四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その159)

2024年11月27日 05時03分54秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その159) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 皇帝ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「14.須磨(すま)朧月夜」
 源氏は自分をとりまく政情の悪化から自ら須磨へ退去する決意をした。
 都へ残る紫の上は悲嘆にくれるが、源氏は後ろ髪を引かれる思いで
 邸や所領の管理を託す。藤壺、東宮をはじめ、親しい人々と別れの
 挨拶を交わした源氏は、故桐壺帝の御陵を訪ねる。そこで源氏は
 故桐壺帝の幻が立ち現れるのを見た。紫の上と最後の別れを
 済ますと、源氏はごく少数の供とともに須磨へと向かった。須磨
 での生活が落ち着くと、源氏は閑居のわびしさを痛感する。語らう
 相手もいないため、源氏は紫の上や六条御息所に手紙をしたためるが、
 源氏の不在を都の人々もまた嘆いていた。源氏は須磨で秋を迎えた。
 帝や東宮は源氏を恋しく思うが、弘徽殿の大后を恐れ源氏に便りを
 出すことさえできない。そんな状況下、今や宰相となったかつての
 頭の中将が源氏を訪ね、久方ぶりに語り合った。一方、明石の入道は
 源氏の噂を聞き、娘を源氏に捧げようと思いつめていた。三月、
 禊ぎをしていた源氏を暴風雨が襲い、源氏は命からがら逃げ出した。
〇逢ふ瀬なき 涙の河に 沈みしや 流るる澪の 初めなりけむ   光源氏
註)あなたに逢えず泣き暮れて涙の川に沈んだことが、須磨へ流浪
  する身の上となるきっかけだったのでしょうか
〇涙河 浮かぶみなわも 消えぬべし 流れて後の 瀬をも待たずて 朧月夜
註)涙の川に浮かんでいる泡も消えてしまうでしょう、生き長らえて
  再会できる日を待たずに
(返歌)
☆恋しいと 思う心は 消せなくて 罪に落ちるは 避らぬ道理
☆風情ある 乱れに書いた 筆跡は 耐え忍んだ 心せつなく
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 朧月夜は、源氏物語の「花宴」の巻で初めて登場しましたが、容姿端麗な
 だけでなく、大胆かつ才気あふれる魅力的な存在として描かれています。
 光源氏の歌は、作者の 註)にもありますように、「朧月夜への懸想が
 流浪の端緒となったのだなあ」と振り返る歌を詠んでいます。逢瀬は
 まだ無かったかのように装いをこらしていますが、これは人目につく
 ことを警戒してのことだと考えます。
 朧月夜は、この歌への返しとして「川」の縁語仕立てで「源氏の帰京を
 待たずして悲しみのため私はきっと死んでしまいます」と悲嘆しています。
 作者の返歌はそれぞれの歌の想いを汲み取り、肯定する視点から詠んで
 いますので共感を誘います。なお、「避らぬ=さらぬ」は「避けられない」
 の文語で、動詞「さる」の未然形+打消の助動詞「ず」の連体形です。
 作者と同様に、それぞれの歌の想いに共感して詠んでみましたが…。
【ご参考】
 ★罪なるや裡に燃えいるこの思い 澪に沈まず叉も湧きくる
 ★悲しみの極みに沈む涙河 逢えぬ日かさね 命はてなん

【詞書】冬晴、冬日、冬青空で三首、詠みました。
☆千年の欅(けやき)にもたれ亡き友と遊びし様を偲ぶ冬晴
☆図書館に本のページを繰りながら 窓は落日輝く冬日
☆亡き父は冬青空に似てしかり 檄飛ばしつつ包みてくれし
                         みっちっちさん
【解説】
 俳句の季語で、「冬」となる「冬晴」「冬日」「冬青空」を詠みこみ
 三首の歌をしみじみとした味わいで詠んで頂きました。

 特に、三首目の歌は、亡くなったお父様への愛情と尊敬の念が、適切な
 言葉で表現され、作者の心情に共感し、私達も自身の家族や
大切な人を
 思い出します。

 上の句の「亡き父は冬青空に似てしかり」から、冬の青空は澄みきっていて
 広大でありながら、どこか厳しさも感じさせます。この句は、
亡くなった
 お父様の厳格な一面、そして同時に、広く見渡せる
大きな心の持ち主で
 あったことを表しているように思います。

 下の句の「檄飛ばしつつ包みてくれし」では、檄を飛ばすという言葉からは、
 厳しい叱咤や指導の姿が浮かびますが、同時に
「包んでくれし」という言葉に
 よって、その厳しさの裏側にある
深い愛情が感じられます。つまり、お父様は、
 厳しく叱りながらも、
作者を温かく包み込むような愛情深い人であったと
 詠っています。

 なお、この歌のもつ比喩の美しさをあげたいと思います。冬の青空という
 凛とした風景を、亡くなったお父様の人物像に
重ねられた比喩が、私達の心に
 深く響いてきます。これも俳句で培った作者の「写生」の力と感じます。

【詞書】兵庫県知事選挙を詠ませて頂きました。
☆兵庫県知事選挙の結末に 納得いかず不可思議極む
【詞書】冬の星を見上げて詠ませて頂きました。
☆冬澄んだ星の光を見上げてる 何万年も昔の光
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、兵庫県知事選挙の結果については、未だ未解明の部分が
 ありますが、コンサルタント会社社長が、SNSを含む広報戦略を
 「仕事として手掛けた」とい
う件、さらにN党立花氏の言動の件、等々
 諸々の事案がありましたが、兵庫県民の皆さんの選択ですので…。
 ただ、作者が詠まれたように結末も、その後の経緯も「納得いかず」
 との判断される方も多いのも事実と考えます。
 また、多くの歴史的事実が教えていることですが、雪崩打つような
 作られた熱狂と、その結果については私たちは冷静に、かつ懐疑的に
 視ていく必要があると考えます。さらに、「公益通報者保護法」、
 公職選挙法等、法律違反の件も依然として解明されていませんし、
 課題は多々残されていると考えます。

 二首目の歌、「澄んだ星の光」が煌めく冬の夜空を眺めていると
 宇宙の宏大さと、詠まれているように今見ている星が「何万年も
 昔の光」であることに気付く時、人は詩人になるのだと感じます。
 そこにロマンを感じるか、人の卑小さを感じるかは人それぞれと
 思いますが、作者は前者であることが歌からうかがえます。
 なお、この歌から「20億光年の孤独」という詩と谷川俊太郎さんの
 ありし日の姿、そして、静かな語り口が思い浮かびます。


     「コムラサキシキブ」

【詞書】季節の変わり目、特に冬場は腰痛に悩みます。持病とは言え
  他人様には解ってもらえません。整形でシップをもらってきました。
  骨密度は年齢からすると、125%です。60歳から8年間、ジム通い
  したのに貯蓄されていなかったのかな?と思ったり・・・
  週末温泉で体を温めてきます。
☆ふたたびの腰痛辛し蓑虫よ ともにくるまりしばし眠ろう
☆蓑虫は枯れ葉の殻に身を沈め 吾(あ)は三十一の文字を纏わむ
☆歌ごころ忘れてしまえしばらくを 象牙の舟が迎え来るまで
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、冬に向かう季節の変わり目に体調が悪くなるのは、私達
 世代の共通の悩みでもありますね。特に寒くなると筋肉に余計な力も 
 加わる故でしょうか筋肉通と共に、腰痛も発生しやすくなりますね。
 腰痛にお悩みとのこと。辛さは分かりますのでお見舞い申し上げます。
 そんな腰痛の辛さを「蓑虫よ ともにくるまり」と少し、ユーモアを
 交えて詠う作者のゆとりと、強さを改めて讃えたいと思います。なお、
 骨密度は年齢からすると十分足りていると思いますが…。
 かく申し上げる私も、週3回程スイミングには通っていますが、長い事
 腰痛を抱えています。
 三首目の歌、「歌を忘れたカナリア」の童謡の本歌を前提にされて
 詠われていると感じましたが…。「象牙の船」にのり「銀の櫂」で
 漕ぎ出すことにより、歌を思い出すカナリアに自らを託した意味深い
 歌と考えました。泉のように湧き出る返歌の数々に圧倒されています。

【詞書】YouTube短歌:バーバヤーガの小屋
☆もあもあもあ
 フィシフィシフィシ
 闇の中で生まれる
 邪悪の中でワレハユク
【短歌解説】自閑さんご自身の解説です。
 展覧会の絵のバーバ・ヤーガとは、子供を食べるスラブ系民話の魔女。
 その小屋(鶏の足の上に建つ)とは、この魔女の住む家で、移動出来る
 との事。スカンジナビア北部及びロシア北部のサーミ人の文化圏では
 高床倉庫がかつては造られていたが、これがバーバ・ヤーガの棲む
 「鶏の足の上に立つ小屋」というモチーフの外見的な由来に影響が
 あったと考えられるそうです。
 そう聞こえたと言う事です。意味は無いなあ。アンリ・マチスや
 ジョルジョ・デ・キリコなどの絵画に影響されたからですね。
 曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d4ecc4eb38b68919b2233359bc84ccdc
                         自閑さん
【歌評・解説補足】
 冨田勲氏による「展覧会の絵」は、前の解説でも触れましたがオリジナルの
 ムソルグスキー版とはまた違った魅力を持つ、電子音楽の傑作だと考えます。
 特に「バーバ・ヤーガの小屋」は、冨田勲氏の独創的なサウンドデザインに
 よって、新たな解釈が加えられたと感じます。 
 紹介されたYouTubeを何度も視聴させて頂きましたが、オリジナル版の疾走感に
 加え、宇宙空間を彷彿とさせるような広大な音響効果が加えられていると
 感じました。バーバ・ヤーガの小屋が、宇宙船のように空を飛んでいるような
 イメージを喚起してくれました。
 また、 原始的なリズムを強調することで、バーバ・ヤーガの力強さや詠まれて
 いるように「闇の中で生まれる」神秘的な雰囲気を際立たせていると感じます。
 冨田勲氏の「展覧会の絵」は、クラシック音楽と電子音楽を融合させた、
 実験的で革新的な作品ですが、作者の「口語自由律」短歌も、冨田勲氏の
 独創性に負けない、短歌の新たな機軸を示していると感じます。特に、
 「そう聞こえたと言う事です。意味は無い」と言い切る潔さを是としたいと
 思います。「ワレハユク」の結句の締め方も良いと感じます。


     「咲き初める ツワブキ」

【詞書】ツワブキが門を入った正面の植え込みの少し脇の低い石垣の下に
  植わって(“生えて”かも…)いるのですが、11月も20日を過ぎてやっと
  咲きました。よそはもう少し早いみたいだったので、「うちはまだかな~」
  って思ってたんですが…。ツバキ(サザンカかも…。ちょっと種類が特定
  できない…)やツゲ(…の類じゃないかと思う)、ツツジ、ウメなどや、
  その向かいの松などが影を作るような場所(でも日は当たる)で石畳と
  低い石垣の間に有り、その場だけぱあっと明るくなっているようで、
  見ていて気持ちが上がります。今の時期、うちは花が咲いていないので、
  ツワブキは貴重です。(ぼちぼちサザンカが咲いて来てはいますが)
☆石蕗(ツワブキ)の黄色輝く門の内
          太陽のごと心に陽が差す
【詞書】(11月26日)朝刊の記事で、「新・オバケのQ太郎」のQ太郎やアニメ
  「忍者ハットリくん」(何となく覚えてますが実写版もありましたので)の
  ハットリカンゾウや「ムーミン」のミイなど、個性的なキャラクターを
  数多く演じられた声優、堀絢子さんが18日に亡くなったと知りました。
  私は2歳くらいかに第1作の「オバQ」が大好きで、(雪ダルマのQちゃん
  ヴァージョンを作っていた写真が残っているほど)その記憶は殆ど
  ないものの、雑誌の小学何年生だかで読んでいたこともあり、「オバQ」が
  大好きで、テレビでもすると知ると、もう嬉しくて…。毎週楽しみに
  見ていて、そのエンディングに出る名前の中の堀絢子さんの名前は
  かなり印象に残っていました。(お名前を何と読むかは後になって
  知りましたが)「ハットリくん」はあまり見ていませんでしたが、あの
  個性的かつ温かみのある声はやはり印象的でした。(「ガンバの冒険」の
  イカサマも個性的なキャラクターでした。「ムーミン」のミイは
  憎ったらしい口もきくけどかわいかったし)
  近年は、反戦を訴える一人芝居をされていたとのことで、11月22日の
  その292回目の公演の準備をなさっている最中だったそうで…。
  ご冥福をお祈りします…。
  しかし、今年は80~90代の“お馴染みの声”のベテラン声優さん
  (ドラえもん、のび太、峰不二子、花沢さん…)や、私と同年代や若い
  年代の声優さん(「葬送のフリーレン」の主人公の師匠フランメの
  田中敦子さんや「ちびまる子ちゃん」のTARAKOさんなど)が多く亡く
  なられて非常に寂しいです…。改めて皆さんのご冥福をお祈りします…。
☆“Qちゃん”の声耳の奥残り居り
        馴染みの声がまた一人逝く
【詞書】11月24日(日)中央競馬秋の目玉の一つ、G1レースのジャパンカップは、
  武豊騎手騎乗のドウデュースが直線から圧巻のレースで勝利しました。
  (2着は2頭同着でした。私には最内の方が先着したように見えました
  が…まあ、上からとか色んな角度から確認してるでしょうから…)もう、
  ゴール直前で「行けーっ!!」って叫んでました(テレビの前で)。さすがの
  武さんでしたが、その表彰式のプレゼンターが何とイチローさん!!
  アメリカと日本両方で“野球殿堂”入りするかも、というレジェンドが、
  日本競馬界の現役レジェンド武豊騎手と並ぶその光景の壮観なこと!
  (お二人以前から仲が良いそうで…)ネットでの後追いで見ましたが、
  いや凄いなあ……と。お二人とも日本の宝です。いやほんまに。
  (武騎手にはドウデュースの有終の美を是非とも有馬で飾って頂きたい!)
☆イチローさん 武騎手をハグで祝福し
         ジャパンカップ後レジェンドに沸く
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「ツワブキ」「堀絢子さん」「プレゼンター イチローさん」と
 新鮮なテーマで、三首詠んで頂きました。お父様に関わる件、少し

