと、今になって改めて思っています。
 世知辛い世の中ですが、若者たちが希望をもって愛を育んでいくことの出来る世となる
 よう、
ささやかでもお手伝いしたいと思っています。そんな想いにさせられた歌です。

【詞書】「浅き夏」と「バラ」が季重なりになってしまったので詠み直させて下さい。
  苦手なバラの撮影にはまってしまい、車の中で撮影レンズをとっかえひっかえした
  ことを詠ませて
いただきました。
☆苦手でもバラの描写にはまりつつ
     車内でレンズを取りては変える
【詞書】夕方の光が白い薔薇に届いている。シャッターの音に「上手く撮れていますように」
  と祈りを
込めたことを詠ませていただきました。
☆夕刻の光届くや白き薔薇
     シャッター音に出来映え祈る
                          西BOOさん
【解説】
 短歌には、俳句のように「季重なりはタブー」と言う決まりはありませんので、最初の短歌も
 宜しいかと思います。しかし、詠み直しの歌は、薔薇の撮影に当たってのご自分の想いも
 具体的に詠み込まれ、手堅い歌に仕上がっていると思いますので、こちらを掲載致しました。
 「薔薇の撮影は苦手」と言われながらも、作者のブログに掲載されたいずれの薔薇の作品も、
 ソフト効果等を駆使した見事な出来栄えと感じます。「車内でレンズを取りては変える」は、
 私も経験がありますので、実感として伝わってきます。
 二首目の歌、斜めに射す夕光に浮かぶ白い薔薇の神々しいまでの姿。それを撮ろうとする
 祈りにも似た想いが活写された良い歌と感じます。この想いは共有させて頂きます。

     「薔薇 ブルーリバー」
 
☆ちちははや祖父母に期待されながら期待に添へぬままに死ぬべし
☆大切に育てられたと感謝するわれに誹謗や中傷のあり
☆ちちはははいかに悲しみいませるや誹謗をされるわたくしを見て
                          suisenさん
【解説】
 私たちは、祖父母、父母、兄弟を始め多くの方に見守られ、お世話になり、さらに、
 期待されて
育まれて来たのだと思います。当の本人にはその自覚が薄い場合もありますが、
 愛する者を
見守る立場になって、初めて気付くこともあるのではないかと思っています。

 見守られる眼差しや「期待」は向上への動機づけとなり、励みにもなったことと思います。
 一首目の歌で「期待に添へぬままに」と詠われていますが、今の作者を拝見する限り
 期待された方たちの「期待」に応え、今日まで立派に歩んでこられたものと考えます。
 三首目、「ちちはは」が悲しまれるのは詠われているように「誹謗をされる」ことでも
 ありましょうが、
それ以上に、その理不尽さに打ちひしがれる作者の姿かも知れません。
 先ずそこから立ち上がり、
前を向くことだと思います。

 最近のブログを拝見する限り「負けていない」作者が健在で安心していますが…。

【詞書】郷愁パヴァーヌ 亡き王女のためのパヴァーヌ ラヴェルを聴いて
☆祖父母
  父や母が生きていた幸せだった

  独り雨の夜に思う

                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 子供の頃が幸せだったのは、祖父母、両親が私の為に苦労してくれたからと思います。
 祖父母両親とも苦しい時代を生きたはずなのに。
 その祖父母両親に感謝すると共に、とても懐かしく思いました。
 パバーヌ(pavane)とは、「16世紀初頭のフランス宮廷舞踊の一つ。スペインを起源とし、
 孔雀 pavoの優美さをまねた威厳に満ちた面もちで、ゆっくり、列を作って踊られる組舞」と
 辞書にはあります。
 以下URLにラベルの曲を貼付していますので、名曲だけでもお聴き下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/226f607ce40a5213204cd51686d827f6
【解説】
 ご案内により、辻井伸行氏演奏の「亡き王女のためのパヴァーヌ」のユーチューブを
 視聴させて頂きました。おっしゃるように「孔雀の優美さと、威厳に満ちた」曲では
 ありますが、辻井伸行氏の演奏は雨の夜に聴くにふさわしい、郷愁を誘う懐かしさに
 溢れていました。

 雨の夜に、パヴァーヌをBGMとして聞きながら自らのルーツと、父母、祖父母の方々
 へと想いを馳せたことと思います。父母の方々に見守られ大切に育てられた日々は
 懐かしく、感謝の想いも湧いたことでしょう。
その想いを詠った詠歌は、しみじみ
 として共感をよびます。

 なお、父母の方々は作者が感じたでありましょう幸せな想い以上に、作者の仕草や、
 表情を見つめ、幸せな想いを募らせたことと考えます。

【詞書】5月28日の第90回日本ダービーは、皐月賞を制したソールオリエンスが二着に敗れ、
  皐月賞
二着のタスティエーラが優勝し三歳馬7708頭の頂点に立ちました。その一方で、
  有力視されていた
スキルヴィングという馬が、最終コーナー以降に順位を落とし、最後に
  ゴールした直後にふらつき、
鞍上のルメール騎手が下馬すると倒れてしまいました。
  一時間ぐらい後には「心不全で死亡」と
流れてました。ターフに倒れた馬は他にもいる
  けれど、やはり辛いですね…。

☆ダービーのウィニングランのその向こう
     スキルヴィングは天馬となりぬ
【詞書】最早、解説不要かと…。…8連勝ですよ!8連勝!!…とは言え、最後の最後でずるずるずる
  と
順位を滑り落ちるのも何度も見てきたトラファンは、どことなーく不安が心の片隅に
  あったり
するんです。ええ、ええ、油断は禁物ですとも。今日あたりから交流戦もあるし…。
「何でなん?」「どないしたん?」と言いつつもタイガースファンの口元ゆるむ
【詞書】今日ネットで見た京都新聞の記事から1首。京都府立植物園でお客さんが
  「オオサンショウウオらしいのがいる!」と聞いて職員さんが見に行くと、約1メートル
  ほどの
オオサンショウウオさんがのたりと…。やはり鴨川から来たんですかねえ…?
  オオサンショウウオ
さんからしたら、せっかくのんびり散歩してたのに、あーあ…
  みたいな感じでしょうか、凄いですね。

☆京都府立植物園でお散歩のオオサンショウウオ「見つかってしもうた」
                          ちがやねこさん
【解説】
 一首目、第90回日本ダービーの優勝馬はタスティエーラで、鞍上のダミアン・レーンは
 通算4度目の挑戦で初制覇となり、69年ぶりにテン乗り(初騎乗)での制覇を達成したとの
 ことですね。
 詠われているように二番人気、クリストフ・ルメール騎乗のスキルヴィングは馬場内で
 心不全で亡くなりました。まさに名馬は死して「天馬となりぬ」となりましたね。
 ゴールまで懸命に走った名馬のご冥福をお祈りしたいと思います。
 二首目は、タイガースファン皆さんの共通の想いかも知れませんね。交流戦後もこの勢い
 が続くようにと祈りたいと思います。
 三首目、「オオサンショウウオ」は、鴨川にも生息し、園と鴨川との境界のフェンスの
 下部の隙間から侵入したとみられるとのこと。「オオサンショウウオ」にしたら詠まれて
 いる通り「あーあ…」の思いでしょうね。
 なお、文字数制限もあり詞書の一部を割愛させて頂きましたが、ご容赦願います。

     「薔薇 ピエール ド ロンサール」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆ひげ面の男(ひと)は持ちくるスズランを一鉢ほどの純情みせて
                         夕庵さん
★純情といふ名の花よ咲き誇れ 今し戦争やめぬこころに
                         みっちっちさん

☆六月の学生街のパーラーの淡きあかりに恋みつけたり
                         みっちっちさん
★知らぬ街で生成りの服を買いました 似合わぬけれど眺めています
                         夕庵さん
★ふんはりと草木染なるシャツを着て野を駆けまはる少年となる
                         みっちっちさん

☆街の灯が川面に揺るる出会ひ橋 今 求婚のふたりを照らす
                         みっちっちさん
★陸橋の上から払い落としたり 背なに重たき視線を受けて
                         夕庵さん

☆揚げひばり 富士を従え羽ばたくも ミサイル飛ばぬ空は愛しく
                         ポエット・M
★揚げひばり鳴き声残し飛び去りて行方しれずにまだ帰り来ぬ
                         夕庵さん
★忘れ得ぬ記憶覚ますや揚げひばり かの日の君と眺めし丘の
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆沙羅の花 苔むす庭に散り敷くも 夕光(ゆうかげ)まとい淡く燃えいる
                         ポエット・M
【解説】
 薔薇や紫陽花の開花時期が例年よりも早まっていますが、沙羅の花も例年よりかなり
 早く咲き、
既に散り初める花もいくつかありました。沙羅は「祇園精舎の鐘の声、諸行
 無常の響きあり…。」
と平家物語の冒頭で詠われておりますが、ひと日花の儚さと、
 無常の象徴として詠われています。

 そんな思いを抱きながら、古刹の庭に散り敷く沙羅の花と、それに注ぐ夕陽に浮かぶ
 花のさまを
詠んでみました。散りてなお冴え冴えとした沙羅の花のたたずまいと、
 その美しさに惹かれる想いがしました。

     「沙羅の花(夏椿)」


「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (29)
  
7.折々の歌(8)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   寝転んで
     空を仰ぐは
       ホームレス
         サンチョ・パンサか
             ほかの都民は

          冷酷な
            東京砂漠の
              ただ中に
                子を産み育て
                  生きる猫たち

                ああ我ら
                  プロメテウスで
                     あったなら
                       君こそ火なり
                          我は鎖ぞ
         小窓より
           風に舞い入る
               桜花
                スプーンの中に
                    静かに止まる
      テーブルの
        上のスプーンに
           ひとひらの
             桜花びら
               夜通し冷える


     「薔薇 デンティベス」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんからのコメントです(前週掲載を予定した稿です)。
 みっちっち様、夕庵様から、愚詠に「かへし」を頂き、恐縮しております。お二人の哥の
 【新しき詞】にいつも刺激を受けております。
 貴船の神は、女性の願いにとても神験を現します。
 宇治の橋姫は、男に捨てられ、相手の女を呪い殺そうと鬼に成りたいと
 「帰命頂礼貴船大明神、願はくは七日籠もりたる験には、我を生きながら鬼神に
  成してたび給へ。妬しと思ひつる女取り殺さん」と
 強く願ったので、叶えてあげようとして、宇治川で水に浸かり祈る事を教えました。

