四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)

2024年09月18日 05時47分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲き継ぐ 酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「4.夕顔(ゆうがお)」
 空蝉にうつつを抜かしていたころ、源氏は六条に住む高貴な女の所に忍んで
 通っていた。宮中から六条に向かう途中、源氏は夕顔の咲く家に
住む女(夕顔)
 と知り合う。折しも六条の高貴な女との関係に気詰まりを
感じていた源氏は、
 この女に耽溺していく。近所の声が聞こえるような
家での逢瀬に嫌気が差した
 源氏は、女を廃院に連れ出す。その夜、源氏は
物の怪に襲われるような夢を見て、
 目を覚ます。源氏は魔除けをさせたが、
正気を失った夕顔はそのまま息を
 引き取った。悲しみにくれる源氏は瘧病を
患う。秋、病から癒えた源氏は、
 夕顔の侍女であった右近から、実は夕顔は
頭中将との間に子まで成した女で
 あったことを聞かされる。空蝉と夕顔との
はかない縁に、源氏は物思いにふける。
〇心あてに それかとぞ見る 白露の 光りそえたる 夕顔の花    夕顔
註)ふと目に留まった輝く君は、光源氏様でしょうか…。白露の光に映える
  夕顔が、美しく花開いています
〇寄りてこそ それかとも見めたそかれに ほのぼの見つる花の夕顔  光源氏
註)もしやなどと仰しゃらないで、もっと近く、なつかしく傍に寄り合い、
  その人かどうかたしかめてはいかがです
(返歌)
☆涼しげな 女主人の 心づかい 扇の上に 白い花のせて
☆推量の 二人の恋は 深まるも はかない運命 夕顔のように
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 垣根に美しく咲いていた夕顔の花。その花とともに香を焚きしめた扇に和歌が
 したためられ光源氏へ届けられました。一首目が、その「夕顔」の歌ですね。
 自ら積極的に光源氏へ歌を贈るという、当時の女性としては珍しい行動力と、
 香る扇に歌をしたためると言う、情趣豊かで雅な感性を身に着けた女性。その
 「夕顔」に光源氏が惹かれたことは想像に難くはありません。
 この二人の歌に対する作者の返歌は何れも二人の想いに寄り添い、その後の
 展開を暗示する意味深い歌になっています。
 作者の二首目の返歌「推量の・・・」の内容を、少し踏み込んで詠って
 みましたが、いかがでしょうか。
【参考詠】
★甘き香を まとい夜(よ)に咲く夕顔は 見守りいるや恋の滅びを

【詞書】「小鳥来る」は秋の季語です。渡ってきた色鳥、小鳥が庭先等に来ると、
  ああ、秋だなあと感じます。三首目は切手ですから厳密に言うと「小鳥」は
  季語として成り立たないかもしれませんね。でも短歌なので構いませんね。
☆鳥の名を教へてくれし亡き父の褪せし庭下駄 小鳥来る朝
☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌(かを)のゆるびゆくかな
☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん 
【解説】
 作者も言われる通り、小鳥は、その種類、行動、季節との関連性によって、
 様々な季語として俳句の中で表現されますね。短歌は季語の詠みこみを必須と
 していませんので、自由に発想し詠んで頂ければと思います。「小鳥」に
 まつわる
秋の情景を、味わい深く三首詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌には、朝の静かな時間に色鳥たちが山門で戯れていて、その
 光景を見ている仁王像の表情が和らいでいるかに感じる様子が詠まれています。
 この歌の魅力は、色鳥と人間の作り出した仁王像が調和している点にあります。
 鳥たちの自由な動きと、仁王像の厳かな存在感が対比されており、その対比が
 美しい情景を生み出しています。また「ゆるびゆく」という表現が、作者の
 優しい眼差しと共に、時間の流れや心の変化を感じさせ、私達を穏やかな
 気持ちにしてくれます。
 ちなみに、「色鳥」は秋渡って来る、美しい羽色の鳥のことで秋の季語となって
 います。ちなみに「朝なさな」は「朝な朝な」の音変化で「朝毎に」の意味です。

【詞書】毎日が、猛暑日ですが、その中でも小さな秋を詠ませて頂きました。
☆日々猛暑止まずもだえ苦しむも ふと空見ると秋の雲かな
☆夜冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
【解説】
 今年の夏の異常気象は、何れも「観測史上初」との形容詞がつきますが、
 「命の危険をともなう暑さ」とは初めて聞いた思いがします。CO2削減等の
 課題に、為政者は真剣に取り組んで欲しいとの想いにさせられます。
 そんな日々に、詠われているように「小さな秋」も見られホッとしますね。
 二首とも炎暑の中で「秋の雲」「虫の音」を見出し、季節の移ろいを
 鮮やかに詠って、好感のもてる歌になっていると感じます。
 それぞれ調べも含めて、少し手を入れさせて頂きましたがいかがでしょうか。
【参考詠】
☆日々猛暑 止まずもだえて苦しむも ふと見る空に秋の彩雲
☆夜(よる)もなお 冷房つける日々なれど 虫の音の中眠り誘われ

【詞書】庭でバーベキューをしたときのことです。
☆若きらのジュージュー肉の焼く傍で われは一匹の秋刀魚を焼きぬ
☆身を沈む午後の書店の籐椅子に 眠りを誘うインクの匂い
☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
【解説】
 「バーベキュー」「書店の籐椅子」「夕焼け」と、それぞれのテーマで
 三首を味わい深く、詠んで頂きました。
 特に、三首目に触れたいと思います。この歌は、日常的に利用する跨線橋と
 いう場所から、広大な夕焼けが広がる非日常的な光景へと視線が移り変わり、
 作者の感動と、一種の驚きとが表現されています。
 上の句の「のぼれば」という語が、作者の躍動感とともに、私達ももその場に
 立っているような臨場感を与えてくれます。
 下の句の「思わずたじろぐ」という言葉は、夕焼けの美しさに圧倒された作者の
 心の動きが率直に表現されており、共感を誘われます。
 また、「天体ショー」という句が、夕焼けを宇宙の壮大なショーに見立てており、
 比喩表現の美しさを感じます。
 この歌には、日常の中に隠された美しさを見出だす視点と、それを的確に表現する
 描写力があり、何れも秀逸と感じました。


     「未だ咲き継ぐ 芙蓉 薄紅」

【詞書】YouTube短歌:ワレ生きているか? ゴンドラの唄
☆ワレ生きているか?
 季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ

【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ゴンドラの唄は、大正4年に、作詞は吉井勇、作曲は中山晋平で
 発表された歌である。
 これを黒澤明が、1952年映画「生きる」で、主人公の志村喬に、
 ブランコに乗りながら歌わせている。大ヒットはしなかったが、
 徐々に、幾年にも渡ってヒットし、名曲となっている。
 命短し、恋せよ乙女。
 乙女と呼ばれる世代の年齢の数倍生きている小生は、今生きて
 いるのか?とふと思った。今日も猛暑日となって、自身の
 行動範囲は狭くなってしまった。
 作詞者は、吉井 勇(明治19年- 昭和35年)で、北原白秋らと
 「パンの会」を結成し、石川啄木らとは雑誌「スバル」を
 発行した耽美派の大正期・昭和期の歌人、劇作家、小説家である。
 あと何年?と思っていても、老人(少年)老い易く学成り難し
 だな~と思う。
 以下URLに、生きるを貼付しておりますので、お聴き下さい。        https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/7cfbe31100259bd8de5521b3f4b6d473
                         自閑さん
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、映画「生きる」は黒澤明監督の作品です。
 彼の巧みな演出と美しい映像が、物語の深みをさらに引き立て
ています。
 余命宣告を受けた市役所職員の渡辺勘治が、自分の人生を
見つめ直し、最後に
 何か意味のあることを成し遂げようと奮闘する姿を
余情豊かに描かれています。
 「ゴンドラの唄」はこの作品でも志村喬が
唄い、重要なパートとなっていますが、
 かつて「その前夜」の劇中歌
として松井須磨子によって歌われた歴史もあります。
 余命を宣告されて、改めて「生きる」意味を自らに問い、自分の人生を見つめ
 直した物語の主人公・渡辺勘治の問いを「ワレ生きているか?」と
引継ぎ
 詠った作者。下の句で「季節外れの熱秋風が通り過ぎていくだけ」
と突き放して
 詠っていますが、「意味のあることを成し遂げよう」との
志を秘めている故の
 詠いぶりと考えます。

 映画「生きる」で、主人公・渡辺勘治は、市民のために公園を作ることを
 決意し、余命をかけて役所の官僚主義と戦いながら、最後の力を振り絞って
 公園作りのプロジェクトを成功させます。

 作者は謙遜していますが、「新古今和歌集」の資料発掘と、研究は民間の
 研究者の域を越えて、学術的にも貴重な意義を持ち、存在感を放っていると
 考えます。
映画「生きる」の主人公の熱意に通じるものも感じます。

【詞書】連日猛暑。近頃は「暑いぜ!」の熊谷市など内陸で暑さが厳しい
  ことでよく名前が上がる地名ではなく、やたら聞くのが福岡県の
  太宰府市。35度越えの日数が今日で59日を記録したそうな。
  菅原道真もびっくりだろうと言いたくなりそうなこの暑さ…。
  人の事言えんぞ、な京都市の隣に住んでますが、何しか暑い!!
☆太宰府に東風(こち)・南風(はえ)・西風(にし)・北風(きた)
            吹きまくり フェーン現象 連日酷暑
【詞書】真田広之さんが主演、プロデュース、演出などをして、日本から
  俳優さん達も多数参加し、ほぼ日本語で演じられ、字幕付きで放送、
  配信された(10話)ドラマ、「SHOGUN 将軍」がテレビ放送に与えられる
  「エミー賞」を主演男優賞、作品賞など18部門を受賞という快挙を成し
  遂げました!バンザーイ!🙌徹底して“戦国時代収束期の日本”の
  表現にこだわり、「誤解された日本を描く時代を自分の代で終わらせ
  たい」と真田氏が発しただけに、日本人が見ても違和感を抱かないよう、
  細部までチェックして作り上げた作品だということで、(かかった
  費用はさることながら)素晴らしい作品になったようです。かなり
  昔ですが、「奥様は魔女」の再放送を見ていて、日本人が出て来る話
  (ダーリンの取引先の人か何か)で、当時中学生くらいだったかの
  私が「…それは違うやろ~」とテレビに突っ込まずには居られ
  なかった頃に比べて多少ましになった昨今でしたが、まだ描かれ方に
  「何か…」という感じが拭いきれなかったんですね。しかし、真田氏
  始め日本人の俳優陣、スタッフの方々、真剣に“日本“て向き合った
  ハリウッド側のスタッフさん方の真剣勝負なコラボレーションが、
  かくも素敵な「時代劇」を作り上げました。
  皆さん本当におめでとうございます。
☆海渡る 情熱ハリウッドに咲きて 
       “SAMURAI”は今「侍」と成りぬ
【詞書】大阪の御堂筋の“ど根性スイカ🍉”の話(皆さんで美味しく
  頂かれた…という後日譚も含めて)をご存知な方もいらっしゃるかと
  思いますが、今日のニュースワイドなどで見たのは、京都の烏丸五条の
  交差点を西へ少し行った辺りだと思いますが、国道1号(烏丸通り)の
  中央分離帯でまたしても“ど根性スイカ”が有る!という話です。
  御堂筋のより大きくてきれいにまん丸なスイカが育ってました。
  逞しいなあ~!!母など「誰かが(ひっくり返したり)世話してるん
  やって」なんて言ってますが、さあどうなんだか…。半端なく
  超暑っい!京都市内でこの先無事に育つといいんですが…。
  大阪の方は御堂筋の“ど根性スイカ”から採って育てた“2世”を
  皆さんが味わうという映像を見ました。…なんにせよ、この時期
  スイカは美味しいですよね。
☆“ど根性スイカ”育つや分離帯
        国道1号烏丸(からすま)五条
                         ちがやねこさん
【解説】
 「太宰府猛暑」「SHOGUN 将軍」「ど根性スイカ」と、今回も新鮮な時事に
 ついて、作者の独自の視点から、味わい深く詠んで頂きました。
 一首目の歌、太宰府市での猛暑日の連続記録が観測史上最長という報道が
 ありましたが、いくつかの要因が重なったゆえとのこと。ここは内陸部に
 位置しており、熱風が海風で冷やされることがないため、気温が上がり
 やすいうえ、詠われているように「フェーン現象」もあったようですね。
 異常現象を、このような歌に遺していくことも記録文学としての短歌の
 役割と感じます。またユーモアのセンスも、韻律もあり良い歌と思います。
 二首目の歌、「SHOGUN 将軍」への真田広之さんの、自らの全存在をかけた
 こだわりと
歴史認識に頭が下がります。18部門の受賞もさることながら
 「誤解された
日本を描く時代」を終わらせたいとの決意と、それを
 ハリウッドという特別の場で
やり切った事実に拍手を送りたいと思います。
 彼の「侍」魂と、実行力を讃えたいと
思います。 
 三首目の歌、「五条通」中央分離帯のスイカは、鳥などが運んできた種から
 自生した可能性が高いということで、大阪の御堂筋のスイカと同様に実生で
 結実することは「奇跡に近い」とのことですね。通常スイカは他の作物に
 接ぎ木して育てる
必要があるにも関わらず、「ど根性スイカ」は実生から
 育ち結実したとのこと。
「ど根性」の所以ですね。これらも異常気象ゆえの
 一現象かもしれません。