 落ち着いてきたご様子、本当にお疲れ様でした。
 一首目の歌、北風も吹きはじめる初冬の季節、多くの花々は既に枯れ初めて
 いますが、そんな中でツワブキの黄色く輝く花が目を引きますね。その花を
 「太陽のごと心に陽が差す」と素直に詠った下の句の抑えた詩情が見事です。
 二首目の歌、オバケのQ太郎やムーミンのミイの声優としておなじみの
 堀絢子さんは、数多くのアニメ作品で活躍され、世代を超えて多くの
 フアンを得てきた方と思います。その傍ら、反戦平和を訴える一人芝居
 「朝ちゃん」をライフワークとして「反戦=半千として500回の公演」を
 目指して続けてこられた方でもありました。その活動は、多くの方々の
 深い感動と共感を誘い、平和への意識を高めることに大きく貢献されたと
 考えます。詠われているように、その声は「耳の奥残り居り」いまも語り
 続けてくれていると感じます。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
 三首目の歌は、まさに、「ジャパンカップ後レジェンドに沸く」と
 詠われている通りですね。イチローさんと言う2025年の米野球殿堂入り
 候補のレジェンドが、日本競馬界の現役レジェンド武豊騎手と並ぶさまは、
 これ以上ない「壮観」ですね。そんな情景を見事に切り取ったワクワク感に
 満ち、調べも良い歌と感じます。

☆命もつものの哀しさ愛しさよ 散る山茶花の かがよう紅(くれない)
                         ポエット・M
【解説】
 今年の山茶花は他の花と同様に開花時期が少し遅れていましたが、霜月も
 中旬となり、遊歩道や散策の小径の脇等に鮮やかに咲き初めています。
 椿と異なり、花びらを降りこぼしつつ次々と咲く山茶花に、格別な情趣を
 感じてきました。散る山茶花は、命の終わりを象徴していますが、その
 散り行く花びらの鮮やかな紅色は、未だなお生命の輝きを示しています。
 この対比で生の美しさと、死の儚さを同時に表現できたらと詠んでみました。
 また、「哀しみ」と「愛しさ」この二つの想いを、上の句で表現して
 みました。これは一見対立しておりますが、実は深く結びついており、
 その両方の想いが共存していること改めて詠ってみました。

 
     「紅の山茶花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(65)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

46.「短歌の章」 三十三間堂(3)

   雲の座に立ちて風神雷神は
            まなこを開き下界をうかがふ

   千一体の菩薩つぶさにおろがめば
            亡き人の姿ありと伝ふる

   ありがたき佛おろがむいとまありて
            今日の命のすがしかりけり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今週は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

コメント (13)
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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その159 ネット歌会)

2024年11月27日 04時42分57秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その159 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 皇帝ダリア」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆冬澄んだ星の光を見上げてる 何万年も昔の光
                         西BOOさん
★大宇宙不変なれども人間の進化は果たして正解なのか
                         夕庵さん
★温暖化、オゾン破壊に宇宙ゴミ 自制せねば自滅するなり
                         西BOOさん
★省エネは温暖化ヘの歯止めにも 一人の自覚が地球を救う
                         夕庵さん

☆亡き父は冬空に似てしかり 檄飛ばしつつ包みてくれし
                         みっちっちさん
★亡き父は米寿を迎えし病床に えんじのマフラーに顔を埋めて
                         夕庵さん
★あたたかき考(ちち)の胡座に埋もれて 眠りし我よ あの冬の日よ
                         みっちっちさん
★冬日向猫は大きな欠伸して 手足伸ばしつ寝落ちもちもち 
                         夕庵さん

☆千年の欅(けやき)にもたれ亡き友と遊びし様を偲ぶ冬晴
                         みっちっちさん
★晩秋の欅の落ち葉風に舞い 今日の歩数を掻き分けてゆく
                         夕庵さん
★晩秋の欅落葉をゆつくりと 妣(はは)の歩幅で共に歩きし
                         みっちっちさん
★後ろより道行く人は足早で わたし一人を置き去りにする
                         夕庵さん
★一人きり知らない道を歩きたし 知らないバスにどこまでも乗り
                         みっちっちさん
★知らぬ街歩けば人はやさしくて 初冬の風の心地よきかな
                         夕庵さん

☆図書館に本のページを繰りながら 窓は落日輝く冬日
                         みっちっちさん
★図書館に読み聞かせいる親子いて 時々「しーっ」と口に手を当て
                         夕庵さん
★落日の図書館にゐて 君の背を見つむるのみの遠き初恋
                         みっちっちさん
★図書館のステンドグラスに陽は落ちて やっと気がつく閉館のとき
                         夕庵さん
★図書館の本の匂ひに包まれて 気づけば窓は夕映への赤
                         みっちっちさん
★夕映えの映るガラスを背にしつつ 二人の影は濃ゆくなりゆく
                         夕庵さん
★夕映へのカフェの窓辺に君を待つ 人波の影 縫ひ来る君よ
                         みっちっちさん
★君待てどスマホも鳴らず気もそぞろ 家路を急ぐ人ばかり行く
                         夕庵さん
★夕暮れの家路を急ぐ人波を 息弾ませて君待つ店へ
                         みっちっちさん
★待つ人はスマホに見入り時稼ぎ 頭に入らぬ文字追うばかり
                         夕庵さん

☆樹影なき街にも枯葉舞いゆくや 哀しきまでの夕映えの中
                         ポエット・M
★やすらぎの欅の径もあっけなく 剪定されて彩を失う 
                         夕庵さん
★ようやくに黄葉に染まる径をゆく 二人の肩に枯れ葉舞い散る
                         ポエット・M
★自転車の舞いあぐ枯れ葉跳び跳ねて 右に左に側溝埋める
                         夕庵さん
★舞い上がる枯れ葉の中を疾走す ライダー君の雄姿忘れず
                         ポエット・M
★ファーつけたバイクに越され追いかけど 姿は見えずあれは女狐
                         夕庵さん
★女狐はネオンきらめく街角に 幻影のこす妖艶な顔 
                         ポエット・M
★花びらのような口からでる嘘に 懲りず集まる夕蛾灯の下
                         夕庵さん
★ほろ酔いのワイングラスに揺れる灯に 嘘と誠の 物語り編む
                         ポエット・M
★ほろ酔いのワイングラスに映る顔 伏せた睫に嘘は見抜けず 
                         夕庵さん
★まつげ伏せ何を隠すや笑む君に ランタンの灯も妖しく揺れる
                         ポエット・M
★ランタンの灯り切なし明日こそは 明るい日のさすものと祈らんむ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める露地の シクラメン」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その158)

2024年11月20日 05時02分10秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その158) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
       第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 皇帝ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「13.須磨(すま)花散里」
 源氏は自分をとりまく政情の悪化から自ら須磨へ退去する決意をした。
 都へ残る紫の上は悲嘆にくれるが、源氏は後ろ髪を引かれる思いで邸や
 所領の管理を託す。藤壺、東宮をはじめ、親しい人々と別れの挨拶を
 交わした源氏は、故桐壺帝の御陵を訪ねる。そこで源氏は故桐壺帝の
 幻が立ち現れるのを見た。紫の上と最後の別れを済ますと、源氏は
 ごく少数の供とともに須磨へと向かった。須磨での生活が落ち着くと、
 源氏は閑居のわびしさを痛感する。語らう相手もいないため、源氏は
 紫の上や六条御息所に手紙をしたためるが、源氏の不在を都の人々も
 また嘆いていた。源氏は須磨で秋を迎えた。帝や東宮は源氏を恋しく
 思うが、弘徽殿の大后を恐れ源氏に便りを出すことさえできない。
 そんな状況下、今や宰相となったかつての頭の中将が源氏を訪ね、
 久方ぶりに語り合った。一方、明石の入道は源氏の噂を聞き、娘を
 源氏に捧げようと思いつめていた。三月、禊ぎをしていた源氏を
 暴風雨が襲い、源氏は命からがら逃げ出した。
〇月影の 宿れる袖は せばくとも とめても見ばや あかぬ光を  花散里
註)月の光が映っている私の袖は狭いですがこのままとどめて見て
  おきたいと思います、見飽きることのない光を
〇行めぐり つひにすむべき 月影の しばし雲らむ 空な眺めそ  光源氏
註)空を渡っていき、ついには澄むはずの月の光ですからしばらくの間
  曇っていても空を見て悲しんだりしないでください
(返歌)
☆お慕いし 憧れまばゆい 源氏さま 離れたくない 永久にみつめて 
☆美しい 済んだ光を 放つ月 私もいつか あなたのもとへ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏が中年に差しかかり、妻として自分の屋敷に迎えた女性は、末摘花の
 巻でも触れましたが、
紫の上を始め6人の女性でしたが、その一人が今回の
 ヒロインの
花散里です。当時の美貌至上主義の風潮からは、かなり遠い存在の
 方として
描かれている花散里ですが、ここにも紫式部の女性観、さらには
 価値観が色濃く
現れていると感じます。
 今回の花散里と、光源氏、二人の歌のやり取り。花散里が別れを悲しんで
 いる様子が、あまりにもいじらしく感じられ、源氏はそのままで
辞去するのに
 耐えられなくなって、慰めの気持ちを和歌に託したと
解釈できます。
 作者の返歌は、それぞれの立場から、その想いを肯定しつつ詠まれている為に
 納得感があり共感できます。同様な意味合いを込めて、それぞれを
詠んで
 みましたが…、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★慕いたる君のまばゆきお姿を 見つめ抱きて 飽きることなく
 ★曇りてもついには澄める月影の 君に注がれ やがてみつるも

【詞書】秋の空を詠ませて頂きました。
☆秋の空澄んだ星の瞬きに 亡き親からの囁きを聞く
【詞書】秋の夜を詠ませて頂きました。
☆寒暖の差の激しさや秋の夜 君寒かろと布団をかける
【詞書】三重県のニュースを見て詠ませて頂きたいと思います。
  風伝おろしのニュースは、
  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241112/k10014636081000.html
☆コスモスの香に誘われて霧降る 風伝おろし幻想の里
                         西BOOさん
【解説】
 今回も「秋の空」「秋の夜」「風伝おろし」と、追加分も含めて三首の歌を
 印象深く詠んで頂きました。
 特に、三首目の「風伝おろし」は、テレビニュースにもなりましたが、山間部の
 尾呂志地区で見られる「霧が山を越える」現象です。風伝おろしは10月から
 3月にかけて、特に日中と夜間の気温の差が大きかった日の翌朝に発生し易いと
 言われています。日中に温められた山肌が夜間に冷やされ、風伝おろしの元と
 なる朝霧が発生しやすいとのことです。この霧が山を越える高さまで発達し、
 そこに尾呂志側へ風が吹くと、風伝おろしが発生すると言われています。
 詠まれているように、まさに「幻想の里」の景観が見てとれます。ここで、
 「コスモスの香に誘われて」の視点が新鮮で、印象をより深めています。
 二首目の歌は、奥様への優しさと慈しみの想いの篭もった良い歌と感じます。

