四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その98)

2023年08月30日 05時12分19秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その98)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 残暑お見舞い申し上げます。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「タイタンビカス」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】前回に続き花火大会の短歌を投稿します。8日は琵琶湖、19日は山形赤川の
  花火大会をBSで見ることが出来ました。そして19日長野県佐久市花火大会は生で
  見ることができました。その感動をそのまま短歌にしました。なお赤川は嫁さんが
  「ポインセチアのように綺麗」の一言がヒントになりました。
 註)23年琵琶湖花火大会8月8日テーマ
☆シガリズム湖畔に轟くハーモニー 復活にかけた人との絆
 註)8月19日山形赤川記念花火大会
☆花火こそポインセチアの華麗さが 宇宙の舞に心酔いしれる
 註)8月19日長野県佐久市花火大会
☆夏の日に部屋から望む大玉は 夜空を焦がす夢物語
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今年は、コロナ禍で今まで自粛されていた「花火大会」が、五類移行に伴い各地で
 一斉に盛大に開催されていますね。
 「琵琶湖花火大会」、「山形赤川記念花火大会」、「佐久市花火大会」等も圧巻
 であったことと思います。
 三首目の、「佐久市花火大会」は、約 3,000発の花火を生で見た臨場感と共に、
 格別なものがあったことと思います。私もしばらく見ていませんが千曲川河川敷で
 行われる花火大会は規模もさることながら、ワイドスターマイン等々諸々趣向も
 凝らされいつも感動ものでした。詠まれているように「夢物語」が展開されて
 いたことと思います。
 二首目の歌、奥様のおっしゃった「ポインセチアのように綺麗」は実感であった
 と思います。ポインセチアの花言葉はいくつかありますが、「私の心は燃えて
 いる」と言うものもあります。作者と共に眺めた花火に触発されて、胸の高鳴りや
 幸福感を感じて思わずつぶやいた言葉とも考えます。奥様も参加して頂きご参考
 として詠んでみましたが…。
【ご参考】
★妻の言うポインセチアの華麗さよ 闇空おおい はじける花火

【詞書】夜なのに冷房をつける日常ではあるが、コオロギの音に癒しに駆られた
  気持ちを、詠ませて頂きました。
☆夜なれど 冷房つける日頃とて
      コオロギの音に 癒されにけり
                          西BOOさん
【解説】
 昼間は相変わらず炎暑が続き夕刻になっても冷房が必須の日々が続きますが、
 夕闇と共に、そこかしこにすだく虫の音が響き渡る季節になってきましたね。
 そんな季節の移ろいを詠まれた一首ですが、下の句の「コオロギの音に 癒されに
 けり」に、去り行く季節への哀歓と共に、コオロギの音に癒される実感が詠われて
 いて、しみじみとした良い歌と思います。また調べも工夫され朗詠に耐える歌と
 考えます。

【詞書】気だるい夏の夕暮
☆からみつく潮風
  パナマ帽
   モヒート
    ケサディア
  気だるいゆう暮
                          自閑さん
【説明】自閑さんご自身の説明です。
 8月11日は山の日 ということですが、 猛暑日が続いていたのでどこへも行かず、 
 いつも行く 居酒屋へ 行きました。 熱中症に対応するために、パナマ帽子を
 かぶって行ったが 、モヒートに合うなあと。そこで、海に行ったつもりに
 なって短歌を作ってみました。
 初案が出来、これに合う音楽を探し、ドビッシーの牧神の午後への前奏曲と言う
 気だるい雰囲気の曲がぴったり。いつもは曲を聴いてイメージを作るが、今回は逆。
 モヒートは、キューバのハバナ発祥のバカルディ・ラム酒をベースに、ミントと
 ライムで味を調えたカクテル🍸️。文豪ヘミングウェイが好んだ事でも有名。
 ケサディアは、アステカのトウモロコシを使ったパン、トルティーヤのスナック。
 初案は、とても辛いハラペーニョだったが、気だるさを表すには刺激が強すぎる
 ので不適とケサディアに推敲。
 下記URLに、ドビッシー「牧神の午後」への前奏曲を貼付しておりますので、
 気だるい夏の午後を感じて頂ければ。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/3bc37b6ffcd310e024875f6c9996fb07
【解説】
 「気だるい夏の夕暮」にパナマ帽をかぶって居酒屋に赴くなておしゃれですね。
 しかも、ライムやミントの爽やかな味わいのモヒートを呑むなんて、ヘミング
 ウェイ以上に決まっていますね。そばにいたらいい絵が撮れそうです・・・。
 五句の「気だるいゆう暮」は、夏の日が暮れる頃の熱気や疲れを感じさせまが、
 この言葉には、思う人と過ごす甘やかな時間や切ない思いも滲んでいると感じ
 ます。このような歌で表現する非日常の世界もありと感じます。
 また、おっしゃるように「ドビッシーの牧神の午後への前奏曲」も、この歌の
 雰囲気にマッチしていると感じます。歌の作り出す世界観と曲とをコラボさせる
 と言う試みも良いものと考えます。


     「東京湾の碧と蒼の差

【詞書】今回は、反戦への思いを社会詠に込めて、2首詠みました。
☆心打つ「はだしのゲン」よ 反戦よ 核廃絶よ 世界へ届け
【詞書】2首目は、ポエット・Mさんの
 ☆空と海 両断するや水平線 改めて知る碧と蒼の差
  の本歌取りです。
  引き揚げで帰って来れた人々、帰って来れなかった人々の差は紙一重です。
  戦争は残酷で許されるものではありません。
☆舞鶴の引き揚げの碑に佇みて碧と蒼との狭間を眺む
                          みっちっちさん
【解説】
 「反戦への思いを社会詠に込めて」とありますように、今回の2首の社会詠に、
 改めて今の社会情勢の底流をなす「戦前へ」とも言える動きを、注視する
 必要性を感じました。
 そんな想いが滲む2首から学んで参りたいと思います。
 一首目、被爆した人々の苦しみや平和への願いを伝える漫画「はだしのゲン」
 を「心打つ」と表現し、作者自身の思いも鮮明に表明されています。
 「反戦」や「核廃絶」への動きが、さらにうねりとなって世界に広がることを
 求めていることは分りますが…。ただ、「世界へ届け」という言葉には、
 どのようなメッセージや、行動を求めているのか明示されないもどかしさも
 一方では感じます。そこは読者の判断に委ねるとの解釈をさせて頂きました。
 「詩人は半歩先の社会情勢と予兆を見通す」との言葉がありますが、庶民の
 目線から研ぎ澄まされた感性で世情を見据える目と、確かな洞察力が今必要と
 感じます。
 このような視点から、私たちも社会詠にも挑戦して参りたいと思っています。
 なお、2首目の本歌取りは見事と思います。「舞鶴の引き揚げの碑」にまつわる
 多くの悲しく、酷い歴史と事実を改めて想い起したいと思います。

【詞書】蝉三首  夏の終わりに・・・
  朝早くから賑やかだった蝉の声も気がつくと聞こえなくなり、ツクツクボウシ
  の声が時折聞かれるようになりました。朝の散歩では蝉の亡骸は白い腹を見せ、
  手に取るとその軽さに哀れを感じたものです。
☆最後にはきっと見ただろう青空を 蝉は腹みせカラカラと鳴る
☆鳴きつかれ命果たせし蝉あまた 朝の葬列みな空を見て
☆油蝉ミンミン蝉の声も果て 風いずくより吹く古墳の丘に
                          夕庵さん
【解説】
 あれほど響いていた蝉時雨も、ヒグラシの鳴き声とともに聞こえなくなって
 きましたね。季節の移ろいはどんな炎暑の中でも、着実に行われていくものと
 改めて感じて居ます。
 そんな移ろいの象徴でもありましょうか、「蝉の亡骸」に悲しさを感じます。
 蝉の終焉に寄せた三首の歌は、作者の深い想いが詠われ哀しみを誘われます。
 小さな、そして短い命を懸命に生きる、生きとし生けるものたちに寄せる温かな
 眼差しと想いは、今の時世の中で尊いものと考えます。その想いの深さが、
 歌の品格を支えていると考えます。
 一首目の上の句「最後にはきっと見ただろう青空を」と、二首目の下の句
 「朝の葬列みな空を見て」の視点と、詠いぶりはいずれも秀逸で、学んで
 行きたい表現です。

     「ミンミン蝉」

☆他愛なきことであれども嬉しかり孫の系列高校優勝
☆鬱わすれしばし応援できたこと喜ぶわれをわれは喜ぶ
【詞書】「夜咲く花」は月下美人を詠わせていただきました。
☆きつかけが何でありてもこの鬱が消えればよろし夜咲く花よ
                          suisenさん
【解説】
 一首目、二首目は、夏の甲子園で107年ぶりに全国制覇した慶應義塾高等学校
 野球部はお孫さんの学ばれている大学の系列高校とのこと。自由な髪型や
 エンジョイベースボールなど、これまでの高校野球の常識を覆し、高校野球に
 新しい歴史を刻んだ森林貴彦監督の指導の在り方にも学んで行きたいと思います。
 私事になりますが、私も20数年にわたって、業務の傍ら地域の少年野球リーグに
 監督や、運営理事の立場で関わったことがありましたが、指導の在り方に隔世の
 感との想いが致しました。子供たちの自主性を尊重し、個性を見出し伸ばす指導
 の困難さは筆舌に尽くしがたいものと思っています。それを貫き結果に結び
 つけた森林貴彦監督に敬意を表したいと思います。
 頂点を極めた野球部の奮闘を讃え、喜ぶと共に、この大会に参加した3486校の
 それぞれの選手と関係者、さらにはその家族、親族の悲喜こもごものドラマが
 あったことを思い起こしたいと思います。その一つとしてこの二首を味わうと
 叉格別な想いも湧いてきます。決して「他愛なきこと」では無いことも…。
 三首目は、ブログに掲載された「月下美人」の画像にふれ、鬱が和らいだ歌との
 ことです。花にはその美しさや、健気さ、懸命さ、凛々しさ等を示しながら