☆心字池 さざ波起こる そのもとに 鷺は静かに空を見つめる
                         ポエット・M
【解説】
 公園の一隅に造られた比較的大きな心字池。「心字池」との説明は
 歌友の皆さんにはいらないと思いますが…、その形が漢字の「心」の
 草書体に似ていることから名付けられたとのことです。その池に
 さざ波が立っており、その源に青鷺が静かに空を見つめている姿が
 見えました。泰然自若とした姿にも見えますが、その足を微かに
 動いているかに感じました。
 空を見つめる鷺の静かな佇まいと、その足の微かな動きに反応し
 さざなみの起こる情景を何とか記憶に留めたくて歌に詠んでみました。
 なお、心字池には三つの橋が架かっており、それぞれが過去、現在、
 未来を表しており、これらの橋を渡ることで心身を清め、神聖な
 場所へと進む準備が整えられると言われています。かねてからこれらの
 橋を幾たびか渡って来ましたが、未だ、整わない自分を感じています。


     「咲き盛る 昼顔の花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(55)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

36.「 短歌の章」 香港交換教授(1)

   去りにし日の戦の事も想ひ出ず 
           かくも夕陽は静かなりしか

   上弦の大き月出ず 
       たまきはる命を懸けしかの時も見つ

   鳳凰樹ほのかなる花も盛り過ぎて
          陽だまり暖たかく冬に入るなり


【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会

2024年09月18日 05時06分58秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その149)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く むくげ 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆夜 冷房つけることは絶えねども 虫の音の中眠り誘われ
                         西BOOさん
★鳴き出した虫の音色は子守歌 秋もそぞろに月も出で来ぬ
                         夕庵さん
★中秋の名月を待つ半月は 西の空のみ雲を浮かべる 
                         西BOOさん 
★盃に月を映して名月を 愛でつつ1首 君に贈らむ 
                         夕庵さん

☆跨線橋のぼれば夕焼け広がりて 思わずたじろぐ天体ショーに
                         夕庵さん
★架橋より君乗る列車見つめたり 秋夕焼けに点となるまで
                         みっちっちさん
★帰京する孫を見送る空港に 言葉にならぬ涙の笑顔
                         夕庵さん
★言葉なく涙で笑ふ人のゐて こころ複雑 人間だもの
                         みっちっちさん

☆愛らしき小鳥の切手 久々に故郷の友へ手紙を書かむ
                         みっちっちさん
★膨らんだ想いの手紙海越えて 羽あるように離島への旅 
                         夕庵さん
★海と山超へ困難な旅終へし 小鳥へ託す友への想ひ
                         みっちっちさん
★友よ友 如何に居ますやひとり居の日々思いやる足も萎えしと
                         夕庵さん
★ひとり居の花を愛する友垣へ 花に囲まれ御身(おんみ)豊かに
                         みっちっちさん
★小袋を百個縫うのが目標と友は励みぬミシンにむかい
                         夕庵さん
★妣(はは)作のワンピース着て澄まし顔 我十歳のセピアの写真
                         みっちっちさん
★洋裁を習い始めて縫う服は 母へレースの白いブラウス
                         夕庵さん
★洋裁が好きなりし妣(はは)の作品は あまた箪笥に遺されてゐる
                         みっちっちさん
★リメイクの得意なりしも寄る年に 紙と鉛筆あれば満足
                         夕庵さん

☆朝なさな 色鳥戯(ざ)れる山門の 仁王の貌のゆるびゆくかな 
                         みっちっちさん
★網越しの阿・吽の像に許し乞い 東大寺の門をくぐりぬ   
                         夕庵さん
★朝夕の気に大仏の頬やはに 秋澄みゆける奈良東大寺
                         みっちっちさん
★秋天に奈良東大寺の黄金(きん)の鴟尾 世界遺産を鹿と見上ぐる
                         夕庵さん
★金の鴟尾 緑の海を泳ぎたや 奈良公園を鹿と戯(ざ)れをり
                         みっちっちさん
★鹿とても酷暑を避けて昼寝する 風はやさしく睫毛くすぐり
                         夕庵さん
★昼寝より覚めて遊べる子鹿へと 深きまなざし向ける母鹿
                         みっちっちさん
★お辞儀して餌をおねだりする鹿に かこまれ悲鳴の観光客は 
                         夕庵さん
★バス乗れば異邦の少女にかこまれて 異邦の言葉に浸る楽しさ
                         みっちっちさん
★バスは我が足ともなれば時刻表 頭に入れて待ち時間なし
                         夕庵さん
★好きなのはマイカーなれど バスの旅ぼうと景色を眺めるもよし 
                         みっちっちさん
★車窓より見渡す田んぼにひこばえは 元気に芽吹き風にそよぎぬ
                         夕庵さん
★車窓より風にたなびくうす雲の 刻々変はりゆく空ながむ
                         みっちっちさん
★さらさらと砂の雲かや秋の空 指より落ちて彼岸花さく
                         夕庵さん

     「未だ咲き継ぐ ききょう」

☆空蝉に命もあるや夕映えに つかむ爪さえ放つ輝き
                         ポエット・M
★君はもう長いトンネル抜けたろうか 羽化した蝶はいま飛び立ちぬ
                         夕庵さん
★今まさに朝日を浴びて羽ばたきぬ 羽化する蝶は 煌めきまとい
                         ポエット・M
★蝶の旅 羽をたたみて安寝せよ 愛しきものへ語りかけむと 
                         夕庵さん
★海峡を たえだえ越える蝶の旅 愛しき吾子の食草求め
                         ポエット・M
★親と子の情愛かくも尊きに 人道背くは恥とこそ知れ 
                         夕庵さん
★子に注ぐ親の情愛深きゆえ 親にならねば分からぬものも
                         ポエット・M
★故郷を捨てし男(ひと)ゆくふる里へ 雪に埋もれて老母(はは)ひとり住む
                         夕庵さん
★捨てがたき ふる里今も胸裡に 母につらなる優しき山河 
                         ポエット・M
★あの男(ひと)は母に甘えにふる里へ 山も木立も影絵のなかを
                         夕庵さん
★影絵なす けむる山河に抱かれし 母なる里の緩やかなとき 
                         ポエット・M
★ふる里の入り口すでに無人駅 夢か現のなかをさ迷う
                         夕庵さん
【詞書】かつて通学に使っていたふる里の駅は、今は無人ですが存在しています。
  新幹線の駅がすぐ近くにでき、路線が異なるため二つ並んで使われており、
  近代的な駅舎と、古き時代の趣を残す駅舎の新旧の対比が微笑ましいです。
★ふる里の無人の駅は凛と立つ 新幹線の駅にならんで
                         ポエット・M
【詞書】ふる里への返歌は浅田次郎の小説「母の待つ里」を読んでの発想です。
☆ふる里の沢の流れに蛍とぶ 提灯かざして母の呼ぶ声
                         夕庵さん
【詞書】現代人の「ふるさと喪失」の深さを描き、心の原風景を思い起こさせる
  小説「母の待つ里」の主人公、松永徹ら三人の想いを詠ってみました。
★ふる里をもたぬ人らの胸裡に 静かにしみる「母」の言の葉
                         ポエット・M
★なつかしきお国なまりの囲炉裏端 乾きし心を満たすおふくろ
                         夕庵さん
★おふくろの なまりなつかし囲炉裏端 思えばここで命養う
                         ポエット・M
★偽りの子の名刺胸に旅立ちぬ 母も寂しき一世であったか
                         夕庵さん
★血縁を越える愛情育みて 「母」子の絆 深まりゆくや
                         ポエット・M
★読み終えてふる里恋し我もまた 尋ねてもみむ 兄住む町へ 
                         夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める コスモス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)

2024年09月11日 05時12分14秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「ランタナに憩う 揚羽蝶」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。 主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。 今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。 私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「3.空蝉(うつせみ)」
 再訪しての誘いにもなびかない空蝉に源氏は固執する。 小君の手引きで
 紀伊守の邸宅を三度目に訪れた源氏は開放的な様子の若い女(軒端萩)と
 碁を打つ空蝉を垣間見る。 若い女とくらべ見栄えはよくないが、源氏は
 空蝉に品のある慎みを感じる。 夜、源氏は寝所に忍び込むが、それを
 察した空蝉は小袿を脱ぎ捨て寝所を抜け出した。 行きがかり上、
 源氏は空蝉と同室で眠っていた軒端萩と情を交わす。 翌朝源氏は空蝉が
 脱ぎ捨てた小袿を持ち帰り、歌に思いを託す。 小君から歌を渡された
 空蝉は、源氏の思いに応えられない我が身の情けなさを歌に詠み、
 源氏の歌の端に書きつけた。
〇空蝉の身をかえてける木のもとに なほ人がらのなつかしきかな  光源氏
註)あなたは蝉が殻を脱ぐように衣を脱ぎ捨てて逃げさっていったが、
  その木の下でやはりあなたの人柄が懐かしく思われます。
〇空蝉の羽に置く露の木隠れて 忍び忍びに濡るる袖かな  空蝉
註)羽に置く露が木に隠れて見えないように 私も秘かに涙で袖を
  濡らしております
(返歌)
☆小袿は 貴女への想い せめてもの 初めて味わう 感じる切なさ
☆着古しで 汗ばんだ着物 恥ずかしく 薄衣が気がかり そこはかとなく
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏の歌は、註)にもありますように、蝉の抜け殻という自然のありさまを、
 人間の心の変化と重ね合わせることで、深い情感を表現しています。
 この歌からは、光源氏の未だ冷めやらぬ恋心が伝わってきますし、空蝉との
 別れをいまだに引きずり、彼女の面影を忘れられずにいる切なさが表現
 されています。
 その歌への作者の返歌は「初めて味わう感じる切なさ」と下の句で詠み
 切なさに寄り添っています。 さらに一歩進めて直截に詠んでみましたが…。
【ご参考】
☆小袿(こうちぎ)の残り香哀し切なさよ 面影さらに涙をさそう
 二首目、空蝉の歌は、内面の葛藤や揺れ動く感情を「空蝉の羽に置く露」との
 自然を媒介にして表現しています。 光源氏への未練や恋心を抱きながら、一方で、
 夫がいる身としての葛藤も繊細に表現されています。
 作者の返歌は「着古しで・・・」と、具体的な事象をあげ、ためらう想いを
 表現して納得感のある歌になっています。
 空蝉のモデルは紫式部自身との説があります。 センスが良く、理知的で
 しかも貞淑という、当時の王朝時代の価値観とは一線を画す女性像は
 紫式部が理想とするものであったと考えています。 その女性像を空蝉を
 通して表現したとも言えます。

【詞書】今、待っていることを詠ませて頂きました。
☆スーパーのお米売り場が空っぽに 台風も逸れ新米を待つ
☆台風で折れる心配したものの 庭の柿の色付きを待つ
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、昨今の「米騒動」は、新米の価格を吊り上げるために計画的に
 仕組まれたものではないかと、疑いたくなるような事態と感じています。
 詠われているように「お米売り場が空っぽ」な状態が、関東圏でも一様に
 見られます。 「新米を待つ」も、価格は二倍近くなっている現状には、怒り
 さえ湧くと主婦の方は口々に言われていました。
 現状を淡々と詠みながら、静かな告発の歌にもなっています。
 二首目の歌、今回の10号台風程、迷走を続けた台風は無かったですね。 でも、
 作者の所はそれほどの被害もなく、木も倒れずに「庭の柿の色付きを待つ」
 状態とのこと。 ホッとして胸をなでおろす想いが、淡々と詠まれ共感を誘う
 歌と思います。

     「未だ咲く 百日紅 白色」

【詞書】暑くとも少しずつ秋の気配が感じられますね。 「夕焼」は晩夏の季語。
  「朝顔」と「すすき」は秋の季語になります。三首詠みましたので出詠します。
☆夕焼を海に沈めて 高台に 君と見つけし一番星よ
☆色どりの朝顔けさも咲き継ぎて あくびの君と焙煎コーヒー
☆一陣の風に野原は金色にすすきの散らす光きらきら
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、「夕焼」「朝顔」「すすき」の晩夏と、秋の季語を織り込み三首
 詠んで頂きました。 俳句の季語は、その長い伝統の中で磨かれ、しっかりと
 季節を主張し、まさに句の主役としての重みを感じさせてくれます。
 短歌でも、この力を借りて余情の文学と言われる「歌」に磨きをかけたい
 ものです。
 いずれの歌も余情に満ちていますが、特に三首目に触れたいと思います。
 この歌は、秋の野原の情景を鮮やかに描き出した美しい作品で、
 「金色にすすきの散らす」は、視覚的なイメージを鮮やかに描き出して
 います。 また、「光きらきら」という擬声語によって、秋の光がキラキラと
 輝いている、その情景が鮮明に目に浮かびます。 これらの表現に
よって、
 私たちは、まるでその場に立っているかのような臨場感が
味わえます。
 さらに、作者の観察眼が光っていることは言うまでも
ありませんが、
 秋の野原の美しい情景が、私達の心に鮮やかに焼き付き、
心安らぐ
 魅力的な歌になっています。

