四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その28)

2022年03月30日 05時00分02秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その28)   短歌の投稿を歓迎します!!

  ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。  ☆☆☆
  ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
       皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。         ☆☆☆
  ☆☆☆ 緊急連絡!! 最近心無い「スパムメール」がコメント欄に届いています。
       誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「咲き競う桜 染井吉野」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】最近原田泰治の世界に嵌まっていますが、泰治が描いた世界が徐々に
    失われて来ています。
    人も景色も失われていく思い出にノスタルジアを感じています。
☆温もりの 泰治の世界 懐かしく 思い出景色 今はいずこに
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】ウクライナ前線ルポを詠んで衝動的に詠んで見ました。このルポでなぜロシアの
    侵略からウクライナ人兵士が逃げないで身を挺して守るのか理解出来ました。
☆砲撃で 焦土と化した ウクライナ 祖国を守る 自由の重さ
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】3月20日掲載のブログ、オリエント急行に寄せて詠んで見ました。
☆懐かしの 思いを馳せて 走る列車 記念日に乗る 人生の夢
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 「ウクライナ前線ルポ」を拝読させて頂きました。その中で、BBCのクエンティン・
 サマヴィル記者が、ウクライナ兵士に「なぜ戦っているのかと」尋ねた場面がありました。
 彼は「自由なウクライナのため、自分の家族のため…、自分たちの独立と平和のためだ」
 と答えていました。作者の詠まれた二首目の「自由の重さ」を改めて心に刻み、
 ウクライナの民の心意気も詠んでみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★爆撃で 焦土と化すも ウクライナ 祖国と自由 民は守ると


【詞書】たくさん咲いていた梅の花も、あっという間に花が散ってしまいました。
    花の散りざまは桜とは違い、花びらが真っすぐ落ちる感じでした。そして花びらも
    小さい。そのことを詠いました
☆白梅(しらうめ)の 花びら一つ 手のひらに 過ぎ行く春を しばし眺めん
                         さわやか♪さん
【詞書】桜の種類はたくさんあります。今回「春めき桜」の写真を見て河津桜の次に咲き、
    ソメイヨシノの前に咲くといわれているその可愛い姿を詠いました
☆ときめいた 少女のような 面影に 春めき桜 今ここに咲く
                         さわやか♪さん
【詞書】カワセミがいるといわれている場所には、カメラマンが沢山集まります。
    青い宝石といわれるカワセミの色は見事の一言ですが、撮影は難しいようです。
☆粛々と 望遠並ぶ 川岸の チャンスは如何に 青い宝石
                         さわやか♪さん

【解説】
 いずれも詩情を湛えた素敵な詠歌になっていると考えます。
 人の世の喧騒をよそに、春の到来をいち早く告げ、桜の季節への前奏曲を奏でる
 梅の花。移ろいゆく季節の象徴とも言える花でありますが、季の移ろいの哀しさを
 秘めながら、それを主張しない慎ましやかな花でもあります。
 一首目にその「哀しさ」を込めて、詠ってみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★白梅の花びら一つ手のひらに 過ぎ行く春の哀しみもまた


【詞書】ウクライナは悲惨です。TVで報道されるのはその一部でしょう。
    ただ画面を追う毎日です。本人又は命を賭けたプーチン側近の行動しか
    止められないという現実が信じられません。
☆同胞で命の大地焼き尽くす止める知恵無く今日も過ぎゆく
                         『楕円と円』さん 

【解説】
 「ウクライナは悲惨です。TVで報道されるのはその一部」であり、この大義無き
 侵略戦争を止められるのも、残念ながらおっしゃる通りですね。
 このような事態を招かないためにと、二つの大戦を経て学んだ結果設立された
 国連が、機能しない事態を深刻に考えなければと思っています。
 「今日も過ぎゆく」に、事態への作者の無念さがにじみます。