 私たちに話しかけてくる言葉があると感じます。そんな言葉の存在に私たちは
 耳を傾けられれば癒しや、励ましを受けることが可能なんだとの想いを歌から
 学びました。

     「酔芙蓉 八重」

【詞書】昔なら「おっしゃー!優勝やーっ!!」って言えたんですけどねえ…。2008年で
  したか、終盤に負けが多くなってマジックが無くなった“悪夢”があったのは?
  まあまだまだ試合は残っていますから、油断は禁物ですし、今は“クライマックス・
  シリーズ”がありますから、たとえ“1位”になっても、ひっくり返される可能性は
  無いとは言えない…。…早く“決して口にしてはいけない”扱いの?“アレ”を手放
  しで“ゆう●ょう”と口にできるようなりたいもんです…。しかしもうネタです
  よね“アレ”(笑)。
☆タイガース アレよアレよとマジックが減っているけど まだ「アレ」ですか?
【詞書】世界陸上の投擲競技槍投げで、北口榛花選手が金メダルを獲得しました。
  以前から、テレビの前の声援だけではありますが応援していたので、凄く嬉し
  かった~!一人チェコに渡って頑張ったのが報われましたね。(彼女自身が出した
  日本記録はこの記録よりもっと長い!凄い!!)もっと多くの日本の女子
  アスリートの方達があとに続きますように。
  テレビで言ってた北口さんの名前の由来の話はちょっと微笑ましかったです。
  パティシエであるお父さんが、お菓子に使う“榛(ハシバミ)=ヘーゼルナッツ”
  からつけたという…。
  あと、陸上以前にやっていたバドミントンの試合で、今や世界ランキング1位や
  2位に位置する女子シングルのトップ選手山口 茜さんと対戦していた、という
  エピソードも何か凄いなあって思ったりして…。来年パリ五輪もありますし、
  ますますのご活躍をお祈りしています。
☆はるかなる ハンガリーでの金の花
    咲かせた槍投げ選手の笑顔よ
【詞書】近頃は、好きな俳優とかアイドルとかミュージシャンとかを“推し”という
  みたいですが、今一つ好きな表現ではないので、こうなってしまいました。
  “推し”を使えたらもう少し表現は変わったかもなんですが…。えーと、「50年」
  でも今年は“結成”で、“デビュー”は来年なんですけどね。何にせよ、もう70近い
  彼らが現役でステージに立ち続けているのが一番嬉しい…。
  ライブには数年行けてませんが…、“一番好きな人達”なのはずっと変わって
  ません。
☆8月の25日で50年 私の好きな3人グループ
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回も「阪神タイガース優勝へ」「世界陸上の投擲」さらに、「THE ALFEE結成
 50周年」と、今日的なホットなテーマをいきいきと詠って頂きました。
 一首目は、フアンの方にとっては「今年こそは」と期するものがあり、そんな
 期待が歌に溢れています。昨夜マジックが消えてしまいましたが、再び点燈する
 ことを祈りたいですね。

 二首目、北口榛花選手の金メダル獲得は、今回の世界陸上での最初の金メダルで
 あり、日本のフアン待望の快挙でもありましたね。その快挙を讃えつつ「笑顔」
 にフォーカスし爽やかな歌になっていると考えます。
 三首目は、具体的には明示されていませんが、「THE ALFEE」を詠っていると
 解釈させて頂きました。
 1982年の所沢航空記念公園での初野外ライブ以来「夏イベント」を続けていますが、
 今年も「風の時代★夏」と題して07.29、07.30と二日間にわたって横浜アリーナで
 開催されましたね。
 年齢を感じさせないエネルギッシュなコンサートは「推し」たくなるのは分かり
 ますし、「好き」なグルーブであり続けるのも当然と思います。そんな想いの
 滲む歌でもあると思います。
 このようなフアンの多いのも「THE ALFEE」の強みと思っています。

  
     「西洋アサガオ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆からみつく潮風
  パナマ帽
   モヒート
    ケサディア
 気だるいゆう暮
                         自閑さん
★パナマ帽と開襟シャツの好きな亡父  丸いめがねのあの遠き日よ
                         夕庵さん

☆油蝉ミンミン蝉の声も果て風いづくより吹く古墳の丘に
                         夕庵さん
★天高く古墳の丘にあまた立つ埴輪の穴はおのころを見ゆ
                         みっちっちさん

☆舞鶴の引き上げの碑に佇みて碧と蒼との狭間を眺む
                         みっちっちさん
★舞鶴はレンガの倉庫が立ち並び海軍名残のカレーは美味し
                         夕庵さん
★ スパイスの効きたる君のカレー食べ いざ卓球の試合勝ちとる
                         みっちっちさん
【詞書】すこし飛躍しすぎの感がありますが。
★カレーパンふたつに割れば美しきタージ・マハルが立ち上がりくる
                         夕庵さん
★白鳳てふ桃をふたつに割り君としゃぶれば甘き汁口に満つ
                         みっちっちさん
★手に触るれば傷つきやすし白桃よ 少女のように和毛ひかりぬ
                         夕庵さん
★手の平を桃の形に丸くして包めばほのと光る白桃
                         みっちっちさん
★差し出した手相を見るのが好きな人120才(ひゃくにじゅう)まで保証するよと
                         夕庵さん
★shimaさんは手相見ずとも保証する 120まで絶対に生く
                         みっちっちさん
★shimaさんの手を離さずによろよろとついて行きましょ120まで
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆蝉時雨 移ろいゆくやひぐらしに さらに闇には虫しぐれして
                         ポエット・M
【解説】
 この歌は「蝉時雨」と、「虫しぐれ」という俳句の二つの季語を使って、夏の
 終わりから秋の始まりにかけての自然の移ろいを表現してみました。俳句を
 詠まれる方には「季重なり」等でご批判もありましょうが、覚悟して季節の
 移ろいを象徴的に表現してみました。
 「移ろいゆくやひぐらしに」という句は、確かな季節の移ろいと七日間という
 蝉の命の儚さも表現できればと詠ってみました。
 また、ここでは、季節の移ろいを「蝉時雨」「ひぐらし」「虫しぐれ」という、
 蝉や虫たちの鳴き声で表現し、心境や感情を暗示的に伝えることに挑戦して
 みましたが、皆様にはどう受け止めて頂けたでしょうか。

 
     「マンデビラ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(6)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された著作渾身の著書でもあります。
  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
2.「短歌の章」 浅間山(1)

   雨すぎて秋深まれる朝の路
           火の山は静かによな降らすなり ※
            
   劫初よりよな降らす山に目かげして
           いにしへ人はつつしみにけむ ※

   夕しじま浅間は燃えてあはれなり
           あめつちは移らふ この時の間も

   註) よな: 火山の噴煙とともに噴き出される灰
       目かげ(まかげ): 遠方を見るとき、光線をさえぎるために、
                 ひたいに手をかざすこと。


      「宗旦むくげ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 ブログの文字数制限(ソースコードレベルで30,000文字)により割愛致します。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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二度目の月下美人 咲く

2023年08月25日 13時10分15秒 | 日々の歩み

 一昨日、我が家の月下美人が3輪開花しました。「はかない美」「はかない恋」等の花言葉を持つ花ですが、8月23日はこの花が誕生花とのことでした。
今年、月下美人が誕生花となる日は、7月19日、8月23日、10月29日の三回とのことですが、その該当日咲いたことにちょっぴり感動しました。


     「ほぼ満開の 月下美人」

 前のブログでも触れましたが、昨年からの私たちが住む団地の大型修繕に伴い、植栽関連のスリム化を図り、その一環として我が家の月下美人も大幅に選定し、茎も葉も従来の半分程度となってしまいました。従って今年の開花はあまり期待していませんでしたが、7月15日の開花に続いて、今年二度目となる8月23日にも咲いてくれ、正直ホッとしているところです。儚い花姿とは裏腹に、メキシコ熱帯雨林地帯を原産地とする、この花の強い生命力に改めて見直した次第です。


    「今回は3輪咲いた 月下美人」

 今回は夕刻18時半ごろから蕾が少し開きはじめ、20時頃には花弁が見え始めました。さらに21時半ごろには半分程度開花し、23時頃にはほぼ満開の状態となりました。




今年の花は例年より心もち小さめと感じましたが、花の大きさが分かるようにと細君の提案で、ビール缶と比べて撮ってみました。

     「ビール缶と 月下美人」

 花弁が見え始める頃から甘やかで、芳醇な香りが部屋に漂い、3輪が一斉に開花したこともあり隣の部屋まで香りが届く状態でした。毎回、開花のたびに感じることですが、純白の大輪の花びらと白い雄蕊、さらに黄金色の雌蕊とが奏でる花のハーモニーは、創造主の粋な技を感じてしまいます。


     「満開の 月下美人」

 今回も開花から、満開に至るデジイチスケッチを掲載させて頂きました。
なお、前回のブログで月下美人に寄せて作詞した歌詞を掲載致しましたが、その一部を再度「花のスケッチ」として掲載させて頂きます。