 しかし、これは鎌倉時代の平家物語で、平安時代の古今和歌集では、
  さむしろに衣かたしき今宵もや我をまつらん宇治の橋姫
 と有り、源氏物語の橋姫の元歌で、男を待つ独り寝の寂しい女として有ります。
 又、和泉式部が、男(橘道貞)に捨てられ、貴船に詣でて、
  もの思へば沢の蛍も我が身よりあくがれいづる魂かとぞみる
 と歌うと、貴船の神の御返しが、
  奥山にたぎりておつる滝つ瀬のたまちるばかり物な思ひそ
 と和泉式部のやるせない想いに御返歌をしております。
 これ等の話が、室町になると、謡曲「鉄輪」となり、恐ろしい橋姫の鬼女のイメージが
 出来ました。昔、今日のような暑い日、貴船から雲が沸き立ち、気象レーダーを見て
 いる内に、中京の神泉辺りに落雷が有り、御見えになられたと、貴船の社巫女の
 お母様に、その話をしていました。
 私が初詣(旧曆)の時、晴天に小雪が降り、お喜びなられていらっしゃると、同じく
 その母に、有り難いと話しました。
 未だに、丑の刻参りの藁人形が見つかるとの事。怖いのは、貴船の神ではなく、
 女心です。((( ;゚Д゚)))

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「ソレイユの丘」公園へ

2023年05月27日 13時27分08秒 | お出かけ

 今年4月に、「遊び愉しみ尽くせるエンターテイメントパーク」をコンセプトに、
リニューアルオープンした「ソレイユの丘」公園。

     「薔薇 ラブミーテンダー」

この公園は、前にも少しこのブログでも触れましたが、横須賀市西部、長井地区の
小高い丘に位置し、21.3haの広大な敷地の中で食や農業、クラフト、動物とのふれあい
などが体験できる公園です。
公園の運営会社も変わったとのことで、新設の施設もさることながら植栽のイメージも
かなり変ったとの印象がありました。

     「ソレイユの丘公園 入口とポピー園」

 ゴールデンウイーク中は、駐車場への待ち時間が3時間との報道もあり、敬遠して
いましたが少し落ち着いてきたとの情報もあり、先日細君共々行ってきました。
自宅を出る時は久しぶりの快晴で富士山もくっきり見えていましたが「ソレイユの丘」に
つくと富士山はすっかり雲に覆われていました。ポピー園からの富士山の撮影を期待して
いましたが、あきらめざるを得ませんでした。

     「アスレチックタワーとポピー園」

 今の時期シャーレーポピー、ルピナス、ヤグルマソウ等が盛りは過ぎたものの未だ咲き
残っていました。
また、絶景とスリルを味わえると言われる高さ約15mのアスレチックタワーと、そこから
飛び立つジップラインが新たに設けられており、すでに何人かの人たちが挑戦し、空を
飛翔していました。

     アスレチックタワーから飛び立つジップライン

人気のキャンプ場にはグランピングや新サイトが追加された「CLIF広場」が設けられ、
宿泊スタイルの幅が広がり、さらにオートキャンプサイトもあり、こちらへも回って
みました。ウイークデーにも関わらず、かなりの方がキャンプやバーベキューを楽し
まれていました。

     「グランピングサイト」


     「CLIF広場」

 楽しみにしていた温浴施設「海と夕日の湯」は15:00からオープンとのことで、待ち
時間が半端でなく今回はパスしました。
園内を一周したことで6,000歩を越えての散歩となりましたので、休憩を兼ねて
カフェレストランで軽く昼食をとりました。
今度は子どもたち家族と来ようと、細君と話しつつ帰路につきました。

コメント (5)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その85)

2023年05月24日 05時19分25秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その85)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 ピース」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】今回は全てが相州編で江戸時代にタイムトリップした気分になりました。
  詠んでいて
楽しかったです。
  拙者ブログ「富嶽36景」から詠んでいます。今回は過去に住んでいた湘南からの
  題材です。
そして休日の度に行っていた場所でもあります。そんな場所を江戸時代に
  タイムトリップして
詠んでみました。
 註)「相州江の島」神奈川県藤沢市片瀬海岸
☆弁財天静かな春の江の島は 砂州の参道から富士仰ぐ
 註)「相州梅澤左」神奈川県中郡二宮町
☆二羽の鶴北斎ブルーに彩られ 天空を舞い富士に向かうも
 註)「相州箱根湖水」神奈川県足柄下郡箱根町
☆静かなる湖水に映える白富士は 神威とともに崇拝される
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回の詠歌は三首とも、作者のかつての活躍ゾーンの湘南「片瀬海岸」「二宮町」
 「箱根町」が舞台ですね。土地勘を踏まえ臨場感と、写生の利いた良い歌と考えます。
 一首目の「相州江の島」は当時も観光スポットとして人気の場所でしたが現在ように
 江の島へ渡る橋が架かっておらなかったとのこと。当時は詠われているように干潮時、
 砂州の参道を歩いて渡って、その途中に「富士仰ぐ」ことが出来たことと思います。
 また、詠われているように、江の島には「日本三大弁財天」のひとつである江島神社
 があり、
弁財天のお参りと、富士山を仰ぐことの出来る絶好のスポットであったことが
 分かります。
こんな事柄を踏まえ、詠ってみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★江の島の砂州(さす)の参道歩みつつ 富士と弁天ともに仰ぎて

【詞書】まっすぐに日々伸びる薄の青さを見て、少年の成長と捉えどんな未来が待って
  いる
のだろう。ミサンガの願いとは何なのか?と好ましく思ったことでした。
  (ミサンガは
手首や足首につける刺繍糸で編んだお守りで切れるまでつけていると、
  願いが叶うと
言われる)
☆少年は青い薄だ爽やかな日焼けの手首に光るミサンガ
【詞書】ひなびた村の入り口にあった窯跡、捨てられた少女の埴輪、手に取ると丸い口
  から
弥生時代の風が吹いたかの錯覚。ぽっと出る言葉はきっと無垢な単語だろうと
  思った
ことでした。
☆窯跡に埴輪の少女の丸い口 弥生の風が通りぬけたり
☆目標はハナミズキ咲く木下まで赤いポストがきっとあるはず
                          夕庵さん
【解説】
 一首目。伸びゆく青いススキに少年の成長を重ね、さらに、その手首の光るミサンガに
 込められた願いを好ましく見守る。そんな作者の「寄り添う」想いが表現された優しい
 歌と感じました。
 ミサンガは使う刺繍糸の色によって、それぞれ意味があるようですが、赤は「情熱」
 「勝負」
「勇気」、オレンジは「希望」「力強さ」等を表しているとのこと。
 少年のつけていたミサンガの色が気になりますが、その切なる願いが叶うよう祈りたい
 と
思います。
 また、二首目の「埴輪の少女の丸い口」から、「弥生の風が」に発想を飛ばし、一首の
 歌に
仕上げる手並みに、今回も学ばせて頂きました。少女の発する無垢の言葉を聞いて
 みたい
想いがします。

【詞書】いつも泣き言の歌ばかりで恥ずかしいのですが、今週も恥を忍んで出詠をさせて
  頂きます。

  わが家の裏庭に自然に生えてきた楠木と娘から母の日に贈られた紫陽花を詠いながら、
  私の近況を詠いました。
☆楠木は育ち紫陽花ちさくなるわれのフォロワーさんたちもまた
☆楠木でないかと教へてくれし人いまはフォローを外されてゐき
【詞書】誹謗中傷されるだけでも辛いことですのに最近は私を応援していてくれた人達まで
  が私の
ブログは暗くて同じことばかり書いていると批判するようになりました。もう
  ブログは止めて
しまいたいと思いながらも自分のためブログを続けています。
☆誹謗され人は離れてゆきしかばひとりさびしく続けるブログ
                          suisenさん
【解説】
 楠木は環境汚染に強く、丈夫な早生樹(早く生長する樹木)と言われていますが、
 その巨木は、隠者が想いを託す木であり、高貴な木であったようですね。大切に
 育てられたらと
思います。

 三首とも、今の心情を詠まれていて作者の寂しさや、哀しさが伝わってきます。
 今は、「暗くて同じことばかり」と言われようと、そこから抜け出すためには、
 それを表現し、
詠んでいくことも大切な道程と思っています。

 心情を表現し文学へ昇華させる、それも短歌の果たす役割とも考えます。作者なら
 それを
実践できる方とも思っています。このサロンは、その発表の広場でありたいと
 思っています。

 「咳をしても一人」と詠った尾崎放哉。彼は底知れない孤独感と、心情を苦闘の末に
 文学に
昇華させた、その優れた一人と感じます。

     「薔薇 ロイヤルプリンセス」

【詞書】朱色のツツジが咲いて、まだツインカラーの蕾がある。咲くのは、明後日頃
  だろうかと
思ったことを詠ませていただきました。

☆朱に染まるツツジが咲きて莟あり
         ツインカラーは明後日かな
                          西BOOさん
【解説】
 朱色を始め色とりどりのツツジが咲き満ちる頃となりましたが、未だ蕾も残し楚々として
 咲く
風情は見ていて癒される光景でもありますね。

 近々開花する「ツインカラーの蕾」に寄せた期待を素直に詠って、共感を誘う歌になって
 います。

 次々に咲き競うツツジは華やかな彩りを見せてくれますが、皐月の空に似合う花でも
 ありますね。
そんな爽やかさも歌には感じられます。

【詞書】私はスポーツをするのが好きで、卓球、水泳、ダンス等を日替わりで楽しむ毎日
  です。
これまで水泳、ダンスの俳句は詠んだ事がありますが、短歌はまだどれも詠んだ
  事がありません。

  特に、卓球はなかなか詩情を感じ得ないと思うのですが、今回、初めて卓球の試合に
  ついて
詠んでみました。
☆ライバルに負けし試合の悔しさの身を和らぐる菖蒲湯の香よ
☆負け試合すれど次こそ勝ちとると作戦を練る新月の窓
                          みっちっちさん
【解説】
 詞書に有りますようにスポーツの場面を短歌に詠むのは難しいと私も感じてきました。
 競技の
種目に関わらず、スポーツはアドレナリンの放出を増し挑戦的になりますので、
 余情を旨とし
歌を紡ぐ営みとは対極にあると考えてきました。