【詞書】眠れない夜 FOLLOW ME ~『イノセンス/攻殻機動隊』を
☆『ついて来て…』
   その最後の言葉だけが重く耳に残る熱帯夜

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 士郎正宗によるSF漫画の「攻殻機動隊」(GHOST IN THE SHELL)を、押井守監督が
 アニメ映画「イノセンス/攻殻機動隊」で主題歌として使用したFOLLOW ME を聴いて、
 そのイメージで夏に短歌を作りました。
 FOLLOW MEは、有名なホアキン・ロドリーゴが1939年に作曲したギター協奏曲の
 アランフエス協奏曲第2楽章に歌詞を付けたものです。
 短歌の本歌取りに批判的な方も多いですが、この様なカバー曲、映像になると、もう
 押井守のアランフエスになっていると思います。本歌取りとはそう言うものと私は
 思っております。
 下記URLにYouTubeを張り付けておりますので、是非ご覧下さい。ついでに愚詠も
 笑覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/299f6136fa651a60bd5e35d283b8a069/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0

【解説】
 「イノセンス/攻殻機動隊」は糸井重里のキャッチコピー「イノセンス それは、
 いのち」で知られていますが、第57回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて
 上映されていますね。日本のアニメーション作品がカンヌのコンペ部門に選出されるのは
 史上初であったと記憶しています。
 本歌取りについては、紀貫之らの『古今和歌集』、藤原俊成らの『新古今和歌集』の
 時代に広く行われ、和歌の進化も図られていますので、私たちも学んで挑戦したい分野と
 考えています。なお、作者の「本歌取り」についての解釈と想いを尊重したいと思います。




☆花のない季節はただの林なりされどひとたび咲けば華やぐ
☆本来はのどかな春をのどかにはしてくれないのが桜の咲く季
☆植林をされたわけではなかりしに静かに群れて咲くエドヒガン

                         水仙さん

【解説】
 二首目の短歌から「古今和歌集」で在原業平が詠んだ、
   〇世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
 の和歌を思い出します。
 本来、春はのどかな季節であるのに、桜があるために人々の心が穏やかでないことを
 詠っていますね。人の心を惑わせ、かき立てる力のある桜。その妖しいまでの桜の
 美しさを作者も言外に詠っているのだと考えます。
 また、三首目の「静かに群れて咲くエドヒガン」に、高遠のエドヒガン桜と、
  高遠へ流罪となった江島の哀しい物語が思い出されます。

【詞書】出口の見えないウクライナ戦は今や世界各地に飛び火しそうです。
    早い終結を祈るばかりです。
☆突然に 襲いかかるや 生き地獄
        凶弾の嵐 修羅場の炎

                         クロママさん

【解説】
 ロシアのウクライナ侵略は国連憲章にも違反する、明確な国際法違反の犯罪ですが、
 その下で日々命を落とす子供達や市民の姿に、限りなく心が痛みます。
 作者も詠まれた、ウクライナで日々展開される「生き地獄」が一日も早く終結する
 ことを願わずにはおれません。そんな思いを想起させる渾身の詠歌と考えます。

☆たのしみは 鳥たちうたう公園の 木立の中に萌え木見るとき
☆たのしみは 精気あふれる樹の下で 目を閉じ深くいきするひととき
☆たのしみは 母の形見の箪笥開け 懐かしい匂い そっと嗅ぐとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 連日、ウクライナ等厳しい世界情勢を見聞きする中で、作者の詠う独楽吟の世界に
 ひと時の安らぎを感じると共に、「心のオアシス」に触れる想いが致します。
 特に一首目の「木立の中に萌え木見るとき」は、まさに「萌えたつ」今の季節ですね。
 そこに生命力に溢れる木々の息吹を感じ、励まされる思いです。


☆西風は いくさの匂い運びくる そを止めるべく なすべきはなに
                         ポエット・M

【解説】
 今の季節、偏西風に乗る黄砂は歓迎すべきものではありませんが、その風上の遥か先に
 位置するウクライナ。「戦の匂い」は必ずしも嗅げるものではありませんが、その地で、
 未だ続くロシアの侵略戦争で蹂躙される人々の存在を想うと心が痛みます。
 この戦を止めるべく今、私たちが出来るものは何かを自問する想いを詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (29)
7.折々の歌 (3)