   花びらが 耀き放つ   月下美人 
   深い香りを漂わせ    ひと夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは  炎のように 凛として
   気高さは君に君に似て  その刹那に命を燃やす
                    

コメント (8)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その97)

2023年08月23日 05時41分05秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その97)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 残暑お見舞い申し上げます。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「締め切り日変更」にご協力頂き感謝申し上げます。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「西洋アサガオ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】暑中見舞い申し上げます
☆欲望と言う文明列車が熱気をどんどん運んで来るOne way
☆今日の猛暑は我々世代から子孫への未來の遺産予告
☆熱気エスカレーターが次々憂いの降水帯を作り続け
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 暑中見舞い申し上げます。(※短歌を作ったのが、8月7日の立秋前ですので)
 連日暑い☀️😵💦と少しぐらい雨が降れば良いのにと思うと、ゲリラ雷雨で
 被害が出る程降ります。
風が吹くと台風で風速40mの強風。毎年の樣に、
 100年に1度の気象が観測されています。

 地球が、おかしくなっているのは、誰でもわかっているが、どうしようも
 無いでしょう? 
と言う難しい問題はさておき、昭和52年のキャンディーズの
 ヒット曲でも聴いて、気分を紛らわして下さい。

 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a9b1facd0151a25d83b10c235be56c01
【解説】
 「瞼に口づけ・・・」で始まるキャンディーズのヒット曲「暑中見舞い申し
 上げます」は、
今聞いても新鮮さは際立っていますね。久しぶりに懐かしさと
 ともに視聴させて頂きました。

 一首目の歌は『欲望という名の電車』の本歌取りでしょうか。
 『欲望という名の電車』は
ヴィヴィアン・リーがアカデミー主演女優賞と、
 ヴェネツィア国際映画祭女優賞した1951年の
アメリカ映画でしたね。南部の町の
 傾きかけた名家に生まれたブランチ・デュボワの、
癒しがたい孤独な日々を追った
 名作は、ジャニーズ事務所問題等を始め、今日的な問題を
この時代にすでに描き
 出していましたね。

 現在の炎暑を始めとした異常気象を「欲望と言う文明列車が熱気をどんどん運んで
 来る」と
解き明かし、二首目、三首目の「線状降水帯」に繋げた一連は、地球温暖化
 阻止への
待ったなしの現状を告発しています。

 「子孫への未來の遺産」を負の遺産としないための取り組みが、喫緊の課題と理解
 させて
頂きました。今回の三首の歌一連の示唆する内容は、深いですね。
 学び、行動に繋げて
行ければと思います。

【詞書】8月は全国各地区で花火大会があります。まさに日本の夏の風物詩と言える
  と思います。
近年は直接行かなくてもBSテレビ等で生中継を見ることが出来ます。
  8日は琵琶湖、15日は
諏訪湖の花火大会をBSで見ることが出来ました。特に
  諏訪湖花火大会はオープニングは元より、
第二部からはミュージックスター
  マインもあり音楽に合わせた花火は感動そのもので芸術性を
感じました。そして
  その感動をそのまま短歌にしました。

 註)2023年諏訪湖祭湖上花火大会8月15日
☆スターマイン山に囲まれ打ちあがる 体の芯まで響く心地よさ
☆天空の宝石箱が舞い上がり 諏訪湖の空に余韻を残す
☆百花繚乱鳥肌立つも涙ほろり 見ごたえ満載思いを馳せる
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 4年ぶりの花火大会が各地で催され、「日本の夏の風物詩」が復活していますね。
 それと共に
有料見物席等の問題も顕在化していますが、それだけ観客が増えている
 証しでもありますね。

 諏訪湖の花火はなんといっても「音」との評判がありますが、湖を囲うように山が
 聳えているため、
地形的に花火の音が「体の芯まで響く心地よさ」を感じることが
 出来ますね。
いずれの歌もこの湖上花火の情況と映像を上手く詠っていると感じます。

 二首目、三首目の「天空の宝石箱」「鳥肌立つも涙ほろり」との詩的表現が光りますし、
 花火の華やかさと、その後の寂しさも表現されていると考えます。
 湖上に華やかな半球を描く「水上スターマイン」は多くの花火ファンの心を鷲づかみ
 して
いますが、そんな演出も含めて、ご参考として詠んでみましたが・・・。

【ご参考】
★スターマイン湖上に描く半球は 芯まで響く轟きも連れ


     「夾竹桃 白色」

【詞書】昔、父からお経は仏様の食事だと聞いたことから、お盆では、お経を毎年、
  3回繰り返し
読んでいることを詠ませて頂きました。

☆お経読み 蓮を供えて 繰り返し
      墓を参りて また繰り返す
【詞書】台風7号の直撃は免れたものの、台風が過ぎた後の庭は、草木もぺちゃんこ
  になっていて
滅茶苦茶になっていたことを詠ませて頂きました。

☆台風の進路 少しは逸れたるも
        過ぎ去りし後 庭は滅茶苦茶
                          西BOOさん
【解説】
 一首目の「お経は仏様の食事」との御父上の教えは、『徒然草』に「お経は仏の食事
 なり。
人の食事は、食べてしまえば、そのあとは何も残らず、ただ腹が満たされる
 だけである。しかし、
お経は読んだあとも心に残り、人を救う力がある」という趣旨
 の文章があるようです。

 作者の今日あるのは、お父様の薫陶故と感じます。その薫陶の結晶を思わせる短歌に
 学んで参りたいと思います。
 なお、『徒然草』の文言は、オリジナルではなく引用された表現で、出典は『華嚴経』
 の
「法音は仏の食事なり。法音を聞く者は仏の子なり」との事です。法音とは説法や
 読経の
声とのこと。

 二首目の歌。今回の台風7号は和歌山県潮岬付近に上陸し、近畿地方を縦断しましたが
 被災された皆様へ、改めてお見舞いを申し上げます。その直撃は避けられたものの庭の
 草木が
滅茶苦茶な状態に陥ったとのこと。復旧も含めて大変かと思いますが、大きな
 被害に至ら
なかったのは不幸中の幸いとも思っています。でも、このような記録として
 の短歌も重要な
分野と思っています。

【詞書】お盆に寄せての三首です。
☆走馬灯逆回りさせ聞きたしよ 吾を呼ぶ声朝に夕べに
☆本堂に盂蘭盆会の経聞きており線香の香に身を置きながら
☆秋草の絵ろうそくの揺らぐ焔(ひ)に故人の笑顔浮かんでは消え
                          夕庵さん
【解説】
 「盂蘭盆会」に寄せての三首。盂蘭盆会には、ご存知のように先祖の霊を供養し、
 その冥福を祈るという意味がありますが、家族や親戚が集まり、故人を偲ぶ機会
 にも
なりますね。特に父母を偲ぶ想いは深いことでしょう。

 三首目の「絵ろうそくの揺らぐ焔に…浮かんでは消え」る方は、今は亡きお母様で
 しょうか。
絵ろうそくに描かれた秋草がお母様の生前の姿を想起させるとともに、
 季節感や哀愁を
感じさせます。また、「揺らぐ焔に・・・」の表現は、作者が
 お母様と再会したいという切実な
願望を示しているとも読み取れます。挽歌の一首
 とも理解しますが、想いの深さを感じます。

 お盆は故人が身近に感じられますね。そんな雰囲気に浸れるのもいいものです。


【詞書】学生時代、ふたりで自転車を連ねて京都の様々な所を散策した事を思い出し
  ます。
特別な日には美味しいものを食べに行ったりしました。

☆記念日は自転車連ね 円山の 君が好みし洋食ランチ
【詞書】ジェットコースターを楽しんだ事もありました。空へぐるぐる飛んで
  いきそうで、こわさを
楽しむというあの感覚。長く行ってませんがあの感覚は
  覚えてます。

☆夏空がぐるりふたりの絶叫の限りを落つる絶叫マシン
【推敲後】みっちっちさんご自身の推敲です。
☆夏空がぐらり ふたりの熱狂の限りを落つる絶叫マシン
                          みっちっちさん
【解説】
 いずれも、未だ鮮明に残る学生時代の、大切な思い出を詠まれた短歌と理解させて
 頂きました。

 一首目、「記念日は自転車連ね」という上句で、お二人の仲の良さと特別な日を
 表現し、「
自転車連ね」という言葉には、親密さと楽しさが程よく表れています。

 また、「洋食ランチ」という言葉には、普段と違う晴れやかな雰囲気が感じられ
 歌の奥行きを
作っています。ただ、どこかで季節感が入るとさらに物語性が増すと
 考えます。

 二首目、「夏空がぐるりふたりの」は、スリルと共に臨場感が適切に表現されて
 いると思います。
なお、「絶叫」の繰り返しが少し気になりましたので、少し
 視点を変えてみましたがいかがでしょうか。

【ご参考】
★夏空がぐるりまわるや ふたりとも声の限りの絶叫マシン
 なお、この後作者より「推敲結果」が出詠されました。

     「百日紅 うす紅」

【詞書】現在、私は、人から誤解という試練を受けていますが、これも、時間が
  経てば、良かったことに
なるのかもしれません。人から裏切られたことさえも…。
  というのが、今まであった不幸と思える
出来事も全て結果的に良かったことに
  なっていますから。

  私は人より幸運な生まれかもしれません。難聴という試練もきっとそうなの
  でしょう。
神様は私が驕り高ぶらないように難聴にしてくださっているのかも
  しれませんし、他人様の不幸に
同情できる人間にしてやろうと難聴という試練を
  与えてくださっているのかもしれません。