     「冬日和に咲くガザニア」

【詞書】「冬日和」、「冬うらら」は冬の晴れた暖かい日の事をいう季語です。
  亡き母と冬日和、冬うららで三首出詠いたします。
☆亡き母の待針使ふ冬日和 彩りの玉ほのと光りて
【詞書】娘が帰ってきた時に優しい母との日々を思います。
☆戻りきし娘(こ)にふるさとの冬日和 優しき妣(はは)の面影繋ぐ
【詞書】「ら」の音を多用し光るリズムを感じさせました。
☆須磨浦にきらら波寄せ 冬うらら 妣と貝殻拾ひしことを
                         みっちっちさん
【解説】
 一首目の歌は、亡くなられたお母様が使っていた待ち針が冬の日差しの中で
 ほのかに輝いている様子を詠んだ、お母様への想いの篭もった作品ですね。
 亡くなったお母様を作者が深く愛し、そのことを忘れずにいる様子が歌から
 十分に伝わってきます。冬に向かう寒さの中で、温かい愛情が感じられる、
 心に響く作品です。なお、下の句の「彩りの玉ほのと光りて」の表現は
 様々なイメージを呼び起こし、待ち針の輝きが目に焼き付いてくるような
 感覚を与えてくれ、余韻を醸し出しています。
 さらに、作者の心の奥底から湧き出るような、切なくも美しい感情が表現
 され、その心情に共感し、私達も共に故人を偲ぶ気持ちになります。
 三首目の歌、「きらら」「うらら」と「ら」を重ねることにより、寄せては
 返す波のリズムと、その波頭に煌めく冬の陽が効果的に表現されています。
 いずれも技巧を凝らしながらも、それを感じさせない作者の技量を感じます。

【詞書】眠れない夜にベッドの脇の壁にキツネを作って気をそらせてみます。
☆壁際の指のキツネがコンと鳴く 午前3時の眠れぬ夜に
☆1章ごと句読点のように欠伸して 本を閉じては番茶を啜る
【詞書】最近時々耳に違和感を覚えることがあります。前向きに捉えて・・
☆耳鳴りを円舞曲(ワルツ)と聞きて寝返りぬ 内耳の迷路くぐりて来たか
                         夕庵さん
【解説】
 眠れぬ辛さを逆手に取り、印象深い三首の歌に紡ぐ技量は流石と思います。
 特に、三首目の歌、作者は耳の違和感を自分の一部として受け入れようと
 していることが伺えます。「円舞曲」という比喩は、この前向きな姿勢の
 表れと言えます。耳鳴りという違和感、それを美しいワルツにたとえる
 という対比が、より際立っており、それを歌で表現することで自分自身をも
 肯定しているのかも知れません。
 なお、「内耳の迷路」という句には、違和感を前向きに捕えつつも作者の
 心の
迷いや葛藤も暗示しているかに感じられます。
 一首目の歌、影絵で狐をつくる仕草に、眠れぬ焦りよりも、その状況を
 楽しんでしまう作者のゆとりと、強さが感じられほほ笑んでしまいます。

【詞書】YouTube短歌:連弾 シング・シング・シング
☆ピアノが二人で歌えば
  踊ろうよ
   息はぴったりリズムのままに
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 先日、ピアノの連弾のミニコンサートが催されたので、聴きに行きました。
 演奏者に聞くと、連弾だが、友人と共に弾く練習は本番前の1回だけの
 ぶっつけ本番だったそうです。
 とてもノリノリで、息もぴったりでした。
 演奏時の曲は使えないので、下記に、海外でも有名な京都橘高校 吹奏楽部の
 マーチングバンドの曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1cd0efb3445867ffb8d0e956d1435367
                         自閑さん
【解説】
 ここで詠われている連弾ですが、多くの皆さんはご存知のことと思いますので、
 改めて説明は不要と思いますが、1台の鍵盤楽器を複数人で同時に演奏すること
 とのことです。多くの場合は1台のピアノを2人で演奏することを指し、2人が
 それぞれ両手を用いて合計4つの手を用いるため、四手連弾等とも言われています。
 詠われているように、演奏者の「息はぴったり」することにより、一人の奏者では
 表現できない奥深い音色が醸し出されることと思います。「練習は本番前の1回
 だけ」は、まさにぶっつけ本番に等しい演奏ですが、これこそスウィング・ジャズ
 の本領発揮ですね。この想いが「リズムのままに」に籠められていると感じます。
 なお、短歌説明で触れられた京都橘高校吹奏楽部の「シング・シング・シング」は
 スウィング・ジャズのスタンダードナンバーです。「オレンジの悪魔」という
 異名をもつ京都橘高等学校吹奏楽部の演奏をYouTubeで視聴させて頂きました。
 世界最大100万人の集客を誇るアメリカのローズパレードに日本で唯一、複数回の
 出場した「マーチングバンド」。この演奏しながら走り、飛び跳ね、踊る様子は
 見るものを圧倒する質の高さと、熱量があります。
 連弾のミニコンサートに触れ、この歌を紡ぎ出す作者の感性に拍手を送ります。


     「秋薔薇 ローズヨコハマ」

【詞書】お陰様で、父の四十九日の法要も終え、ある意味一区切りつきました。
  納骨は先になりますが…。何だかんだ早かったなあ…というのが、
  正直な気持ちです。自分とこも忙しい中、私を叱咤しながらも
  引っ張ってきてくれた姉や手助けしてくれた義兄に感謝です。
  まだ済んでいない手続きなどもありますが、ひとつひとつこなして
  いきたいと思います。
☆ようやっと四十九日を終えました
        どうにかこうにか何とか無事に
【詞書】11月16日はアメリカで言うところの“ビーバームーン”だった
  そうです。雨がちだったりめっちゃ曇ってたりでど~だろ~?
  無理かな~…ちょっとでも雲が途切れてくれへんかな~なんて、
  1回2回と外へ出て厚~く雲が垂れ込めた夜空を睨んでたり
  しましたが、あかんやろうなあ…と思って出てみた空が、月が出て
  いる辺りだけ晴れてる!!
  …お陰様で何とか雲が掛かっていない綺麗な満月を拝むことが
  できました。…流星群(時期的に牡牛座流星群)とか彗星とか
  なかなか見られないんでせめて満月くらいは…と臨んで
  いましたが、見られて良かった!
  …因みに17日放送の大河ドラマ「光る君へ」では、道長さんが
  "あの”「この世をば…」の歌を詠むシーンが!…面白かったです。
  満月といわずとも月は古くから日本人に愛されていますよね…。
  月ごとに名前を付けたアメリカ先住民さん達もきっと…。
☆厚き雲 望月隠す この夜をば
        過ごして見えたよビーバームーン
【詞書】寒くなりましたね。今までが暖かかったせいか特に「寒っ!」って
  感じです。
  青森の酸ヶ湯とか11月では最高の積雪量を記録したとか…。
  (19日昼間のニュース。70センチ以上だったそうな)これから
  本格的な冬ですね…って平等院とかつい先日ライトアップが
  始まったというのに…紅葉が持ちますかね…?ホットカーペットに
  ストーブに電気あんかも出して…使い捨てカイロも買い足して
  …あれ?今週中にまた気温上がる…?…寒くなると
  思い出すのがTHE ALFEEさんの'70年代のシングル曲(キャニオン
  での3枚目だったかなと…)「冬将軍」。桜井さんのヴォーカルか
  脳内を回ります…。…余談ですが、THE ALFEEさんの41年振りの
  紅白歌合戦出場(今日発表でした)は驚きでもあり、待ちに
  待っていたことでもあり、何よりもめっちゃ嬉しいです。
  …ああ、年末の話題ですねえ。
☆冬将軍来たるや暖気を振り払い
       冬の主権を取り返すように
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目、先ずは、お疲れ様でしたと申し上げます。お父様の逝去を
 哀しんでいるいとまもない日々であったことと拝察いたします。
 上の句の「ようやっと」にその想いが凝縮され表現されています。
 お姉様、お義兄様に手助けをして頂きながらも、作者が主体的に
 やらざるを得ない場面も多々あったことと思います。四十九日の
 法要は一つの区切りでしょうが、これから哀しみがどっと押し寄せる
 かも知れませんが、どうぞお心を強くと申し上げます。このサロンの
 皆さんにも、そんな想いを語って頂ければと思います。
 二首目の歌、なんとか「ビーバームーン」が眺められて良かったですね。
 作者の根性と、強い想いが天に通じたのかも知れません。
 作者の言われる「この世をば我が世と思う・・・」の道長の歌ですが、
 「権力者である道長の自信と満足感を表した」との、かつてからの解釈
 ではなく「望月」という言葉は、単に満月を指すだけでなく、盃の
 婉曲的な表現でもあるとし、道長が娘たちとの盃を交わし、その喜びと
 家族の円満を表現しているとの説もあるようです。大河ドラマも
 この説を踏まえつつも、忖度が働き権力者としての「歌」を讃えるものに
 変わっていく場面が描かれていたと感じました。
 また、「月」と言えば西行法師の歌の数々が思い浮かびます。
 三首目の歌、詠まれているように遅ればせながら「冬将軍来たるや」と
 なりましたね。青森の酸ヶ湯では11月として最高の積雪量とのことで、
 気候変動が炎暑ばかりでなく、酷寒、最高積雪量と、季節の変化が酷い
 状況を呈していると感じます。トランプさんはともかくとして地球沸騰化
 への取組は、世界共通の喫緊の課題となりつつあります。

☆樹影なき街にも枯葉舞いゆくや 哀しきまでの夕映えの中
                         ポエット・M
【解説】
 過日、用件ができ久しぶりに都心へ出向きました。現役の時代に通った街並みは
 かつてと同様にビルが密集し、さらにその密度が増したと感じられる樹影なき
 街の
まま、無機質な都市空間が浮かび広がっていました。しかし、その街路にも
 枯れ葉が
舞い、乾いた音を立てて街路を滑っていきました。ビルの隙間からは
 夕映えが
のぞき、海辺の夕映えに負けない澄んだ茜色に染まっていました。
 その色に惹きつけられながらも、哀しいまでの美しさになぜか胸のざわつきを
 感じてしまい、そんな様子をとっさに即興で詠んでみました。情緒に流れる
 甘い歌となってしまいしたが…。

 
     「夕映えの紅葉」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(64)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

45.「短歌の章」 三十三間堂(2)

   この世にて三十三体に変化(へんげ)して
            衆生済度すといふ佛おろがむ

   ほのかにも今に黄金に輝きて
          無限無量に 救はせ給ふ

   六丈の佛奥書処に光り給ふ
          千手千眼 観世音菩薩 

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今週は割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その158 ネット歌会)

2024年11月20日 04時55分57秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その158 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 皇帝ダリア」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆秋の空澄んだ星の瞬きに 亡き親からの囁きを聞く      
                         西BOOさん
★頬に手を当てて教えを説き給う 弥勒菩薩に亡母(はは)を重ねて
                         夕庵さん

☆壁際の指のキツネがコンと鳴く 午前3時の眠れぬ夜に
                         夕庵さん
★真夜中にトイレで目が覚め日の出まで 羊を数えて頭ボーッ
                         西BOOさん
★モフモフの羊の人形抱きしめば ほんのり温く眠りは来たる
                         夕庵さん

☆寒暖の差の激しさや秋の夜 君寒かろと布団を掛ける
                         西BOOさん
★何気ない優しい君のその仕草 横向きつつも身に滲む秋は
                         夕庵さん

☆亡き母の待針使ふ冬日和 彩りの玉ほのと光りて
                         みっちっちさん
★久しぶりのミシン掛けは楽しくも 肩こりという置き土産あり
                         夕庵さん
★いかなるや右の肩こり 長風呂に卓球の疲れ揉みほぐさむと
                         みっちっちさん

     「未だ咲く コスモス」

☆須磨浦にきらら波寄せ 冬うらら 妣(はは)と貝殻拾ひしことを
                         みっちっちさん
★千里浜の渚のつづく海岸にさりさり足を踏み入れる夢
                         夕庵さん
★打ち寄せる小波に足をさらされて ふはり浮き立つやうな小春日
                         みっちっちさん
★小春日の海にまむかい友忍ぶ 波の和讃も遠く聞こえる 
                         夕庵さん
★小春日のぬれ縁に猫丸まりて 庭の一点じつと見つむる
                         みっちっちさん
★体勢を整えながら狙う猫 野生にかえる 一瞬を待つ
                         夕庵さん
★美味なるや ペットフードを貰ふ猫 一瞬にみる狩猟本能
                         みっちっちさん
★人招く 看板猫は 窓際で 大笑いして人気者なり
                         夕庵さん