   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」
 捨てらるる
   運命(さだめ)鋭く
       嗅ぎ分けて
     己が主人を
       見送る子犬

   なにも無き
     禅になにかが
       有るのかと
      やたら汗かく
        外人おかし

       純白の
         雪の絨毯
           敷きつめて
          庭にはらはら
             赤き薔薇散る

     「あの人は
       私だけの
          十字架」と
        歌えば哀し
           波止場の夕べ

    わが友は
      ピエロ短歌と
        称しつつ
       いつもおもろい
         女を歌う



     「横須賀走水 水源地公園の桜」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集以降の歌集】前週に続き掲載します。
「万葉集」前回説明していますので、概要のみ記します。
 〇作成時期:奈良時代
 〇特徴:現存する日本最古の歌集(全20巻 約4500首)で、天皇から防人、農民まで
     様々な階層の人々に関わる和歌が収録されています。
     なお、元号「令和」の出典元となったのが万葉集第5巻で、そこに収録されて
     いる「梅花の歌(梅花歌三十二首并せて序)」から引用されました。

「古今和歌集」
 〇作成時期:平安時代
 〇特徴:日本最初の勅撰和歌集(天皇や上皇の勅命によって編集された和歌集)
     (全20巻 約1100首)醍醐天皇の勅命で,紀貫之らが編集。
 古今和歌集は勅命により国家の事業として和歌集を編纂する伝統を確立した作品であり、
 八代集・二十一代集の第一に数えられています。平安時代中期以降の国風文化確立にも
 大きく寄与しました。
 また、古今和歌集は仮名で書かれた仮名序と真名序の二つの序文を持ちますが、仮名序に
 よれば、醍醐天皇の勅命により万葉集に撰ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの
 時代までの和歌を撰んで編纂し、延喜5年(905年)4月18日に奏上されました。
 ただし現存する古今和歌集には、延喜5年以降に詠まれた和歌も入れられており、
 奏覧ののちも内容に手が加えられたと見られ、実際の完成は延喜12年(912年)ごろと
 の説もあります。撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人です。

「新古今和歌集」
 〇作成時期:鎌倉時代
 〇特徴:勅撰和歌集(約2000首)後鳥羽上皇の勅命で,藤原定家らが編集
 新古今和歌集は鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の勅命によって編まれた勅撰和歌集。
 古今和歌集以後の8勅撰和歌集、いわゆる「八代集」の最後を飾っています。
 古今集を範として七代集を集大成する目的で編まれ、新興文学である連歌・今様に
 侵蝕されつつあった短歌の世界を典雅な空間に復帰させようとした歌集でもあります。
 古今以来の伝統を引き継ぎ、かつ独自の美世界を現出しました。
 「万葉」「古今」と並んで三大歌風の一である「新古今調」を作り、和歌のみならず
 後世の連歌・俳諧・謡曲に大きな影響を残しました。
                      参照: ウィキペディア日本語版 等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (23)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

染井吉野咲く

2022年03月26日 20時13分07秒 | 日々の歩み
 ロシアによるウクライナ侵略から既に一か月が経過しましたが、未だ激しい戦闘が
続いています。ロシア国防省は25日、ウクライナにおける「軍事作戦」の第一段階は
ほぼ完了したとし、ウクライナ東部ドンバス地域の完全「解放」に焦点を当てると
表明しました。

     「散り時を前にした 河津桜」

ロシア国防省の発表は、ロシアがウクライナの激しい抵抗に直面する中、より限定された
目標に切り替えている可能性を示唆してといると伝えられています。
また、ウクライナの戦闘でこれまでにロシア軍の死者は1351人、負傷者は3825人に
なったと発表し、その上で、プーチン大統領が設定した目標を達成するまで、「作戦」は
続けられると報道しています。