 しかし、この二首の歌の通り、負け試合を静かに振り返る場面は十分に歌になり、
 「菖蒲湯の香よ」
「新月の窓」の表現が詩情を醸し出していると考えます。

 一首目の「悔しさの身を和らぐる菖蒲湯」に勝負を越えて、ほのぼのとした「おかしみ」
 も感じます。

 二首目の「新月の窓」も、月明かりのない暗黒の空故に「作戦を練る」のに集中できます
 ので、
納得のいく状況設定と考えます。

 いずれにしましても、詩情を湛えスポーツを詠む事に成功した作歌事例と考えます。

【詞書】三連符
☆タン・タン・タン
 (メタボ・メタボ・メタボ)
 平成には無かったリズム
   君の為に叩こう
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 いつも拝見している音楽教室のblogで、リズムを表現するのに、トマト・トマト・トマトや
 メタボ・メタボ・メタボとか、素人の私にも分かりやすく音楽リズムを投稿頂いています。
 実は、リズム音痴なので、付いていくのがやっと。カスタネットでも無理😓かな?
 「幸せなら手をたたこう」と有るが、平成時代を生きた私は、決して幸せでは無かったです。
 「明日が有る、明日が有る」と頑張ってはいました。
 下記URLに坂本九さんの歌を貼付しておりますので、昭和時代を坂本九さんの歌で
 懐かしく思って頂ければ😃
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/29aa011ed03bc5585e4af8a46b25f0d9
【解説】
 音楽教室の先生の指導で、3連符のリズムの練習の際には右手で「メタボ」「メタボ」…と
 叩くとのことですね。リズムの練習も楽しみながら身に着くよう、仕掛けも含めて良く
 研究されて
いて驚きます。

 今回の詠歌は、この3連符のリズム練習を詠み「叩く」のは、自分の為でなく「君のため」
 にと
詠ったところが肝であり、面白さと解釈させて頂きました。

 「リズム音痴」とおっしゃっていますが、作者のブログに記された短歌や、俳句の滑かな
 調べからは、決してそのようには感じられませんので・・・、謙遜と理解しました。
 「明日が有る」と歌った、あの希望を令和の世でも持ち続けたいものですね。

【詞書】今、こんなに平和なのにと〜つい思ってしまう私ですが世界は怖い情勢が続いて
  います。
特に未だに続く侵略は酷すぎます!!と言いながら、穏やかな里山に
  住まいして〜

☆畑(はた)に来る 
    今年の雉も 朝夕に
      恋を求めて 声張り上げる
☆庭花の 芍薬活ける
      母の顔
       今年も咲いた 嬉しさ滲む
                          クロママさん
【解説】
 詞書に記された通りですね。未だ続く理不尽なロシアの侵略の最中、G7サミットへ電撃
 訪問を果たしたゼレンスキー大統領ですが…、厳しい状況は依然として続いていますね。
 そのような世情であっても、穏やかな山里の新緑と、そこを吹き抜ける風には癒されますね。
 そんな情景を詠った「雉」と「芍薬」の二首の歌は、平和そのものの日常、その穏やかさが
 溢れた良い歌と思います。
 なお、二首目の歌を「母を偲ぶ」と言う視点から詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★庭に咲く 芍薬活けし 母の顔
        偲びて吾も 鉢に挿花(そうか)す

     「薔薇 クィーンエリザベス」

【詞書】「闇夜の神事」があり、季語にもなっている宇治の県神社(近所です)の「あがた祭」が
  6月にあります。神事などは行われていましたが、2020年から露店の出店は無く、お祭り
  本来の意義は果たしているにしても、寂しいなあと思ってました。日本各地で露店の復活
  はしていますが、位置決めのテープを貼る作業を見ると「ああ、戻って来たんやねー」と感慨
  深いものがありました。
☆商店街 路上に黄色いテープ貼る
   県祭(あがたまつり)の露店の準備
【詞書】G7サミットも、とりあえず何事も無く閉幕し、良かったと思います。皆さんオバマさん
  の
時よりは長く原爆資料館を見られたようです。恐らく「本館」にも行かれたかと…。
  行かれてから、慰霊碑の前で碑に刻まれた文言の説明を聞いたなら、より深くその意味が
  心に響いたと思います。…だといいんですが…。武力によって戦争を早く終わらせる事は、
  そのぶん犠牲も多く、悲しみも深くなる気がするんですが…。ウクライナ対ロシアに
  ついては、
武力での解決以外の道は無いものなんでしょうか…?
☆消えた街 その上に建つ慰霊碑が 首長らに問う 平和への道
【詞書】この間、姉のうちに行ったら、食卓にどんっとシャクヤクが活けてありまして、姪から
  姉への母の日のプレゼントでした。
帰りに母へお裾分けすると言って、綺麗なのを二本
  ほど選んでくれました。うちも前は咲いてたりしてたんですが、枯れたのか、
見なくなって
  しまいました。だからクロママさんの楽しそうな芍薬の歌、いいですね。
何であれ庭の花が
  咲く楽しみはありますが、ましてや華やかな芍薬ならひとしお
でしょうね。
  例え二本でも瓶に挿してたら華やかで
充分楽しめました。勿論、母も喜んでました。
☆花束の芍薬 姪から贈られた 姉は母へとお裾分けする
                         ちがやねこさん
【解説】
 「県祭」「G7サミット」「芍薬」と、今日的な話題を詠み込み、楽しくかつ本質的な
 問いを
含む詠歌で、味わいながら学ばせて頂きました。

 一首目の「県祭の露店の準備」は全国津々浦々でも見られた光景でしょうが、私たちに
 とっては神事の復活もさることながら、露店の賑わいが何よりもコロナ禍からの復活の
 証明と
感じます。

 二首目は、ゼレンスキー大統領が急遽参加され、ウクライナへの支援をG7以外の国へ
 広げる
役割も果たしましたが「核兵器の廃絶」への道のりの厳しさを改めて実感する
 ことになりました。
そんな想いも歌から響いてきます。「問う 平和への道」の指摘が
 鋭く、和平に向けた実効ある取り組み、その切実さを訴えていると考えます。

 三首目は、お母様を思う兄弟姉妹の絆も垣間見れる楽しい歌と感じます。芍薬は牡丹に
 負けぬ、やはり見事な花ですね。

 なお、ブログの文字数制限の関係から申し訳ありませんが、「詞書」の一部を割愛し
 編集
させて頂きました。ご容赦願います。

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆少年は青い薄だ爽やかな日焼けの手首に光るミサンガ
                         夕庵さん
★少年の青きミサンガ擦りきれるまで野を走り川を泳ぎて
                         みっちっちさん
★野を駆ける夢に目覚めし幼日の同胞(はらから)思えば会いたくなりぬ
                         夕庵さん
★遠き日の野に泣かされし同胞の病得しとの便りに泣けり
                         みっちっちさん
★油断すな ワクチン接種の高齢者マスクはずせぬ夏がまた来る
                         夕庵さん

☆窯跡に埴輪の少女の丸い口 弥生の風が通り抜けたり
                         夕庵さん
★しずかなる埴輪の穴を抜くるのは星のしずくか涙ひとつぶ
                         みっちっちさん
★芝草に寝ころび旅の星月夜 もっと素直に生きたかりしを
                         夕庵さん
★光年を瞬く星座見上ぐれば 人なる我のなんとちさきや
                         みっちっちさん
★残酷や!子供の星がまたひとつ かあさんの愛欲しかったよと
                         夕庵さん
★平和なる世界を目指せGセブン 今も戦禍で星になる子よ
                         みっちっちさん

☆負け試合すれど次こそ勝ち取ると作戦を練る新月の窓
                         みっちっちさん
★試合にと父買いくれしラケットは弦切れしまま捨てられずあり
                         夕庵さん
★ラケットの弦切れしままテニスから卓球へ変へ十年(ととせ)となりぬ
                         みっちっちさん
★空高くコートの隅へサーブするボールの行方はわが青春譜 
                         夕庵さん
★右端へスマッシュ決めて勝負あり 球追いかくる楽しさ今も
                         みっちっちさん
★アンツーカーのコートは遠くなり果てど エアーレシーブとラケットを振る
                         夕庵さん
★卓球に大事なること動きなり フットワークと素振り百回
                         みっちっちさん
【詞書】ウクライナ大統領の訪日
★劇的なゼレンスキー氏の訪日も警護万端はや帰国の途に
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆揚げひばり 富士を従え羽ばたくも ミサイル飛ばぬ空は愛しく
                         ポエット・M
【解説】
 微かに冠雪を残す富士山が皐月の空にすっくと聳えています。それを従えるかのように
 雲雀がさえずりつつ大空に向かって羽ばたいています。初夏の風物詩として馴染みの
 風景ですが、ゼレンスキー氏が訴えるように麦の実る畑の上をロシアのミサイルが飛翔する
 ことの異常さは想像を絶するものがあります。それが日常的に繰り返される侵略の実相を
 改めて怒りと共に想い起したいと詠んでみました。


     「薔薇 デンティベス」


「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (28)
  
7.折々の歌(7)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   老い先が
     短い者は
       短気なり
         食いたいものは
            直ぐに食わせよ

        老い先の
          短いものは
            哀れなり
              飲みたい酒は
                呑むだけ呑ませよ

                 噓つきの
                   女が夢に
                     ひょいと出て
                       嘘の涙で
                         またもや泣けり
         豚の目で
           見ればすべてが
               豚になる 
                 いっそえぐって
                    犬にでもやれ
      ダンボール
        抱えて君は
           何処へ行く
              夢かのごとく
                 老いさらばえて


     「ジャーマンアイリス」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 ブログの文字数制限により、今回は割愛致しました。ご容赦願います。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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ゼレンスキー氏G7へ

2023年05月20日 18時57分17秒 | 日々の歩み

 先進国首脳会議(G7サミット)が19日、広島市で開幕しました。G7首脳は原爆資料館を
初めてそろって訪問し、岸田首相が被爆の実相を伝える展示について説明したとのことです。
首脳らは被爆地で開くサミットで、核兵器のない世界の実現に向けて取り組む姿勢を
アピールしました。
 さらに、このG7サミットに急遽出席することになったウクライナのゼレンスキー大統領が、
本日20日午後、広島市元宇品地区にあるサミットのメイン会場に入りました。

     「咲き初める ノウゼンカズラ」

 外務省によると、ゼレンスキー大統領は、あす21日にG7広島サミットに参加し、G7首脳との
間でウクライナに関するセッションを開催する予定とのことです。ほかの招待国首脳も交えた
セッションにもゲストとして参加する予定で、岸田総理との首脳会談も行われる予定だと
いうことです。

