第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その163) 短歌の投稿を歓迎します!!
☆☆☆ 巳年の初春をお慶び申し上げます。本年もよろしくお願い致します。
☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
第二部 「ネット短歌」 :返歌専用です。
「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。
「咲き初める 日本水仙」
「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」
【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
今年もよろしくお願いします。
「18.明石(あかし)明石の君」
須磨で源氏を襲った嵐はなお続いていた。紫の上からの使者によると
都でも天変地異が続いているという。雷雨の中、源氏は住吉の明神に
祈りを捧げる。風雨が静まったころ、まどろむ源氏の夢枕に故桐壺帝が
立ち、この地を去るように告げる。奇しくも翌朝、明石の入道が源氏を
迎えに現れる。入道も源氏を迎えるお告げを明石で得ていた。明石に
移った源氏は、都にも劣らない暮らしぶりに心を落ち着ける。入道は
源氏に大切に育てた娘(明石の君)のことを持ちかける。入道の期待を
受け、源氏は明石の君に手紙を送るが、身の程を知る姫はなかなか
なびかない。一方都では凶事が続いていた。朱雀帝は桐壺院の幻を
見て、眼病を患う。源氏への不遇が原因と考えた帝は源氏を都へ
呼び戻すことを考える。 八月十三日、ついに源氏と明石の君が
結ばれるが、紫の上を思う源氏は明石の君を冷遇する。明石の君は
想像通りの事の運びに深く思い悩む。 年が変わり、源氏は赦免され、
都への帰還が決まる。同じ頃、明石の君は懐妊し、源氏は再び明石の
君に心を寄せる。明石の君に執心しながらも、源氏は2年ぶりに都に
戻り、権大納言に昇進、久々に帝と対面した。
〇むつごとを 語りあはせむ 人もがな
憂き世の夢も なかば覚むやと 光源氏
註)男女の語らいをできる相手がほしいのです、この辛い世の夢が
いくらかでも覚めやしないかと
〇明けぬ夜に やがて惑へる 心には
いづれを夢と わきて語らむ 明石の君
註)明けない夜の闇にそのまま迷っている私の心には、どちらが夢か
現実か判別してお話しすればよいのでしょうか
(返歌)
☆気品あり 奥ゆかしさの 雰囲気で 情が深まる 明石の君に
☆明石の君 光源氏と すれ違い 身投げしたいと 思い悩むも
浅間山明鏡止水さん
【解説】
作者の 註)にもありますように光源氏の歌は「愛の言葉を語り合う
あなたのような方がいれば、悩みの多いこの世の夢も覚めてしまう
でしょう」と意訳出来ます。
この歌を贈られた明石の君は「明けることのない夜に惑える私の心は
夢か現実かもわかりません」と、想いのこもった返歌をしています。
その後、かたく結ばれた二人は運命の波に翻弄されますが、光源氏に
とっては、人生を大きく好転する起点ともなっていきますね。
このような背景を踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きますと、
いずれも光源氏と、明石の君へ寄り添った歌になっていると感じます。
それぞれの想いをもう一歩進めて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★君ともに 想い深めるこの宵に 憂さもいつしか 薄らいでゆく
★明けぬ夜を 吾をいだきて祓う君 惑える我の光明なれや
【詞書】庭の椿の花を詠ませて頂きたいと思います。
☆寒風に負けじと開花白椿 降りたる雨も雪になりそな
【詞書】クワガタの冬眠を詠ませて頂きたいと思います。
☆クワガタが冬眠に入り動かない 年甲斐もなく啓蟄を待つ
【詞書】新春詠を一首追加します。
☆年始め何より先に祈り給う 能登に御神の御加護のあらむ
西BOOさん
【解説】
新年に追加頂き、三首の歌を詠んで頂きました。
一首め歌は、自然の厳しさと白椿に寄せる作者の優しさを感じ
させる詩情に満ちた良い作品と感じます。
上の句では、寒風に負けずに咲く白椿の強さと美しさが描かれ
寒風に逆らいながらも咲く姿は、逆境に立ち向かう椿の強い
意志の存在が表現されています。
下の句では、降り始めた雨が雪になる予感を描写して、自然の
変化を捉えた一瞬の美しさを表現しています。まさに四季の
移ろいと、そこに繰り広げられる厳しくも美しい情景が、余す
ところなく詠われています。
二首目は、作者の小さな命に寄り添う想いが溢れる歌と感じます。
三首目は、雪に見舞われながら、水道を始め未だ復旧も道半ばの