     「ボケの花」

 このような状況の中で、ウクライナのゼレンスキー大統領が23日、日本の国会で
オンライン形式での演説を行いました。その中で、
 「私たちはどんな侵略行為に対しても予防的に機能し、役に立つ、新たなツールや
  新たな保障体制が必要です。その発展のため、日本のリーダシップが不可欠です。
  ウクライナのため、世界のため、私からのお願いです。世界が再び、平和で安定した
  明日が訪れ、次世代の将来に自信を持てるようにしてください。
  日本の皆さん!私たちが力を合わせれば、想像以上に多くのことを成し遂げられます」
と訴えました。

     「ミモザ」

 ウクライナの情勢は、一刻の猶予もありません。前のブログにも記しましたが、今こそ、
国連が原点に還り戦禍を止める具体的な行動を起こすべき時と考えます。
安保理等々の存在もありますが、その機能不全を取り除くべく、世界の英知を結集する
時であり、それに向けてのリーダーシップを日本は果たすべきと考えます。
 連日の、ロシアによるウクライナ侵略で、命を落とす子供たちを含む、多くの無辜の民の
悲惨な状況に胸が痛みます。一日も早い停戦を願わずにはいられません。



 なお、今年のソメイヨシノの開花は、西日本では平年並かやや早く、東日本と北日本では
平年より早くなる地点が多くなるとのこと。福岡で全国に先駆け3月16日に開花しましたが、
ここ横須賀でも東京都と同様にソメイヨシノは3月21日に開花しました。
 そんな中、令和4年1月から実施されていたまん延防止等重点措置は、同年3月21日をもって
全ての都道府県で終了しました。私たちは引き続きコロナ感染症の基本的対策は継続したいと
思っています。

     「咲き初める 染井吉野」

 梅や河津桜の開花に続き、待ちに待たれた染井吉野も平年より早く咲き初めていますが、
ウクライナの現況を想うと春爛漫を手放しで喜んでいられません。

こんな思いを前回に続き「社会詠」も交えて詠んでみました。抒情詩には程遠いものですが、
今のやむにやまれぬ思いを込めました。
 ☆花びらを散らし散らして密やかに 梅は春呼び幕を閉じゆく
 ☆花に酔い華に疲れしときあれば コロナの鬱もひと時忘れ
 ☆春と言う姿をまとい花開く 待ちに待たれる 染井吉野咲く

 ☆暴虐のロシアに対峙しウクライナ 自由の旗を高く掲げて
 ☆暴虐と殺戮日々に繰り返す ロシアのフェーク民も見抜きて
 ☆核さえも もてあそびたる プーチンの行きつく先に地球破壊も
 ☆命をも賭して叫びしジャーナリスト その訴えを心に刻む
 ☆暴君の蛮行いかに止めるかに 今こそ示さん世界の英知
 ☆英知もて なお止められぬ暴君の 暴虐の果て地球滅びぬ
 ☆手を腰に戦車を止めておみな立ち 戦争Noに 母の想いも




 この弥生の季節、散策した遊歩道、公園、三浦海岸周辺に咲いた花、また、
まん延防止等重点措置の終了時、次男家族と千葉の道の駅、アウトレット等を
巡った際の景観等々を、デジイチ・スケッチしました。
それらの花と、景観の写真を中心に掲載させて頂きました。

     「千葉道の駅 とみうら」

コメント (17)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その27)