【詞書】9月に入ればさすがに朝夕は気温も下がり、あたりが静かに
  なったように感じます。
☆酔芙蓉咲けばなつかし風の盆 雨は流れる八尾の坂道
☆涼やかなソロを聴かせて鈴虫よ 秋の百代の話し相手に
☆眠そうな「穂村ほむほむ」深夜便 なるほど、そうか 眠れなくなる
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、「風の盆」は、高橋治著「風の盆恋歌」と共に、作者も前にも
 触れていましたので、 サロンの歌友の皆さんも既に、ご存知の事と思います。

 酔芙蓉が咲く八尾の坂道に胡弓の音が流れるとき、風の盆の夜がふけていきます。
 「酔芙蓉咲けばなつかし風の盆」の上の句ですが、酔芙蓉は朝に白く咲き、夕べには
 酔ったように赤く染まる花です。 この花の変化が、風の盆という祭りの情景と重なり、

 そこはかとしたもののあわれを感じさせます。 さらに、「雨は流れる八尾の坂道」の
 下の句ですが、八尾の町は坂が多く、雨が降るとその坂道を流れる様子が目に
 浮かびます。 この情景描写は、風の盆のしっとりとした雰囲気をさらに引き立てて
 います。 この歌は懐かしさと共に哀愁を感じさせる歌となっていますが、作者の
 秘められた淡い恋物語も滲んでいるかに感じます。
 なお、「風の盆」は二百十日の前後の台風到来の時節、収穫時の稲穂が風害に
 遭わないよう、風の神様を鎮める豊作祈願として行われたのが起源とのことです。
 二首目の「ソロを聴かせて鈴虫よ」の表現が粋ですね。 静かにソロを聴いてみたく
 なります。

     「未だ咲く 酔芙蓉 八重」

【詞書】YouTube短歌:ホルスト 惑星 木星
☆大いなる河の樣に
    神の王たる歩みで

  人々に安らぎを
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 いつも拝見している埼玉で音楽教室を開いている小松音楽教室の
 さえ先生が、ホルストの惑星を演奏されたので、その曲を
 イメージして短歌を作りました。
 先生から、許可を得たので、短歌より、先生の演奏をお聴き下さい。
 これって、エレクトーンを一人で演奏しています。 私にとっては神業です。
 秋は、コンサートが盛りだくさんで、とても忙しい中、許可頂き、
 感謝申し上げます。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/2c3ca0c0cb94f06b28caa9da52be09e7
                         自閑さん
【解説】
 平原綾香のデビュー曲『Jupiter』(ジュピター)は、作者も説明されて
 いるように、イギリスの作曲家ホルストの管弦楽組曲『惑星』の第4楽章
 「木星」を基にした楽曲です。 この「木星」の中間部の旋律に吉元由美氏が
 歌詞を付けたものです。
 2004年の新潟県中越地震の翌年の2005年から、長岡まつり大花火大会で
 打ち上げられている復興祈願花火『フェニックス』では、この曲がBGMとして
 使われたことで有名です。
 作者は、小松音楽教室のさえ先生の演奏される『Jupiter』を聴き、その曲を
 イメージして「神の王たる歩みで」と詠われています。 木星は、幸運、成功等を
 司る星とされており、この楽章の明るく雄大な雰囲気は、まさにそうした
 イメージを反映しています。 奏者である、さえ先生の理解と演奏技術がその
 雰囲気をさらに増幅させて響いてきます。 それにより詠われているように
 「人々に安らぎを」もたらしていると感じます。
 曲も、それを咀嚼し、自分の想いを込めて演奏することにより、作曲者の想いを
 越えて人々に、その曲の神髄を届けることが出来ることを痛切に感じました。
 その意味ではこの短歌は、演奏者と短歌作者のジャンルを超えた、新たな
 コラボレーションの結実と言えるのではないかと思っています。

【詞書】第17回パラリンピック・パリ大会は、現地時間8日夜(日本時間9日未明)に
  雨の中閉会式が行われて、12日間の日程を終え、賑やかに終了しました。
  雨の中とは言え、障害を持ったパフォーマーさん達がダイナミックに
  踊ったり、光(炎が噴き出す特効や、動いたり色が変化したりする
  ライティングやレーザー)と音(音楽)で華やかに楽しく演出された
  閉会式だったと思います。 雨で大変だったかなとも思いましたが、
  アスリートの皆さんはスマホで撮影したり、隣の人と笑い合ったり
  楽しそうでした。 日本選手は金銀銅計41個のメダルを獲得したそうですね。
  車いすラグビーでの金メダル獲得の瞬間や、小田凱人選手の車いすテニス
  男子シングルス準決勝などは見ていました。 (「真夜中のドア」!!)
  パラリンピアン、オリンピアン問わず、皆さんお疲れさまでした。 目を見張る技、
  新記録、世界への挑戦、努力の成果、悔しい涙も全てが素晴らしいものでした。
  雨で始まり雨で終わったスポーツの祭典の夏を楽しませていただきました。
  … 次はロスかあ~。 「あの」ファンファーレ使うかな? 1回目のロス大会は
  「いだてん」でもやってましたね。 (バロン西に触れてなかったのがなあ…
  それ以前のテニス男子の銀は、ちらっと言ってましたが…)
☆雨の中 オリンピックは開幕し
       パラリンピックは雨中の閉幕
【詞書】小田選手、まずはおめでとうございます。 ローランギャロスの赤い
  クレーコートに寝転んだ感触は格別だったと思われます。 生の中継で
  見たかった…。 テレビの番組予定表を見ても無い事に「何でやねん」と
  突っ込まずにはいられませんでした。 決勝相手のアルフィー(!) ・
  ヒューエット選手は手強く、小田選手も最終セットまで縺れて“敗北が
  脳裏をかすめた”(9/9の朝日新聞夕刊より)そうですが、巻き返して
  勝利を掴んだその強さと、 会場を煽って自分の舞台にした根性とも
  言えるバイタリティには賞賛を惜しみません。 この種目で18歳と123日と
  いう史上最年少の優勝は小田選手の人生のみならず日本の“テニスの”
  歴史に於いてこの先も輝きを放つことと思います。 これからのご活躍も
  お祈りしています。 本当におめでとうございます。 … って、お祝いの
  お手紙でもしたためたくなった小田選手の金メダルでした。 相手も
  ランキング1位の選手だったそうで、見応えあっただろうに~。 準決勝は
  やってたのになあ…。 放送権って決勝はやたら高いんですかね。
  可能性の固まりの18歳。 これからも楽しみです。 まあ4大大会やその他の
  大会もありますから、どうかお疲れが出ませんように…。
☆名の由来「凱旋門」のお膝元
       パリ・パラで金 小田凱人(ときと)選手
【詞書】6月にISS(国際宇宙ステーション)に向かい、 到着した米ボーイング社
  の宇宙船スターライナーは、ヘリウムガスの漏れなど不具合が生じ、
  当初一週間か8日かで地球に帰還予定だった宇宙飛行士2名は、そのまま
  ISSに滞在し、 先日スターライナーが乗員不在のまま地球に帰還しました。
  万全を期すためとは言え、随分長い滞在になってしまった飛行士さん
  お2人は体調も問題なく過ごしているとか。 少々人数が増えてもISSは
  支障はないそうですが、どれだけ万全に準備しても、アクシデントは
  宇宙での計画に付き物なんでしょうね…。 どうか来年お二人が無事に
  地球に帰還されますように!
☆人乗せぬ スターライナー帰還して
         飛行士2人は宇宙に長居す
                         ちがやねこさん
【解説】
 「パラリンピック閉幕」「小田凱人選手」「スターライナー帰還」の
 三首を、作者は新鮮な切り口でレポートも兼ねて詠んで頂きました。
 一首目、雨の中で始まり、雨の中で幕を閉じた「オリ・パラ」。 メダルの
 数のみでは計り知れない内容の濃く、多くの熱いドラマに彩られたパリ大会。
 幾つかの問題点、改善すべき事項も指摘されていましたが、作者も言われる
 ように「悔しい涙も、全てが素晴らしい」スポーツの祭典をやり切った
 アスリートたちに、心からの拍手を送りたいと思います。
 二首目、「凱旋門」由来の名前を持つ小田凱人(ときと)選手の、史上最年少の
 優勝。 これは作者の詞書にもありますように「小田選手の人生のみならず
 日本の“テニスの”歴史に於いてこの先も輝きを放つ」ことと思いますし、
 今後の可能性と活躍に期待したいですね。
 三首目は、作者のライフワークの分野ですが、宇宙船スターライナーの
 不具合により、今回は帰還予定だった二人の宇宙飛行士は、そのままISSに
 滞在することになりましたね。 万全の準備しても、安全率100.000000%の達成は
 神の領域になりますので…、最大限の準備を重ね、無事に地球に帰還されるよう
 祈りたいと思います。

☆空蝉に命もあるや夕映えに つかむ爪さえ放つ耀き
                         ポエット・M
【解説】
 台風10号が熱帯低気圧に変わり、列島から過ぎ去った後、近くの森に
 一斉にせみ時雨が響きはじめました。 その森の木の一本に未だ光沢を残す
 空蝉が着いていました。
 かすかな夕映えに照らされた、空蝉の爪は夕映えの輝きを掴もうとする
 かのように木に食い込んでいました。 その爪は儚いものをなお掴もうと
 する、生きとし生けるものたちの飽くなき欲望を表しているかにも感じ
 ました。 さらに、必死に木を掴むその爪は命の象徴そのものの生気を
 放っていました。 そんな空蝉の様子に触発されて詠んでみました。


     「咲き残る 向日葵」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(54)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

35.「 短歌の章」 宗久尼の得度入山(3)

   国見山 国見しつらむいにしえの  
             大宮人を幻に見む

   あしひきの山なみ越えて
       人麻呂も赤人も行きし宇陀の榛原

   右近の碑 キリスト者の身をいさぎよく
              果てし命は今に残れり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)ネット歌会

2024年09月11日 04時41分10秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その148)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く ノウゼンカズラ 薄紅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆物音も吸い込まれそうな午後の部屋 バナナは熟れて卓に転がる
                         夕庵さん
【詞書】ちょっとでも長持ちすれば、とバナナをS字フックに引っ掛けて
  いるんですが、ちょっと日が経ってしまうと、柄の下の方(根元?)が黒く
  なって、落っこちてしまうんですよね。で、大概抵抗したかのように細く
  皮が残っている…と。よく、落ちた時の音がテレビ(と、今はエアコン)の
  音ぐらいしか聞こえない部屋で大きく聞こえて、「えっ?!何?何の音?!」とか
  言って台所に来て「あ~これやね」と納得する…ということが多々あります。
  何か知らんけど、びくっとしますよね。😅
★フックから皮の一部と柄を残し バナナ落ちたり「ぼとっ!!」と音たて
                         ちがやねこさん
★台風に窓の簾が音たてて うつつの夢をやぶる夜明けに
                         夕庵さん

☆スーパーのお米売り場が空っぽに 台風も逸れ新米を待つ
                         西BOOさん
★新米もそろそろ入荷というものの 秋の値上げの一番名乗り
                         夕庵さん
★ニュースにて新米出回る報道も 値が2倍とは一体何ぞ
                         西BOOさん

☆台風で折れる心配したものの 庭の柿の色付きを待つ
                         西BOOさん
★橙色(だいだい)の夕陽に負けぬ柿の色 恩師に送ろう絵手紙にして
                         夕庵さん

☆一陣の風に野原は金色に すすきの散らす光きらきら
                         みっちっちさん
★満月にうかれ狸の腹鼓 薄の原は今宵も楽し
                         夕庵さん
★満月に原の動物うかれしも うさぎはひとり餅つき励む
                         みっちっちさん
★瀬戸内の大久野島にはふわふわの 兎が群れる毒ガスの島
                         夕庵さん
★瀬戸内は晴れの国とぞ呼ばれたり フルーツ甘くジューシーなる美味
                         みっちっちさん
★楽しみはそろそろ巨峰の届く頃 スーパーの品買わずに過ぎる
                         夕庵さん

     「未だ咲く 浜木綿の花」

☆夕焼けを海に沈めて 高台に 君と見つけし一番星よ
                         みっちっちさん
★ライン来る 一番星見つけたと 想い違えど何だか愉快
                         夕庵さん
★一番を目指して励む卓球ぞ 負けず嫌ひがめらめら燃ゆる
                         みっちっちさん
★ビル街は無風状態人もなく いつまで続く夏の陽炎 
                         夕庵さん
★ビル街ははるかテトリス 赤々と大夕焼けのなかに揺らめく
                         みっちっちさん
★展望のビルから下を見渡せば 大蛇のごとく幹線道路(道路)はうねる
                         夕庵さん
★松明の火の粉巻き上げ社へと 大蛇のごとく火祭佳境
                         みっちっちさん
★参道にこちらは禁止と結界の 白蛇脱皮の残る暗がり
                         夕庵さん
★白蛇を見れば金運アップとふ 弁財天の使ひなる社
                         みっちっちさん
★白蛇と遭遇した日を吉として 誰にも言わず宝くじ買う
                         夕庵さん
★宝くじ買ひてひとまず仏壇の 供花の横に拝みて置けり
                         みっちっちさん
★宝くじ欲は決して申しませぬ 一夜の夢を見せて下され
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「酔芙蓉の花 八重」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その147)