 G7サミットには、ブログ友の「G7が国連の最重大問題において過半数国さえ握れない」
等々、諸々の批判もありますが、ヒロシマ、ナガサキへの原爆投下によって理不尽に命を
奪われた数多の御霊の報いるためにも、文字通り核兵器のない世界の実現に向けて取り組む
その一歩になればと考えます。さらに、そのための実践に向けて日本はもとより各国首脳には
強い
リーダシップを是非にも発揮して欲しいと思っています。

     「観音崎公園に咲く ムギナデシコ」

 そんな想いを抱えながらも、公営プールでのスイミングと、久しぶりに観音崎公園に
細君共々散策に行って参りました。

     「観音崎灯台」

 公園の花の広場では、世の喧騒をよそに、既に山百合が花芽を伸ばし、ポピー、
ヤグルマギク、ムギナデシコ等が咲き競っていました。そんな花たちに癒されながら、
ウグイスの鳴き声が森の静寂を縫う中、8,000歩ほどの散歩を楽しんで参りました。

     「観音崎海岸」

コメント (6)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その84)

2023年05月17日 05時33分56秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その84)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 ピエール ド ロンサール」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】拙者ブログでは「富嶽36景」を題材に取り上げています。今回は富嶽36景の中で
   一番有名な「神奈川沖浪裏」です。北斎渾身の作品だと思われますが、私自身も
   渾身の一首になりました。なお今回は一作品で3首提出します。
 註)「神奈川沖浪裏」千葉県木更津市
☆荒れ狂う波の先には富士山が 北斎力作に命を賭ける
☆動と静世界の画家も驚いた 近と遠との鮮明対比
☆死を前に後五年命授かればと 北斎絵との壮絶な闘い
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「神奈川沖浪裏」は、葛飾北斎の代表作「富嶽三十六景」のうち、特に優れた作品と
 される「凱風快晴」「山下白雨」と共に「三大役物」と呼ばれ、日本の浮世絵の代表作
 として国内外で知られている作品でもありますね。この一枚の作品に限定して詠った
 「渾身の三首」を確かに受止めさせて頂きます。
 三首とも、今までの作歌への精進の跡が滲む力作と考えます。特に三首目の歌は、
 波濤のうねりの表現に象徴されるように、北斎と絵との命がけとも言える格闘の様が、
 緊張感と共に歌に詠まれていて共感を誘います。
 「筆に込めた想い」にフォーカスし詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★北斎の波立つ想い筆知るや 浪と富士とに刻む命火

【詞書】窓に朝日が差し込んで来ると、そこに置いた、亡き母が編んだ白いレース編みに
  安らぎを感じ、優しかった母を偲ぶのです。
☆しあわせを編み込むやうに亡き母の編みしレースに淡き旭光
                         みっちっちさん
【解説】
 お母様の遺作の一つとなった「白いレース編み」。そのレースが朝日を受けて仄かに
 耀いている様に今は亡きお母様が偲ばれる。そんな想いが素直に詠われていて、
 しみじみとした共感を誘われます。「しあわせを編み込むやうに」の表現が秀逸です。 
 母を偲ぶ想いが、素敵な歌に結実することは、娘にとって嬉しい事でしょうが、
 天国におられるお母様にとっても嬉しいことと思います。

【詞書】雨上がりの京都御苑の散策で、シャガの花に誘われるように、時々木漏れ日の
  差す芽吹きの森に入って行きました。今まで経験したことのない不思議な新緑の
  空間に包まれたときの感慨を詠みました。
☆静寂の森は緑雨に烟りいて浮遊しながら魚となりゆく
☆若葉風と芽吹きの音のする森に精霊棲むや動けずに居る
☆荘厳な森はしずかに息づきて両手を垂れて立ちつくすのみ
                         夕庵さん
【解説】
 京都御苑の広さは東西約700メートル、南北約1300メートルで、外周は約4キロあると
 言われていますが、今はシャガを始め、雪柳やジッコウツバキ等々が咲き競い、さらに
 新緑に包まれ、緑豊かな空間をつくっているかと思います。
 そんな御苑は、三首の歌で「静寂」「精霊棲む」「荘厳な森」との句で表現された通り、
 精霊が棲むにふさわしい荘厳な雰囲気に包まれていたと感じます。
 特に、一首目は、緑雨にけぶる森の中で、自らが「魚となりゆく」過程が無理なく詠われ
 説得力のある歌になっていると感じました。これも作者の豊かな感性と、表現力故と考え
 ます。また、二首目の「芽吹きの音」は、萌えたつ緑の溢れる生命力を上手く表しています。

【詞書】今日読ませていただいたブログに植物にもお酒をあげると元気になり、虫がつき
  にくく
なるという記事がございました。それで最近開きました私のコメント欄に入って
  くる嫌がらせ
コメントを虫に喩えて詠んでみました。

  他の皆様のような、短歌らしい作品を出詠したいところでございますが、現在は
  そういう
心境ではございませんから現在の心境を正直に詠った歌を出させて頂きます。

☆コメント欄ひらけばすぐに嫌がらせコメント入れてくる匿名者
☆鬱を病むわれの心をことさらに傷つけるこのコメントわが記事につく
☆酒飲ます草木は虫もつかぬとふわれも飲むべし虫よけの酒
                         suisenさん
【解説】
 相変わらずに続く心無いコメントには怒りが湧きます。そのコメントを匿名で記す卑劣な
 輩の心の貧しさと、卑怯さには、怒りを通り越して哀しささえ感じます。
 まずは、ひるまず、今の心情を歌に表現して参りましょう。前にも申し上げましたが、
 その表現の過程が魂鎮めとなり、癒しと共に前向きな想いもきっと生まれる事と思います。
 三首目は、正にその成果とも言える「ゆとり」が滲む良い歌となっていると考えます。
 ちなみに、コンピュータ業界では「論理の誤り」をバグ、つまり「虫」と呼びます。
 ひるまず、たゆまず歌を詠み続けることが卑劣な輩への何よりの「答」となると考えます。

【詞書】バラ園にも芍薬園にも嬉しい華やかな花が咲き出しました😄
  わが家の庭にも毎年少しずつふ増やした薔薇や芍薬が咲いてくれました🎵
  特に芍薬が毎年とても楽しみです🎵
☆芍薬の 一番花は 桃色に
      凛々しく大輪 今年の春も
☆里山に 吹く風つたう
     初咲きの揺れる芍薬 鳥もさえずる
                         クロママさん
【解説】
 詞書にも記されたように、薫風の下で薔薇や芍薬が咲く良い季節になりましたね。
 特に、お庭で手塩にかけて育てた花には、格別な想いがおありかと思います。
 そんな想いが詠み込まれた二首の歌は、芍薬に寄せる愛しさと、喜びがあふれる
 良い歌と思います。
 二首目を「芍薬」に焦点を絞り、そこに収れんするよう少し添削してみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★鳥も鳴く里山ぬける風に揺れ
        朱く咲き初む芍薬の花

     「薔薇 プリンス ドウ モナコ」

【詞書】ムーン・リバーを聴いて
☆Tiffanyが私にくれたのは幸せという幻影
                 朧月夜に
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 古典を勉強しながら、作業用YouTubeを掛け流しております。源氏物語を
 読んでいる時に、アメリカ映画音楽を聴いておりました。オードリー・ヘップバーンの
 「ティファニーで朝食を」のムーン・リバーに入った時に、短歌のイメージが湧き、
 作りました。
 源氏物語には、右大臣の六の君として朧月夜が出て来ます。幻影と朧月夜では、
 俳句で云うつき過ぎかな?と、結句を「夢の浮橋」や「春の夜の夢」と迷っております。
 なお六君が、朧月夜と後世呼ばれたのは、源氏と初めて会った花の宴で、
 新古今和歌集 大江千里の
  照りもせず曇りも果てぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき
 を朗詠していたからです。
 下記URLにムーン・リバーを貼付しておりますので、御覧ください。ヘップバーンが、
 自身で歌った数少ないものです。ヘップバーンが歌える音域の曲をわざわざ
 作曲したそうです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a6cf6444c73c7e6f1e362f347ceb2ead
【解説】
 大江千里が「おぼろにかすむ月の美しさに及ぶものはない」と詠いきった月の夜は、
 それだけ彼にも、胸の高鳴る思いを抱いた経験があったことと思います。
 なお、ムーン・リバーのユーチューブを視聴させて頂きました。かつて、オードリー・
 ヘプバーンは、
それほど歌の上手い女優ではないとの評価のため、他の映画の中で演唱
 するシーンの
殆どは、プロの歌手による吹き替えが行われていたとのことですね。
 しかし、「ムーン・リバー」
だけは彼女自身余程気に入っていたようで「ティファニー
 で朝食を」の映画では珍しく本人
が自らギターを爪弾きながら演唱していました。
 その素朴な歌い方が、却ってこの映画に、
吹き替えでは得られない現実感を与えて
 人気を博したようですね。改めて聴いてその想いを
強くしました。

 また、この曲は人生において夢を追うこと、それが例え幻影で終わることになっても
 挑むことの
大切さを教えてくれます。その意味で結句は「夢の浮橋」も宜しいのでは
 ないでしょうか。

 いずれにしろ、ティファニーと朧月夜のコラボで作られた短歌は、私たちにとっても
 学びと
なります。このさりげない挑戦を讃えたいと思います。

【詞書】私の短歌のM先生(女性)がよつ葉のクロバーをくださいました。その時の
   会話から、
よつ葉クローバーは乙女(昔・乙女)が持つものなので、今回は
   虫食いのよつ葉
だけども、「幸せのお裾分け」として男性に差し上げる時に短歌を
   添えられたそうです。

   いただいた方は(短歌をされます)は短歌が添えられていて、とても嬉しかったと
   言われました。先生にどんな短歌でしたとお聞きしましたが、教えて頂けなかった
   ので、私は即詠しました。
☆虫食めど
  よつ葉クローバー
   幸せの
  おすそ分けとて
   君に送らむ
                         リコさん 
【解説】
 短歌のM先生は、中々粋なことをなさいますね。歌を添えて「よつ葉のクロバー」を
 贈られた男性の歌人は、きっと幸せな想いを嚙み締められたことと思います。
 そのようなことを、さりげなくされるM先生は素敵な方とお見受けしました。
 「虫食い」の直截さを逆手にとって「推敲その1」として詠んでみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★クローバー よつ葉に残る虫食いも
         幸せつつみ 君に送らむ