☆木犀の 香り甘いと妻のいう その背に登る十六夜の月
                         ポエット・M
★十六夜の月に誘われほろ酔いの 二人に降りぬ木犀の花
                         夕庵さん
★ほろ酔いの身に降る月の影さやか 木犀の香も 甘く漂う
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 菊の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157)

2024年11月13日 05時59分35秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 プリンス ドウ モナコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「12.須磨(すま)紫の上」
 源氏は自分をとりまく政情の悪化から自ら須磨へ退去する決意をした。
 都へ残る紫の上は悲嘆にくれるが、源氏は後ろ髪を引かれる思いで邸や
 所領の管理を託す。藤壺、東宮をはじめ、親しい人々と別れの挨拶を
 交わした源氏は、故桐壺帝の御陵を訪ねる。そこで源氏は故桐壺帝の
 幻が立ち現れるのを見た。紫の上と最後の別れを済ますと、源氏は
 ごく少数の供とともに須磨へと向かった。須磨での生活が落ち着くと、
 源氏は閑居のわびしさを痛感する。語らう相手もいないため、源氏は
 紫の上や六条御息所に手紙をしたためるが、源氏の不在を都の人々も
 また嘆いていた。源氏は須磨で秋を迎えた。帝や東宮は源氏を恋しく
 思うが、弘徽殿の大后を恐れ源氏に便りを出すことさえできない。
 そんな状況下、今や宰相となったかつての頭の中将が源氏を訪ね、
 久方ぶりに語り合った。一方、明石の入道は源氏の噂を聞き、娘を
 源氏に捧げようと思いつめていた。三月、禊ぎをしていた源氏を
 暴風雨が襲い、源氏は命からがら逃げ出した。
〇身はかくて さすらへぬとも 君があたり 去らぬ鏡の 影は離れじ 光源氏
  私の身はたとえ都を離れ、はるかな地をさまよったとしても、
  この鏡に映った私の影はあなたのそばを離れることは決してありません
〇別れても 影だにとまる ものならば 鏡を見ても 慰めてまし   紫の上
  たとえお別れしても、あなたの影がとどまっているのでしたら、
  その鏡を見てお会いできない寂しさを慰めていることにいたします。
(返歌)
☆自分こそ 身体はどこを 彷徨うも あなたのそばを 離れることなし
☆鏡にも あなたの魂 宿るとは いつも支えに よりどころにして
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「須磨の巻」における紫の上は、光源氏への深い愛情と、困難な状況の中で
 成長していく姿が印象的に描かれています。彼女の存在は、物語に深みを
 与え、感動的でもあります。さらに、紫の上は須磨へ流罪中の光源氏を慕い
 ながらも直接会うことができず、寂しく苦しい日々を送りながら、手紙の
 やり取りなどを通じて、光源氏との絆はますます深めていきます。
 これらの経緯を踏まえ、光源氏と紫の上の歌を味わい、作者の返歌を鑑賞
 したいと思います。
 作者の一首目の返歌は、光源氏の立場で、都から離れていく身ではあっても
 心は常に紫の上、あなたのそばにいますよ…と詠い、慰める歌になっています。
 「鏡に映った私の影」以上に、心はいつもあなたと共にありますよと強調して
 いるところが「にくい」ですね。
 二首目の歌は、紫の上の立場から詠んでいますが「鏡にとどまるあなたの影」を
 心のよりどころにして、寂しさに耐えていきます…との健気な歌となっています。
 作者の想いを汲みつつ、それぞれの立場から返歌を詠んでみました。
【ご参考】
 ★遥かにもわが身は須磨にさすらうも わが影君と 離るるはなし
 ★君が影 鏡にやどる魂(たま)ともに 逢えぬつらさを 慰め忍ぶ

【詞書】霜月に夏日が来ることを詠ませて頂きました。
☆霜月といえど夏日が訪れる 山は紅染む気配なし
【詞書】アメリカの大統領選挙を詠ませて頂きました。
☆アメリカに民主主義の危機迫る ハリス氏勝利 神に祈らむ
【詞書】木枯らし1号を詠ませて頂きました。
☆燻炭を燻す煙をはこびつつ 木枯らし1号谷の間に間に
                         西BOOさん
【解説】
 今回も追加分も含めて「霜月の夏日」「アメリカ大統領選」「燻炭」の
 今日的なテーマで三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、まさに霜月になっても夏日が続き、紅葉も大分遅れて
 いました。しかし、立冬の日には、いきなりの冬を思わせる寒い日と
 なり秋の短さを実感させられました。このような異常気象の実態を
 歌で、詩情を込めて記録していくのも良い試みと感じます。
 二首目の歌、祈りも空しく「またトラ」が現実のものとなってしまい
 ましたね。詠われているように「民主主義の危機」が懸念されますが、
 アメリカ国民の選択ですので…、受け入れざるを得ませんね。
 世界の情勢にとっても、日本にとっても不確実性とともに予測不能な
 状況が生まれそうですが、それぞれで対応していくしかないですね。
 三首目の歌、もみ殻等を用いて燻炭を作る季節になりましたね。
 その燻す煙が木枯らしに乗って、谷間を流れている様子が詩情豊かに
 詠われ、風物詩が巧みに表現されています。今ではこのような風景が
 中々お目にかかれなくなりましたが、歌に詠むことにより日本の
 原風景が記録としても残っていき「時代の証言」を編む貴重な営みに
 繋がっていくことと思います。

【詞書】銀杏散るで二首、冬の波で一首、出詠いたします。
☆晴れ晴れとなほしみじみと銀杏散る静寂(しじま)の中にただ立ち尽くす
☆音もなく光を散らし銀杏散る ひらり野点の紅き傘へと
☆海光の二番ホームに佇みて 冬の波へと捨てたきことを
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、俳句の季語「銀杏散る」「冬の波」を詠みこみ三首の歌を印象深く
 詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は、銀杏の葉が散る様子、紅い野点の傘、そして静寂の中で
 葉が舞い降りる様子が、一幅の絵画のように目に浮かびます。

 また、視覚だけでなく、聴覚にも訴えかける言葉が用いられており、私たちは
 五感を使ってこの情景を味わうことができます。
 さらに、下の句の「ひらり野点の紅き傘へと」の表現が余韻を残し、印象深い
 味わいのある歌になっています。
 三首目の歌は、一編の短編小説にも似た物語性のある歌になっています。
 「捨てたきこと」の「こと」を限定しないところが、読者の想像をかき立てて
 おり、心憎い
歌になっています。

【詞書】戸棚を整理していたら奥の方から箱に入ったビードロが出てきました。
  数年前長崎で求めたものです。今でもそっと吹いてみるとポッペンと鳴る
  音に楽しかった旅が思い出されます。
☆ビードロはかの日の記憶ポッペンと石の坂道転がりてくる
☆懐かしのビードロは鳴るポッペンと異国の匂い耳をくすぐる
☆長崎で求めしブルーのギヤマンに水を満たして薬を2錠
                         夕庵さん
【解説】
 坂の街、長崎の懐かしい思い出を秘めた「ビードロ」「ギヤマン」をテーマに
 三首の歌を味わい深く詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は作者の豊かな感性と想像力が感じられ、まるで古い映画を
 見ているようなノスタルジックな雰囲気とともに、異国への憧れも感じられます。
 また、ビードロの光、ポッペンの音、異国の匂いなど、五感を刺激する言葉が
 効果的に使われ印象深い歌となっています。
 なお、下の句の「異国の匂い耳をくすぐる」の表現が素敵です。一般的に、
 匂いは鼻で感じるものであり、「耳をくすぐる」は聴覚に訴えかける表現です。
 しかし、文学表現においては、五感を混同させることで、より深いイメージや
 情感を呼び起こすことがあります。この歌の場合も、作者は「異国の匂い」が、
 単に鼻を刺激するだけでなく、聴覚的なイメージや、それらを通して心の奥底を
 揺さぶるような、複合的な感覚を表現したかったのかもしれません。
 「異国の音色耳をくすぐる」などとの表現もありますが、作者の表現を是と
 したいと思います。
 三首目の、「薬を2錠」の転換に、上質なユーモアが感じられます。


     「モミジの競演」

【詞書】立冬も過ぎ軽井沢は益々寒くなったようです。雲場池に行ってきました。
  ピークには少〜し早かった?けれど 今年も綺麗でした❗️❗️
☆雲場池 緑と黄色 更に赤
       今日より明日 モミジの競演
☆喧騒の 中を悠々 雲場池
       赤き水面に カルガモ家族
                         クロママさん
【解説】
 軽井沢の雲場池は紅葉の「聖地」とも言われていますね。イロハモミジを
 始め、色とりどりの紅葉が、池の周辺と水面に映る様は「聖地」と呼ぶに
 ふさわしいとの想いにさせてくれます。

 二首の歌は、何れもその趣を表現した、味わいのある歌と感じます。
 一首目の歌は、緑から黄色、そして赤へと変化していく紅葉の色合いを、
 鮮やかに描き出し、日々変化していく紅葉の様子を、時間の流れと
 ともに表現しており、命の躍動を感じさせてくれます。さらに、様々な
 色の紅葉が競い合う様子を、まるで舞台の上での華やかな演劇を見て
 いるように表現し印象深い歌となっています。
 下の句の「今日より明日へ モミジの競演」と、助詞「へ」を加えて
 見てはと思いますが…。
 また、二首目を少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★人波と もみじを映す 雲場池
         みなも悠々 カルガモ家族

【詞書】YouTube短歌:葬送の帰り 冨田勲 展覧会の絵9 死せる言葉に
  よる死者への話しかけを聴いて
☆色のなく吹く風
  誰も振り返らない
     友もいなくなった道
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 展覧会の絵 死せる言葉による死者への話しかけは、プロムナートの主題を、
 ロ短調で寂しく作曲しております。ムソルグスキーは、親友故ヴィクトル・
 ハルトマンとの様々の事を、絵を見つつ、思い出したのでは無いかと思って
 おります。彼の体調不良に気がついていても何もしてやれなかった。自身は、
 バレー曲が上演中止となり、酒に溺れていた。せめてもの償いに彼の
 遺作展をと。ここまで来て涙が止まらなくなったと思います。
 曲を様々な演奏で聴いても友を亡くしたとしか聞こえませんでした。
 色のなく吹く風は、新古今和歌集卷第八 哀傷歌 久我太政大臣
  物思へば色なき風もなかりけり身にしむ秋のこころならひに
 から。
 下記URLに、曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d8f8c30481a111dbf3d94842c00dfa09
                         自閑さん
【解説】
 前にも触れましたが、冨田勲氏の「展覧会の絵」は、ムソルグスキーの
 同名の組曲にインスパイアされた電子音楽作品として、世界中で高い
 評価を得ていますが、その中に収められた「死せる言葉」という楽曲は、
 特に印象深いものの一つと考えます。
 紹介頂いたYouTubeを改めて聴かせて頂きました。この曲は、タイトル
 からも想像できますように、死と別れをテーマとしています。荘厳で
 ありながらも寂寥感漂うメロディーは、心に静かに語りかけてきました。
 作者の説明にもありますように、葬儀を終え、故人を偲ぶ気持ちを
 抱きながら帰途につく時、この楽曲は心の奥底に哀しみとともに痛切に
 響くのではないかと感じました。
 この曲を聴きながら、新古今和歌集の哀傷歌を思い浮かべるのは作者の
 博識と、優れた発想力、さらには感性故と感じました。
 下の句の「友もいなくなった道」に篭もる、底なしの寂しさと、悲しみが
 歌から響いてきます。おそらく作者の実体験を踏まえた歌とも感じます。