  過去手術を受けた心臓弁膜症も、きっとそうなのでしょう。その証拠が現在私が
  未だに
生かされているという事実なのかもしれません。そう考えれば、いま
  生かされていることを有り難く
思わないといけないと思います。

☆弁置換されてわたしは生かされて五人の孫に会へた祖母なり
☆初めての孫の誕生する前に死にかけてゐた人はわたくし
☆孫も見ず死ぬ運命が手術にて救われたのは二十年前
                          水仙さん
【解説】
 弘法大師は、「恵眼をもって観ずれば、一切衆生は皆これ、わが親なり」と説き
 自分の生命を知り、
家族の力添えを知り、社会の仕組みを知れば恩にゆきあたると
 言われています。私たちも他の方に
厄介をかけることなく生活することができない
 ことは自明のことですね。こんな悟りが滲む詞書と短歌と考えます。

 また、この悟りとも言える短歌を詠うまでに至った経緯と、歩まれた苦しく、辛く、
 厳しい道のりも同時に想い
起しています。
 「いま生かされていることを有り難く思う」との想いは、私たちも共有したいと
 思います。
なお、有難いとの恩を感じることを「感恩」と言うそうですが、こんな
 感性は大切にして行きたいと思います。

☆さあ決勝 連覇か107年ぶりか 高校野球の夏の頂点
☆青春の1ページだね スタンドで 「アゲアゲホイホイ!」踊った夏も
                          ちがやねこさん
【短歌説明】ちがやねこさんご自身の説明です。
 おわかり頂けると思いますが「夏の高校野球」です。(まあ2首目は春のセンバツ
 で
もあった光景ですが、コロナが“5類”になる前でしたから少なくとも声量が違う
 かな…と)。
 1首目は、否が応でも盛り上がる好カード!仙台育英VS慶應義塾! 明日の決勝戦
 が
いい試合で有りますように…。3486校の頂点は果たして…。今年は、やっと以前の
 高校野球の風景が戻ってきた一方で、開会式で行進する学生さん達の中に数人の
 男子が入り、ゲームの合間(5回終了時)に熱中症対策の“クーリング・タイム”が
 設けられるなどの新しい風景もありました。
 そして、スタンドの応援や吹奏楽の人達の数や、試合終了後に敗れたチームが砂を
 集めるといった風景は以前のようで、「ああー、“甲子園”だ~」でした。
 試合をしている1~20番(ベンチ入りが二人増えたのも今年から)の選手たち
 以外の野球部員の子たちが声を張り上げ、応援曲のリズムに乗って踊る
 “アゲアゲホイホイ”などの様子もまた、高校野球アルプススタンドの風景…。
 彼らの記憶にもしっかり刻み込まれることでしょうね。
 私の従弟が、吹奏楽部の部長をしていた時に、その高校が夏の高校野球に出場した
 …ということはありました。彼以外、親戚で甲子園に行ったとかの人はいないなあ…。
 親戚が友達が後輩が出てるからとか、家の近所の学校とかでなくとも、応援したく
 なる、夢中で見てしまう、楽しんでしまう…それが高校野球ですね。
 (近畿勢来年は頑張ってね)。
 今回2首に留めます。“アルタイルからの返信”など興味深い話があったんですが、
 その辺は次回で。 
【解説】
 一首目、本日8月23日、高校野球3486校の頂点が決まりますね。正に「連覇か

 107年ぶりか」のぶつかり合いが、様々なドラマのクライマックスとして演じ
 られることと思います。そんなワクワクとした期待感が溢れる素直な良い歌と
 思います。
 二首目は、甲子園の応援曲の定番となった「アゲアゲホイホイ」を詠っていますが、
 これはアップテンポで、スタンドに一体感が生まれるまさに高校野球の応援に
 ぴったりの曲ですね。この曲は2014年の夏頃から報徳学園が使い始めたとのこと
 ですが、まさに「青春の1ページ」を飾るにふさわしいノリのよい曲と思います。
 いずれも、高校野球の素晴らしさを謳いあげた素敵な詠歌と思います。
 なお、文字数制限から今回も、「短歌説明」を少し割愛し編集させて頂きました。
 ご容赦願います。


     「酔芙蓉 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆お経読み 蓮を供えて 繰り返し
 墓を詣りて  また繰り返す
                         西BOOさん
★問うたれば浄土に咲くとう蓮の花 供うる今朝の蕾ひらきぬ
                         夕庵さん

☆記念日は自転車連ね丸山の 君が好みし西洋ランチ
                         みっちっちさん
★わが住める坂多き街の足となる赤ヘルメットと電動アシスト
                         夕庵さん
★かっちょええ赤きアシスト欲しき我 坂の家から髪なびかせて
                         みっちっちさん

☆青空がぐるりふたりの絶叫の限りを落つる絶叫マシン
                         みっちっちさん
★岩肌に文殊菩薩(ぼさつ)の姿現れる轟々と落つ三船の滝は
                         夕庵さん
★街なかの新幹線の駅裏の歌碑の坂上に布引の滝
                         みっちっちさん

☆人麻呂の歌碑は夕日を背に受けて歴史を語るかぎろいの丘
                         夕庵さん
★かぎろひの丘に崩れし磨崖仏 武運祈りし義経のこと
                         みっちっちさん
【詞書】京都府和束町は宇治茶の主産地で京都府産茶葉の約半数を生産している
  高級煎茶の産地です。
★川の瀬と茶畑見渡す磨崖仏 和束の里はみどり濃きなか
                         夕庵さん

☆秘めてなお思い滲むや酔芙蓉 白妙の花くれないに染め
                         ポエット・M
★月光に酔いつぶれたか酔芙蓉 花びらたたみしずかに眠る
                         夕庵さん
★ほろ酔いに ほほ染めまどろむ酔芙蓉 眠るに惜しき虫しぐれして 
                         ポエット・M
★露まとう夏くさ虫の褥なら 眠り唄うたえ今宵 満月
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆ひぐらしの招き寄せたる夕映えを 映し染まるや酔芙蓉の花
                         ポエット・M
【解説】
 炎暑の日々が続きますが、季節は確かな移ろいを見せています。そんな幽かな
 移ろいを
「ひぐらしの招き寄せたる夕映え」として表現してみました。ひぐらしは、
 ミンミンゼミ等とは異なり
夏の終わりを告げるかのような、もの悲しさを感じ
 させます。

 また、夕映えを映し淡紅に染まる酔芙蓉の花。それは、純白の時とは異なる楚々と
 した風情を
漂わせ、女性の薄化粧にも似た艶やかさも感じさせます。そんな花に
 寄せて詠んでみましたが、
この歌では音韻やリズムも少し意識してみました。

 
     「夕刻うす紅に染まる 酔芙蓉」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(4)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された著作渾身の著書でもあります。
  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
1.「短歌の章」 花(4)

   宗旦がこよなき花と好みたる
           底紅むくげ 今朝開きたる
            
   槿花一朝 花の命と人の身と
           乞食宗旦すがしかりしか

   あした開き ひと日を命の限り咲く
           宗旦はそを愛したらむか


      「宗旦むくげ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 ブログの文字数制限(ソースコードレベルで30,000文字)により割愛致します。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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敗戦から78年を

2023年08月16日 11時12分51秒 | 日々の歩み

 敗戦から78年を迎えた昨日、8月15日。思えば明治から令和に至る中で、戦後の78年間は、きな臭さはいくつかあったものの平和が維持され、戦争のなかった時代でもあったと考えます。その根底に憲法九条の果たした役割の大きさと、それを守り、維持することに尽力した多くの人々の、人生をかけた尊い戦いと活動があったことを改めて想い起したいと思います。

     「たかさご百合」

 昨日、先の大戦で犠牲になった310万余人の戦没者を慰霊する、政府主催の全国戦没者追悼式が東京の日本武道館で開かれ、全国から遺族の代表の方々が参列しました。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大以降、4年ぶりに47都道府県すべてから遺族が参列する予定でしたが、台風7号の影響で10の府県の遺族が参列を見合わせることになり、参列者数は、1855人であったとのことでした。

     「宗旦むくげ」

 式典では、天皇陛下が皇后様とともに式壇に着かれたあと国歌が演奏され、正午の時報を合図に参列者全員で1分間の黙とうをささげました。天皇陛下は、「終戦以来78年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。過去を顧み、深い反省の上に立って再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と、おことばを述べられました。

     「酔芙蓉」

 私たちも、遺族を代表して追悼の辞を述べられた熊本県の横田輝雄さんがおっしゃったように、「・・・今般のロシアによるウクライナへの侵攻は、言語道断の行いであり、現地の惨状を目の当たりにするにつけ、かつての戦争を思い出さずにはいられません。こうした状況の中、我が国が平和の実現に向けて果たすべき役割は決して小さくありません。私たち遺族は戦争の悲惨さと平和の尊さを孫、ひ孫の世代へと永遠に語り継ぐことを・・・」の言葉を改めて心に刻んで参りたいと思います。

 特に、私たちの国が「平和の実現に向けて果たすべき役割」と、「核兵器廃絶」に向けての役割を果たすべく、英知を集めて後押しをしていくことが必要と考えます。

     「鹿の子百合」

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その96)