能登の人々に寄せる、多くの方の想いを代弁した歌と感じます。
【詞書】冬の景色色々を三首、出詠します
☆きしきしと大地の息や 深更のかけら かすかに霜柱の声
☆寒江をはるか越へ来し旅ごころ 車窓にもたれ荒野を眺む
☆流星の落ちゆく先は はるかなる 空と海との境界線か
みっちっちさん
【解説】
「冬景色」について三首の歌を繊細に、かつ雄大に詠んで頂きました。
特に、一首目の歌は、冬の深い静けさと厳しい冷気が繊細に美しく描写
されています。
上の句の「きしきしと大地の息や」という表現は、まるで冷え切った
地面が音を立てるように感じられ、冬の厳しい寒さが伝わってきます。
また、「深更のかけら」は、夜の静けさの中に散りばめられた寒さの
断片を見事に表しています。さらに、「かすかに霜柱の声」という
一節で、静寂の中で微かに響く霜柱の音を表現し、フィクションで
ありながら、あたかも現実であるかのように感じさせ、繊細な感覚を
呼び起こすことに成功しています。表現力の高さ故と考えます。
二首目の「寒江」は冬の川を意味します。
三首目の歌の雄大さに打たれます。下の句を「空と海との狭間かと見ゆ」
等、余韻を残す工夫をしてみましょうか。なお、このよう表現を目指し
たいものです。
「咲く満る 山茶花」
【詞書】世の中忙しい 天国と地獄
☆世の中「忙しい」とて
独り本を読み音楽を聴く時
たのし
【詞書】寒冷歳暮
☆窓の外の日溜りをみれば暖かそう
外に行きたくなる午後
【詞書】YouTube:新春 ヨハン・シュトラウス二世 春の声を
☆こんこんと涌き出る泉で
春の妖精達が跳びはね踊るよ
自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い
いたします。
一首目は、年末はどこも忙しいらしい。新古今和歌集の入道左大臣
(藤原実房)歌に、
いそがれぬ年の暮こそあはれなれ昔はよそに聞きし春かは
出家引退後の歳の暮は、ゆっくりとしているが寂しいと言った意味。
私はどうしても哀れなどは無いなあと。
年末の忙しさを表現した曲とすれば、オッフェンバック作曲
喜歌劇「地獄のオルフェ」(初演1858年)序曲第三部、
「天国と地獄」以外には無いだろう?
実は、源氏物語と新古今和歌集、平家物語の勉強が遅れている。
ちょっとは焦った方が良い?まあ、あと10日以上(20日時点)も
ある?
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/de38cd5fc6cd81348e58d6f7c3698313
二首目は、東京の気温は、10℃くらいだが、アメダスを見れば風が
強く寒そう。窓から見る外の景色は、暖かそうだが。
今日は、予定も無い月曜日。長いこと、年末年始とか関わらず生きて
来て、年末だから、クリスマスだからと言う意識は無い。まあ、
どこかに出かけようと思うも、遅れている源氏物語をずっと読んでおり、
先は長い。
バッハのアリオーソは、チェンバロ協奏曲 第5番 ヘ短調(BWV.1056)
第2楽章のメロディだが、カンタータ 第156番「我が片足は墓にありて」
の曲と同じとあった。まあ曲名は自分を表しているなあ。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/871a4a799a29328e7f49d3665623f3a2
三首目は、新春と言う事で、どう言う曲があるかな?と思っていたら、
ある雑誌に、春の声の楽譜があり、今年が生誕200年を迎える
ヨハン・シュトラウス2世が、1882年に親友のリストと即興演奏会に
出席した時にイメージして作曲した。ウィーン・フィルのニューイヤー・
コンサートで毎年演奏される新年を代表する曲とのこと。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/ab394a4df30cb1790018108478487ed8
【解説】
師走の繁忙下にありながら、悠然と音楽を聴きながら読書を楽しむ。
そのゆとりある作者の日々が、歌からうかがえます。
「たのし」と簡潔に言い切る潔い表現に惹かれます。また・・・、
「哀れなどは無い」という、つぶやきにも。
なお、短歌説明に記された「天国と地獄」は、説明にもありますが、
第二帝政期のフランス社会が抱えていた偽善性や矛盾の風刺をすることで
当時の世相を取り入れバロデー化されています。本来は死んだ妻を愛する
あまり地獄に赴くという感動的な夫婦の物語を、互いに愛人を作り、
決して愛し合っているわけではないのに体面だけを気にして仕方がなく
妻を取り戻しにいく、という偽善に満ちた夫婦の滑稽さを風刺した「喜劇」
作品を生み出し成功を収めたと言われています。
二首目の歌、カンタータ 第156番の「曲名は自分を表して」はいませんよ!