【詞書】今、ブログをやめる決心をしたのは、貴船神社の船玉神に恐れをなしたから
   だったのだろうなと、思ったことを詠ませていただきました。
☆今 貴船
   船玉神に畏怖をなし
      ブログの筆を置きにけるかも
                         西BOOさん
【解説】
 「磐座・石仏信仰を探りながら、神社・仏閣」を調査・研究されている作者の
 ご尽力が
偲ばれる歌になっています。「筆を置」かずに挑戦されることを期待
 したいと思っています。

 貴船の名は、玉依姫が乗ってきた「黄船」に由来するといわれています。
 「船玉神」への
信仰は長い歴史の中で培われてきたものでしょうから、畏怖し
  つつも大切にしたいものです。

 しかし、「恐れ」をなさずに、読者の方も多くいらっしゃるとお見受けしますので、
 調査・
研究、さらに詠歌への表現を含めたブログは是非続けて参りましょう。

【詞書】賀茂祭は5月15日に行われる葵祭ですが、雨の予報のため、今日16日に順延
   されましたが、いい天気で、適度に風もあって良かったですね。初めて葵祭を見られた
   という上皇様、上皇后様も楽しそうで何よりでした
☆賀茂祭 行列見つめる人々の楽しげな顔4年振りかな
【詞書】葵祭の斎王代さんは勿論、行列する全ての人が身に付けている、フタバアオイ。
   歩くたびに、立ち止まっても少し風があるので軽く揺れてました。何にせよいい天気で
   良かった。…それにつきます…。とりあえず皆様お疲れ様でした…。
   (さっき上賀茂神社に入ってました)
☆斎王代 御輿(およよ)に座して路(みち)を往き 緑の風は葵を揺らして
【詞書】何かとりとめのない歌ですが、うちの庭で咲いたムラサキツユクサの中に5弁花が
   ありまして、初めて見たので家に入ってスマホを持ってきて写真を撮った…と。実は
   その2日ほど前に4弁のを見たのですが、取り損ねたので今朝見直したら5弁のが
   咲いていて、え~っ!?ってなったんで、忘れんうちに…と思って今回はすぐ撮った
   わけで…。…いや、びっくりです。
☆二度見して家にスマホを取りに行く
    5弁で咲いたムラサキツユクサ
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目、二首目で詠まれた、京都三大祭りの一つ「葵祭」は、16日午前、京都
 市内で行われましたね。
 二首とも、コロナ禍を経て4年ぶりに行われた「葵祭」の様子を、爽やかに、楽し気に
 詠んでいて好感が持てます。なお、詞書にもありますように、宮内庁によると、上皇様が
 葵祭を見学するのは初めてとの事ですね。
 三首目の「ムラサキツユクサ」の花弁は通常3個ですが、5弁とは新たな発見ですね。
 そんな驚きと、発見を少年のような新鮮な感覚で詠んだ歌は、短歌の本道とも言える
 ものです。このような歌も期待したいと思います。

     「薔薇 ゴールドバニー」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆雨の日の菖蒲に魅かれ眺むるも雫に映る花ぞ更なり
                         西BOOさん
★濃むらさきの単の衣をほどきゆき池面に凜と花菖蒲さく
                         夕庵さん

☆人は『斯くあるべし』の河渡ろうと必死にもがき溺れてゆく
                         自閑さん
★あるべしの河に溺るる時代さへ 今ぞ自由の橋を闊歩す
                         みっちっちさん

☆人は『斯くあるべし』の河渡ろうと必死にもがき溺れてゆく
                         自閑さん
★枷おおき過ぎゆきし日の苦さかな 渡れぬ河を泣いて恨んで
                         夕庵さん
★荒れ河を渡り平和をつかむべく重き枷捨て手を取りゆかむ
                         みっちっちさん
★ふる里の川は今でも水青く 蛍生れむと人づてに聞く
                         夕庵さん
★ついと来て我が手に乗りし蛍火のひとつ確かに亡き母ならむ
                         みっちっちさん
★母恋の歌限りなく続きゆく 寺山修司(しゅうじ)は母を床下に飼う
                         夕庵さん
★かの修司 母を歌へど哀しみは厳しき道を生くるちからか
                         みっちっちさん
★母の日にシュガーポットのプレゼントこれぞ誠の修司の愛や
                         夕庵さん
★歌人とは想像力のおばけなり 修司の母への愛に泣きたり
                         みっちっちさん

☆しあわせを編み込むように亡き母の編みしレースに淡き旭光
                         みっちっちさん
★あなたへと夏が来れば思い出す 黒いレースの母の手袋
                         夕庵さん

☆桐の花散り敷くさにわ むらさきに 染めて静まり誘う寂しさ
                         ポエット・M
★寂しさを両手にぎゅっと握りつつ 朝の一歩を強く踏み出す
                         夕庵さん
★寂しさも温き想いに時は変え 淡き愛しさ胸に秘めいる
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆IT(アイティー)の進化に半生ささげしも AI(エイアイ)進化の脅威すさまじ
                         ポエット・M
【解説】
 現在、マスコミをにぎわせております「チャットGPT」「GoogleのBard」等について
 詠んでみました。

 これは、文章やアイデアを創出する次世代AIですが、ジェネレーティブAI(生成AI)と
 呼び、
AI技術は新たな領域に進もうとしています。

 これらは、既存の社会構造を根本的に覆す可能性を秘めているといわれていますが、
 その影響は、
世界経済フォーラムからも「社会と業界が備える必要のあるゲーム
 チェンジャー」といわしめるほどです。

 現在、国も自治体も、その対応はまちまちの情況ですが、人によるコントロールを
 越える可能性もあり、
慎重な対応も必要と考えます。

 かつて、AI技術の萌芽もなかった時代、無謀にも短歌生成システムの開発に挑戦した
 我が身を
省みながら、そんな「生成AI」への感想を詠んでみました。


     「ハマナス 赤紫」


「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (27)
  
7.折々の歌(6)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   忘却の
     慰めなりと
        賜れや
       ポピーの園の
          束の間のなりと

        ポピー園
          歩む心に
            魔がさして
              汝が生涯を
                忘却すべし

               我が内に
                 住まう乙女が
                    歌を詠む
                      そっとしてやれ
                         泣いているんだ
         我が内に
           住まう老婆(おうな)が
                   歌を詠む
                 上手に褒めよ
                    先が無いんだ
      我が内に
        住まう老爺(おきな)が
                歌を詠む
              下手に褒めるな
                  共に滅ぶぞ 


     「薔薇 シャルルドゴール」

【短歌入門・質問・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。
 【チョウキチさんからの質問】
   海ならずたたへる水の底までに淸きこころは月ぞ照らさむ  菅原道真

  初歩的質問ですが、この「海ならず」はどう解釈すべきでしょうか。月と
  どういう関係性を持たせているのでしょうか。
 【ポエット・M】第一次回答をさせて頂きます。
  先ず、「海ならず」は 「海よりもさらに深い水」、
     「月ぞ照らさむ」は 「水が清ければ水底まで月の光がとどく」と解釈
  しました。これらを前提に、この歌の意訳をさせて頂きますと、
   「海よりもさらに深い水を湛える水底にも、水が清ければ月が照らすように、
     いつか無実の罪が晴れ、私の澄んだ心を光が照らしてくれるだろう」
  となります。
  故なき罪で大宰府へ流される菅原道真公が、大宰府へ赴く前に詠ったと言われる
  詠歌です。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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溢れる命の象徴

2023年05月14日 13時51分13秒 | お出かけ

 横須賀駅の脇に広がるヴェルニー公園では、5月3日(水)~5月28日(日)を
ローズフェスタと銘打ち、園内芝生広場が開放され咲き誇る薔薇を愛でつつ様々な
イベントが行われています。そんな中、過日細君と共にヴェルニー公園を訪ねてみました。

     「青薔薇 わたらせ」

 前にもブログで紹介させて頂きましたが・・・、この公園は、幾何学的なフランス式
庭園の形式に沿ってつくられており、フランス式花壇を中心として美しく管理された
約1,300株の薔薇が楽しめます。
 薔薇苑と、米軍、自衛隊の艦船が海を挟んで同居する不思議な空間でもありますが、
ピースと命名された薔薇も咲き誇り「日本の縮図」的な場所との印象があります。
訪ねた日は散り際の薔薇も多数見られましたが、それでも咲き盛る花も多数見られ
デジイチスケッチをして参りました。

     「薔薇と艦船」

 「五月の薔薇」と言えば、ウイリアム・シェークスピアの四大悲劇のひとつとされる
戯曲「ハムレット」のあの有名なせりふが浮かびます。
  「ああ五月の薔薇よ!かわいい乙女、やさしい妹、うるわしいオフィーリア!
   神様、うら若い乙女の心が・・・、こうもはかなくても良いのだろうか」
これは妹オフィーリアの自死を悼む、兄レイアティーズの言葉ですが、ここでの
薔薇は、はかない命の象徴として登場しています。
 シェークスピアがバラに特別な思いを寄せていたのは確かなようです。ある
英文学者の研究では、詩を含めたシェークスピアの全作品に登場する植物
約百五十種のうち、バラは約百回で最多。二位のユリの二十六回、それに続く
スミレなどを大きく引き離しているとのことです。

     「薔薇 プリンセスアイコ」

 そんな想いを抱きながら、咲き誇る薔薇を見つめていると「はかない命の象徴」と
言うよりは、五月の陽光の下で、溢れる命の象徴としての薔薇を感じてしまいました。
散り際の美を示す桜とは異なり、咲き満ちる美しさをことさらに示す薔薇の力強さを
改めて感じました。

     「薔薇 つるゴールドバニー」

 細君と共に薔薇園を散策しながら、薔薇のデジイチスケッチを重ねましたが、この
公園には、先に紹介した施設や、オブジェの外に、多くの施設があり、そのうちの
幾つかを
紹介したいと思います。

 先ず、正岡子規の文学碑が公園の入り口近くにあります。文学碑には
 「横須賀や 只帆檣の 冬木立」
と書かれています。
明治21年(1888年)8月、正岡子規は夏季休暇を利用して、友人と汽船で浦賀に着き、
横須賀・鎌倉で過ごしたようです。碑の句は横須賀港内に連なる帆檣(帆柱のこと)の
印象を詠んだもので、句集「寒山落木」に収録されています。