2024年09月04日 06時01分59秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その147) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 八重酔芙蓉」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」を
 中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの贈答短歌が
 中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は
 新規で作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「2.帚木(ははきぎ)」
 長雨の降り続くある夏の夜のこと、源氏の宿直所に葵上の兄であり、
 源氏のよきライバルである頭中将が訪れた。頭中将が源氏に贈られてきた
 恋文を見つけたことから、やがて話は女性論になる。そこに好き者として
 知られる左馬頭と藤式部丞が加わり「雨夜の品定め」が繰り広げられる。
 話の中で、源氏は頭中将が後見のない女性と通じ子まで成したのだが、
 正妻の嫌がらせを受けいつしか消えてしまったという話を聞く。また、
 源氏は自分とは縁がなかった中流の女性の魅力を三人の経験譚から知り、
 中流の女性に魅力を覚える。理想の女性はなかなかいないと言う彼らの
 話を聞きながら、源氏は理想の女性、藤壺にますます思慕を寄せる。
 翌日、源氏は方違えのため紀伊守の別宅を訪れ、そこで紀伊守の父の
 後妻・空蝉が居合わせていることを知る。中流の女性への興味を
 募らせる源氏は、その夜半ば強引に寝所に忍び込む。その後源氏は
 空蝉の弟、小君を召し抱え空蝉との再会を狙うが、自身の身の程を知る
 空蝉はそれを許さなかった。源氏、十七歳の夏のことだった。
〇帚木の 心を知らで そのはらの 道にあやなく まどひぬるかな 光源氏
 註)近づけば消えるという帚木のようなつれないあなたの心も知らないで、
   園原への道に空しく迷ってしまったことです
〇数ならぬ 伏屋に生ふる 名の憂さに あるにもあらず 来ゆる帚木 空蝉
 註)しがない貧しい家(地名の伏屋に掛ける)に生えているということが
   情けのうございますので、いたたまれずに消えてしまう帚木なのでございます
(返歌)
☆燃え盛る拒まれるほど執着は 分かるはずもなく人妻の心
☆心には気持ちの高ぶり空蝉は 源氏への想い押し殺すも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目の返歌、註)にもありますように、光源氏の歌は、空蝉の心を探り当て
 られず、彼女への思いに振り回されている、という光源氏の切ない心情が
 表現されています。
 これは、源氏物語全体を貫くテーマを象徴的に表している歌とも考えています。
 作者の返歌は、この光源氏の想いを「分かるはずもなく」と客観視して詠って
 いますが、光源氏の立場になって、もう一歩踏み込んで詠ってみましたが
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★燃え燃えて高まる想いとどけるも かわしかわせる君ぞ恨めし
 二首目の空蝉の歌は、註)にもありますように、「近づくと消えてしまう帚木の
 ように」私はいないものと思って下さいと、源氏の求愛を拒み、自分の身分や
 立場を意識しながら、心を閉ざそうとしています。従って作者の返歌は空蝉の
 想いも大切にしながら「想い押し殺す」と、空蝉の心の奥底の葛藤等複雑な
 想いを推測しつつ詠った良い返歌と思います。

【詞書】暑さはまだありますが、秋の爽やかな空気が少しずつ感じられます。
  三首、出詠させて頂きます。
☆清秋の京都町屋の坪庭に 水琴窟の音さやかなり
☆はんなりと弥勒菩薩の指先の 動き出すごと秋澄みゆけり
☆秋天の苑に子を抱く聖母像 そのまなざしは深く優しく
                         みっちっちさん
【解説】
 「水琴窟」「弥勒菩薩」「聖母像」をテーマに、微かに兆す秋の気配を
 情趣豊かに詠んで頂きました。
 特に二首目の歌、弥勒菩薩が優しく微笑みながら、何かを指し示すような
 仕草をした途端、秋の空気が澄み渡り、清々しい季節へと変わっていく…。
 作者は、この光景を目にした瞬間の感動や、心の変化を、仏像の動きと
 自然の移ろいを重ね合わせることで繊細に表現しています。
 また、弥勒菩薩の静的な美しさと、秋の自然の動的な変化を対比
 させながら、両者を結びつけることで、独特の世界観を作り出して
 印象的な歌になっています。「はんなり」の表現も効いています。
 一首目の「水琴窟」。季節により音が変わると言われていますが、この
 初秋の季節の
音を聞いてみたくなりますね。

【詞書】こおろぎを詠ませて頂きました。
☆こおろぎの音も鳴り響く夜とても「暑い暑い」と言っているよな
【詞書】台風10号を詠ませて頂きました。
☆台風の進路にあたる予報にて 大きな渦に不安が募る
【詞書】台風10号を詠ませて頂きました。
☆乾電池 追加購入するか否 備蓄とともに迷走台風
                         西BOOさん
【解説】
 追加分も含めて「こおろぎ」「台風10号」「迷走台風」の旬なテーマに
 ついて三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、この季節、本来なら初秋の趣を誘うコオロギの音も、今年の
 炎暑の下では、詠われているように「暑い暑い」と聞こえてしまいますね。
 ユーモアを滲ませながら、異常気象をさりげなく詠うことに成功している
 歌と感じました。 
 三首目の歌、今回の台風10号は観測史上最大規模と言われていましたが、
 その規模のまま九州に上陸し、同時に発生した竜巻と共に甚大な被害を
 もたらしました。その後紀伊半島へ再上陸し8月31日現在、進路が
 定まらず迷走を続けています。この状況を踏まえて詠われていますが
 「備蓄とともに迷走台風」には作者の戸惑いと、実感が篭もっています。
 「記録詠」としても詠んでいきたいテーマです。


     「咲き残る 白桔梗」

【詞書】8月下旬に入った頃のある日、姉の家を夕刻に出て、買い物が
  あったので急ぎ商店街へ行こうと“あじろぎの道”を自転車で走って
  いると、お客さんを乗せた遊覧船が下流に向かい出していて、先へ進むと
  もう1隻の遊覧船と、日没直前の日の光の中で準備をしている鵜舟
  (鵜匠さんや鵜たちを乗せた舟)を見ました。もう薄暗い川の上でまだ
  篝火は点けずに準備している鵜舟と鵜飼いが始まるのを待つお客さん
  達が乗る遊覧船は、暑い日ではありましたが少し涼しい川風に静かに
  揺られていました。
  大雨や台風などの影響で、中止になることも多いですが(8/26には台風を
  見越して中止。まだ続いてるかも)、少しでも多くの方が鵜飼いをみられ
  ますように…と思わずにはいられません。雨がこのあたりに降らなくても、
  水量で開催するしないが決められるから天気が良くても無かったり
  しますし…。なかなか大変なようですが。鵜飼いの関係者の皆さん…
  頑張って下さい…。
☆火を入れぬ鵜舟と客船
      薄暗き日暮れの宇治川 風に吹かれて
【詞書】8月29日に、NIKKEIサイエンスの「8/26にJAXA、探査機SLIM運用の
  終了を発表した」というネットニュースを見ました。日本初の月面着陸を
  果たした無人探査機「SLIM」の活動をすべて停止する指令を地上から
  発信し、SLIMの運用は停止されたそうです。当初、月での昼間の110℃、
  夜の-170℃に耐えられる設計ではなかったにも関わらず、3度の越夜を
  実現し、逆さまになったままでも多くのデータを集め、地球に送ったことは
  大きな功績だったと思います。前にも書いたかもですが、いつか日本人の
  宇宙飛行士が月に降りたって、SLIMを直接労い、出来ることなら回収して、
  小さな探査機とともに日本に連れて帰ってやって欲しい…。今日9/3(火)の
  朝日新聞の朝刊に載っていたJAXAの宇宙飛行士金井宣茂さんの
  インタビュー記事の中の、「米国主導の『アルテミス計画』で、日本人
  2人が月に降り立つことが4月に日米両政府で合意された」という記述を
  読んだので、その思いは一層強くなりました。月面の静寂の中で待っていて
  欲しい…。お疲れさまSLIM…夢のある楽しい話題をありがとう!
☆日本から 月に降りたる飛行士に
        逢えるといいね おやすみSLIM
【詞書】昨日月曜ですが、朝ゴミ出しをして、家の前からゴミのネットケース
  周辺まで掃いていて、ふと空を見ると青い空の色が心なしかクリアな
  感じがして、雲の色もどよんとした灰色がかった色ではなく白い色だった
  ので、やっぱ台風の後って空とかきれいやなあ…などと思いながら朝日を
  背にした向きで続きを掃こうとしたら……背中が熱い!!あ゙~っ!暑さも
  戻って来よったあ!……まだまだ暑い「夏」が続きそうです。「ひるおび」で
  先ほど、清少納言が「枕草子」の中で、「野分のまあの日こそいみじう
  あ晴れ荷を貸しけれ」と、台風の翌日が趣深いと書いていた、というのを
  紹介していました。大変な雨風が過ぎた後の(恐らく)空などのすっきりと
  したきれいな色を清少納言も見て感じるものがあったんだろうかと
  思いましたが、如何せん昨今の台風等の災害はえげつないです…。
  進みゆく温暖化の現実は否応なしに私達に突きつけられている…と
  思わずにはいられません。平安時代に比べて、災害の種類も質も変わって
  きてるんじゃないの~?とも…。
  (40℃近い酷暑🥵はさすがに無かったんじゃ…)
☆台風も豪雨も過ぎて空青く
       陽差しが戻り猛暑も酷暑も
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌は、火を灯さず鵜飼の準備をする鵜舟と、賑やかな客船が、
 夕暮れの宇治川でそれぞれに風に吹かれている様子を詠っています。
 この対比を通して、時間の流れや、自然と人間の営みと共存といった
 テーマが印象深く詠われています。
 また、薄暗い夕暮れの宇治川、そして風に吹かれる船の様子が、五感に
 訴えかけるように鮮明に表現され、印象に残る歌と感じます。
 なお、詞書にある「あじろぎの道」は、御存知の方は多いと思いますが、
 平等院と宇治川の間にあり、桜や紅葉など四季折々の景色を楽しみながら
 歩ける川沿いの遊歩道です。
 二首目の歌、JAXAが探査機SLIM運用を終了した旨発表しましたが、
 詠われているように、やがて行くことになる「日本からの…飛行士」に
 逢えることを希望したいと思います。それにしても「3度の越夜を実現し、
 逆さまになったままでも多くのデータを集め、地球に送った」SLIMの
 功績は大きいと考えます。日本の宇宙技術を改めて賞賛したいと思います。
 この歌は、SLIMの功績を讃えつつ近い未来に希望を繋ぐ夢のある良い歌と
 思います。また、JAXAへのエールにもなると感じます。
 三首目の歌、迷走を続けた台風10号も、9月1日正午に東海道沖で
 熱帯低気圧に変わりましたが、台風一過のすっきりとした気象には
 ならないようですね。詠われているように「陽差しが戻り猛暑も酷暑も」
 の状態が続きそうですね。
 詞書で清少納言「枕草子」について触れていましたが、平安時代(794年~
 1185年)は「中世温暖期」と呼ばれる時期にあたり、気温が比較的高かったと
 記録にはあります。この時期、真夏日(30℃を超える日)が
多かったことが
 少なからぬ研究等で示されています。


     「咲き残る 鹿の子百合」

【詞書】速度の遅い台風に番狂わせです。
  非常用の点検をしたときの期限切れのパスタを使っています。
☆くるくるとスプーンのなかで空回り 昨日も今日もパジリコパスタ
【詞書】ここ2週間は天候異変で鬱々とした日を過ごしています。
  嵐の前の静けさでしょうか・・
☆物音も吸い込まれそうな午後の部屋 バナナは熟れて卓に転がる
☆思わずも吐露した言葉を拾いをり きっとわが身の痛みとならむ
                         夕庵さん
【解説】
 詠まれていますように、今回の台風10号は、観測史上最大規模と呼ばれ
 ながら九州上陸後、甚大な被害を重ねながら迷走を続けていましたね。
 9月1日正午に東海道沖で熱帯低気圧に変わりましたが、東日本を中心に
 大気の状態が非常に不安定で、関東から近畿にかけて所々で雨雲や雷雲が
 大規模に発達し、豪雨や落雷被害が発生しています。
 そんな状況下の不安や鬱々とした想いが三首の歌に表現されています。
 特に、三首目の歌、思わず口にしてしまった本心が、自分の心に深く
 突き刺さり、心の痛みへと変わっていく様子が詠われています。これは、
 後悔や自責の念、あるいは、心の奥底に隠された傷に触れてしまった
 ことによる心の痛みを表現していると感じます。
 さらに、この歌は作者の心の奥底にある、複雑な感情を率直に表現した、
 力強い歌とも言えます。私達は、この歌に触れることで、作者の心の
 痛みを共有し、共感することができ、同時に、自分自身の心の奥底を
 見つめ直すきっかけとなるのではないかと感じます。