【詞書】隣の家は、時折息子さんが庭の木を剪定したり伐採したりされて
  ますが、道に面した柵のそばにある槿の木は、今んとこ枝の先に二つ、
  三つ実が付いていて、丸々とした薄緑の実(弾ければ“種”が出るん
  でしょうが11月12日現在、まだしっかり閉じている“実”の状態です)が
  何だか可愛らしいんですね。同じムクゲ(宗旦)がうちにもあるんですが、
  そのような実が付いたのを見たこと無いんで、初めて見た(気付いた)と
  いう事もありますが、隣家のムクゲの実が「主無しとて」律義に季節を
  経ていっているのに可愛らしさというか健気さというか…を感じる
  訳です。上手く言えませんが。
☆可愛らし ぷっくり丸々 ムクゲの実
          ゆらゆら揺れる 枝の先かな
【詞書】11月12日昼頃。テレビと大きい窓がある居間から見える、庭の
  サルスベリや、その隣にあるサザンカとかにメジロがやたら来て
  いました。枝をつついていたりするので小さい虫でも居るのを食べて
  いるのかは判りませんが、枝にぶら下がるようにゆらゆらしていたり
  するのが可愛いんで、なかなか楽しめます。(母も「よおけ来てるなあ」と
  言ってました。ほんまにひっきりなしに来てました)ただ、11月も半ばに
  なろうというのに、サザンカが咲かんなあと…。これも気候の変化の
  せいなんかなあ…。なんて、いろいろ考えてしまいます。
☆枝揺らし 飛び交うメジロは何故集う?
          サザンカの花もまだ咲かぬのに
【詞書】2日くらい前に、その前に姉と買い物に行った時に買っておいた
  (「これは買いやで」と買わされた😅)ぶりの(はまちやったかも…😓)
  頭の部分の切り身で“ぶり大根”を炊きました。以前からやっている
  (作り方を見て書いておいたメモを見て)“湯通し”をしてから
  炊いたのですが、イマイチ味が決まらないなあ…と思ってたので、
  昨日姉の家に行った時「昨日(晩に)何したん?」と聞かれて「(“かま”の
  切り身で)大根と炊いたんやけど味がイマイチ決まれへん…」とぼやき、
  「書いてあるから湯通しとかしたんやけど」と言うと、料理人だった
  義兄が「炊く前に(オーブントースターとかフライパンで)皮が少し
  焦げ目付ける程度に焼いてみ」と言い、姉も「ぐじ(甘鯛)とかでも
  少ーし焼いてから鍋とかに入れても美味しいんやで。出汁も出るし」と
  言いました。正月の鯛の焼いたのを後で雑炊とかに使う事を思えば
  「成る程なあ」と思ったので、素直に「次、やってみます」と言うと、
  「少しやで。皮にちょっと焦げ目付けるぐらいで」と義兄が念押しの
  アドバイスをくれました。味沁みの昨日食べたのでも微妙~に
  生臭い感じがするので次作る時は、義兄や姉に言われたやり方を
  やってみようかなと思います。…母は「まずい」とも「生臭い感じする」
  とも言ってませんが、私が納得いってないし…。
  (料理下手なりに頑張らんとなあ…)
  こんな感じです。炊きもんの美味しい季節ですね。料理下手の
  不器用な私は鍋で何とかなる今頃からの季節は助かります。😅
☆ぶり大根 「味、決まれへん…」とぼやいたら
            義兄が「ぶりを少し焼くんや」
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は「むくげの実」「メジロ」「ぶり大根」と、日常の身近なテーマを
 選んで、手堅く三首詠んで頂きました。

 一首目の歌、韻を踏んだ歌いぶりは、童謡にも通じる楽しい歌と感じます。
 ムクゲの実は紡錘形や円錐形で、熟すと5つに裂けて
種子が現れるようですが、
 日照や、肥料の関係で実を付けない
ものもあるようですね。隣家のむくげの
 健気さに寄せる作者の
優しい眼差しが感じられる良い歌と考えます。
 二首目の歌、サルスベリや、未だ咲かないサザンカにメジロが群れるのは
 分からない、との素朴な疑問を詠みながら、詩情
漂う良い歌になっていると
 感じます。

 なお、サルスベリは花期が長く、11月になってもわずかながら蜜が残っている
 可能性があり、メジロは鋭い嘴で花の奥深くまで届き、
残った蜜を吸っている
 のかもしれません。また、山茶花の枝や
葉の裏には、小さな昆虫や虫の卵などが
 残っていることがあり、
メジロはこれらの虫を捕食するために、木々をくまなく
 探して
いるとも考えられますね。鳥たちの何気ない仕草や、疑問を歌に詠みきる
 感性に歌人としての資質を感じます。

 三首目の歌、これも身近な「ぶり大根」の調理法を詠い、その基礎をしっかりと
 表現した歌になっています。お義兄様の
アドバイスも的確にポイントをついて
 いて参考になりますね。

☆木犀の 香り甘いと妻の言う その背に登る十六夜の月
                         ポエット・M
【解説】
 今年の金木犀の開花は、他の花々と同様にかなり遅れ10月の中旬にずれ込み
 ました。先月、たまたま細君と外出からの帰り道、咲き
初め故でしょうか、
 金木犀の甘やかで濃密な香りが、暗闇に漂って
いました。そのとき
 「香りがあまいわ」との呟きが耳に入り、そちらを
みると細君の上空に登る
 月が、雲間から煌々と輝いて見えました。

 満月から若干過ぎていましたが、後で調べると十六夜の月とのことでした。
 十三夜の月と比べ、少し寂しげでしたが…、そんな
金木犀と月との情景を
 詠んでみました。

 
 
     「金木犀」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(63)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

44.「短歌の章」 三十三間堂(1)

   清盛の営みし堂は焼け失せて
            此処にも盛者必滅はあり

   法印湛慶、運慶が命かたぶけし
            千一体の観世音菩薩 

   一掌に一眼をもてあまねくぞ
          みそなはし給ふ 観世音菩薩 

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載します。
 チョウキチさんのコメント
 〇はかりなき千尋の底の海松(みる)ぶさの 生ひゆくすゑは我のみぞ見む 光源氏
 〇千尋とも いかでか知らむ 定めなく 満ち干る潮の のどけからぬに  紫の上
  ある時は自分自身の願望、ある時は現実、どんな時でも独占欲が強く
  口上手な男性、しっかりと男性を見抜く女性という人生観、紫式部の
  人生観そのもののようです。
  華々しい平安貴族の裏側が空けるような気がします。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
  お寄せ頂きありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。「源氏物語」は平安貴族の華やかな世界を
  描きながら、その舞台で雅に舞うかに見える女性達の哀しみや、
  苦悩に寄り添いつつ、光源氏を始めとする男性たちの身勝手さや、
  権謀術数を駆使する様を、冷徹に描き切っていると感じます。
  貫かれている人間観や人生観は作者の紫式部そのものの思想を反映して
  いますし、物語の執筆の過程で、その進化や深まりも感じられます。
  これは作者が、宮廷女房として宮使いしながら様々な経験を積み、
  成長しつつ、世界観も鍛えられていった結果とも考えます。
 
【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157 ネット歌会)

2024年11月13日 05時03分58秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その157 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 湘南ファンタジー」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆霜月といえど夏日が訪れる 山は紅染む気配なし
                         西BOOさん
★立冬を迎えようやく紅葉(もみじ)して 富士の高嶺に初雪の見ゆ 
                         夕庵さん
★「秋まだか」思えば突然冬が来て もう師走まで1ヶ月きる
                         西BOOさん
★突然の冬の気配に驚きぬ お昼はふうふう釜揚げうどん
                         夕庵さん

☆練炭を燻す煙をはこびつつ 木枯らし1号谷の間に間に 
                         西BOOさん
★眼裏に亡母(はは)焼くかき餅こんがりと あれは確かに練炭火鉢 
                         夕庵さん

☆音もなく光を散らし銀杏散る ひらり野点の紅き傘へと
                         みっちっちさん
★文庫本持ちてカフェに寛ぎぬ 公孫樹の見えるわが指定席
                         夕庵さん
★彩りの光に染まり銀杏散る 火灯し頃のテラス席へと
                         みっちっちさん
★ぼんやりと君の横顔照らし出す 手には銀杏一粒乗せて
                         夕庵さん
★どんぐりを手に眠る子へ 穏やかな母の横顔落日に染む
                         みっちっちさん
★保育所の園児のお昼寝淋しさに 先生の手離さずに居る
                         夕庵さん
★母の手を離さず眠る幼子は はしゃぎ疲れし夕日の車窓
                         みっちっちさん
★七五三の三歳の女児は赤い被布 手に千歳飴スニーカー履いて
                         夕庵さん
★千歳飴引きずり歩く三歳児 赤い着物も着崩るるまま
                         みっちっちさん
★千歳飴すくすく育てと親の愛 溢れる笑顔に秋の陽眩し 
                         夕庵さん
★すくすくと育ち親の背抜かす娘(こ)よ いつの間にやら労はるる親
                         みっちっちさん
★断ち切れぬ無償の愛も時として 崩れることの危うさに泣く
                         夕庵さん
★無償の愛崩るるやうに見へてなほ強き絆のありと思(も)ふ今
                         みっちっちさん
★無償の愛崩るるやうに見へてなほ 強き絆のありと思(も)ふ今
                         みっちっちさん
★累々と血のつながりの不思議さよ 今日もどこかで生まれる生命(いのち)
                         夕庵さん

     「未だ咲き残る コスモス」

☆コスモスは花野を覆い風呼ぶも 炎暑をしのぎ匂い立つがに
                         ポエット・M
★花の丘コスモス素風に揺れにゆれ あるがままにとわれに寄り添う 
                         夕庵さん
★あるかなき風に揺れいるコスモスの 君に寄りそい なにを語るや 
                         ポエット・M
★ふりむけば いつもあなたは傍にいた コスモスの束高く掲げて 
                         夕庵さん
★コスモスの束を掲げてふりむけば 君は花野の蝶と戯れ 
                         ポエット・M
★コスモスや黄蝶と遊びし幼日よ 蘇りくる夢のなかにも 
                         夕庵さん
★コスモスに舞いたる蝶と戯れる 夢の幼日 淡々として 
                         ポエット・M
★幼日は貧しくみんな明るくて 未来の夢に励みし日々よ 
                         夕庵さん
★未来への夢が励みと なる日々は この日の本の確かな歴史
                         ポエット・M
★繰り返す挫折にめげず 立ち上がる 君の未来のひとすじの道 
                         夕庵さん
★望月を 仰ぎてひかり身にあびる 挫折も悔いも 越えて諾う
                         ポエット・M
★すぎこしの身に望月のひかり浴び さしだす両手に宿る玉の緒 
                         夕庵さん
★魂と身を 繋ぐとも言う 玉の緒に 注ぐや月の かげはさやかに
                         ポエット・M
★水無月の 古墳の街で求めしは 海の色した青い勾玉
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「ようやく色づいた 紅葉」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その156)

2024年11月06日 05時54分04秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その156) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 ビバリー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「11.花散里(はなちるさと)」
 右大臣家の台頭、女性たちとのはかない関係から源氏は厭世を強めていく。
 そんな折、源氏は故桐壺帝の女御であった女性の邸を訪れる。女御の妹
 (花散里)と源氏はかつて宮中でほのかな関係があり、姉妹は源氏を頼りに
 暮らしていた。邸へ向かう途中源氏は、昔なじみがあった中川のほとりに
 住む女に歌を届けさせたが、返事はつれないものだった。落ち着いた
 雰囲気につつまれた女御の邸で、源氏は女御と故桐壺帝のことを回想し、
 その後、花散里を訪ねた。花散里は源氏の不在を責めることなく、
 穏やかに語り合った。
〇をちかえり えぞ忍ばれぬ ほととぎす ほの語らひし宿の垣根に 光源氏
  昔を思い出して下さい。ほととぎすの声が逢わずにいられないと
  鳴いています。昔、少しだけお逢いした同じその垣根で……
〇ほととぎす 言問ふ声は それなれど あなおぼつかな五月雨の空 中川の女
  ほととぎすの声は昔のままですけれど、貴方の心は五月雨の空のように、
  頼りになりません。
(返歌)
☆御心の安まる暇なく辛そうで 逢瀬を持った情け忘れなく
☆姫君は若々しくも懐かしく わざと思い出すふり切なく
                         浅間山明鏡止水
【解説】
 作者の説明にもありますように、花散里と光源氏は若い頃に宮中で逢瀬をかわす
 恋人同士でした。しかし、光源氏はなかなか花散里の元へ訪ねてきませんが、
 たまに
訪れると、嬉しい気持ちの方が大きく、恨めしく思っていたことも忘れて
 しまう
のです。そんな経緯を踏まえ、光源氏と、花散里(中川の女)の歌を
 味わって
みました。なお、光源氏の歌の「えぞ忍ばれぬ」は、係り結びの法則に
 より
「堪えることができない」と意訳できます。
 光源氏と、花散里の歌のいずれにもホトトギスが詠われています。光源氏の
 ホトトギスは、彼の心情を代弁し、花散里への想いを伝えようとしていますが、
 花散里はホトトギスの声と、光源氏の心は別で頼りにならないと返しています。
 これらを踏まえた、作者の返歌はそれぞれの詠み手の立場に寄り添いつつ、
 尊重した歌となっており共感できます。
 光源氏の立場から、花散里への返歌として詠んで見ましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★逢わずとも忘れぬ君の面影を 川の畔に求めまみえる
 ★五月雨の空は変われどわが心 君を想いてひたぶるに燃え