     「正岡子規の文学碑

 次に、よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸、横須賀製鉄所副首長ジュール・
セザール・クロード・ティボディエの官舎で、1869(明治2)年頃に建築され、2003
(平成15)年の解体時まで本州最古級の西洋館でした。
このミュージアムでは、その小屋組みを移設した実物展示のほか、日本近代化の礎と
なった横須賀製鉄所の歩みなどを展示しています。

    あずまや横の中央の建物が「よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸」

さらに、今年、2023年1月15日に公園内にオープンした本格イタリアンレストラン
「AMALFI Marina Blu」があります。隣に立つティボディエ邸の景観と調和した
木造瓦葺2階建てで、横須賀本港を一望する絶好のロケーションを楽しめるレストランで、
休日は等は混雑を極めています。

     イタリアンレストラン「AMALFI Marina Blu」


     「薔薇 ピース」

薔薇「ピース」は終戦の1945年に作出され、世界平和を願って名付けられた、平和の
シンボルともされる品種です。また世界バラ会議において、初代の「殿堂入り」を果たした
名作としても有名で、この薔薇苑でもかなりのエリアを占めて植栽されています。

このほかにも多くの薔薇が咲き満ちていますので、折をみてお訪ね頂ければ嬉しいです。

コメント (4)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その83)

2023年05月10日 05時31分11秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その83)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 ラブミーテンダー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】拙者ブログ「富嶽36景」から詠んでいますが、葛飾北斎の富嶽36景は
   楽しいですね。
   下手なりにも詠んでいてとても楽しいです。江戸時代の庶民の生活が
   垣間見られているかも知れません。
 註)「上総ノ海路」千葉県安房郡鋸南町
☆房総は輸送帆船行きかいし 水平線のかなたに富士が
 註)「登戸浦」千葉市中央区・登戸神社
☆登戸は穏やかな時流れるも 江戸時代の風情垣間見る
 註)「東海道品川御殿山ノ不二」東京都品川区北品川三~四丁目
☆御殿山富士に桜の名所こそ 庶民の楽しみ今昔同じ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 富嶽三十六景は葛飾北斎の代表作にして、浮世絵風景画の代表作ですが、前に
 詠んで頂いた「両国橋夕陽見」や、今回の「御殿山ノ不二」は、余りにも有名ですね。
 三首目の「御殿山ノ不二」浮世絵には、今とは変わらない花見を楽しむ人々の様子が
 活き活きと描かれており、人々の視線の先には桜と海、富士山をたどることが
 できますね。人物のしぐさや持ち物の描写まで詳細に描かれており、楽しい作品と
 なっていますが、この景色を歌で描写する挑戦は素敵な試みと考えます。
 この三首目を視点を少し変えて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★御殿山 桜と海と富士山と 今も昔も花に酔いしれ

【詞書】自分のブログにて神社を掲載するような大それたことをやらしてもらって
   いるが、初詣で許してもらえるようにお祈りしたことを詠ませていただきました。
☆ブログにて神社を掲載しぬれども
       初詣にて許しを乞いぬる
【詞書】雨の日にアヤメが綺麗だと思い眺めていたが、雨のしずくに映っているアヤメ
   の花は、更に美しいと思い詠ませていただきました。
☆雨の日の菖蒲に魅かれ眺むるも
        雫に映る花ぞ更なり
                         西BOOさん
【解説】
 平群町久安寺の「素戔嗚神社」「船山神社」等々神社の写真をはじめ、多くの寺社の
 写真を、ミノルタαシリーズを中心に撮影データと共に紹介いただいている作者の
 活躍に拍手を送っている者の一人です。
 一首目は、そんな活動の一齣を控えめに、かつ、ユーモアを込めて詠った一首は
 納得のいく分かりやすい歌と思っています。
 二首目の結句の「雫に映る花ぞ更なり」は、作者の観察眼の鋭さが光る素敵に歌に
 なっていると考えます。このようなディテールに宿る「美」の存在を見逃さず、
 それを作品に詠いきる感性の躍動を大切にしていきたいと、改めて教えて頂きました。
 「磐座・石仏信仰」を研究される作者の真摯な姿勢と、撮影データの開示は私達
 後進の大いなる参考になり感謝しつつ、頭が下がります。

【詞書】花水木に関連して、詠ませて頂きました。
☆顔上げて憲法九条守らむと立つ人よ 花水木の花よ
                         みっちっちさん
【解説】
 5月3日の朝日新聞に「言わない意見は世論になりません」とのメッセージと共に
 「意見広告」が掲載されました。「憲法九条も平和も民主主義も、主権者の不断の
 努力によってこそ守り、実現させることが出来ます」との意見と共に・・・。
 戦後日本の基本政策でありました「専守防衛」が、国会の論議も経ずに実質的に
 変えられつつある現状に、私たちも一市民の立場から顔を上げ、声をあげていく
 ことが
大切と痛切に感じます。そんな想いが「花水木の花よ」に溢れていると
 感じます。
このような社会詠も挑戦したい分野と考えています。

☆返信の途絶えし人の胸中を思い巡らす捩花の咲く
【詞書】長い間生きてきて、年を重ねたなぁという感慨を込めての「生老」ですが、
   生老病死から採りました。
☆生老を迎えた朝の静けさよ この背を春の陽に温めている
☆歌一首アップルパイの生地に込め ほどよき色に焦げてゆくまで
                         夕庵さん
【解説】
 二首目の「生老」は「生老病死」からの転用との説明を頂きました。「生老病死」
 とは、
仏教用語ですが、生まれること、老いること、病気になること、死ぬことの
 4つの苦の
事と言われています。この「苦」は「苦しみ」という意味ではなく
 「自分の思うように
ならないこと」の意味で、生きている限りは避けることの
 できない、この世での人間の
苦悩を指しているとの事です。これらを踏まえて、
 二首目を少し添削させて頂き
ましたが・・・。
【ご参考】
 ★重ねたるよわい想える春の朝 陽ざしに背なを温めている

【詞書】私事でございますが、現在鬱の真っ最中でございまして他の皆様のように
   前向きな歌が詠えませんので、お目汚しの歌で申し訳ございませんが、
   おかまい
なければ加えてくださいませ。
   難聴の私は在住しております川西市の難聴者の会に参加しておりますが、
   最近
新しく参加されました方が「私は聞こえにくいだけで難聴者では
   ありません」と
言われるのを聞き、その方の難聴者と呼ばれたくない自尊心を
   詠わせて頂きました
のが一首目の歌でございます。後はそれに対する私の
   感慨を詠った歌でございます。

☆難聴を認め得ざりし自尊心みみ遠くなりはじめし頃の
☆難聴でさへなかりせばと何千回わが思ひしか諦めきれず
☆あきらめることのしがたきわれゆゑに鬱は深まる何事につけ
                         suisenさん
【解説】
 「鬱の真っ最中」にあるとおっしゃりながらも、日々自らの想いを歌に表現し
 続けている
作者の姿勢には頭が下がります。前にも申し上げましたが、その表現の
 過程で自らの
想いを整理し、鎮め、さらに前向きな姿勢を見出していくことも可能と
 思っています。
歌にはその力もあると思っています。
 人は自らが直面した問題に、真向かいつつ、それとの格闘の連続の中で生きていく
 のだと
考えます。突破するか、かわすか、逃げるか、その選択の結果が現在の自分を
 造っている
とも考えています。手に余る時にはかわして、留まり逃げることも大切と
 考えます。
「あきらめるのではなく、かわす」中で、時が解決してくれる場合も
 多々あろうかと
思います。
 軽々には申し上げられませんが、辛さは十分に分りますし、サロンの皆さんは
 お見方と
思っています。なお、出詠して頂いた作品は、それぞれの方の、また
 この「水曜サロン」にとっても大切な
「宝物」です。いずれの作品も掲載に、
 不都合などは一切ありません。


     「空向き咲くや 花水木」

【詞書】述懐三首
☆人は『斯くあるべし』の河を渡ろうと必死にもがき溺れてゆく
☆誰もがオカシイと感じているのに誰も止められない不思議なもの
☆壊れかけたものを必死に直そうとするが。
    雨はまだ止まないか…
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 今回も20年も前の短歌です。仕事に行き詰まっていた時期だったので短歌もネクラ
 ばかりです。述懐歌は、和歌の一ジャンルです。
 一首目
  プロバガンダという危険をマスコミの人はよく知っているが、今それに手を貸して
  いるなどとは誰も思っていない怖さがあると思いました。
  社会というのは、人に「斯くの如く在るべき」という存在しないものを追わせ、
  自分を偽わらせる事を強い、不都合を縫い合わせて存在しているものと思います。
  そしてそれについていけない人々が、毎日壊れていっているのでは無いでしょうか。
  今も新聞やネットを読んでいると頻りにそう思います。
 二首目
  戦争に導こうとする時、まず始めに情報を操作し、世論をマスコミを通じて広め、
  気が付いたら誰も止められなくなっているものだが、今の世の中もその傾向が強く
  なっており、その事に気が付いた人を魔女狩り的に排除します。
 三首目
  前より弱くは無いと言い聞かせているが、自分の弱さが見える様になった分だけ
  風は強く感じました。
【解説】
 三首とも、世情の本質を突いた歌ですが、状況が20年前とあまり変わっていない
 ことに
怖さを感じます。
 特に二首目は、ナチスの台頭と第一次世界大戦との関連は言うまでもありませんが、
 今回のロシアのウクライナ侵略戦争等々を見ても明らかですね。
 これらの歌は「述懐歌」ではありますが、政権のプロバガンダに対する危機感の薄い
 私たちへの「警告歌」になっていますね。
 なお、述懐歌は、当初、我が身の願望を表現する和歌でしたが、ほとんどの場合、
 我が身の不遇や老いを嘆くといった否定的契機を通して表されるのが、一般的で
 あったと理解しています。ただ、平安時代末期の院政期以降は祈願や
祝意の表現の
 形を取ることもあったようですね。

 現在の世情を「述懐歌」として詠う試みは、ある意味革新的ですらあると考えます。
 これを自由律で詠む試みも挑戦したい分野ですね。新たな示唆と、方向性を提示
 いただき感謝致します。