2023年08月09日 05時39分38秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その96)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 緊急連絡!! 8月16日(水)はお盆につきお休みと致します。
 ☆☆☆  したがって次回締め切りは 8月22日(火)17:00と致します。
 ☆☆☆  なお、本件関係各位と相談させて頂きました。ご協力頂ければ幸いです。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年7月31日より「フレンチローズとエコルド・パリ」を掲載しています。
  絵画の
エコルドパリ派たちは私のライフワークで、印象派・後期印象派と並び
  最も研究した
画家たちでありますが人数も多くまだまだ研究が足りていません。
  しかしながら
お恥ずかしいですが詠んでみました。
 註)「キース・ヴァン・ドンゲン」
☆華麗かつ退廃的なパリ美人 優美さの中官能的も
 註)「マリー・ローランサン」
☆フェミニンをテーマに描く女流画家 パステルカラーのおだやかな作風
 註)「アメデオ・モディリアーニ」
☆独創的引き伸ばされた顔や体 不遇な画家は死後に評価も
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「エコール・ド・パリ」は、20世紀前半にパリに集まった、出身国や画風が
 さまざまな画家たちの
総称と言われていますね。

 厳密な定義はありませんが、1920年代を中心にパリで活動し、ボヘミアン的な
 生活を送りながら
革新的な芸術を創造した集団でもありますね。

 日本出身のレオナール・フジタ(藤田嗣治)もこのグループの一人と言われて
 いますが、西洋と
東洋の要素を融合させた独自の作風を確立していますね。

 「キース・ヴァン・ドンゲン」「マリー・ローランサン」「アメデオ・
 モディリアーニ」と日本でも人気の三人の
画家について詠んで頂きましたが、
 それぞれの画家の特徴をとらえ絵のイメージも浮かぶ詠歌と
なっていると
 考えます。

 マリー・ローランサンの絵に、私も一時期かなりはまり、かつてあった蓼科湖畔
 の「マリー・ローランサン
美術館」に幾たびか通った記憶があります。

 一首目の「キース・ヴァン・ドンゲン」の歌を少し視点を変えて、ご参考として
 詠ってみましたが・・・。
【ご参考】
★官能は裡に溢るる うめきとも ドンゲンの絵に篭るいのち火

【詞書】昔は、家の前や庭に打ち水をして、風情を楽しんだものだが、現在は、
  二酸化炭素の
排出の結果、異常な温暖化で、風情もろとも焼け石の水となって
  しまったことを憂いて詠ませて
頂きました。

☆打ち水や
  二酸化炭素排出で
    風情もろとも焼け石に水
【詞書】終戦が近づくと後、戦争が三日、長引いていれば、震洋(特攻モーター
  ボート)に
乗せられていた、今は亡き父を思うと涙がこぼれることと平和が
  続くよう祈りを込めて
詠ませて頂きました。

☆後三日続けば
   『震洋』乗せられし
     父を思うと涙こぼるる
                          西BOOさん
【解説】
 一首目、炎暑が続く中で、打ち水も焼け石に水となり「風情もろとも焼け石に水」
 は、まさに
詠まれた通りですね。
 国連総長は史上最も暑い7月について「地球沸騰化」とコメントされた
とのこと
 ですが、温暖化対策は待ったなしの状況と考えます。そんな警告も行間にあり

 示唆に富んだ詠歌と思います。
 二首目、運命に導かれての結果だったと思います。記録によると震洋の戦死者は
  2,500人余との
事ですが…、まさに「父を思うと涙こぼるる」ですね。そして、
 人を人でなくする戦争は二度と起こしては
ならないし、それにつながる動きには
 私たちも敏感になる必要性を感じます。

 ちなみに、震洋(しんよう)は、太平洋戦争末期、日本海軍が開発・使用した
 特攻兵器
(小型特攻ボート)の事です。

【詞書】満員電車発車 東武東上線池袋駅急行発車メロディー モーツァルト
  「ディベルティメント」を
聞きつつ

☆電車も満員の人も沈黙したまま
  静かに進んで行く苦痛
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 東武東上線池袋駅の1番線2番線ホームに溢れるばかりの人々が、黙って電車が
 到着するのを
待っていました。

 そして電車のドアが開くと競争して席を確保しようと必死になっています。
 座れた人、座れなかった人、
それぞれが、急行の次の停車駅まで、今後続く
 数10分をゲームをしたり、音楽を聴いたりして、
苦痛を和らげようと必死に
 なっているようです。
発車メロディ音が流れ、曲名は知らなかったが、直ぐ
 モーツアルトだと分かりました。

 モーツァルト ディベルティメント K.136第一楽章『アレグロ』。
 その他、3番線4番線はアイネ・クライネ・ナハトムジーク、TJ ライナー
 専用の5番線は田園
だったが、これは有名なので私にも分かります。

 下記URLに弦楽四重奏と実際の池袋駅での発車メロディを貼付しております。
 なお、比較的空いた
時間帯の映像なので、夕方のホームが満員の状態は想像
 出来ないと思いますが。

 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/b5bd486e98e968ce95d378296fc477da
【解説】
 混雑を極める満員電車発車の際に「発車メロディー」を聞いてすぐにモーツアルト
 だと分かる事は
流石に、作者と思いました。モーツァルトのディベルティメントの
 中でも、弦楽四重奏のための
ニ長調 K.136は有名で、弦楽合奏やオーケストラでも
 演奏されることがありますね。この曲が
「発車メロディー」で聞けるなんて素敵
 です。駅員さんの感性に拍手を送りたいですね。

 思えば、「沈黙したまま 静かに進んで行く苦痛」を、私たちは長い歳月に渡って
 甘受して来た
事になりますね。第1楽章の「アレグロ」は活気に満ちた音楽で、
 聴いていると元気になりますので、
苦痛に耐える人々への駅員さんからのエール
 とも感じますね。

 そんな想いも詠歌の「沈黙したまま」の底辺から微かに響いてきます。

     「向日葵」

☆向日葵は画布より出でて落日に頭ふりふり種まき散らす
【詞書】孫と二人の北海道の旅を思い出して。当時兄が深川に勤務しており小学
  1年生だった
男孫を連れての旅でした。深川の向日葵畑、メロン、ラーメン、
  温泉、広大なジャガイモ畑など。

☆子の名前よびつつ辿るひまわりの迷路は続く北の大地の
【詞書】ひまわりのDVDを見ました。(イタリア映画)ソフィアローレンと
  マルチェロ・マストロヤン主演。

  夫の戦死の知らせを受けるが、必ず生きていると信じて探す妻、やっとの
  思いで探し当てるも、
そこで見たのは、美しい妻と子供と暮らす恋しい夫の姿。
  日本でもよく似た話があったようです。

☆シャッターを切ればソフィアローレンが近づいてくるひまわり畑
                          夕庵さん
【解説】
 二首目の「ひまわりの迷路」をお孫さんと辿った記憶は、夕庵にとっても楽しく
 懐かしい思い出と
なっていると思いますが、お孫さんにとっても楽しく忘れがたい
 思い出になっていることと思います。

 「名前よびつつ辿る」には、そんな深い絆が感じられる味わいのある歌と思います。
 三首目、ソフィアローレンとマルチェロ・マストロヤン主演の「ひまわり」は、
 一面に広がるひまわり畑の
美しい映像が印象的ですが、戦争のもたらす底深い哀しみ
 や苦悩が描かれた映画であったと
思います。詠歌は悲恋の主人公のソフィアローレン
 とヒマワリ畑にフォーカスし詠っていますが、
その背景をなす戦争のもたらす運命と
 言うには、あまりに過酷な現実を静かに訴えていると感じます。

 一首目は、ゴッホ作「ひまわり」についてでしょうか。「頭ふりふり種まき散らす」
 の表現が
良いですね。このような歌い方も学んで行きたいと思います。

☆水槽に光舞ふやに熱帯魚 君がまだ来ぬカフェの出窓に
☆落日の図書館の隅 頬杖をつき君の背を見つめしことも
                          みっちっちさん
【解説】
 二首とも、青春時代、しかも学生時代の思い出を詠っていると思います。
 一首目、カフェの出窓に置かれた水槽の中で泳ぐ熱帯魚は、光をまとい舞うように
 見えます。その姿を見るともなしに見つつも、未だ来ない彼も少し気になる。
 そんな微かな期待感と切なさを際立たせています。また、この歌は、熱帯魚の
 名前を
明示的に詠んでいませんが、「余白」を生み出すことにつながり、鑑賞する
 方の想像力を
促す効果を生む良い歌と思います。
 二首目は、憧れの君への切なさも滲んでいます。こんな恋の成り行きも懐かしい
 ですね。

【詞書】自分が凶悪な犯罪に手を染めることなく今生きていられることに感謝
  しないといけない
のかもしれません。犯罪を起こしてしまった人達に石を
  投げることは誰にもできません。

  私達は犯罪を犯してしまった人達に対しても謙虚であらねばならないと
  思います。
これは自戒を込めて詠んでみました。
☆犯罪はあなたもあした犯すかもしれない だから石は投げるな
☆名も知らぬ花は咲きたり華やかに人に見られず能勢の野原に
☆虐待をする親ぎやくたい受けてこし人達とニュースは報ず
                          水仙さん
【解説】
 今の世情は、ウクライナの戦禍を始め、きな臭さに溢れていますが、人の心も
 その世相を
反映し、残念ながら揺れ動かざるを得ない情況もありますね。

 そんな中で、どうしても過剰に反応してしまう状況も生まれていると考えます。
 そのような中で「謙虚であらねばならない」との視点と、自戒への思いは心して
 参りたいと
思います。なお、ご連絡により11首の中から三首を選定させて頂き
 ました。
いずれも、今の世情から諸々深く考えさせられる詠歌と思います。
 じっくり鑑賞させて
頂きました。
 一首目は、「汝らのうち、罪なき者、まず石を投げうて」と云うイエス・キリストの
 言葉を
思い浮かべました。心したい詠歌です。