【詞書】「銀杏散る」は晩秋の季語です。散ってしまった「銀杏落葉」は
  冬の季語になります。
  先週に続き「朝寒」で一首と、計三首、出詠致します。
☆風あるもなくも散りゆく大銀杏 夕日に淡く光散らして
☆公園の銀杏落葉へ みどりごの 始めの一歩ゆるりさくりと
☆朝寒の郵便受けはちらしのみ 君のさよなら確かめてゐる
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、俳句の季語「銀杏散る」「銀杏落葉」「朝寒」を読み込み三首の
 歌を詩情豊かに詠んで頂きました。
 一首目の歌から、晩秋の静かで穏やかな情景が目に浮かびます。風もなく
 穏やかな日に、大きな銀杏の木の葉が一枚、また一枚と静かに散っていく
 様子が、
まるでスローモーションのように表現されています。さらに、
 下の句で、
黄葉した銀杏の葉が夕日に照らされ輝きながら地面に散り敷く
 様子が鮮やかに
目に浮かびます。
 この歌からは、作者の穏やかで繊細な心情も感じられ、晩秋の風景の中に、
 時の流れの速さや、過ぎ去っていくものへの哀惜の情といったものが滲み
 出ています。「銀杏散る」という季語の喚起力が効果的に使われ歌の情景を
 より鮮やかに描き出すことに成功しています。
 二首目の「ゆるりさくりと」の擬態語の表現が、みどりごの歩みを温かな
 眼差しと共に、見事に活写しています。

【詞書】8kテレビを購入したことを詠ませて頂きました。
☆出不精で中古の8kテレビ買う 臨場感の圧巻たるや
【詞書】台風の接近を詠ませて頂きました。
☆霜月を間近に控え台風の 接近予報 不安が募る
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、8Kとは、次世代の映像規格で現行ハイビジョンの16倍の
 画素数で、まさに詠まれているように、映像は高精細ばかりでなく、
 その臨場感は感動的かと思います。
 居ながらにして世界の映像が、その場に佇んでいるかのように見える
 事は、カメラマンとして映像にこだわる作者の感性をくすぐるものが
 あったことと思います。「圧巻たるや」にその想いが溢れています。
 二首目の歌、台風21号(コンレイ)は、11月1日にかけて台湾を渡り、
 その後、台湾海峡、東シナ海へと進んで11月1日午後9時に東シナ海で
 温帯低気圧に変わりました。このあとは、台風から変わった低気圧が、
 前線を伴って3日(日)にかけて、九州から東日本を通過し各地に警戒を
 要する程の大雨を降らせました。
 詠まれているように、霜月になって接近する台風は異常であり
 「不安が募」りますね。このように、気象や、世情の喧騒等、歴史の
 一齣を詠み続ける短歌も、
記録文学として貴重と考えます。

【詞書】金木犀は昨日莟だったのが、今朝は満開になりいい香りを
  放ちます。そして木下に落花の円を描いて終わりを告げます。
☆金木犀 芳香放ちて咲き継ぐも朝(あした)は落花の円を描かむ
☆秋雨は音なく降りて町なかは 金木犀の香りに淀む
☆ほつほつと煮込むシチューの泡いくつ 雨の音聞くひとりの厨
                         夕庵さん
【解説】
 金木犀の開花は、夏の暑さゆえでしょうか、大分遅れていましたが
 秋の深まりにつれ、あの甘やかな芳香と共に黄金の小花が鮮やかに
 咲き出しました。しかし、木の周りには既に金色の落花が円を描いて
 散り敷いていますね。

 一首目は、この金木犀を詠い、作者の鋭い観察力と豊かな表現力に
 よって、秋の情景と、それに伴う作者の心情が見事に融合されつつ
 響いてきます。
 なお、咲き継ぐ花と、落花との対比が、生と死、盛衰といった自然の
 摂理を詠い深い余韻が感じられます。また、芳香と円を描いて散る
 様のコントラストが、嗅覚と視覚の両面から余情に満ちた情景を

 表現しています。さらに、心地よいリズム感で朗詠したくなります。
 二首目の、「秋雨は音なく降りて」と、「香りに淀む」との対比に
 より、
深まりゆく秋の情趣を、繊細でより立体的に表現していて
 秀逸です。

     「満開の金木犀」

【詞書】かきの木ゆずの木 二首
☆かきの木ゆずの木みかんの木
 夕日にてらされまっかっか
 小春はる
☆はるはる小春秋のゆふ
 まっかかっかからすのかへる
        何食べた
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 赤い鳥風の短歌を作ってみました。
 最近、アジアの純情の曲を久しぶりに聞きました。
 この曲はとても恐ろしいと思っています。
 ペキン、ベルリン、ダブリン、リベリア、束になって、輪になって~
 火山、マゼラン、上海、マラリア
 と何一つ意味が通じないですが、ただリズムだけで詩を書いています。
 井上陽水の天才だからですが、奥田民生が書いた鼻歌まじりの曲の
 テープを聴いて、「そう言う風に聞こえた」と。
 凡人の私には、彼の真似は出来ませんし、どうしても意味を作って
 しまいます。
 謡曲の謳いは、師匠から弟子に、歌うままに真似て、意味など考えた
 事も無かったとのこと最近知りました。
 日本の古い童謡も、
 籠目の鳥は、いついつ出やる、夜明けの晩に、鶴と亀が滑(統べ)った。
 後ろの正面だあれ?
 と意味不明。
 刈り終わった田んぼの道を歩いていると、農家の庭先に、柿と柑橘系の
 二種の木がありました。
 ゆずか、みかんかは分かりませんが、リズム的にそうしました。
 最後の五文字にかなり推敲しました。結句が要と思っております。
 二首目は、ビールの進むまま。赤い鳥が赤い実を食べたとすれば、烏は?とか。
 自分のリズムであり、赤い鳥風なので、歴史的仮名遣ひになるので、ご容赦を。
                         自閑さん 
【解説】
 作者が「この曲はとても恐ろしい」と言われた「アジアの純真」は、PUFFYの
 デビューシングルですが、作詞は井上陽水、作曲は奥田民生でキリンビバレッジ
 「天然育ち」CMソングとして使われましたね。作者も言われるように
 「ただリズムだけで詩を書いて」いるように感じますし、あえて意味を持たせ
 なくても良いのかもと思ってしまいます。それだけノリの良い曲と思っています。
 詞書の通り「かきの木ゆずの木」をテーマに「赤い鳥風」に二首の歌を詠んで
 頂きました。
 『赤い鳥小鳥』はご存知のように、北原白秋によって作られた童謡です。彼は、
 口頭伝承で歌い継がれてきた「かごめかごめ」「花いちもんめ」等のような、
 わらべうたのコレクターでもありました。そして、政府主導で作られた学校唱歌の
 誕生により衰退していった、わらべ歌の状況に心を痛め、その復興を目指して童謡を
 作ったと言われています。従って作者の言われるように歌には、リズムのみでなく
 「意味を」をもたせ、子供たちの純真さに応える、言葉の響きと、歌い易さを
 目指したと推察しています。
 これらを踏まえ作者の二首の歌を鑑賞しますと、リズミカルな響きと、言葉が
 描きだす景観が鮮明に浮かんできます。一度口ずさむと忘れない歌とも言え、
 『赤い鳥小鳥』の詞に通じるものを感じます。作者にも北原白秋の想いを継承し
 令和の御代の「新たな童謡歌の創作」に挑戦して頂ければ嬉しいです。

【詞書】ベイスターズファンの皆様おめでとうございます!いや~、日本一
  ですね~。2連敗の後の4連勝!いや感服いたしました。
  権藤元監督も祝福されたそうで…。
  来期は若い監督でタイガースが逆襲させていただきます。😁
  しかし、凄かったですね。ハマスタの内も外も、ロサンゼルスに負けない
  くらいブルー一色で…。牧選手ばりのファンの皆さんも「デスターシャ!」
  いや…実に羨ましい…。
  (あれはウクライナ人の兄弟のYouTuberさんがやってたのを、ゲーム
  好きの牧選手たちがやり出したんだとか。…楽しそうでいいなあって
  思ってました)
☆ハマスタの外でも勝利の「デスターシャ!」
          一面ブルーでファンが波打つ
【詞書】これについてはもう一言、「やっと今なんかい?!!」です。私は当時バイト
  でしたが20年以上前にパートさんの先輩がその話してました。
  「調整がねえ…」とか。(中には家計の為ダブルワークしてはる人も…)
  物価だって上がっているのに、なんで20以上も何もせえへんかってん?!
  やっと今頃かいな?!と思う今日この頃で。
☆今時分「103万の壁を…」と言い
      取り沙汰するけど「やっっっっっとなんかい!!!」
                         ちがやねこさん

【解説】
 一首目の歌、クライマックスシリーズ三位から、文字通り「下剋上」で
 勝ち上がり、セリーグの代表として、日本シリーズ戦に望み、パリーグの
 覇者と互角に渡り合い日本一をつかみ取ったDeNA。その監督をはじめ、
 選手、フアンの皆さんに心からの拍手を送りたいと思います。
 作者は熱烈な阪神フアンであることは理解していますが、それでなお、
 勝利を讃え、祝う想いが歌には滲んでいると感じます。
 なお、「デスターシャ」は、いまやDeNAの象徴ともなっていますが、
 詞書にもありますように、ウクライナ人の兄弟ユーチューバー
 「サワヤン」のYouTube番組から自然発生的に生まれた造語とのことです。
 二首目の歌、今回の総選挙の「目玉政策」の一つになった「103万の壁」
 ですが、詠まれているように半世紀前から問題になっていた課題ですね。
 さらに、社会保険も含めると3つの壁が存在しますが…。
 「やっと今なんかい?!!」は、詠まれている通りですが、この問題に焦点が
 当たった機会に、掛け声だけに終わらせないで、じっくり法案として
 検討し、実現に向けて取り組んで欲しいものですね。
 そんな取り組みを促す一首になっていると考えます。このような社会詠も
 有りと考えます。

☆コスモスは花野を覆い風呼ぶも 炎暑をしのぎ匂い立つがに
                         ポエット・M
【解説】
 この欄に度々登場する観音崎丘陵にある公園、「花の広場」は遅咲きの
 コスモスが未だ咲き残っています。夏の炎暑を凌ぎ傷つきながらも楚々
 とした花を、晩秋の風に揺らしていました。
 多くの草花はあの夏の炎暑を凌ぎきれずに、無惨な姿をさらしていますが…。
 その中で、花野を圧するほどの力強さは無いものの、風に揺れるコスモスの
 儚さとは裏腹な、その花の持つ凛とした強さを改めて感じました。そんな
 姿を「匂い立つがに」の言葉に託し、詠んでみました。

 
     「花野に揺れる コスモス」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(62)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

43.「短歌の章」 永平寺(1)

   永平寺七百年をへだてる道元の
              遺偈一山圧す

   七堂伽藍寂寞のうちに暮れ行きて 
         永平寺いま老杉に没す

   修行僧のひとみに会へばすがやかに
          かかるとき世にかかる人あり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】先週に引き続き掲載します。
 チョウキチさんのコメント
 〇はかりなき千尋の底の海松(みる)ぶさの 生ひゆくすゑは我のみぞ見む 光源氏
 〇千尋とも いかでか知らむ 定めなく 満ち干る潮の のどけからぬに  紫の上
  ある時は自分自身の願望、ある時は現実、どんな時でも独占欲が強く
  口上手な男性、しっかりと男性を見抜く女性という人生観、紫式部の
  人生観そのもののようです。
  華々しい平安貴族の裏側が空けるような気がします。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
  お寄せ頂きありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。「源氏物語」は平安貴族の華やかな世界を
  描きながら、その舞台で雅に舞うかに見える女性達の哀しみや、
  苦悩に寄り添いつつ、光源氏を始めとする男性たちの身勝手さや、
  権謀術数を駆使する様を、冷徹に描き切っていると感じます。
  貫かれている人間観や人生観は作者の紫式部そのものの思想を反映して
  いますし、物語の執筆の過程で、その進化や深まりも感じられます。
  これは作者が、宮廷女房として宮使いしながら様々な経験を積み、
  成長しつつ、世界観も鍛えられていった結果とも考えます。
 