【詞書】YouTube短歌:富田勲 展覧会の絵 卵の殻をつけた雛の踊り
☆何も知らない雛は遊び
 母の力で守られ

  トムは退散
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 シンセサイザーは、人の声や動物の鳴き声、水しぶきの音を再現出来、
 富田勲氏の表現のまま、雛と鶏と猫が騒ぎ捲る短歌となりました。
 実は、展覧会の絵は、ラベル編曲のオーケストラで、以前出詠しておりますが、
 富田バージョンの場合、タイトルも絵画も無視して、曲を聞いたままで作って
 おり、その分、難しいかと思っております。
 トムは、トムとジェリーの猫の事。
 以下のURLに、曲を貼付しておりますので、シンセサイザー版をお楽しみ下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d8a2be706403d563ad95c7388f92c894
                         自閑さん
【解説】
 以前の解説でも触れましたが、富田勲氏の「展覧会の絵」の原曲は
 モデスト・ムソルグスキー作曲のピアノ組曲『展覧会の絵』です。
 詠われている「卵のからをつけたひなの踊り」は「ネコ」「ニワトリ」
 「ヒヨコ」の3つのキャラクターをシンセサイザーで表現しています。
 それらの音がめまぐるしく交錯することで、追いつ追われつの様子を
 ユーモラスに表現した曲となっています。この曲から着想を得て、歌に
 表現しきった作者の、作歌の力量は並みのものでないと感じます。

 特に「ヒヨコ」が無邪気に遊ぶ様子が表現されていますが、これは母鳥が
 見守っている故で、猫(トム)はヒヨコを狙うのをあきらめ退散するという
 物語に仕上げています。原曲、シンセサイザーによる編曲、さらに短歌への
 飛躍という、音楽と短歌のコラボレーションが花開くひとつの典型と
 感じました。このような作歌への挑戦を、私達もしていきたいと考えます。

☆台風の逸れたる森のせみ時雨 あまたの傷を いやす絶唱
                         ポエット・M
【解説】
 今回の台風10号は観測史上最大規模と言われていましたが、その規模の
 まま九州に上陸し、同時に発生した豪雨と竜巻と共に甚大な被害を
 もたらしました。その後紀伊半島へ再上陸した後、9月1日正午に東海道沖で
 熱帯低気圧に変わりました。その過程で進路が
定まらず迷走を続けましたが、
 その影響もあり関東地方も
豪雨と激しい落雷に見舞われました。
 そんな雨が上がったひととき、近くの森に一斉にせみ時雨が響いていました。
 いち早く台風が逸れたことを悟ったかに思える、せみたちの鳴き声。それを
 聴いて、
この台風で身罷った、さらに被害を負った多くの方たちの、想いを
 癒すであろう絶唱と感じて詠んで
見ました。


     「咲き残る 宗旦むくげ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(53)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
34.「短歌の章」 宗久尼の得度入山(2)

   人麻呂が 月かたぶきぬ とうたひたる  
                 しにしへの地を卜し庵結びぬ
           
   「花無心招蝶、蝶無心尋花」
         君その境涯に入り給ふべし

   赤人も骨埋めし大宇陀の
            秋近き野に風渡り行く

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その147)ネット歌会

2024年09月04日 05時37分06秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その147)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 酔芙蓉 一重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆こおろぎの音も鳴り響く夜とても「暑い暑い」と言ってるよな
                         西BOOさん
★こおろぎの面構えとのにらめっこ 草に倒れし野武士のごとく
                         夕庵さん

☆物音も吸い込まれそうな午後の部屋 バナナは熟れて卓に転がる
                         夕庵さん
☆雨音は絶えぬけれども風はなく 台風もはや消滅したか
                         西BOOさん
★台風へ気構えするも空回り 針路つかめぬ気象士泣かせ
                         夕庵さん

☆清秋の京都町家の坪庭に 水琴窟の音さやかなり
                         みっちっちさん
★踏み石を伝う離れの奥座敷 障子の明かりにうかぶ侘助 
                         夕庵さん
★はすかひに染めて茶掛けは夕焼(ゆや)け色 一輪挿しに侘助ひとつ
                         みっちっちさん
★机上にはけさ手折り来ぬ芙蓉ばな 白き花びら静けさのなか
                         夕庵さん
★静けさのなかに湯沸かす音を聴き 茶掛の無とふ一字見つむる
                         みっちっちさん
★半眼の無なる境地で座禅組み 呼吸(いき)整わすひとときの静
                         夕庵さん
★サーブ前 深呼吸して球見つむ 卓球戦のひとときの静
                         みっちっちさん
【詞書】台風は本当に来るのだろうか?
  時折風が吹く程度、空は青空も覗くようになったが・・
★雨戸閉め植木鉢も避難して 台風前の静けさに居る
                         夕庵さん
★台風はいづこへ去るや 秋風に変はりゆく雲飽かず眺むる
                         みっちっちさん
★防災のグッズの中に忍ばせるメモにシャーペン詠み人なれば 
                         夕庵さん
★流れゆく雲をのんびり見るの好き 詠み人なれど言葉出ぬまま
                         みっちっちさん
★秋の空 自在変化の雲を見て 動物園の話をしよう 
                         夕庵さん
★空は海 イルカに乗った少年の 大ジャンプえいっ 秋夕焼へ
                         みっちっちさん
★シロイルカ 海から空へ大ジャンプ みんなありがとう 楽しかったよ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「芙蓉の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その146)

2024年08月28日 05時31分18秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その146) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「雨に濡れる 八重酔芙蓉 薄紅に染まり初める」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 1月17日より源氏物語・紫式部日記の和歌を返歌で投稿して来ました。
 「幻」の巻で終わりましたので思案しましたが、引き続き新たな視点で
 「源氏物語に登場する個性豊かな20人の女性たち」を中心に返歌を
 楽しみたいと思っています。
 今週は源氏物語巻名歌から1首提出しますのでご指導よろしく
 お願いします。巻名歌は過去分と重複するところもありますが、
 返歌自体は新規で作成しています。私は再度研究しますので、
 返歌のみのご指導で簡潔に願います。
「1.桐壷の巻」
 ある帝(桐壺帝)は、特別身分の高い出自ではない女性(桐壺更衣)
 に深い愛情を抱き、彼女との間に美しい皇子(光源氏)を設けました。
 しかし桐壺更衣は、他の女房たちからの嫉妬や嫌がらせが重なった
 せいか、光源氏が3歳の時に病で亡くなってしまいます。帝は
 亡くなった桐壺更衣と瓜二つの先帝の皇女(藤壺)を入内させ、
 彼女を慰めとしました。藤壺は帝の寵愛を受ける一方で、
 光源氏と密かに恋仲になります。
 帝は光源氏を臣籍降下し源姓を与え、左大臣家の娘(葵の上)と
 結婚することになりました。彼はその美しさから「光る君」と
 呼ばれていました。
【詞書】今日を限りと死出の旅路に赴かねばならぬとは、悲しいことです。
  私は生きたい。行きたいのは命ある道です。悲しみの中で気づきました。
〇かぎりとて 別るる道の 悲しきに いかまほしきは 命なりけり
                         桐壺更衣
(返歌)
☆幼子の 心優しい 母なれど 一つの歌を 遺して散りぬ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 提示された桐壺更衣のこの歌は、身罷った後も桐壺帝の心を長い事つなぎ
 止めた歌で、源氏物語の歌の中でも絶唱のひとつと言われています。
 この歌への作者の返歌は、幼子(光源氏)を残して「死出の旅路に赴か
 ねばならぬ」桐壺更衣のぎりぎりの哀しさを汲んだ歌となっています。
 ただ、桐壺更衣のこの歌を受け取った方(帝)の立場になって少し寄り
 添って…、詠ってみました。今生では死に別れることになる桐壺更衣を、
 私はあなたの魂のありかを必ず探しに参ります、との想いを込めた返歌と
 してみましたがいかがでしょうか。 
 【ご参考】
 ★幼子を 残して死出の旅に出る 君のたましい 探し尋ねん

【詞書】酷暑を詠ませて頂きました。
☆盆すぎて直も酷暑は収まらず 赤とんぼとて飛びゆけれども
【詞書】ゴルフの松山選手を詠ませて頂きました。
☆パリ五輪メダル獲得しても猶 アメリカツアー10勝到達
【詞書】兵庫県知事で詠ませて頂きます。
☆兵庫知事 次々問題出て来れど 謝罪の言葉は一切も無し
                         西BOOさん
【解説】
 「酷暑」「ゴルフの松山選手」「兵庫県知事」と、今回もホットな
 時事を中心に三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、7月、8月と依然として炎暑、酷暑が続きお盆が過ぎても
 中々おさまらない暑さですが、そんな中でも詠まれているように
 アキアカネが飛び、季節の確かな移ろいを感じさせてくれます。
 燃えたつような炎暑の中でも、トンボたちは季節を感じ自らの命を
 全うするように健気な営みを続けています。その存在に厳粛な想いに
 させられますが、そんな想いをかき立てられる歌でもあります。
 二首目の歌、松山選手のタフさにはいつも驚かされますね。
 「アメリカツアー10勝到達」がいかに凄いことであるかを
 さりげなく詠っている所が、この歌の凄さでもありますね。
 三首目の歌、彼のような人格を持つ知事が選挙で選ばれてしまう
 今の選挙制度の怖さを感じます。「リーダーとは」を、改めて
 彼に、県庁職員の方に、さらに県民の方々にも自問して頂きたいと
 痛切に思います。

【詞書】まだまだ暑い日が続きますが、朝夕など少し秋の気配を感じる
  事があります。「秋澄む」「秋気澄む」の季語で、三首詠みましたので
  出詠します。
☆ゆうゆうと鳶舞ふ空を見上ぐれば 雲の行方に秋澄みゆけり
☆住吉の本殿開き おごそかに 秋気澄みたる婚礼はじむ
☆手水鉢の小さき竜の吐き出せる 水の音にも秋の気澄めり
                         みっちっちさん
【解説】
 俳句の季語「秋澄む」「秋気澄む」を用いて、秋の澄み切った空気と広大な
 空を、短歌で表現して頂きました。
 一首目の歌、上の句「ゆうゆうと鳶舞ふ空を見上ぐれば」は、空を舞う鳶の
 姿に、秋の澄み切った空気と広大な空が象徴的に表現されています。作者は、
 この鳶の姿を目にすることで、秋の深まりを感じている様子が伝わって来ます。
 下の句の「雲の行方に秋澄みゆけり」では、雲の流れによって、時間の経過や
 季節の変化を象徴し、鳶の姿と雲の流れを結びつけることで、秋の訪れを
 より鮮やかに描き出しています。
 また、悠々と空を舞う鳶の姿や、刻々と変化する雲の流れが、視覚的な
 イメージを鮮やかに表現して描写力に優れた作品になっています。
 三首目の歌、「秋の気澄めり」の「気」の表現に工夫の跡が見られます。


     「未だ咲く 高砂百合」

【詞書】お盆行事も済んで日も暮れて・・・、故人を偲ぶいつもの静かな
  お盆でした。
☆静かなる笑みを浮かべる遺影へと 問えば答える朝に夕べに
☆紡ぎこし思い出の糸たぐるごと 寄り添いて座す盆の提灯
☆追憶の海のインディゴ蘇る あの夏の日のきみのジーンズ
                         夕庵さん 
【解説】
 三首の歌いずれも、故人となったご主人を偲び、盆の夜に静かに心を
 寄せ合う様子が、美しい言葉で表現されていて心に響いて参ります。
 特に二首目の歌は、上の句でご主人との思い出を糸のように紡ぎ出す
 様子が目に浮かびます。「たぐるごと」という言葉が、思い出を一つ
 一つ丁寧に引き出す動作を表し、作者の心の動きが伝わってきます。
 下の句では、 盆の提灯の灯りが作者と故人の心を優しく繋いでいるような、
 温かな情景が浮かびます。「寄り添いて」という言葉は「盆の提灯」に
 託しながら、二人の心の距離の近さを表し静かで穏やかな時間が流れている
 様子が感じられます。
 また、故人を偲ぶ作者の切ないながらも温かい気持ちが、言葉の端々から
 伝わってきて、私達もしみじみとさせられます。
 三首目の歌、夏の海の鮮やかな藍色は、かの日の君のジーンズの青にも
 重なって思い出されたことと思います。青春そのものの象徴であった夏の
 日のジーンズ。彼との日々が、くっきりと浮かび、寄せては返す波のごとく
 尽きることもない。そんな想いが爽やかに表現されています。

【詞書】地震台風豪雨雷猛暑
☆大地大気が怒り
  警鐘を轟かす

   生き残れる場所は?
        どこへ?
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 8月に入って、大地震(8日日向灘と南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)、
 9日神奈川県西部)、台風(5号及び7号)、ゲリラ豪雨と、日本全体が
 被害の可能性があり、そして間には、相変わらず35℃以上の猛暑日で
 熱中症アラートが鳴り響いています。
 大地、大気が怒りだしたとしか思えない。
 今週も台風10号の上陸が予想されています。
 最近の情報を確認して、災害への備えと早め早めの行動で、十分ご注意下さい。
                         自閑さん
【解説】
 地球温暖化、南海トラフ地震、大規模台風、連続する猛暑日等々、詠われて
 いるように「大地大気が怒り」の様相を呈しています。「警鐘」も単に鳴らす
 のみでなく、「轟か」している所が、この歌の核心と
考えます。
 下の句の「生き残れる場所は? どこへ?」は、災害列島となった日本には
 もはや安全な場所は無いとのメッセージが込められていると感じました。
 それでも・・・「どこへ?」と考える大半の人々の想いを、諾いつつも
 「そんな場所は無い」との作者の秘められたメッセージが歌から響いてきます。
 遠い道のりになっても「CO2削減」等への取り組みを含めて、地球温暖化へ
 国際的な取り組みが喫緊の課題となっている旨を改めて認識したいと思います。
 それは、国家間の戦争をしている猶予は、今の地球には無いんだとの大きな
 そして、深いメッセージでも
あると理解しました。
 なお、【短歌説明】で触れて頂いた台風10号の進路は、未だ定まらない
 部分もありますが、九州に上陸後、列島の南端を縦断する予報も出ています。
 大きな
被害にならないよう祈りたいと思います。