 三首目は「虐待の連鎖」として、しばしば取り上げられてきましたが、断ち切られた
 「人への信頼」、それをそれぞれの方がいかにして獲得していくか。私たちも自らに
 引き寄せて考えていくことが必要と感じます。


      「たかさご百合」

【詞書】今日は私の誕生日です。友人達からメッセージや、贈り物をいただき、
  今でになく、
とても嬉しいです。70歳を過ぎてるので、今日まで息災に生きて
  これたことを改めて感謝します。

  父(83歳)母(85歳)の享年を改めて意識しましたら、私に残された時間は少ない。
☆友人と
 夫に出会ふ
  この一世
 ひと日ひと日を
  宝とぞ添ふ
                          リコさん
【解説】
 お誕生日おめでとうございます!
 おっしゃる通り、夫に恵まれ、友に恵まれ、古希を過ぎてもなお短歌会の中心的な
 役割を
果たせる身体と精神、さらに才覚に恵まれたことは素敵な人生と改めて
 思います。
そんな感謝と、自負の思いも滲む素敵なお歌と考えます。

 「ひと日ひと日を 宝とぞ添ふ」の下の句がいいですね。特に「添ふ」が秀逸と
 考えます。
「今日の日が一番若い」との言葉があります。岡本かの子では
 ありませんが「
いよいよ華やぐ 命なりけり」で、これからの日々を味わい
 尽くして参りましょう。

【詞書】このたび、全国高校野球選手権大会の大会歌「栄冠は君に輝く」の作曲者、
  古関裕而さんが「野球殿堂入り」されました。この大会歌がすっごく好きで、
  かなり以前に朝日新聞の通販でシングルCDを買った私としては嬉しいん
  ですが「今になってなんや…」という気持ちも有りです。
  この曲もスタンドの応援も選手のプレーも…全てが「高校野球」という文化
  だと思う私は「もう少し早くても…」という気持ちが強いんですが…。開会式の
  山崎育三郎さんと関西合唱連盟の皆さんの競演はとても素晴らしかったです。
  はっきり言って感動しました。関係者の皆様にはお祝いを申し上げたい気持ちです。
☆105回数える歴史に花添えて
     栄冠輝く古関裕而氏
【詞書】高校野球二日目の智弁学園(奈良)と英明(香川)の試合。英明のリードで迎えた
  9回の裏、“魔曲”と呼ばれる「ジョックロック」が流れる中、智弁が同点に追いつき
  10回タイブレークに持ち込みました。裏の攻撃で三累に居たランナーを帰す
  スクイズを決めた智弁が熱戦を制しました。基本自分の住んでいる所以外にも
  近畿勢を応援するのですが正直ダメかと思ってしまいました。(奈良智弁の
  関係者様すみません!)もうハラハラドキドキで、姉夫婦の家で姉と一緒に見て
  ましたが、すごい試合でした。これだから高校野球は面白い…。
  まあ、タイブレークなどにはいろいろ御意見もあるでしょうが…。
☆スタンドの“魔曲”がシーソー傾けて
      タイブレークの決着がつく
【詞書】初めての出会いは’90年代にバイト帰りに買ってた「夕刊フジ」。今は朝日
  新聞に載っているのをやっています。母も父もやりませんし…。私はあまり頭の
  ほうは良くないんで、かなり手間のかかったやりかたをしてますし、行き
  詰まったらしばらく放っといたりします。最後の最後に違っていたりして、
  枠を別の紙に書いてやり直したり…。姉には「そんなことをしているよりも料理の
  一つも覚えたらどう!?」と言われますが。「ええやん、面白いんやから…」と
  つぶやいて反論しています。
☆「数独」と言い得て妙のネーミング
       確かに我は独り楽しむ
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回も「栄冠は君に輝く」「タイブレーク」「数独」と、新鮮でホットなテーマに
 切り込み、素敵な歌に仕上げて頂きました。
 二首目の歌ですが、2023年度からはタイブレークの開始イニングが13回から
 10回に変更となりました。智弁学園は10回からのタイブレークにスクイズを
 成功させ勝利をもぎ取りました。まさに「魔曲」効果かも知れませんね。
 持てる力と戦術の全てを出し尽くしての勝負とその結果を、負けたチームも
 悔しいながらも潔く受け入れる、高校野球の清々しさがここでも見てとれました。
 三首目は、「数独」のネーミングにフォーカスし、おかしみをまじえて味わい深く
 詠っています。今や、「数独」は「脳トレパズル」を超えて、私たち世代の文化に
 なりつつあります。そんな行く末をも、この歌は暗示しているかも知れません。
 なお、ブログの字数制限により詞書の一部を編集させて頂きました。ご容赦
 願います。なお、一首の詞書は200文字程度にまとめて頂ければ幸いです。

     「酔芙蓉 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆打ち水や二酸化炭素排出で風情もろとも焼け石に水
                         西BOOさん
★はんなりと京の女が水打てば 焼け石なれど夕涼もまた
                         みっちっちさん
★石畳、夕暮れ時の打ち水は 男であれど祇園の雅
                         西BOOさん

☆打ち水や二酸化炭素排出で風情もろとも焼き石に水
                         西BOOさん
★打ち水は風を呼び寄せ風鈴の音聞こえくるあの路地の夏
                         夕庵さん
★路地裏の風鈴の音や 縁側の打ち水 時に冷風起こす
                         西BOOさん
★縁側に机持ちだし絵日記をつけし朝顔もう見られない
                         夕庵さん
★朝顔は記憶の中では片隅に 日記の中では咲き誇るなり
                         西BOOさん
★ぽろぽろと毀れ落ちるそのなかで 記憶のひとつは今も鮮明
                         夕庵さん

☆向日葵は画布より出でて落日に頭ふりふり種まき散らす
                         夕庵さん
★落日の向日葵畑に少女らの背丈競ひし声響きけり
                         みっちっちさん
★姉妹で背丈競いし日も遠く今は縮みし丈を言いあう
                         夕庵さん
★身長は変はらぬものの 水泳の体型になり着物似合はぬ
                         みっちっちさん

☆落日の図書館の隅 頬杖をつき君の背を見つめしことも
                         みっちっちさん
★動かない無言の背中を見るうちに不意に襲わる別れの予感
                         夕庵さん
★君の背に翼が生へて大空を飛ぶなら我も手を取り飛ばむ
                         みっちっちさん
★落ち蝉を手のひらに乗せ見せやるに 怖いと泣き出す二歳の男児
                         夕庵さん
★空蝉にたましひあるや 夕風に吹かれて合歓の木にしがみつく
                         みっちっちさん
★夏空を楽しむように百日紅 その木に揺れて蝉の絶唱
                         夕庵さん

☆空と海両断するや水平線 改めて知る碧と蒼の差
                         ポエット・M
★碧と蒼 美浜の海の水平線 目指して君と泳ぎしあの日
                         みっちっちさん
★水平線 目指して泳ぐかの日々に 君の泳力改めて知る
                         ポエット・M

☆空と海 両断するや水平線 改めて知る 碧と蒼の差
                         ポエット・M
★甲と乙 両断するのも憚られどっちつかずの言葉で濁す
                         夕庵さん
★両断の決断避けて凌ぎたる 中庸目指す日々に悔いなし
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆秘めてなお思い滲むや酔芙蓉 白妙の花くれないに染め
                         ポエット・M
【解説】
 朝に開き夏の日差しの中では白く清楚な輝きをみせる酔芙蓉は、夕刻を前にまさに
 酔うかの
ように紅に花びらを染めていきます。それはまた、秘めた想いが滲みだす
 ように白妙の花を
くれないに染めています。そんな酔芙蓉の楚々とした花の姿に
 魅せられて詠んでみました。

 なお、 「思い滲む」とは「思いがほとばしる」との意味で用いてみました。


     「酔芙蓉 夕刻うす紅に染まる」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(3)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された著作渾身の著書でもあります。
  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
1.「短歌の章」 花(3)

   沙羅の花白きが夕べ散り敷きて
           その美しき無情に会ひぬ
            
   白つゆ草一群咲きて春なかば
           病やうやく癒ゆるに近し

   半夏生長梅雨となりし庭隅に
           夏招くかに白きよそほひ


      「百日紅 白色」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 ブログの文字数制限(ソースコードレベルで30,000文字)により割愛致します。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「平和宣言」を

2023年08月06日 13時39分26秒 | 日々の歩み

 今日、8月6日、ここ南関東は朝から晴れ上がり夏空が広がっていましたが、
11時過ぎ一転黒雲が空を覆い大雨に見舞われました。今はすっかり回復し、
再びせみ時雨とともに夏空が広がっています。

     「東京湾の夏雲」

 広島では、被爆から78年の原爆の日を迎え、広島市中区の平和記念公園で
平和記念式典があり、松井一実市長は「平和宣言」を読み上げました。

その中で、5月に広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)で発表
された核軍縮に関する「広島ビジョン」に言及し、「核抑止論は破綻している」
と述べ、世界の指導者に核抑止論からの脱却を促すことが重要と訴えました。

 さらに、インド独立の父で、非暴力を説いたマハトマ・ガンジーの「非暴力は
人間に与えられた最大の武器」という言葉も引用し、「今、起こっている戦争を
終結させるために、私たちも立ち上がる必要がある」と呼びかけました。
日本政府には核兵器禁止条約への署名・批准を求め、11月の同条約締約国会議に
オブザーバー参加するよう訴えました。