【詞書】4月25日の朝日新聞「天声人語」に、現在放送中のNHKの朝ドラの絡みでか、
  牧野富太郎博士のエピソードが紹介されていました。文章の終盤の一文に、前日の
  24日が、“牧野博士の誕生日にちなんで「植物学の日」であった”とあったもんでした
  から、私は「え゙っ?!」となりました。…何か、何とも言えませんでした。「らんまん」は
  見てないんですが、子供の頃に読んだ「日本の偉人」みたいな本にあった、少年時代の
  牧野博士が、“動く植物(食虫植物かな、と)”をじーっと見続けていた話はあったん
  でしょうか…?…植物は面白いですよね。(前回、投稿しなかった作品です)
☆何となく植物の図鑑買った日が 牧野博士の誕生日でした
【詞書】5月6日のチャールズ国王の戴冠式。会場のほど近くでは王政反対を叫ぶ人々が、
  シュプレヒコールを挙げていました。主張する自由、それを認める自由。戴冠式その
  ものも、なるべく簡素化し、“多様性“や“男女の平等”に配慮した式だったようですね。
  お伽話のような風景と、それを祝い、楽しむ人々と、反対する人々…。…何か上手く
  言えませんが、イギリスやなあ…って思いました。
☆英国の戴冠式のすぐそばで
    「No King!」掲げる人々の自由
【詞書】私は40年以上前に、以前住んでいた堺市にあるカトリック系の高校に通って
  ました。その学校で、「宗教」という授業を受けてましたが、聖書を読んだり、聖歌を
  習って歌ったりが主な内容でしたが、その中で5月になった時に、カトリックの
  キリスト教では、5月を聖母マリアを讃える“聖母月”としている、と教わりました。
  その時習った聖歌の出だしが“青葉若葉に…”だったこともあって、今でも5月には、
  目に鮮やかな木々の若葉や、さあっとした涼しく爽やかな風を感じたりすると、
  その歌を思い出したりします。その頃の友人は、一人は数年前に亡くなりましたが、
  もう一人は今でも年賀状のやりとりをしています。最近よく、高校の頃の事を思い
  出したりしますね。……金曜5時の「ガンダム」(1stです)の放送に間に合うよう3人で
  駅まで急いだりしたこととか、校舎の裏にピンクの可愛い花がたくさん咲いて
  いたこと(近年にムシトリナデシコと判明)…、在学中に建ったチャペルで、手術を
  受ける友人の無事をもう一人の友人と祈りに行ったこと…。何もかも皆
  懐かしい…と、しみじみすることの多い5月です。あ、ちなみに私んちは曹洞宗です。
☆高校の遠い記憶の“聖母月”
    青葉若葉の季節の中で
                         ちがやねこさん
【解説】
 三首の歌は「牧野博士」「英国の戴冠式」「青葉若葉」と、いずれも今日的なホットな
 話題と、季節感を詠んで頂き、新鮮な歌となっています。
 二首目は、イギリスの「多様性」と、「自由」の尊重と、懐の深さを掬い取り上手く詠った
 手際が光ります。
 なお、イギリスは、国際通貨基金(IMF)が、今年年初に発表した世界経済の改訂見通しで
 先進国の中で唯一、マイナス成長となるとの見方が示されましたが、これら懐の深さは
 学んで行きたい国としての在り方ですね。
 三首目の歌。「青葉若葉の季節」は爽やかな風に包まれながら、いつまでも忘れない
 懐かしい記憶がよみがえる季節でもありますね。そんなしみじみとした想いを味わい深く
 詠っています。


     「薔薇 プリンセスミチコ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆嫌な事 洗濯 シャワー ヘアカット洗い流して風ここち好い
                         自閑さん
★シャワーして前頭葉のここちよく ちさき恋でも始まりさうな
                         みっちっちさん

☆返信の途絶えし人の胸中を思い巡らす捩花の咲く
                         夕庵さん
★返信を出さぬまま時過ぎ去りぬ 小鳥の切手買ひたるものを
                         みっちっちさん
★元気ならせめてラインのスタンプを 雨に籠もれる長きひと日を
                         夕庵さん
★ 雨音を聞きつ不精の筆取らむ 歌詠めばなほ癒せる心
                         みっちっちさん
★ジャスミンの甘き香りに癒やされて ゆるり生きむと白きパラソル
                         夕庵さん
★パラソルをかざして歩む幻か 仏蘭西の野のコクリコの中
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆桐の花散り敷くさにわ むらさきに 染めて静まり誘う寂しさ
                         ポエット・M
【解説】
 他の花々と同様に、例年より早めに開花した桐の花が、散り時を迎えています。淡い
 紫色の花を鈴なりに咲かせ、静かに散る様は桜と異なり静寂ささえ感じさせます。
 清楚な花姿ながら「鳳凰の止まり木」との高尚な伝説もあり、狭庭を紫に染め散り敷く
 そんな
花の姿に寄せて詠んでみました。


     「ハマナス」


「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (26)
  
7.折々の歌(5)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   鈴蘭の
     二つの花の
        提灯か
       暗い廊下の
          良の目玉は   ※

       コスモスは
         乙女のごとき
            花なれば
              風と戯れ
                ひねもす笑う

              忘却の
               花よ密かに
                  我が胸に
                    咲きて消し去れ
                        哀しき種子を
         忘却の
           天才汝(な)れは
                にほんじん
                  我もポピーの
                    園を歩めれ
      あの夏の
        出来事すらも
            風化させ
              日本人の
                忘却の才 

      ※ 良:愛猫の名前     


     「紫つゆ草」

【短歌入門・質問・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。
 【チョウキチさんからの質問】
   海ならずたたへる水の底までに淸きこころは月ぞ照らさむ  菅原道真

  初歩的質問ですが、この「海ならず」はどう解釈すべきでしょうか。月と
  どういう関係性を持たせているのでしょうか。
 【ポエット・M】第一次回答をさせて頂きます。
  先ず、「海ならず」は 「海よりもさらに深い水」、
     「月ぞ照らさむ」は 「水が清ければ水底まで月の光がとどく」と解釈
  しました。これらを前提に、この歌の意訳をさせて頂きますと、
   「海よりもさらに深い水を湛える水底にも、水が清ければ月が照らすように、
     いつか無実の罪が晴れ、私の澄んだ心を光が照らしてくれるだろう」
  となります。
  故なき罪で大宰府へ流される菅原道真公が、大宰府へ赴く前に詠ったと言われる
  詠歌です。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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ゴールデンウィークも

2023年05月06日 12時08分46秒 | 日々の歩み

 長いと言われたゴールデンウィークも本日を含めてあと一日となりました。
近県からも比較的近間のリゾート地故でしょうか、道路も施設も依然として混雑が続いて
いるようです。

     「薔薇 青の軌跡」

 我が家でも、連休前半に一挙に息子3人が家族を伴ってやってきました。
当初は五月雨式に順次予定を組んでいたのですが…、やはり孫たち同士が久しぶりに
会いたいようで、連絡を取り合って同じ日に来ることになりました。
慌てて駐車場の
確保を行い当日を迎えました。
 総勢12人となりますが、最年長の大学生の孫は先日パパとやってきたので、今回は
友達との約束を優先し来ないことになりました。

リビングにテーブルを二つ揃えて座る場所を確保し、どこか食べに行こうかと提案した
もののスマホで調べた限り、主なレストランや食堂は、待ち時間が
半端でなく、さらに
見て回ったレストランも駐車場も一杯で外で待っている行列の
長さで諦めました。

     「薔薇 ジュビレデュ プリンス ドゥ モナコ」

 やむを得ず、比較的空いているスーパーへ、先ずは昼食と夕食の買い出しをすることに
しました。今回も、私達男性陣が買い出しに向かい、女性たちは
家でおしゃべりの、
いつものパターンとなりました。

 早めの昼食の後、ソレイユの丘、さる島、「久里浜花の国」等々近間の観光地を選んで
検索して見ましたが、何れも入場に2~3時間待ちとの情報に
触れ、行くことを諦め
観音崎公園への散歩に切り替えました。ここもかなりの
混雑でしたが、4つの駐車場の
お蔭でなんとか駐車することが出来ました。

かつて、海水浴やバーベキューをやった場所で孫たちも久しぶりに懐かしく感じた
ようでした。
 
     「観音崎公園 バーべキュウロッジ」
       
 海岸巡りの散歩の後、バーべキュウのためのロッジも見学し、息子たちも気に入った
ようで、次回の計画としました。このロッジも、かなりの利用者で
混みあっていました。

     「観音崎 たたら浜」

 夕食もお寿司のテークアウトをメインに、サイドメニューは長男、次男がシェフと
なり作ることにしました。料理が出来上がるまで、女性陣は順次
お風呂に入り、日ごろ
中々できない情報交換とおしゃべりを楽しんでいました。

コロナ禍でしばらく一堂に会することは控えていましたので、久しぶりに全家族が揃い
元気な様子も確認でき、乾杯の後の語らいは中々尽きません
でした。
 中でも孫たちの成長が著しく、女性の孫たちは中学生と高校生となりましたが、
すっかりレディーとなりまばゆささえ感じてしまいました。

男の孫も厳しい受験戦争を経て高校生になりましたが、背丈もパパを越えて語る言葉も、
存在感も
かなりのものと感じてしまいました。

     「薔薇 ジャルダンドゥフランス」

 翌日も、主な観光地の混雑状況は変わらず訪れることは諦め、早めの昼食を二つの
食堂に
分散してとった後、かつて訪れて気に入った「いちごポートマーケット」に
行くことにしました。ここも最近のテレビ放映の影響か、かなりの混雑でしたが、
駐車場は比較的スムーズに入れた為ホッとしました。
お気に入りのジェラートを皆で頂き、マーロウのプリンや、海軍カレー等々をお土産に
ゲットし少し休憩することが出来ました。

 いずこも、かなりの混雑でしたが、なんとか二日間皆で楽しく交流しながら過ごす
ことが出来、子供たちは満足して帰路につきました。
帰った後、私達夫婦二人に
戻りましたが、ホッとする反面の寂しさも
感じてしまいました。

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その82)

2023年05月03日 05時46分45秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その82)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「薔薇 マーガレットメリル