     「咲き盛る 百日草」

【詞書】26日の午後4時前から母や父の通販などの払い込みやらも兼ねて、
  買い物に出ました。青空も見え、けっこう涼しい風が吹いていた
  宇治川べりを自転車で走り、平等院参道の郵便局へ。その後、
  コンビニ払いの物の支払いと、スポーツ紙5紙を買う為にコンビニへ。
  支払いと(1紙は売り切れだったので)4紙のスポーツ紙を買って、
  自転車を出そうとしてふと、駅の方向を見た時に、東の方の空に虹🌈!
  おおっ!久々っ!!(ここんとこ何度か雨上がりとかに見られれば…と
  空を見に行ったりしたんですが振られ続きで…)よっしゃスマホで
  写真や!…ん?あれ?……あかん!忘れた!今日に限って…!!😨
  もう一軒駅の近くのコンビニで売り切れてたあと1紙を買って、
  一緒のタイミングで外に出た外人さんに「(その方向を指差して)
  レインボー!」って教えてあげて、もしかして当たるかな~と、
  少し先の宝くじ屋さんで100円スクラッチを2枚買ってみたり
  しました。(1枚100円  当たってました)…今回の写真は
  撮れませんでしたが虹🌈は好いですね!
☆コンビニを出て久々に虹を見た
      「よし、写真撮ろ🎵」「スマホ忘れた!」
【詞書】前述のスポーツ紙5紙、今回はこのライブの記事目当てでした。
  前回のTHE ALFEEさんに関しての歌と似通ってしまいましたが、
  この日行われた「THE ALFEE 50th Anniversary Premium Members
  Special Live」(於:有明アリーナ)は8月25日、彼等がALFIEとして
  4人でデビューした(デビューシングル「夏しぐれ」が出た)
  1974年8月25日からちょうど50年の日に開催された特別なライブ
  でした。オーケストラとの共演もあり、“誕生日”を祝うセレモニー
  もあり、桜井さんが高3の時出場した山野楽器主催のコンテストで
  歌ったというサイモン&ガーファンクルの「ボクサー」から始まって
  ALFEEさんの歴史を辿るような構成だったそうです。後半は
  オーケストラとの共演も…。過去にもオーケストラとの共演は
  あったし、CDもありますが、円熟味が増した現在の彼らの
  パフォーマンスは素晴らしいものであったというのが紙面からも
  ネットで見たファンの感想からも伺えました。以前にも聞いたことが
  ありましたが、「まだ夢の途中」というフレーズも、今回の「ALFEEの旅は
  終わりません」も、前回のイベントの「引退はしません!」もファンに
  とってはずっと(できる限り)ステージに立ち続けてくれるという
  約束のようなもの。…ありがたいです。
  彼等のファンになって良かった!なかなかライブには行けませんが…、
  いぜんライブで聞いた「僕らはいつもここ(ステージ)に居ます」の
  言葉を励みに日々何とか頑張っていこうかなあと思いました。
  ALFEEさん、50歳おめでとうございます!👏
☆THE ALFEE 50周年コンサート 
       特別な日をファンと祝いて
【詞書】台風10号が関西にも近づきつつあります。(8月27日)勢力が多少
  でも弱まる事をただ祈りたいと思います。
  台風近いと、いつもに増して頭痛も頻発するのがかなわんですわ…。
  (きつい…😥)それより、交通や河川、山間部に近い地域などの被害が
  あまり出ませんように…。
  台風は当初の予想より進路が九州の方面に振られた感がありますが、
  勢力が大きいままだとまた被害も大きくなるかもです。台風に先んじて
  ゲリラ豪(雷)雨も発生しているらしいですね。どうか皆様おつつが
  なきよう祈ります。(すぐに関西にも来るでしょうが…)
☆気持ち良く 涼しく優しく吹く風が
         牙を剥くんか数日後には
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「久々に虹」「50周年コンサート」「台風10号」とタイムリーな
 時事を中心に三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、「久々っ!!に見た虹」、それを撮ろうとしたところスマホを
 忘れたことに気が付き、その残念な想いが素直に詠まれています。ただ、
 残念さがそんなに深刻でないのはスクラッチが当選したからでしょうか。
 そんな想いも歌には滲んでいます。
 二首目の歌、THE ALFEEの熱烈な、そして長年にわたるファンとしての
 熱量がいっぱいに篭もった歌になっています。「ALFIEとして4人で
 デビューした1974年8月25日からちょうど50年の日に開催された特別な
 ライブ」は、ファンにとっても記念すべき大切なライブであり、それを
 詠み込んだ歌も「永久保存版」の歌でありますね。そんな高揚感を
 秘めた歌は、作者の想いが溢れるほどに籠っています。
 三首目の歌、台風10号は勢力をさらに増しつつ九州上陸後、列島の南端を
 縦断するとの最悪の予報が出ています。詠われているように「優しく吹く風が
 牙を剥くんか」は偽らざる想いですね。自然は常に牙を磨いていることを
 改めて心したいと思います。なお、台風が近づくと頭痛がするとのこと。
 急激な気圧変化故と思いますが、ご自愛願います。

☆五年ぶり夏の祭りも甦り 子も孫共に山車を曳きゆく
                         ポエット・M
【解説】
 コロナ感染症、団地の大型修繕等々で中止を余儀なくされていた夏祭りが
 私達の自治会で、5年ぶりに復活し8月24日に開催されました。今年度は
 自治会の責任者の一人として、このイベントに5月から取り組んで参り
 ました。自治会が中心となり、実行委員会を立ち上げ住民の皆さんの中で
 ノウハウを持ち練達な多くの方のお力も借りました。5年前の資料を参考に
 企画を練り、試行錯誤の後、ようやく実施に漕ぎ着けました。
 祭り当日は快晴に恵まれ、成人し団地から巣立っていった多くの子供達も
 それぞれ孫を連れて、夏祭りに参加してくれました。
 特に山車は幼稚園生から参加可能としましたので、親子三代で山車を引っ張る
 微笑ましい情景が多数生まれていました。子供達も外孫も含めて普段の数倍に
 近い子供たちが一つの山車を曳く様は壮観でもありました。
 ボランティア団体の協力も頂き、焼きそば、フランクフルト、かき氷、
 ビンゴゲーム、射的、抽選会、さらには盆踊りと盛り沢山のイベントに
 時間を忘れて興じることができました。そんな一齣を詠んでみました。


     「咲き盛る 百日紅 薄紅色」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(53)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
34.「短歌の章」 宗久尼の得度入山(1)

   愛憎の巷に生くるはかなさに    
           君黒髪を降し給へり
           
   一筋のあはれは残れ
         黒髪を降せし人の山篭り給ふ

   たたなはる奈良の山なみ目交ひに
             宗久庵の庵主となりぬ

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続いて掲載致します。
 fumiel-shimaさんから「水曜サロン」へ頂いたコメントです。

 水曜日の朝、パソコンを開く時に私の心に涼風が流れ、皆さんが詠われる
 日々の事象や小さな物語として語られる様々な思いや想いが、私の瞼に
 浮かぶ画像や光景と共にその涼しい風に乗って拡がって行くような
 気持ちになります。
 それは綺麗な写真や静止画だけではなく、その様々な思いが豊かな感性や
 感情で揺れ動く情景として眼に映るような気持ちになるのです。
 私自身は詠うことはできませんが、皆さんの気持ちに少しでも近づき、
 少しでも理解出来てその思いや想いを共有できれば・・と思うだけで
 その涼風に吹かれる自分を感じることが出来ると心が豊かになったような
 気がするのです。ありがとうございました。

 ポエット・Mの返信コメント

 いつも「水曜サロン」を見守って頂き、心に沁みる温かなコメントを
 お寄せ頂き、ありがとうございます。
 また、的確な歌評と、感想を頂き励みになるとともに、新たな視点を
 示唆され学びにもなります。
 fumiel-shimaさんの紡がれるコメントは、そのまま散文詩となり
 その情景描写や、心象表現の的確さには新鮮な驚きを感じています。
 「涼風に吹かれる自分を感じることが出来る」のは、fumiel-shimaさん
 の鋭敏な感性と、文学的素養故と思います。その、お眼鏡に叶うよう
 私達も表現と感性を磨いて参りたいと思います。
 なお、サロンに集うメンバーはfumiel-shimaさんからアドバイスや、
 エールを頂き、感謝するとともに、励みにしていると感じます。
 これからもよろしくお願い致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その146)ネット歌会

2024年08月28日 04時57分49秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その146)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 百日紅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆盆すぎて直も酷暑は収まらず 赤とんぼとて飛びゆけれども
                         西BOOさん
★幼子の帽子にとんぼのブローチを つけて歩けば蚊は寄りつかぬと
                         夕庵さん
★暑過ぎか全く蚊を見ぬひと夏に 去年のままの液体ベープ
                         西BOOさん
★温暖化に生態狂う恐ろしさ 人の命はおろそかならず 
                         夕庵さん

☆追憶の海のインディゴ蘇る あの夏の日のきみのジーンズ
                         夕庵さん
★お揃ひのジーンズまとひ 高原の風に吹かれし追憶の日よ
                         みっちっちさん
★二十歳の写真が語る思い出は キャンプに興じし初めてのジーンズ
                         夕庵さん
【詞書】親戚にサイパンで若く戦死した方がいます。いつも戦争の悲惨さに、
  私達は平和を絶対に守らなければならないと、思い新たに合掌します。
★サイパンに二十歳(はたち)戦死の碑の前に平和守らむ合掌しかと
                         みっちっちさん
★軍服の写真の叔父も晩年は書画たのしみて戦禍語らず 
                         夕庵さん

☆手水鉢の小さき竜の吐き出せる 水の音にも秋の気澄めり
                         みっちっちさん
★花手水 桔梗花びら敷き詰めて 清めの儀式もナイススポットに
                         夕庵さん
★お清めの水にひたりて花手水 うすむらさきもことさらに濃く
                         みっちっちさん
★花の寺 毎朝ひらく朝顔に 欠かせぬ水やり住職忙し
                         夕庵さん
★絵日記の朝顔の数 得意気に 父に見せたる遠き夏の日
                         みっちっちさん

     「未だ咲く 八重むくげ」

☆絵日記の朝顔の数 得意げに 父に見せたる遠き夏の日
                         みっちっちさん
★長年をメモ代わりにする日記帳 五年日記を三年日記へ
                         夕庵さん
★考(ちち)の字のメモ書きのある専門書 重くともなほ捨てられず持つ
                         みっちっちさん
★箸紙にメモを残して席を立つ 宴の雰囲気壊さぬように
                         夕庵さん
★わだかまり 友へ手渡すメモ書きは 涙に濡れし ごめんねの文字
                         みっちっちさん
★予定表今ではスマホに書き込めば 忘れることなく知らせてくれり
                         夕庵さん

☆死者たちの無言の叫びか蟬しぐれ 敗戦忌なお戦は止まず
                         ポエット・M
★無言館 画布に遺りぬ恋人よ 無念戦火に散りし若者 
                         夕庵さん
【詞書】無言館の館主、窪島誠一郎氏が開館の日に詠んだ詩の一節
  「…あなたが遺したたった一枚の絵だ。その絵に刻きざまれた
   かけがえのないあなたの生命の時間だけだ…」
★画学生 生きた証はキャンバスに 戦地に散るも想い遺れる
                         ポエット・M
★画学生の声なき声が地を這いて 愛しき人らを今も恋いしか
                         夕庵さん
★キャンバスに刻む命の絶唱か 無言館つつむ蝉しぐれして 
                         ポエット・M
★志 半ばに逝きし画学生 名残りの瞳の自画像に泣く
                         夕庵さん
★自画像の瞳に宿る志 半世紀越え耀き止まず
                         ポエット・M
★夏の日の笑顔の孫を描きくれし 義兄の遺品は納戸に眠る
                         夕庵さん
【詞書】返歌というより、お義兄様を偲んで詠ってみました。
★かの夏に義兄(あに)の描きし孫の顔 遺品となるも笑みを留めん
                         ポエット・M
★描かれたる孫も育ちてそれぞれの幼は絵を見て「これ!ママ!」という
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「雨に濡れる 芙蓉の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)