     「たかさご百合」

 宣言の締めには、生活面で様々な苦しみを抱える多くの被爆者の苦悩に寄り
添い、被爆者支援策をさらに充実することを強く求めました。

 私たちも、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げたいと思います。そして、
ロシアのウクライナ侵略によって喫緊の課題になりつつある核兵器廃絶と、
その先にある平和の実現に向け、被爆地長崎、地上戦で命を落とされた沖縄の
人々、そして思いを同じくする世界の人々と共に、小さいながらも声をあげ続け
たいと思います。

     「夾竹桃 薄紅」

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その95)

2023年08月02日 05時10分20秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その95)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「むくげに憩う 揚羽蝶」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年7月8日八ケ岳倶楽部に行って来ました。私は7月前半の倶楽部の森は
  大好きです。今は亡き柳生博さんの、この森に賭けた思いが良く分かります。
  白樺林ですが、その木々は間隔が適度にあります。こぼれ陽が当たるように
  計算し尽されています。この森に入ると不思議な感覚に浸されます。森から出て
  来たくないのです。そんな私に癒しを与えてくれる森等を詠んでみました。
 註)「八ケ岳倶楽部の森」
☆爽やかな木洩れ陽のなか白樺の 肌気持ち良く風に吹かれて
 註)「八ケ岳倶楽部の森②」
☆訪れる癒しの森は心地よく 迎える人のおもてなし感ず
 註)「カフェレストラン」
☆極上のフルーツティを飲む時間 森の景色を君と楽しむ
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 いよいよ「八ケ岳倶楽部の森」が緑に覆われ、本来の姿を見せる季節になり
 ましたね。
「森から出て来たくないのです」の言葉は、今は亡き柳生博さんが
 最も求めた言葉だと
思います。「そんな言葉を聞きたくて、この森を作ったんだよ」
 と、風となった柳生博さんの
おっしゃる笑顔が浮かびます。

 死してなお、人々を集わせる彼の人柄が癒しとなり、森の随所に溢れていると
 考えます。
そんな想いに貫かれた三首の歌は、柳生さんへの何よりの賛歌となって
 いると思います。
一首目に、柳生博さんも参加して頂き詠んでみましたが…。

【ご参考】
★白樺の木漏れ日揺れる森深く 博の夢よ我らも見んと

【詞書】昔、職場の旅行でスイカ割りを4回程やったのですが、全て、空振りに
  終わってしまい、
スイカを食べるとその少々ほろ苦い思い出が、思い出される
  ことを詠ませて頂きました。

☆食すると甘さとともに思い出す
    スイカ割りでの重ねた空振り
【詞書】手を出さない様にと思っていたカメラの上位機種であったが、少しでも
  綺麗に採れれば
という可能性に賭けて買ってしまい、今は「何を撮ろうか」と
  考えている自分に半分、
呆れながらも喜んでいる心境を詠ませて頂きました。

☆「手にするな」思うも購入 上位機種
      今は最初に「何を撮ろうか」
                          西BOOさん
【解説】
 「昔、職場の旅行でスイカ割り」のほろ苦い思い出を詠んだ歌は、甘さと共に
 思い出す
懐かしい出来事でしょうね。今ではほとんどなくなりましたが、思えば、
 かつては企業では職場旅行が、
年に一度は企画され、親睦を深める役割を果たして
 いましたね。日ごろ見せない同僚の姿に、
拍手喝さいを送った日々を私も懐かしく
 思い出しました。

 一首目は、そんな一齣を詠み、懐かしさと共にかつての良き日の記憶を呼び起こして
 くれます。
懐かしさの滲む、分かりやすくほのぼのとした良い歌と思います。

 二首目は、悩みながらも「カメラの上位機種」を購入され、その嬉しさと撮れるで
 あろう作品への
ワクワクした期待感が素直に詠まれていて、私達まで嬉しくなります。
 常に前向きに、プラス
思考で歩まれる作者の想いの籠った歌とも考えます。

【詞書】又、京都での青春の時を詠んでみました。
☆夕映への百万遍の喫茶店 君と待ち合ひせし日々今も
☆待ち合ひのいつもの席の窓越しに授業終はりの君走り来し
☆哲学の道のしじまに小流れの音のみ聞きて君と歩みし
                          みっちっちさん
【解説】
 青春時代の思い出はいつまでも新鮮で、折に触れて懐かしく、また切なく思い
 出される
ことと思います。そんな想いの詰まった三首の歌は私たちにとっても
 胸に迫るものがあります。

 京都では、おそらく最大級の学生街でありましょう東大路通と今出川通の交差点
 (百万遍)
には、昔から営業されている学生街の喫茶店・カフェが今なお健在の
 ことと思います。
かつて職場の同僚と出張のついでに案内された「懐かしの
 喫茶店」も百万遍の近くのカフェでした。

 一首目、二首目の歌は京都の学生街である百万遍の喫茶店で、彼と待ち合わせを
 していた
日々を懐かしむ歌だと考えます。夕陽に染まる百万遍の街並みと、彼と
 過ごした時間の思い出が
重なり、切なくも甘酸っぱい気持ちが湧き上がってくる
 様子が鮮明に表現されています。

 また、一首目の結句の「今も」というフレーズは、その切ない思い出が今もなお
 心に残っていることを
暗示していて、余韻を醸し出しています。

     「咲き競う 百日紅」

☆百日紅あるかなきかの風にゆれ ままに生きよと薄き紅
☆水の色 睡蓮の色 空の彩 泥の中より白鳥飛ばす
☆猛暑ならコレステロール値に目をつむり えいっと頬張るウナギの蒲焼き
                          夕庵さん
【解説】
 連日体温を超える猛暑が続きます。その厳しい日差しを受けながらも、次々と
 薄紅の花つけ
敢然と咲きつぐ百日紅は、眺める私たちに励ましにも似たエールを
 送ってくれているかに感じます。

 一首目の歌は、そんな花の届けるメッセージを「ままに生きよ」と受け止める、
 味わい深い歌と
なっていると考えます。また、「あるかなきかの風」という言葉
 には人生の儚さも暗示させられ、
それを踏まえつつ、あるがままに生きてほしい
 というメッセージを自らも受け止めると共に、
この歌をよむ皆さんも受け止めて…
 との想いも込められていると感じます。

 三首目は、作者の潔さも感じられる微笑ましい歌と感じました。

【詞書】この「水曜サロン」で詠われた場所を観光したくなりまして、横須賀市の
  観音崎と軽井沢の
レイクガーデンに参りました。そのとき詠いました歌を
  出詠させていただきます。

  観音崎では「さねさしさがみの〜」に詠われている弟橘媛の走水神社に行きた
  かったのでしたが、
あまりにも暑かったため、観音崎にあります横須賀美術館の
  イタリアンレストランから観音崎の
海を眺めて帰ることしかできませんでした。
  その折、私の娘が結婚式を挙げたハワイのマウイ島の
ラハイナ海岸を思い出し
  ましたので、詠ってみました。

☆マウイ島ラハイナ海岸から遥か離れて向かひ合ふこの海岸
【詞書】軽井沢は南側のほうは行ったことがありませんでしたから、今回この
  サロンで読ませて頂いた
レイクガーデンに行き、湧き水の流れるレイクガーデン
  を楽しんでまいりました。

☆軽井沢レイクタウンの真ん中に子宮のごとくレイクガーデン
【詞書】軽井沢と言えども日向は暑かったのでしたが、木陰に入ると、さすがに
  涼しくて、私は
レイクタウンのベンチに横になって休ませていただきました。
  そのとき、あまりの気持ちのよさに、
私はいったいどこにいるんだろうという
  感慨を覚えたのでした。

☆かるいざわ風は優しくわれに吹きふと今ゐる場所を忘れてしまふ
                          びこさん
【解説】
 現代の歌枕とも言えます「横須賀観音崎」「軽井沢レイクタウン」について
 詠んで頂きました。

 いずれも、その場にいなければ詠えない臨場感の感じられる詠歌で、情景の良く
 分かる歌と
思います。なお、弟橘媛を祭る走水神社については、昨年12月に私の
 ブログでも触れさせて
頂きましたが、東京湾を見下ろす小高い丘の上に立っている
 ため、炎天下に訪れるのは
かなりきつく、パスして正解だっと思います。

 一首目は、美術館から眺める群青の海から、お嬢さんが結婚式を挙げられた
 ハワイのマウイ島の
ラハイナ海岸を思い出され、懐かしさと楽しさとを上手く
 掬い取り詠っています。
「遥か離れて向かひ合ふ」の発想と、表現は秀逸と
 思います。

 二首目の、「子宮のごとくレイクガーデン」の表現も核心をついた表現と思います。
 三首目も、「一炊の夢」に通じる、儚さとは異なる深い味わいを感じます。


     「群れ咲く 芙蓉の花」

【詞書】ナンプレ パズル
☆存在可能、しない場所を選別して
 一つの答が次を
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 脳の衰えを顕著に自覚しているので脳トレを最近始めました。判断速度も重視して、
 瞬時に
答を出すよう訓練しています。老化に抵抗しようと無駄なあがきかも?