と申し上げます。益々のご健詠をとお祈り致します。
三首目は、新年に追加詠として出詠頂きました。
「こんこんと涌き出る泉で」の上の句で新春にふさわしい、明るく楽しげな
雰囲気を醸し出しています。また、春の妖精たちが泉で踊る光景は、春の
到来を祝う喜びと希望を象徴し、生き生きとした生命力を見事に表現した
歌になっていると感じます。
【詞書】お正月3日間好天気に恵まれ 氏神様へ初参りに出かけました。
☆元朝のま清水からだを巡りめぐり やさしきひかり一身に浴ぶ
☆神さぶる木立ぬければ厳かに 小さく古き本殿御座す
☆初詣 祈りの言葉を胸に抱き 光の粒降る参道をゆく
夕庵さん
【解説】
今年の三が日は好天に恵まれ佳い日和でしたね。「初参り」につき三首
詠んで頂きました。いずれの歌も、初詣という新年の始まりの儀式が、
神聖で希望に満ちた雰囲気を伝えます。
特に三首目の歌、「光の粒降る」という表現は、参道に降り注ぐ光の
輝きが美しく描写されており、視覚的なイメージを豊かに表現しています。
また、参道を歩む姿が、祈りと共に新たな一年の始まりを迎える静かな
決意を感じさせる歌になっています。作者の背筋を伸ばした凛とした姿が
眼に浮かびます。
一首目の「一身に浴ぶ」の体言止めが鮮やかです。
☆霜まとい なお咲かんとす水仙の 香り仄かに 秘むる矜持も
ポエット・M
【解説】
海辺の公園の南斜面に日本水仙が咲き初めています。昨夜の寒さ故か
咲き初める花に薄っすらと霜がついているかに見えました。雪中花との
別称をもつ水仙ですから、雪にもめげず仄かに香りを漂わせ咲き切る
強靭さは分かります。それでも、その凛々しさを支える水仙なりの
自然の厳しさとの苦闘の跡には、感じるものがありました。そんな
想いを詠ってみましたが依然として掘り下げの浅さを感じています。
「咲き初める 日本水仙」
「一握の砂」石川啄木 鑑賞(1)
「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、
土岐善麿は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
認め、お互いにリスペクトするなかでした。
啄木の短歌の三行書も、善麿の発想であったと言われています。
東海の小島の磯の白砂に
われ泣なきぬれて
蟹とたはむる
頬につたふ
なみだのごはず
一握の砂を示し人を忘れず
大海にむかひて一人
七八日
泣きなむとすと家を出にき
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前回に続き掲載致します。
・チョウキチさんからのコメントです。
〇惜しからぬ命に代えて目の前の
別れをしばし とどめてしがな 紫の上
いよいよ純真、紫の上らしくなりましたね。紫式部の本心は
どうだったでしょうか。
源氏物語に初めて接して以来、紫の上のファンです。
・ポエット・Mの返答
いつも、「水曜サロン」を見守って頂き、また歌評や、アドバイスも
頂きありがとうございます。
「紫の上」は「葵の上」が亡くなった後、光源氏の正妻となりましたが、
おっしゃる様に、光源氏が須磨配流の中でも、想いの籠った文を頻繁に
届け、しっかりと支えましたね。流麗な文のやり取りで光源氏を最後まで
励まし続けた律儀で理想的な女性として、源氏物語では描かれています。
容姿も端麗で物語では主要なヒロインとの印象があります。
チョウキチさんがファンと言うのも頷けます。
私も紫の上の、桐壺を思わせる楚々とした姿と人柄に惹かれますが、
源氏物語では破格のキャラクターとして登場する「朧月夜」の
何ものにも囚われない、自由で奔放な人柄にも惹かれます。当時の
王朝文化の中では、中々存在しないキャラクターだったでしょうが、
作者の紫式部も憧れと、願望を込めて描き出した個性的な存在とも
読み取れます。
【運営にあたって】
(1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
(2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
頂きたくご協力願います。
(3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
(4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
幸いです。
(5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
(6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
(7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
了