2024年08月21日 05時54分20秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 旧盆につき8月14日(水)のサロンをお休みさせて頂きました。
 ☆☆☆  皆様のご協力に感謝申し上げます。
 ☆☆☆  8月21日(水)から通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件関係各位と相談させて頂きました。ありがとうございました。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 百日紅 白色」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  1首、紫式部集より1首の計2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・30幻
  歌の背景
   光源氏五十二歳。紫の上が亡くなり、春が過ぎ、夏が過ぎ、神無月に
   なった。源氏はこの世にはない亡き人のことを思ってもの思いに
   沈んでいる。出家する決心をすると、御文なども皆焼かせてしまう
   のだった。
〇大空を かよふ幻 夢にだに 見えこぬ魂の 行方たづねよ  光源氏
(返歌)
☆大殿は 愛する人の お別れを 出家する決意 お固めなるも
註)紫式部集・30 
〇よもの海に 塩焼く海人の 心から やくとはかかる なげきをやつむ  
(返歌)
☆あなたさま 恋に身を焼き 重ねては 自ら好む 仕事にもして
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目の光源氏の歌は「大空を自在に通うという幻術士(まぼろし)よ。
 夢にさえ現れて来ぬあの人の魂の行方を捜し出しておくれ」と意訳できます。
 光源氏の生涯を描いた『桐壷』から『幻』までの源氏物語は、最初と最後に
 同じ幻術士歌が置かれています。極論すると最愛の人の死ではじまり、最愛の
 人の死で終わる構成となっています。そして亡くなった妻への想いを、父も
 子も大空を渡る「幻術士」に託していると考えます。しかし、どんな歌を
 詠んだところで詮なきことに変わりはない、との無常観は紫式部の、この物語を
 貫く哲学との想いが致します。これらを踏まえると必然の流れで、作者の
 返歌で詠われたように「出家する決意」に繋がっていくものと考えます。
 二首目の歌は、「あちこちの海で塩を焼く漁師が投げ木を積むように、あなたは
 自分からいろんな人に言い寄っては嘆いてるんじゃないの」と意訳できますね。
 夫となる宣孝が歌絵に、漁師が塩を焼いている絵を描いて贈ってきたので、
 積み上げられた投げ木のそばに歌を書いて返歌したものとのこと。「投げ木」は
 塩を焼くための薪で、「投げ木」と「嘆き」を懸けています。この歌への
 作者の返歌は「恋に身を焼き 重ねては」と、宣孝の浮名を流す様子を皮肉って
 あきれる様子が詠われていて的を射ていると考えます。
 作者の意図をさらに進めて直截に表現してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★よもの海の乙女に歌を贈りては ふられ嘆くはお止めなされば

【詞書】暑さを詠ませて頂きます。
☆車乗り熱気でエアコン付けるとも 熱風を浴び悲鳴をあげる
【詞書】持病を詠ませて頂きます。
☆持病ゆえ暑さゆえかな疲れかな 外出時起く突発眩暈
【詞書】お盆を詠ませて頂きました。
☆お盆にて御供えをして身にしみる 目犍連の亡母への愛
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「車のエアコンの熱風」「突発眩暈」、追加で「お盆」と身近な
 テーマを丁寧に詠って頂きました。
 一首目は、今の季節、皆さんが日々経験されていることですが、詠われると
 「ここにも歌の種」があったと改めて気付かされます。
 最近は車のエアコンも性能が上がり短時間で冷却が始まるようになりましたが
 詠われているように、スイッチを入れた瞬間は「熱風を浴び」る状況となります。
 下の句の「悲鳴をあげる」に実感がこもっています。
 二首目の歌、今の炎暑の季節、健康な方でも外出は「命の危険」を覚悟せざるを
 得ません。まして持病を持っている方には厳しい状況と考えます。しかし、仕事、
 用事等々で外出せざるを得ませんが、詠まれているように「突発性眩暈」が
 おきる状況は要注意ですね。くれぐれもご自愛の程をお祈り致します。
 三首目の歌、目犍連(もくけんれん)は、お釈迦様の十大弟子のひとりで、
 地獄で苦しむ母を神通という超自然的な能力で救い出しました。これらをはじめ、
 神通により多くの方を救い、すぐれ実績を残していたため神通第一の人と
 称されたと言われています。
 この目犍連の母への愛を、お盆のお供えを通して身に沁みたと詠う作者。母への
 想いは目犍連を凌ぐものがあろうかと感じます。このように作者に思われる続ける
 お母様は幸せな方と改めて思います。

     「未だ咲く 鹿の子百合」

【詞書】ちょっと趣きを変えまして、夏の季語である「サングラス」で
  三首詠んでみました。
☆薔薇色の口紅しかと サングラス 無敵の気分で街を闊歩す
☆ゆきづりのややの可愛さ サングラス取りてあやせば笑顔の道中
☆サングラス取りて戦ふ女より 厨の妻へ エプロンを掛く
                         みっちっちさん
【解説】
 一首目の歌は、日常とは少し異なった口紅で決め、サングラスをかけ高揚した
 気分で街を歩く様子を「街を闊歩す」と表現しています。これは、女性たちが
 密かに秘める変身願望を詠んでいるとも感じます。
 薔薇色は女性らしさや華やかさを象徴する色であり、ルージュをぬって
 顔立ちを引き立てることで、幸せ感や自信を深めることができることを
 示唆しているように思います。
 下の句の「無敵の気分」は、変身した自分の高揚感への自信と魅力を感じる
 瞬間を表しているのかも知れません。
 三首目の歌は、情景を対比的に鮮やか描き出すことで、奥深い意味合いを
 孕んでいることを表現していると感じます。
 サングラスは、作者が外界から自分を守るための障壁、あるいは仮面とも
 読めますが、それを外し、「厨の妻へ」話は急転し、舞台は家庭のキッチン
 へと移ります。この展開は自ら選んで自覚的に行うところがポイントとも
 感じます。なお、「サングラス」「エプロン」といった具体的な言葉が、
 情景を鮮やかに描き出していて見事です。

【詞書】開選手はインタビューに「東京大会はチャレンジャーだった。今回は(メダルを)
  狙っていました」と言ったとか…自信と闘志が
パフォーマンスからも感じられました。
  この3年、年若い彼女には
メダリストとしてのプレッシャーやプライドや色んな思いが

  あったかと思いますが、迫力のある軽やかなパフォーマンスは見ていて気持ち
  良かったし、素晴らしかったです。表彰台に
乗った人、乗らなかった人も素敵な
  スケーティングでした。

  それにしても、スノボとかもそうですが実況大変ですよねー…。“540”とか何回転
  なんや?!って一瞬思います。(1回転半でしたか)
解説の人の「行け!行けー!」には
  こちらも思わず「行けー!」と
続きました。(夜中に何を…😅)

  夜中にスケートボードの“パーク”を途中から見ていて、3年前の“東京2020”で実況の
  フジテレビの倉田アナウンサーが
「13歳!真夏の大冒険!!」と叫んだ開 心那(ここな)
  選手が、身長も
20センチ以上高くなって、より迫力のあるスケーティングで五輪の

  会場に戻ってきて、見事に二大会連続のメダルを獲得しました。
  彼女のファッションがグレーのチューブトップに白いシャツを羽織り、長い髪は
  束ねたりせず背中にながした状態でメダル確定、
あとはメダルの色という中で
  圧巻のパフォーマンスをやり遂げ
ました。青空の下パフォーマンス後に、それぞれ
  ライバルだったり
競い合ったりしている相手かも知れないけど、お互いを
  リスペクトし、
笑顔でハイタッチやハグをする選手達の何とも軽やかで楽しげな

  様子は見ていても楽しかったです。で、彼女たちを見ていて一首詠みました。
☆白いシャツはためかせ髪なびかせて 
      “パーク”で少女は軽やかに舞う
【詞書】先日8/17、18にKアリーナ横浜にて「U-NEXT Presents THE ALFEE2024
  Wind of Time50年目の夏祭り」が開催されました。
  私は参加は出来ませんでしたが、ネットでいろいろレポートしている方の
  記事を読んだり、Xで参加されたファンの方々の投稿を読んだり、
  (これは久々にやりましたが)スポーツ紙を手に入る5紙買ったり(東京中日
  スポーツも欲しかった…もしかしたらJR宇治なら有ったのかも)…。いや~、
  やっぱしALFEEさんは良いです。😸
  曲目(今日びはセトリ…セットリストと言うとか)はシングル曲あり、
  デビュー直後の4人時代の曲有り、当然のようにアルバムの中の名曲有り、
  最新のシングル曲有り…とバラエティ豊かで、“LONG WAY TO FREEDOM”と
  いう歌では高見沢さんがフライングをするという、初めてライブに行った
  人やALFEEさんをあまり知らない人が見たら度肝を抜かれそうな演出や、
  コントなど(←ファンは期待していたりします)ただでさえきっと盛り
  だくさんだったでしょうに今回はTHE ALFEEさん初の“音頭”!!それも、
  彼らの歴史に燦然と輝くあの「メリーアン」が“音頭”になったという、
  「メリーアン音頭」も有りました!
  事前にYouTubeでの振り付け動画が出ていたので、恐らく皆さん覚えて
  踊られたようですし(ツアー終盤で披露されていたからある程度ファン
  には馴染んでいたかも…)8月初旬の青森ねぶたに参加した
  “THE ALFEEねぶた”の映像もバックに映されていたというからまさしく
  “祭り”の雰囲気が盛り上がったことと思います。
  高見沢氏はステージで、「まだまだ伝えたい歌がたくさんあります」
  「引退はしません」と力強い言葉をファンに語ったそうです。8月18日の
  ライブで2919本を駆け抜けたTHE ALFEEさん。3000本にも意欲を見せている
  そうで、「あの人らならやりかねん…いや、やりはるやろなあ…きっと
  やりはる!」と思わずには居られません。
  前日まで台風などありましたが、(17日に新千歳空港で足止めされた
  ファンの方も居はったとか…間に合ったならいいんですが)とりあえず
  無事に終わって良かったです。THE ALFEEさん、デビュー50周年
  おめでとうございます!…春か秋のツアーでも、いつか又行きたいなあ…。
☆THE ALFEE 「50年目の夏祭り」
     初の“音頭”で皆♪めり~あ~ん♪
【詞書】8月17日、第106回全国高校野球選手権大会11日目の島根県大社高校
  VS西東京早稲田実業で延長11回タイブレークの末、早実を下し、93年振り
  に大社高校が準々決勝進出を果たした…。実に凄い闘いでしたが、その
  興奮も冷めやらぬ19日の第4試合。鹿児島…いや九州の強豪神村学園との
  対戦でアルプススタンドに集った2800人の大応援団の声援を受け、
  二度も強豪を打ち破った大社高校が熱い闘いを繰り広げました。結果は
  一時同点に並ぶも6回以降に6点入れられ、2-8で敗退しました。が、9回裏で
  満塁にするなどどこまでも粘りと“執念”(記録員の女子部員が小さな
  ホワイトボードに書いていました)を見せて躍動した大社高の球児たちは
  熱く爽やかな感動をもたらしてくれました。話題にもなりましたが、
  大応援団の声援と大社高にとって“魔曲”となった「サウスポー」
  (ピンクレディー)。いや凄い迫力でした。他の曲も、プロのトランペッター
  で吹奏楽部の指導もしているというOBの方も加わって甲子園じゅうに
  響きまくってました。🎵こんなにわくわくどきどき💓高校野球は
  やっぱり面白い!!対戦した神村学園さんも(野球部じゃなかったかも
  ですが宇治にも時々来てくれてました。赤いバスが印象的でした)
  お疲れさまでした。大社高校の皆さんフィールドの人達もスタンドの
  方々もお疲れさまでした。私も母(島根の西部、安来市出身)も
  めちゃくちゃ楽しみました。熱闘ありがとうございました!
☆歴史変え 記憶に残る熱闘よ
       大社高校旋風起こす

                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌、詞書で説明頂いたように、パリオリンピックのスケートボード、
 女子パークで決勝が行われ、15歳の開心那選手が2大会連続となる銀メダルを
 獲得しました。
開選手とともに表彰台に立ったのは、ともに日本人の母親を
 持つ
日本にルーツのある2人の選手でした。

 開選手は「自分の出したいものを出し切れた。メダルを取れてうれしい気持ちも
 あるが、また銀メダルであと一歩、届かなかった
ので悔しい気持ちもある」と
 心境を話していましたね。

 上の句の「白いシャツはためかせ髪なびかせて」の表現は爽やかそのものです。
 また、スケートパークで鮮やかに舞う少女たちを
象徴的に優しく表現していると
 感じます。このようなスポーツ詠も
いいものですね。私達も意識的に挑戦したい
 ジャンルと感じます。
 二首目の歌、THE ALFEEデビュー50周年を記念する「50年目の夏祭り」の
 コンサートの様子が、熱烈なフアンならではのハイテンションで詠まれ
 こちらまで感動が伝わって来ました。「スポーツ紙を手に入る5紙を買う」
 のは、その表れでもありますね。
 THE ALFEEの歴史に刻まれた「メリーアン」が“音頭”になったという、
 「メリーアン音頭」も会場で踊られ「祭り」を盛り上げた様子が歌からも
 溢れています。こんな愉快な短歌もいいものですね。
 三首目の歌、第106回全国高校野球選手権大会11日目に、島根県の県立高校
 である大社高校が、93年振りに準々決勝進出を果たしましたね。私達も
 思わず応援してしまいました。いわゆる「野球高校」ばかりが勝ちあがる
 今の甲子園大会の中にあって、大半を県内メンバーでチームを構成する
 大社高校の活躍は、真っ当であり爽やかさを感じました。
 詠われているように「記憶に残る熱闘」であり、「旋風起こす」試合で
 あったと思います。大社高校のナインに捧げるべき最良の一首でもありますね。


     「未だ咲く むくげの花」

【詞書】お盆を迎えて1首
☆うつらつら浅き眠りの見る夢に願い叶えて君よ出でませ
【詞書】8月より早朝散歩を始めています。5時過ぎより30分ほど心地よい汗を
  かいています。