 既にヒントとして有る数字は、これまでに経験した物。一つ枡の数字が確定すると、
 これが次の
枡のヒントとなって行きます。間違えたって、その枡には、存在しない
 事を確認出来て、次のヒントに
なります。どうしても分からない場合は、二者択一
 の枡を選び、直感で入力しています。
これからの老後を、一枡毎に、入る物、
 入らない物を吟味して、完成して行きたいですね😁。

【解説】
 「数独(ナンプレ)」は今や私たちの世代の、脳トレの一大ツールとなっています。
 なお、ナンプレは1から9までの数字を、縦横の3マスごとに、重複しないように並べる
 パズル
と言うことは、このサロンに集う皆さんはご存知のことと思います。

 電車や、病院の待合室でも、ナンプレに真剣に取り組んでいる方を結構拝見します。
 問題集と鉛筆、消しゴムがあれば取り組める手軽さと、初級から上級までかなりの
 難問もあり、奥の深いパズルと思っています。
 この歌の「存在可能、しない場所を選別して」という一句は、「存在可能」と
 「しない場所」
という対照的な言葉の響きが、ナンプレの難しさや、解けた時の
 達成感をうまく表しています。

 なお、「一つの答が次を」という一句は、ナンプレの解き方の過程を、簡潔かつ
 効果的に表現
しながら、人生の歩みをも示唆する味わい深い詠歌となっています。

 自由律でなければ表現できない世界観を、韻も踏みながら表しているとも考え
 ますし、
このようなジャンルの歌にも是非挑戦して見たいですね。

【詞書】7月25日だったんですが、Eテレの午後11時55分のミニ番組「2355」を見てたら、
  「ISS通過中」という歌が流れました。去年から、もはや趣味と言っていい「京都上空
  を通り過ぎるISSの観察」をやっている私としては、嬉しかったです。7月末頃から
  今のところ20~22時台に見られます(時には20時台と22時台の2回とか)。8月には
  日本人宇宙飛行士の古川さんが宇宙(そら)に上がられるとか。その頃も見やすい
  時間帯の通過だといいなあと思います。
☆ISSのクルーさんらに伝えたい
       「ISSが歌われてます!」と
【詞書】「デューン」はフランク・ハーバート著のSF小説。’80年代に読んだのは、最初の
  シリーズ「デューン・砂の惑星」ですがその中に「汝ら人の心に似せたる機械を
  作ることなかれ」という言葉が出てくるんですが、この作品の世界が「その言葉の
  もとに成立した、人工知能や意識を持つロボットなどを排除した出来事を経ている
  世界」で、殆どが砂漠という過酷な惑星の“藩主”の子として生まれた少年が主人公
  だった話です。
  ’80年代に映画化されたのも観にいってますが、敵方のキャラクターで出ていた
  「ポリス」のスティング氏の登場シーンだけやたら記憶に残っていますが…。
  「デューン」の内容はともかく、人工知能は発達しすぎるとロクなことにならんな、
  という印象が強すぎるんですが…。AI…の一種なんでしょうが、アメリカのドラマ
  「ナイトライダー」のロボットカー「ナイト2000」は、結構主人公に説教してました。
☆AIやチャットGPTの事思い
     脳裏かすめる「デューン」の一節
【詞書】今日8月1日に甲子園で女子の高校野球の決勝がやってました。
  (岐阜第一対神戸弘陵。弘陵の優勝でした)「野球狂の詩」の水原勇気を見て、
  「いくら優秀でも、無理やろな」と思い、川原泉さんの漫画「メイプル戦記」で
  「まあ、ありえんやろなあ…。女子のプロ野球チームとか」とか思ってたら、女子の
  「野球」人口が増えてきて、コミック「花梨のマウンド」のCMのキャッチコピー
  「女の子だって甲子園!」を聞いて、「そのうち実現するかもなあ」に変わったのが
  数年前。…今や、女子高校野球の決勝が甲子園で行われている…。“決勝だけ”と
  いうのは今現在やむを得ないにしても、やはり嬉しいし(野球はおろか、どの
  スポーツも出来ない私ですが)、楽しいです。また来年、甲子園で、あの笑顔に
  会えますように!
☆はつらつと闘う決勝甲子園
     野球少女ら夢のフィールド
                          ちがやねこさん
【解説】
 「ISSのクルーさん」「AIやチャットGPT」「野球少女ら」と、ほかの方のあまり
 取り
上げないテーマの歌を、大胆に詠んで頂き私達にも学びになります。
 一首目は、作者の専門分野でもあります「ISSの観察」がテーマとなっています。
 Eテレでも取り上げられた事実への喜びが率直に詠われ、ISSのクルーさんへの
 エールがそのまま歌となり、ISSに馴染みの薄い私達でも共感を誘われます。
 二首目、フランク・ハーバートの小説「Dune」は、1984年にはデイヴィッド・
 リンチが初めて映画化して以降、何度か制作され2021年にはデニ・ヴィル
 ヌーヴ監督による新たな映画版が公開されました。作者が詠まれたように、
 この作品には幾つかの警句が含まれています。そのうち最も大切な一つは・・・、
 「チャットGPT等を含むAIは、人による制御下において進化させる」ことであり、
 これを明確にすべきと思っています。こんな事を想起させる歌でもあります。
 三首目は、「野球少女らの夢」が大きく花開き、また「甲子園で、あの笑顔に
 会えますように!」に祈りたいですね。

     「むくげの花 八重 白」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆百日紅あるかなきかの風に揺れ ままに生きよと薄き紅
                         夕庵さん
★百福として百日を咲く花ぞ 百日紅なほ紅を誇りて
                         みっちっちさん

☆猛暑ならコレステロール値に目をつむりえいっと頬張るウナギの蒲焼き
                         夕庵さん
★血糖に目をつむりつつ 卓球時 飴ちゃん舐めて頑張る我よ
                         みっちっちさん
【詞書】みっちっちさんはきっと塩飴?私はのど飴、実感です
★おばちゃんは喉のイガイガ歯も弱りいつしかガムから飴へと変わる
                         夕庵さん
【詞書】途中で水分補給し、塩飴舐めながら背泳を泳ぎます。クロールは
  息継ぎの時、
飴が動いて危ないので駄目です。でも多分、普通の人は
  背泳の時も飴舐めません(笑)
多分、私だけです(笑)
★クロールは駄目 背泳は大丈夫 飴舐めながらゆらゆら泳ぐ
                         みっちっちさん
★ゆらゆらと金魚は鉢から出られない 私は熱暑で外出禁止
                         夕庵さん
【詞書】夕庵さんをイメージして詠わせていただきました。
★ゆらゆらと優雅に泳ぐ琉金のやうに優雅に歩くわたくし
                         びこさん
★背泳はイメトレでやっと泳げしが方向音痴で行方決まらず
                         夕庵さん
★背泳で空を見ながらハワイまで泳ぎゆかむか八十になれば
                         びこさん

☆ゆらゆらと金魚は鉢から出られない 私は熱暑で外出禁止
                         夕庵さん
★舞ひ踊る金魚のごときシンクロの練習きつく我あきらめし
                         みっちっちさん
★教師への夢あきらめしあの日より札勘だけは今も得意に
                         夕庵さん
★教師への夢果たせずも 夢多く学びたき事なほ果てしなく
                         みっちっちさん

☆哲学の道のしじまに小流れの音のみ聞きて君と歩みし
                         みっちっちさん
★「哲学の道」で蛍を探しつつ歩みし記憶もおぼろおぼろに
                         夕庵さん

☆待ち合ひのいつもの席の窓越しに授業終はりの君走り来し
                         みっちっちさん
★走り来し君にマフラーを巻きつけて異国へ旅立つ別れを惜しむ
                         夕庵さん
★もう一度だけ振り向ひて 夏帽を 千切れるほどに君へと振らむ
                         みっちっちさん

☆マウイ島ラハイナ海岸から遙か離れて向かひ合うふこの海岸
                         びこさん
★マウイ島のカフェの娘のあどけなさ腰をふりふり「アローハー」と応える
                         夕庵さん
★マウイ島で腰をふりふりフラダンス踊りてくれしおばさん達よ
                         びこさん
★フラダンス踊るおばさん達はよし若い娘にあらぬ魅力が
                         びこさん

☆一朝の夢紡ぐ間に むくげ散り 梅雨明けの夕べ いまだ暮れずに
                         ポエット・M
★暮れなずむ雲のはたての明るさに しみじみ祈る明日のやすらぎ
                         夕庵さん
★夕暮れは寂しきものと思えども 明日のやすらぎ祈る幸せ
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆空と海 両断するや水平線 改めて知る 碧と蒼の差
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨明けの相模湾を、三浦半島の宮川公園という絶景スポットから見下ろして
 いました。空と海とを
水平線が断ち切るかに横たわり、紺碧の空と海の蒼の差異を
 鮮明に浮かび上がらせていましたが、
そんな瞬間の感慨を詠ってみました。

 なお、「水平線」は二つの世界を隔てる境界線であると同時に、それらを繋ぐ線でも
 ある
事を、その景観から理解しました。ここでは水平線がもつ、その二面性と、
 同じ青なのに、空の碧、海の蒼さとに微妙な差異のあることを表現
してみました。

 ちなみに、宮川公園は相模湾の眺望がすばらしく、風力発電用の風車が二基あり、
 エコと、
ロードサイクリストにも人気の「聖地」と言われている場所でもあります。

     「ほうぼうの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(2)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を
著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された
著作渾身の著書でもあります。

  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  
短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。

     
1.「短歌の章」 花(2)

  「かたかご」はタカクリの古称です。大伴家持の次の歌でも詠まれています。
   ☆もののふの八十娘子(やそおとめ)らが汲みまごふ
                 寺井の上の堅香子(かたかご)の花

   陽を受けてあした開けるか かたかごの
           花は移ろひて夕べには閉づ
            
   夕かげに閉せる花は睡るなり
           ここにも幽やかにめぐるあめつち

   かたかごは奇しき草よ
       花終へて名残もあらず 地に消え失せぬ


      「ノウゼンカズラの花」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は、ブログの文字数制限を超えた為、掲載を控えさせて頂きました。


【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、

 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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