【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その156 ネット歌会)

2024年11月06日 05時28分19秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その156 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 コケットロマンチカ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆出不精で中古の8Kテレビ買う 臨場感の圧巻たるや 
                         西BOOさん
★大型のテレビに映るアップの顔  生きこし歴史の見え隠れする 
                         夕庵さん
★百歳で現役の医者映りたる 老いても尚且つ命を助けむ  
                         西BOOさん
★百歳(ひゃく)にして命とむきあう現役の医師は医学の鑑とせむや
                         夕庵さん

☆公園の銀杏落葉に みどりごの 初めの一歩ゆるりさくりと 
                         みっちっちさん
★園児らは銀杏落ち葉を両の手に掬いて散らす公園散歩    
                         夕庵さん
★公園にベビーカー押す母と子へ きらきらと散る銀杏の光
                         みっちっちさん
★見はるかす天守閣より城内は 黄の大銀杏と桜紅葉
                         夕庵さん
★見はるかす淡路島へと続く橋 家族と徒歩で渡りし春よ
                         みっちっちさん


     「花の野コスモス」

☆朝寒の郵便受けはちらしのみ 君のさよなら確かめて居る   
                         みっちっちさん
★バス停の赤いポストは淋しそう 散歩の犬もそっぽをむいて 
                         夕庵さん
★秋晴の村の外れの赤ポスト 色鳥戯れて小犬はしゃげり
                         みっちっちさん
★思わずも祈りを込めて投函す ポストは知るやはかな想いを 
                         夕庵さん
★幾たびも書ひては消して ポスト前 また逡巡す恋文とふは
                         みっちっちさん
★ほんわかと思い出すさえ懐かしき 「あさきゆめみし」読み終えし 今
                         夕庵さん
★許されぬ恋は義母なり 光る君 今も読み継ぐ永遠(とは)の哀しみ
                         みっちっちさん
★人恋いて時代(とき)は変われど永遠に 苦しみのはて相聞歌生む     
                         夕庵さん
★君恋ひて苦しみあれど 世を繋ぐ文学読めば想ひは深し
                         みっちっちさん
★この恋を歌に託して詠むうちに なお深くする恋情ひとつ   
                         夕庵さん
★歌詠むは己れの心覗くこと 悲喜交々の恋情深し
                         みっちっちさん
★心裡 穏やかならぬため息を 宇治川(かわ)に放てどいやます恋慕
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「未だ咲く酔芙蓉 八重」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

 

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155)

2024年10月30日 05時12分02秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 ビバリー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 源氏物語巻名歌は「源氏物語に登場する個性豊かな15~20人の女性たち」
 を中心に返歌を楽しみたいと思っています。主に光源氏と女性たちの
 贈答短歌が中心です。今週は源氏物語巻名歌から2首提出しますので
 ご指導よろしくお願いします。
 巻名歌は過去分と重複するところもありますが、返歌自体は新規で
 作成しています。私は再度研究しますので、返歌のみのご指導で簡潔に
 願います。
「10.賢木(さかき)」
 六条御息所は源氏への思いを断ち、娘とともに伊勢に向かう決心をした。
 出発間近になって、源氏は野宮に六条御息所を訪ね、ふたりは晩秋の野宮で
 心ゆくまで語り明かした。十月、かねてより病に伏せていた桐壺院が崩御。
 年があらたまり、朧月夜が尚侍として帝に仕えた。朱雀帝は、母、弘徽殿の
 大后の言いなりとなり、源氏は政治的に追いつめられていく。藤壺は桐壺院
 亡き後、東宮の後ろ盾として源氏を頼りにするが、源氏の藤壺への執心は
 ますます強まっていく。思い悩んだ藤壺は、桐壺院の一周忌法要後、髪を
 落とした。失意の源氏だが、朧月夜との関係は続いていた。ふたりは
 ある日、右大臣に逢瀬の現場を目撃される。弘徽殿の大后をはじめとする、
 右大臣家の怒りは凄まじいものだった。
〇暁の 別れはいつも 露けきを こは世に知らぬ 秋の空かな  光源氏
 註)あなたとの明け方の別れではいつも涙に濡れたが今朝の別れは今までに
   ないくらい涙に曇る秋の空です
〇おほかたの 秋の別れも 悲しきに 鳴く音な添えそ 野辺の松虫」
                               六条御息所
 註)ただでさえ秋の別れは悲しいものなのにさらに鳴いて悲しませないで
   野辺の松虫よ 
(返歌)
☆光源氏 冷たい態度 取ったこと 後悔するも 別れを選ぶ
☆年下の 恋に溺れる 六条は 嫉妬に苦しみ 生霊となるも 
                         浅間山明鏡止水
【解説】
 源氏物語で、六条御息所は、当代一の文化人として貴族社会に知られている
 存在と描かれています。高貴でしかも美しく教養があり、しかも執念深さも
 もっている女性。この方と光源氏は結ばれ、その後の物の怪の出現等哀しい
 展開へと繋がっていきます。その中で、愛の儚さ、そして人間の業と運命
 といった
普遍的なテーマが繊細に描かれています。
 これらの背景を踏まえ、作者の返歌を鑑賞したいと思います。
 妻である葵の上の死に六条御息所の生霊が関わっていたことから、光源氏は
 六条御息所への愛情が急速に冷め、別れとなりました。作者はこの経緯へ
 想いを馳せ、六条御息所の哀しみに寄り添い、さらに、光源氏の後悔を
 二首の返歌で表現しています。
 それぞれの返歌を別の視点から詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★暁の別れを越える哀しみを 更にかさねて濡れる涙よ
 ★この命かけて慕いし君ゆえに 冷たきしうちに魂も乱れる

【詞書】「朝寒」(あささむ)は晩秋の季語です。まず朝の寒さに
  気づくのですね、「寒き朝」は冬の季語になります。
  朝寒で三首、出詠いたします。
☆朝寒の卓に紅茶の湯気細く 絹のごとくに立ち上ぼりゆく
☆石窯の火色の妣(はは)のセーターを箪笥より出す 窓は朝寒
☆朝寒の透き通るごと静寂(しじま)なる狭庭に鳥の集まれる声
                         みっちっちさん
【解説】
 今回も、俳句の季語「朝寒」を用いて晩秋の情景を、味わい深く三首の
 歌に詠んで頂きました。なお、短歌では季語を必須とはしていませんが
 短歌と季語のコラボレーションは意欲的な挑戦として是としたいと
 思っています。
 三首目に触れたいと思います。晩秋の朝、空気中の塵埃を沈ませ、
 庭を澄み切った静けさが包みます。「透き通るごと」という言葉が、
 この静けさと澄明さの度合いを際立たせています。
 また、下の句の「鳥の集まれる声」が、この静寂の中に鳥のさえずりが
 響き渡り、この対比が冬の朝の静寂をより際立たせるとともに、
 生命の息吹さえもを感じさせます。
 この歌は、短い言葉の中に晩秋の朝の爽やかな情景と、そこに生きる
 生命の息吹が凝縮し表現されて印象深い歌になっています。
 一首目の「絹のごとくに」の比喩も素敵です。

【詞書】大谷翔平選手を詠ませて頂きました。
☆ナ・リーグの優勝祝し乾杯す 次は翔平ワールド・チャンプ
【詞書】衆議院選挙を詠ませて頂きました。
☆衆議院選挙の期日前投票 裏・裏・裏にて野党へ一票
【詞書】霜降に入ったことを詠ませて頂きました。
☆霜降といえど夏日が続きける 「時」の歯車戻してくれよ
                         西BOOさん
【解説】
 今回も「ワールド・チャンプ」「衆議院選挙」「霜降」と、追加分も含めて
 新鮮な
テーマで三首詠んで頂きました。
 一首目、今まさにワールド・チャンピオンに向けて対戦し、3勝しましたが,
 大谷選手の怪我が心配ですね。肩の亜脱臼との診断ですが、怪我にも関わらず
 
戦線復帰しました。大事に至らないことを願うばかりです。
 二首目、今回は政権党の「裏・裏・裏」が明らかになり、政権への失望と
 怒りが増大し、与党の過半数割れという厳しい国民の審判が下されましたね。
 これは、作者の詠まれたように判断された方が多かったからと考えます。
 疑義の
根幹を明らかにし、是正し解消することなく、約束すら反故にする
 誠実さに欠ける姿勢が
随所に目立った結果と考えます。

 三首目、暦の上で「霜降」となるものの、霜ではなく夏日が続くという
 まさに、「時」の歯車の回転の異常さが目立ちますね。CO2排出の削減等
 原点に還っての、取り組みが喫緊の課題となりつつあると考えます。
 世情の問題点に切り込む、鋭い視点に今回も学ばせて頂きました。


     「風に揺れる コスモス」

【詞書】コスモスの便りを聞くとすぐに行きたい衝動に駆られます。
  今年こそいい写真をと思うのですが、上手く撮れませんでした。
☆コスモスは揺れやまず咲き石仏の 変わらぬ笑みに安らぎ覚ゆ
☆コスモスの花びらキューブに閉じ込めて 階(きざはし)飾る花の寺なり
【詞書】亡くなった友人の庭に今年も好きだったノボタンがひっそりと
  咲いていました。 
☆ノボタンはあなたの居ない庭に咲く 雨には傘を差し掛けましょう
                         夕庵さん
【解説】
 秋風に揺れるコスモスは、それだけで絵になりますが、その花とノボタン
 をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌について触れたいと思います。上の句では、コスモスが風に
 揺られながらも咲き続け、生命力にあふれ、常に変化している様子が
 巧みに表現されています。
 一方、下の句では、石仏が時の流れに動ずることもなく、静かに微笑み
 続け、永遠不変の様子が象徴的に詠まれています。
 総じて、コスモスのもつ生命力と爽やかさ、さらに石仏の笑みと永遠不変の
 静けさ。この対比の中で、作者は深い安らぎを感じていることが情趣豊かに
 詠われています。癒しと共感を誘う余情に満ちた歌と感じます。
 三首目の歌、かつて友人と共に眺めたノボタン。今は亡きその友の庭に
 ヒッソリと咲く濃い紫のノボタン。「雨には傘を差し掛けましょう」の
 下の句に、友人と、ノボタンへの作者の想いが溢れ涙をも誘います。