☆早朝の空気は青しあたらしき道を曲がれば露抱く木槿
☆朝一番の風はそよりと身に触れて今日の始まりシューズも軽し
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、お盆には亡くなった方が戻ってこられると言われています。
 詠われているように、せめて「夢に…出でませ」は作者の偽らざる想いであり
 願いでもありますね。 亡くなられた方を思う温かい心と、その方
との再会を
 願う切実な気持ちがストレートに表現されて、作者の切ない
想いがしみじみと
 伝わって来ます。

 二首目の歌、上の句の「早朝の空気は青し」で、一日の始まりを告げる
 澄み切った朝の空気が、視覚的に鮮やかに描き出されています。この「青し」
 という言葉は、単に色の情報だけでなく、朝の清々しさや静けさ
なども含意して
 いるように感じられます。

 また、「あたらしき」という句は、心に広がりを持たせ様々な解釈を可能にし
 短い歌の中に、広大な世界が広がっているような、余韻のある歌にしています。
 三首目の「シューズも軽し」に、一日の始まりと、早朝散歩へのワクワク感が
 爽やかに表現されています。今の季節、早朝散歩はいいですね。いうまでも
 ありませんが、水分補給は十分なされますように…。

【詞書】YouTube短歌:高石ともやさん死去
☆豆単を覚えて役に立たない
     √、Σ、半世紀使っていない
【短歌説明】
 高石ともやさんが、お亡くなりになりました。
 1968年の歌だが、毎年冬になると、ラジオで流れていました。
 今も受験生は同じだろうか?
 ちなみに豆単とは、「赤尾の豆単」と言って、英語基本単語熟語集の事です。
 必死になって覚えたが、今は1単語も覚えていません。今も受験生は、使って
 いるのだろうか?
 ちなみに、√3だけは、よくジョークで言っていました。ヒトナミニオゴレヤ。
 ご冥福をお祈りします。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9f2667d660a1a61640eb51ce18a771f5
                         自閑さん
【解説】
 懐かしい「豆単」の語に久しぶりに触れました。今でもあの手触りを懐かしく
 思い出します。短歌説明にありますように、必死で覚えたはずなのに結構
 忘れ去っている語は多いですね。しかし、その努力は血肉になっている…と、
 信じたいと思っています。また、Σはその後統計等で鍛えられた記憶があります。
 「関西フォークの旗手」として、1960年代後半から日本のフォークソング界を
 けん引してきた歌手高石ともや。「受験生ブルース」は彼の代表曲の一つですが
 あの軽やかな曲と、「サインコサイン何になる」等の辛辣な歌詞との落差に
 妙に惹かれた記憶があります。
 詠われている下の句の「√、Σ、半世紀使っていない」の「√、Σ」は、
 数学の基礎でしょうが文系の方の率直な想いかと思います。思えば今も、昔も
 受験生は理不尽な状況の中で苦闘を強いられていると感じます。そんな彼らの
 胸に「受験生ブルース」は沁み込んでいったのかも知れませんし、その真髄を
 凝縮し、作者は端的に詠いきっていると感じます。歌から高石ともやのもつ
 ユーモアのセンスも光っています。改めてご冥福をお祈り申し上げます。

☆死者たちの無言の叫びか蝉しぐれ 敗戦忌なお戦は止まず
                         ポエット・M
【解説】
 炎暑の中で原爆忌、終戦忌と8月は戦に関わる哀しい記念日が続きます。
 このような日々にも、短い命の日々の絶唱とも言える蝉時雨が響きます。
 蝉しぐれは、夏の到来を告げる生命力あふれる蝉の声ですが、この声が、
 先の大戦で逝った多くの人々の無念の叫び声に重なって感じられます。
 そして、79回目の敗戦忌を迎えてもロシアによる侵略戦争や、ガザの
 殺戮等々未だ理不尽の戦が続いています。そんな日々への想いを詠んで
 見ました。
 なお、上の句は「か」を加えることによって「字余り」となりますが、
 「か」という助詞を用いることで、蝉しぐれが単なる自然の音ではなく、
 死者たちの魂の叫び声と重なり合っているという、想いを表現して
 みました。

     「咲き盛る 夾竹桃 白色」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(52)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
33.「短歌の章」 はん女の舞(2)

   世阿弥作る「松風」を演ずる能舞台     
           須磨の浦わに 僧一人出づ
           
   恋に果てにしおみな うつつに現れて
         まぼろしに舞ひて 消せにけるかも


   須磨の浦 うつせみの世をはかなみて
             僧去りしあとは 松風の音

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続いて掲載致します。
 fumiel-shimaさんから「水曜サロン」へ頂いたコメントです。

 水曜日の朝、パソコンを開く時に私の心に涼風が流れ、皆さんが詠われる
 日々の事象や小さな物語として語られる様々な思いや想いが、私の瞼に
 浮かぶ画像や光景と共にその涼しい風に乗って拡がって行くような
 気持ちになります。
 それは綺麗な写真や静止画だけではなく、その様々な思いが豊かな感性や
 感情で揺れ動く情景として眼に映るような気持ちになるのです。
 私自身は詠うことはできませんが、皆さんの気持ちに少しでも近づき、
 少しでも理解出来てその思いや想いを共有できれば・・と思うだけで
 その涼風に吹かれる自分を感じることが出来ると心が豊かになったような
 気がするのです。ありがとうございました。

 ポエット・Mの返信コメント

 いつも「水曜サロン」を見守って頂き、心に沁みる温かなコメントを
 お寄せ頂き、ありがとうございます。
 また、的確な歌評と、感想を頂き励みになるとともに、新たな視点を
 示唆され学びにもなります。
 fumiel-shimaさんの紡がれるコメントは、そのまま散文詩となり
 その情景描写や、心象表現の的確さには新鮮な驚きを感じています。
 「涼風に吹かれる自分を感じることが出来る」のは、fumiel-shimaさん
 の鋭敏な感性と、文学的素養故と思います。その、お眼鏡に叶うよう
 私達も表現と感性を磨いて参りたいと思います。
 なお、サロンに集うメンバーはfumiel-shimaさんからアドバイスや、
 エールを頂き、感謝するとともに、励みにしていると感じます。
 これからもよろしくお願い致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (16)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)ネット歌会

2024年08月21日 05時41分27秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その145)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 旧盆につき8月14日(水)のサロンをお休みさせて頂きました。
 ☆☆☆  皆様のご協力に感謝申し上げます。
 ☆☆☆  8月21日(水)から通常通りの掲載と致します。
 ☆☆☆  本件、関係各位と相談させて頂きました。ありがとうございました。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 百日紅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆車乗り熱気でエアコン付けるとも熱風を浴び悲鳴をあげる
                         西BOOさん
★快適な車より一歩踏み出せば 街はのたうち熱風襲う 
                         夕庵さん
★怖ろしい異常気象の今夏なり 来年もはや予測不可能
                         西BOOさん
★襲いきしまたも大地震(おおない)日向灘 南海トラフト予想の不安
                         夕庵さん
★政府より注意予報が出されるも トラフ圏外 神奈川揺れる
                         西BOOさん
★もう一度防災グッズを点検す 「ペットがいます」の札も忘れず 
                         夕庵さん

☆朝一番の風はそよりと身に触れて今日の始まりシューズも軽し
                         夕庵さん
【詞書】コロナ禍でジムが休みになった頃、2.3か月、毎日ランニング
  してました。楽しかったなと懐かしく思い出します。
★靴ひもをきりりと締めて ランニング 万緑に息弾ませながら
                         みっちっちさん
★ウオーキング坂道多き我が町は付加価値なりと息も弾みて
                         夕庵さん
★坂の家(や)に見る遠花火 ぱつと散り 刹那の闇に遅れくる音
                         みっちっちさん
★漆黒の夜空に咲きし遠花火 胸に残りし 闇裂く音は
                         夕庵さん
★闇を裂く最終列車のベルの音 涙の横顔 今もまなこに
                         みっちっちさん
★会う友はいかな苦悩を持ちいるや 尖りし顎の寒き横顔
                         夕庵さん
★舵のなき船のごときの苦悩とふ 赤き日没 ムンク叫びぬ
                         みっちっちさん
「参考歌」
◎死に近き母に添い寝のしんしんと遠田のかはづ天にきこゆる 斎藤茂吉
★故郷の山に分け入り母の死を受け止めむとす茂吉の「赤光」
                         夕庵さん
★故郷の山なだらかに眺めども 人の命のはかなきものを
                         みっちっちさん
★生きるのも強運なのか不穏な世 いよよ難しや高齢者には
                         夕庵さん
★のんびりと生きたきやうに生くるのみ 楽観者とぞ呼ばるる我よ
                         みっちっちさん
★山河と過ぎこし日々を懐かしむ いま穏やかに愛しこの身は
                         夕庵さん
★父母のおかげぞ この身 健やかに あるは感謝の先祖の供養
                         みっちっちさん
★信じよう あなたは光 星になり 大空を舞う千の風とう
                         夕庵さん
★あの星に 父母おはす 万緑を渡る風にもしみじみ嬉し
                         みっちっちさん
★早朝の忍びの風にひと心地 極楽風はマンション10階 
                         夕庵さん

☆薔薇色の口紅しかと サングラス 無敵の気分で街を闊歩す
                         みっちっちさん
★サングラス取らねば解ってもらえぬか 薄いヴェールで覆われし街
                         夕庵さん
★ヴェールめく夕闇に肩 触れたるは 昔どこぞで逢ひし人かや
                         みっちっちさん
★夕闇にほんのり開く夕顔は 花の白さに想いを残し
                         夕庵さん
★夕闇に色をあざやぐ合歓の花 雨の雫に甘き香ほのと
                         みっちっちさん

☆あの星に 父母おはす 万緑を渡る風にもしみじみ嬉し
                         みっちっちさん
★亡き人も今宵帰らむ送り火に いづくの星や道案内(あない)せよ
                         夕庵さん
★送り火を揺らしつ帰る父母よ あの輝ける星におはすや
                         みっちっちさん
★送り火の炎は高く揺らめきて 名残惜しむや灰と残れり
                         夕庵さん
★送り火の煙は高く 天空の いづこへ父と母連れ昇る
                         みっちっちさん
★精霊を送る五山の送り火を 心のなかにしかと灯しぬ  
                         夕庵さん
★大の火を四条の橋に見し夜よ 君の肩へと熱き頬寄せ
                         みっちっちさん
★大文字 妙法 船形 鳥居形 炎は照らす冥土への道 
                         夕庵さん
★冥土への道は果てなく 紺碧の 空のいづこへ父母おはす
                         みっちっちさん
★魂はいずこを浮遊しているや 問えば悩みて励ましくるる 
                         夕庵さん
★千の風吹けばそこにぞ たましひの 優しき声がほら耳元に
                         みっちっちさん
★真実の優しさを知るときもあり 言葉の裏にこそ隠されて
                         夕庵さん

     「デュランタに憩うアゲハ蝶」

☆咲きてなお哀しみ秘める月下美人 一夜のいのち悟りしゆえか
                         ポエット・M
★宿命の月下美人の一途さに 時間(とき)を惜しみて花に寄り添う
                         夕庵さん
★月影をまといて咲くや月下美人 星と月とに添いとげるがに
                         ポエット・M
★今宵こそたった一夜の逢瀬とて 月下美人の開く満月
                         夕庵さん
【詞書】月下美人に寄せて、月光の下での物語を紡いでみました。
★望月の一夜逢瀬の哀しさよ 月下美人の花のみ知るや
                         ポエット・M
【詞書】花言葉は「たった一度だけ逢いたい」だそうです。
★人目をも忍びて逢えるよろこびに 月の出るのを身をよじり待つ
                         夕庵さん
★逢える日を指折り数え待つ宵に 匂い切なや月下美人の香
                         ポエット・M
★豊潤な匂いに満ちて月下美人 たゆたう刻のはや朝ぼらけ
                         夕庵さん
【詞書】「物語 その2」を紡いでみました。
★後朝(きぬぎぬ)の香り哀しや月下美人 一夜の夢も霧にまぎるる
                         ポエット・M
★有明の月は幻 白衣(しらぎぬ)を しずかにたたむ月下美人は 
                         夕庵さん
★白衣(しらぎぬ)に 香る余韻も秘めいるや 月下美人の花ふさ揺れて
                         ポエット・M
★酔いしれて夢か現(うつつ)の月下美人 残り香あわれ 明けの三日月
                         夕庵さん
★酔いしれて夢に遊ぶや花の精 月下美人は 香のみを残し
                         ポエット・M
★ふたたびの逢いを夢見る月下美人 心足らいて眠りの深し
                         夕庵さん
★甘き香に包まれながら夢に見る 君はほほ笑み 月影に舞う
                         ポエット・M
★舞姫は白きベールをひるがえし 甘き香零す 月は冴え冴え
                         夕庵さん
★舞姫の忘れしベールの残り香に 疼く想いを 月に呟く
                         ポエット・M
★シャンプーの香りを残す童女にも 女 確かに息づきてをり
                         夕庵さん
★蝉しぐれ 祭りばやしに童うた 今もまぶたに ふる里の夏
                         ポエット・M
★浴衣着て下駄をならして夏祭り 金魚すくいのポイの憎らし
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る ノウゼンカズラ」

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コメント (27)
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