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】先日訪れた奈良春日大社の藤園を訪れたときの歌です。 
 註)「黒龍」:藤の花の名前
☆春日野の原始の森を通りぬけ三年ぶりの「黒龍」に会う
☆薄桃の藤の花房短くて舞妓の挿頭とそっと手を添う
☆藤棚の下にたたずむあの女のため息漏れくる遠きまなざし
                         夕庵さん
【解説】
 春日大社境内の萬葉植物園には、『藤の園』があり、20品種、約200本の藤が植栽されて
 いるとのこと。今の季節、それらが見事に開花し見物される方を楽しませてくれている
 ことと思います。
 一首目に詠まれた「黒龍藤」も藍色が鮮やかで、一目見たい花でもありますね。
 コロナで閉ざされて三年ぶりに出会う花は見事に匂い立ち、作者を出迎えてくれたことと
 思います。そんな出会いのときめきが滲む、写生の利いた分かりやすい歌と考えます。
 三首目の「ため息漏れくる遠きまなざし」の下句も、女性の方の秘めた物語を「ため息」
 で暗示して素敵な歌に仕上がっていると考えます。
 この歌から、山本丘人作「地上風韻」の、藤棚の下に描かれている女性を思い
 浮かべました。儚げでありながら、優雅な趣をもった女性でもありました。

【詞書】拙者ブログ「世界文化紀行」で世界の美しい公園を特集しています。
 註)モロッコ・アラケシュ「マジョレル庭園」
☆庭園の青の色彩個性的 マジョレル・ブルーはポップなアクセント
 註)オランダ・リッセ「キューケン公園」
☆オランダの世界に冠たる公園は 感動の景色見る人虜
 註)アイルランド・エニスケリー「パワーズコート」
☆庭園は異なるエリア見ごたえも 貴族の館往時を偲ぶ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「世界文化紀行」の庭園特集は、すっかりメジャーになりましたね。楽しみにしています。
 三首とも、それぞれの公園の特徴をとらえて、手堅く詠んでいると考えます。
 一首目の「マジョレル庭園」は取り壊しの危機に見舞われながら「イヴ・サンローラン庭園」
 として甦った経緯をもつ歴史的な公園でもありますね。その名称の遷移、経緯にも触れると、
 歌の奥行きが出るのではないかと考えまして、ご参考として詠んでみましたが・・・。
 【詞書】「マジョレル庭園」はイヴ・サンローランの購入により、取り壊しを免れ今日に
    至っています。
 ★数奇なる歴史潜るや庭園は マジョレル・ブルーの耀やきとどめ

☆路地にそと小花の青のさやけさよ 踏まれてもなほ青として生く
                         みっちっちさん
【解説】
 路地の片すみに咲く小さな青い花は、時にはハッとするほど清く澄んで見えることが
 ありますね。そんな花の存在に目を留めて「踏まれてもなほ青として生く」と、小花の
 生命力の強さまで詠み込む描写力は、流石と思います。
 「小さき花のテレジア」ではありませんが、路傍に咲く小花に仮託した
 「はかなき者たち」への力強いエールの歌と感じました。

【詞書】苦痛春風洗流
☆嫌な事
 洗濯シャワーヘアカット
 洗い流して風ここち好い
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 いつも拝見している「シャアの猫動画とカラオケとグルメ🐱」様のblogに、
  「辛いこと
   悲しいこと
   不安なこと
   死にたいと思うこと
   洗濯やヘアーカットやお風呂
   シャワーを浴びる事で
   見事に洗い流せます‼️」
 と言う格言が有り、それに短歌を作りました。
 悩みは人それぞれ。その対処方法もそれぞれ。万年五月病の小生は、古典を読んで
 考える
事で過ごしております。許可を得たので、リンクを下記に貼付します。😃
 https://blog.goo.ne.jp/syaanelo123/e/627e2fff4b34360cde9912655d1a24e8
【解説】
 辛いこと、哀しいことを含めた悩みは「洗濯 シャワー ヘアカット」で洗い流せる、
 との歌は、「新しい格言」となりますね。事実、詠われている通りとも感じます。
 「風ここち好い」の結句は春愁を拭い去り、さらに歌の締めとして秀逸です。
 なお、「万年五月病」には、かなりの謙遜も入っていることと思います…、その予防の
 ためには、ストレスや疲労を溜めないことが大切と言われていますが、「古典を読む」
 静謐なひと時も作者らしい、良い対処策になるかと思っています。
 実践経験にもとづく新たな格言を歌に詠むという、「短歌」の新たな分野に取り
 組むのも面白い試みですね。新分野開拓も期待したいと思います。


     「ジャーマンアイリス」

【詞書】4/26朝にニュースで、月面着陸を目指した"HAKUTO"は失敗に終わったようだと
   いうのを知りました。「月に降りる初の民間船」になるはずだったろうに、関係者の
   落胆はいかばかりかと…。でも、まだ夢は続いていますね。もう「次」を見ている
   ようです。HAKUTOが月の兎になる日もきっと…。
☆fly to the Moonと伸ばした手
      降ろさず夢はまだ終わらない
【詞書】4/26夜、ニュースで16年前の2007年9月に、ミャンマーの民主化運動を取材中に、
   銃弾に撃たれて亡くなった、ジャーナリストの長井健司さんが撮影し、最後まで
   握りしめていたという“事件後に行方不明になっていたビデオカメラ”が親族の手に
   届けられた、という事を知り「(ビデオカメラが)見つかったんや…!」と驚きました。
   それと、ちゃんと親族の方の手に渡された事は色んな事情があって、保管していた
   人の名が伏せられていたり、ミャンマーの独立系メディアのジャーナリストから
   長井氏の妹さんに渡された場所も、ミャンマーでなくタイだったりと、まだまだ
   かの国は大変なんだなと思います。…志半ばで命を落とした全てのジャーナリスト
   さん達のご冥福を心から祈りたいです。……そして明日は「34年目の5月3日」です。
☆遠き地に倒れた人のその姿 16年の時間(とき)経て還りぬ
【詞書】1994年5月1日にイタリアのイモラサーキット(レースの名称はサンマリノ
   グランプリ)の事故により亡くなった、「音速の貴公子」(命名は古舘伊知郎さん
   だったかと)と呼ばれたアイルトン・セナさん…。今でも彼を悼み、偲ぶ人は多い
   かと
思います。私は普段は忘れていても、5月1日にはふと、F1中継が始まった冒頭の
   フジテレビの三宅アナウンサーの強張った表情と重い声を思い出します。94年
   より以前は余り好きではなかった(日本人のドライバーとか、セナ氏のチームメイト
   だった事もあったゲルハルト・ベルガー選手とかを応援してました。F1好きな友人は
   アラン・プロストさんが好きで、アンチ・セナみたいなところもあったし…、多少
   その影響もあったのかも知れません)しかし、94年頃には何となく応援し始めていた
   矢先でした。来年はもう30年にもなるんですよね…。F1が地上波でしなくなってからは、
   見てないんですが、フジテレビは深夜帯でもいいから特集番組してほしいな…。
   できたら勿論地上波で。
☆音速の彼方へ去ったレーサーを
      ふと思い出す5月1日
                         ちがやねこさん
【解説】
 「HAKUTO」「遠き地に倒れた人」「アイルトン・セナ」を詠んだ三首は、何れも作者の
 得意分野でしたね。
 一首目は、おっしゃるように「月に降りる初の民間船」になる予定でしたが、残念な結果に
 終わりましたね。夢を繋げ「Next One」に期待したいです。
 二首目の歌に込められた「志半ばで命を落とした全てのジャーナリストさん達のご冥福を
 心から祈りたいです」との想い。この想いは私たちも共有したいと思います。
 三首目の「音速の貴公子」は私も、息子たちもフアンでしたが、F1のスピード感は他の
 レースでは味わえない華麗さがありましたね。
 アイルトン・セナは「タンブレロ」と呼ばれる左コーナーでコンクリートバリアに高速で
 衝突する事故を起こし死亡しましたが、30年の歳月を経ても昨日のように思い出されます。
 なお、ブログの文字制限により片山右京さんとの握手のコメントは割愛せざるを得なく
 なりました。ご容赦頂ければ幸いです。

     「山吹」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆薄桃の藤の花房短くて舞妓の挿頭とそっと手をそう
                         夕庵さん
★ 一途なる少女の夢は藤色のかんざし美(は)しき舞妓への夢
                         みっちっちさん

☆藤棚の下にたたずむあの女のため息漏れくる遠きまなざし
                         夕庵さん
★藤棚にゐるその人は花の精 羽衣まとふ天女なるやも
                         みっちっちさん
★儚げに藤を見つめる横顔を 濡らすひとすじ訳は問わずに
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆花水木 うつむきがちな人の世に 上を向けよと空向き咲くや
                         ポエット・M
【解説】
 春の第三楽章を楚々として奏でてくれた花水木も、若葉と共に終焉を迎えています。
 この花はいずれも空を向き、木の成長と共になかなか花の表面を見れなくなります。
 とかくうつむきがちな世情の中で、「お前も空を見上げろよ!」と、そんな花の
 メッセージを聞く想いがして、詠ってみました。

     「空向き咲く 花水木」


「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (25)
  
7.折々の歌(4)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   神のごと
     富士を崇めし
         北斎の
       画狂の極み
          富士越龍図

       花花花
         花で始まり
            花で死ぬ
              モネよ哀しき
                我も花なり

               ああ君の
                 化身かニャンコ
                     すくすくと
                       生きた人形の
                          ごとくに育つ
         乳飲み子の
            母を見つめる
               眼差しか
                 我を見つめる
                    良の眼差し  ※

      目の前に
        たとえ何億
          積まれても
             良は売らない  ※
                貧乏詩人

       良:愛猫の名前     


     「ジャーマンアイリス」

【短歌入門・質問・提案コーナー】先週に引き続き掲載致します。
 【チョウキチさんからの質問】
   海ならずたたへる水の底までに淸きこころは月ぞ照らさむ  菅原道真

  初歩的質問ですが、この「海ならず」はどう解釈すべきでしょうか。月と
  どういう関係性を持たせているのでしょうか。
 【ポエット・M】第一次回答をさせて頂きます。
  先ず、「海ならず」は 「海よりもさらに深い水」、
     「月ぞ照らさむ」は 「水が清ければ水底まで月の光がとどく」と解釈
  しました。これらを前提に、この歌の意訳をさせて頂きますと、
   「海よりもさらに深い水を湛える水底にも、水が清ければ月が照らすように、
     いつか無実の罪が晴れ、私の澄んだ心を光が照らしてくれるだろう」
  となります。
  故なき罪で大宰府へ流される菅原道真公が、大宰府へ赴く前に詠ったと言われる
  詠歌です。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
   字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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