【詞書】10月23日(水)付 朝日新聞朝刊社会面の写真を見て。
  22日に甲子園球場での秋季練習が始まったという記事の写真でしたが、
  コーチと選手の間でにこやかな表情の阪神タイガース新監督、
  藤川球児氏を見て、監督が若くなり、雰囲気も明るくなったかな?
  という感じがしました。ついこの間まで現役だった藤川監督ですから、
  溌剌とチームを引っ張ってくれることでしょう。残念ながら
  “アレンパ”は逃し、セ・リーグ2位で臨んだクライマックス
  シリーズも敗退してしまいましたが、優勝を狙える位置に居るのが
  常になっている昨今のタイガースを維持し、なお上を目指していく
  シーズンでありますように…。監督、ほんま頼んまっせ!!!🐯
☆そのまんま ピッチャーマウンドに上がりそう
             「“球児監督”阪神頼むで!!」
【詞書】10月26日(土)新聞の朝刊の記事より。
  漫画家のちばてつやさん(「あしたのジョー」原作:高森朝雄氏や、
  「ハリスの旋風(かぜ)」「のたり松太郎」、テレビアニメ「あかねちゃん」の
  原作、「みそっかす」など)が、漫画家では初となる文化勲章を受章された
  そうです。(紫綬褒章は現在までに30名ほど受章しています。ちばさん
  自身も2002年に受章。2014年には文化功労者になられているんだとか)
  ちばさんのコメントの「~現在に至る全ての漫画家が、子供の読み物と
  思われていた漫画を『文化』と認識してもらえるまでに育て上げて
  きました」「今回は、その全ての漫画家たちの創作活動に対しての評価を
  いただけたのだと、とても嬉しく誇らしく思います」…長々と引用
  しまして済みません。確かに、連綿と続いてきた日本における漫画の
  歴史は、長らく「子供の読むもの」だったかと私も思います。が、近年は
  漫画も様々なジャンルが生まれ、高い評価を受ける作品も多々あり、
  海外の方々も日本の(COMICでもCARTOONでもない)“MANGA”の熱心な
  読者になっています。そしてつい最近「漫画は“日本の文化”だ!」と
  誇れるようになったのかなと思います。その歴史のただ中にあった
  漫画家さん方、携わった方々の代表として、そして個人の長年の作品を
  創って来られた努力に報いる形としての受章であろうと思いますし、
  本当に喜ばしいことです。ちば先生の原点は、戦後、中国から出国する
  途中に、お父さんの知り合いだった中国の方が匿ってくれた先で
  弟さん達(亡くなられたちばあきお先生は「キャプテン」などの人気
  作品がある漫画家さんですし、もう一人の弟さんも「4P田中くん」と
  いう野球漫画の原作者で漫画に関わる仕事をなさっているそうです)を
  楽しませようとして、絵本を描いたことだと聞いたことがあります。
  平和な中で好きな漫画を描けることは何物にも代え難い事だと思い
  ます。戦中戦後の体験がある漫画家さんも年々少なくなってくる中、
  そういった体験を漫画で伝えて下さるのは有難いことだという思いは
  あります。そういう功績も含めての受章なんじゃないかな…と。
  ともあれ、受章おめでとうございます!
☆漫画界 あしたはどっちも明るいか
           ちばさん文化勲章受章で
【詞書】…実はリアルタイムで見ていません。💦
  姉の所に行ってて(姉は裏番組の「やすとものどこいこ!?」という番組を
  いつも見てるんで…)、CMの隙にちらっとチャンネルを変えてパドック
  だけは少し見られたんですが、レースはダメでした。😭後から母に
  「武さん勝ったらしいよ」と聞いたので、是非とも見たい!(文字を
  大きくしたいぐらいです)と思い、スマホの動画で見ました。何と凄い!
  何て鮮やかな勝ち方や!!4コーナーを曲がるまで後ろから数える方が
  早い位置に居たのに、直線で何や何や何や!?って感じに、ぶわあ~っ!!と
  上がってきて、あれよあれよと1着入線!何じゃこりゃー?!さすが武さん!
  さすがダービー馬(’22年)!あんなに鮮やかな勝ち方久しぶりに見ました。
  いや~、良いもの見せていただきました。武騎手は秋天7勝タイだ
  そうです。やっぱ凄いわ。因みに2着はタスティエーラ。’23年の
  ダービー馬(スキルヴィングがゴール後に斃れたレース…😢)です。
  余談ですが5、6、7着に、お父さん、長男、三男の順で横山ファミリーが
  入っていたことが、ちょっと面白かったです。(本人達や陣営は悔しい
  でしょうが…)いやあ、ドウデュースと武騎手の爽快なレース、元気を
  もらいました!武さん、ドウデュース、陣営の皆様、おめでとうございます!
☆ドウデュース・武騎手コンビが鮮やかに
         直線一気で「秋天」制す
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「“球児監督”」「ちばさん文化勲章受章」「天皇賞(秋)」という
 ホットなテーマを、作者の独自の切り口で、三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、新監督藤川球児氏の下で、再び“アレンパ”を目指す球団への
 エールの篭もった渾身の一首と感じます。現役そのままの監督への、期待が
 溢れた歌とも感じます。フアンとはいいものと、しみじみ感じます。
 二首目の歌、ちばてつやさんの文化勲章受章は、ちばさんも言われる通り
 「全ての漫画家たちの創作活動に対しての評価をいただけた」ものと
 考えます。作者も言われるように「海外の方々も日本の“MANGA”の熱心な
 読者」になり、「日本の文化」として誇れる存在になったことも事実と
 考えます。詠われているように「あしたはどっちも明るいか」に、作者の
 熱い想いの籠った良い歌と思います。弟のちばあきお氏の「キャプテン」は
 私も子供たちと共に何度も読み返しました。野球の「心」が溢れていたと
 思って
います。懐かしい“MANGA”でもあります。
 三首目の歌、ドウデュース、武騎手コンビによる、天皇賞(秋)を制覇した
 走りはまさに「芸術的」ですらありましたね。ドウデュースの脚力を信じ
 最初は抑え気味に奔り体力を温存しつつ、第四コーナーを曲がり、最後の
 直線で一気に勝負をかけるのは、並みの騎士には出来ない芸当ですね。
 そんなワクワク感が詠みこまれた、臨場感すら感じる歌と感じます。
 「直線一気で」の表現が生きています。競馬フアンでなくとも感じます。

【詞書】YouTube短歌:都会の孤独 古風なメヌエット 
  ラヴェルピアノ曲を聴いて
☆点滅する信号機
 騒音の中の孤独

   私はどこへ
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 古風なメヌエット(Menuet Antique)は、モーリス・ラヴェルの最初の
 出版作品であるピアノ独奏曲。1895年の作品。当時作曲者はまだ20歳で
 あったそうです。
 どこが、アンティークなのか?とは思うが、ラヴェルらしい意味不明と
 言う難曲。当然出来た短歌も意味不明です😓
 下記に、ラヴェルの曲を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/277522afb94fd9f56754edcee89f915d
                         自閑さん
【解説】
 YouTubeは「鈴木萌子ピアノリサイタル(2021年3月13日)」の曲を視聴
 させて頂きました。
 作者の説明にもありますが「古風なメヌエット」は、若きラヴェルの
 才能と、彼独自の音楽観が凝縮された作品とのことですね。視聴させて
 頂いた限りでは、クラシック音楽でありながら、十分現代的な曲との印象
 でした。メヌエットとは、18世紀の宮廷舞曲の形式を踏襲しているとの
 ことです。クラシック音楽には詳しくない私の感想ですので必ずしも

 的を射てないことを承知して申しますと、この曲は豊かな和声や、形式を
 超えた斬新なリズム感が散りばめられている優美な曲と感じました。
 特に、密集した和音による導入部と、短2度(半音)による不協和音は
 印象的な響きとなって伝わってきました。
 これらの曲を踏まえて作者の作品を鑑賞させて頂くと「騒音の中の孤独」
 が象徴的な句として印象に残ります。これは喧騒渦巻く現代の状況に
 おかれた私達の、大方が感じる想いでもあると感じます。その中で自らの
 居場所を確認し、「どこへ」向かうのかも不明な状況は同様であろうと
 思ってしまいます。しかし、混沌とした状況の中で「私はどこへ」と、
 真摯に進むべき方向を模索する、そんな前向きな姿勢を感じさせる歌と
 解釈させて
頂きました。

☆振り向けば相模の灘の夕凪よ 落暉を映し燃え立つがごと
                         ポエット・M
【解説】
 三浦半島に「湘南国際村」という小高い丘があります。そこから逗子湾や
 相模湾の眺望がよく、ドライブついでに時々立ち寄ることがあります。
 10月下旬にはようやく秋らしい気候となり、海の眺望も良く景観もスッキリと
 見え始めました。訪れた時は、ちょうど夕凪時で落日を映した海面が、燃え
 立つように赤く染まり始めました。
 静止画のように静まる夕凪の海が、落日を映して燃えたつように変化する様を
 詠んでみましたが・・・、少し高揚感に欠ける歌となりました。

 
     「秋薔薇 チャールストン」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(61)

 「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
 短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
 その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

42.「短歌の章」 香港中文大学(1)

   冬に入り風冷ゆるなり 双思樹の
         花もそこばく今朝は散り敷く  ※

   冬の間を籠るとすらむ山ほどの 
         陽だまり暖かく群れ飛ぶ胡蝶

   九龍の山ふところのひなたなか
          冬を籠ると蝶美くしき

   注) そこばく:たくさん。数量の多いさま。

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 チョウキチさんのコメント
 〇はかりなき千尋の底の海松(みる)ぶさの 生ひゆくすゑは我のみぞ見む 光源氏
 〇千尋とも いかでか知らむ 定めなく 満ち干る潮の のどけからぬに  紫の上
  ある時は自分自身の願望、ある時は現実、どんな時でも独占欲が強く
  口上手な男性、しっかりと男性を見抜く女性という人生観、紫式部の
  人生観そのもののようです。
  華々しい平安貴族の裏側が空けるような気がします。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
  お寄せ頂きありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。「源氏物語」は平安貴族の華やかな世界を
  描きながら、その舞台で雅に舞うかに見える女性達の哀しみや、

  苦悩に寄り添いつつ、光源氏を始めとする男性たちの身勝手さや、
  権謀術数を
駆使する様を、冷徹に描き切っていると感じます。
  貫かれている人間観や人生観は作者の紫式部そのものの思想を反映して
  いますし、物語の執筆の過程で、その進化や深まりも感じられます。
  これは作者が、宮廷女房として宮使いしながら様々な経験を積み、
  成長しつつ、
世界観も鍛えられていった結果とも考えます。
 
【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                             了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155 ネット歌会)

2024年10月30日 04時35分01秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その155 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 コケットロマンチカ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆霜降といえど夏日が続きける 「時」の歯車戻してくれよ
                         西BOOさん
★柿の実もたわわに実り大き葉も 「八入の雨」に色濃く染まり 
                         夕庵さん
★待ちに待ち色付いた柿食するも 甘味少なし夏日のせいか
                         西BOOさん
★晩秋の山里に見る柿すだれ 爺は元気で腰に手をあて
                         夕庵さん

☆朝寒の卓に紅茶の湯気細く 絹のごとくに立ち上りゆく
                         みっちっちさん
★日曜はアップルパイを焼きましょう 芳し香りのキリマンジャロと
                         夕庵さん
★日曜の朝はコーヒー君と飲み いざ秋空の植物園へ
                         みっちっちさん

☆石窯の火色の妣(はは)のセーターを箪笥より出す 窓は朝寒
                         みっちっちさん
★石窯の熱々ピッツァをシェアして 馴染みの店に友と寛ぐ
                         夕庵さん
★その庭に石窯ありて友の家 ピザ焼きくれし友はもう亡き
                         みっちっちさん
★丹精に白いセーター編みくれし友も今では泉下の客に
                         夕庵さん
★瑠璃色のセーター似合ひし妣(はは)なりき あざみのドライフラワーを吊る
                         みっちっちさん
★瑠璃色の地球も今や戦火(ひ)を浴びて 色褪せ痩せて廃墟の多し
                         夕庵さん
★瑠璃色の都市をあるけど 廃墟めく 都市計画は未来見据へて
                         みっちっちさん
★「死の海」の汚名返上した魚庭(なにわ)いまや牡蠣の養殖もあり
                         夕庵さん
★養殖の牡蠣のうまさよ 紺碧の 播州灘の浜食堂に 
                         みっちっちさん
★播州の手延べ素麺これしかり 季節を問わず備蓄品なり 
                         夕庵さん

     「咲き競う コスモス」

☆秋の海 虚空映して藍深く 世情無縁と凪いで静もる 
                         ポエット・M
★秋の海 凪ぐも牙むく恐ろしさ 大漁旗を涙で降ろす 
                         夕庵さん
★大漁旗 掲げて海へ繰り出せば 波間に見ゆる富士に冠雪 
                         ポエット・M
★近江の海 はるか見上げる比良山に 初冠雪のニュース流れる
                         夕庵さん
★比良山の初冠雪を仰ぎ見る 近江の海にも夕映えのして 
                         ポエット・M
★大空と淡海を朱色に染めあげて 夕日は比良の山の端に入る  
                         夕庵さん
★山の端を朱く染めゆく落日に 淡海のみなも さらに燃えたつ 
                         ポエット・M
★夕暮れの湖(うみ)に水脈ひく水鳥の まろき体も黒く陰りぬ 
                         夕庵さん
★水脈ひきて ねぐら目指すか水鳥の 羽根も染めいる湖(うみ)の夕映え 
                         ポエット・M
★風立ちて ひとり葦原刈る人の 背に冠雪の比良の山脈   
                         夕庵さん
★湖(うみ)見つめ一人たたずむ君の背に 比良の山脈 いま暮れかかる
                         ポエット・M
★潜水の得意な番のカイツブリ 湖(うみ)に小さな波を立たせて 
                         夕庵さん
★カイツブリ 湖(うみ)にさざ波 立ているも 静もるみなも 夕もや包む
                         ポエット・M
★ひこにゃんとホテルの庭で握手して 旅の終わりは湖(うみ)と眠らむ 
                         夕庵さん
★満ち足るも 旅の終わりの寂しさに 湖(うみ)のみなもに小石をほうる
                         ポエット・M
★投げられた小石は波紋を描きゆき 消えゆくまでを心遊ばす 
                         夕庵さん
★遠き日に水に字を書き遊びたる 君は書家とし 王義之しるす 
                         ポエット・M
★遠き日に子と机(き)を並べ墨を擦る 硯は亡父の端渓硯 
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「秋薔薇 シャルルドゴール」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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