2022年03月23日 05時04分42秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その27)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「三浦海岸周辺に咲く 河津桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】3月13日北京冬季パラリンピックは閉幕しました。特筆すべきは村岡選手が滑降・
    スーパー大回転・大滑降で金メダルを3個獲得しました。彼女は座位ですがどの
    選手よりも滑らかな滑りで上手いと思いました。あっぱれという他ありません。
    凄い選手です。
☆その滑り 誰よりも早く なめらかで 得意のコーナーワーク 他者寄せ付けず
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】パラリンピックの選手たちに私たちも胸うたれ学ぶことは多くありました。
    それは「自分を信じる」「信じる力」が凄いと言うことです。
☆健常者が 障害者に学ぶ パラリンピック それは自分を 信じる力
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】「独楽吟を」久しぶりに私も詠んで見ました。朝のコーヒーはキリマンジェロか
    ガティマラを飲んでいます。二つの香りが格別でそれぞれ味も違い交互に楽しく
    飲んでいます。
☆楽しみは 朝からコーヒーの 豆挽いて キリマンジェロの 香りかぐ時
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 いずれも内容の良く分かる短歌と思います。特に二首目は、彼らがこの舞台に立つまでに
 経てきた道のりを想う時、涙なしにはいられません。それぞれが背負った運命のドラマと、
 それを乗り越える過程ではらわれた努力、苦悩、葛藤は、我々の理解を遥かに超えていると
 感じます。その中でこそ培われた「自らを信じる力」であったと思っています。それゆえに
 耀いているのだと思います。
 何よりも「人の持つ可能性と未来」を指し示してくれている、彼らの誠を詠った感動的な
 詠歌と思っています。少し表現を工夫してみましたがいかがでしょうか。
 ★葛藤を乗り越え挑むパラリンピック おのれ信じる極みがここに


【詞書】私の悪口を書き連ねたblog記事は、幸か不幸か抹消されたようですが。
☆気がつけば空は春空とりたちは飛びて恋歌鳴き交わしゐき
☆春の花咲き満ちてゐる道ゆけば鬱も少しは和らぐらむか
☆屋内にゐるより屋外あたたかく春来にけらしと気づくわたくし

                         びこさん

【解説】
 まだまだ悪質な書き込みが続いていることに私自身も憤りを感じます。スルーしようと
 しても中々平静で居られないことは十分理解できます。
 国家も戦略としてフェーク情報を垂れ流す時代ですが、それに染まらず揺るがない
 「固」の確立が、私達一人一人に求められているとも感じます。
 六首出詠頂きましたが、「春」を色濃く感じさせる上記の三首を選定させて頂きました。
 一首目、小鳥たちの恋の季節が既に始まっていますね。そんな華やぎに私たちも
 あやかりたいと思っています。そんな気にさせる明るく前向きな良い歌と思います。

【詞書】毎年3月頃から、私の散歩コースの川沿いに産卵の為に鯉が数百匹あつまります。
    その様子が生命の神秘を通り越して、生き抜く命です。
☆体長の小、大、巨大鯉の群れ春の川面にしぶきの跳ねる
☆三月の川面に黒く波の立つ恋のさや当て鯉の産卵
☆バシャバシャと水面波だつ産卵の数百の鯉の命の乱舞

                         リコさん

【解説】
 川沿いに「産卵の為に鯉が数百匹」集まる景観は、壮観でしょうね。
 鮭の産卵への遡上場面も「命の営み」の厳粛さを感じさせますが、鯉の産卵もそれ
 以上の迫力があろうかと拝察いたします。
 まさに「生き抜く命」「命の乱舞」を表現した、迫力のある詠歌と考えます。
 そんな「命の乱舞」中でも想いを遂げることなく、自らの子孫を残しえなかった鯉の
 存在もあるやも知れませんので、二首目を「恋に破れる鯉」として詠って見ました。
 ドラマ性を少し組み込み、恋と鯉とを掛けてみました。
 なお、ご参考は、リコさんとネットで意見交換した結果を掲載いたしました。
【ご参考】
 ★黒々と河面波立つ産卵に 恋に破れる鯉の叫びも


【詞書】ワクチンのデメリット情報を出したくない思惑が最近はうっすら見えてきました。
    そのことを詠みました。
☆真実を 示せぬ訳の 気配あり 闇夜の烏 何処に居るや
                         さわやか♪さん
【詞書】メリットとデメリットの攻防戦が繰り広げられている気がします。中国の故事を
    使って正しく理解することを詠いました
☆情報は 命守りし 盾となる 盤石を期し 矛もつかめよ
                         さわやか♪さん
【詞書】情報の比較検討を政府は言っています。実際はデメリット情報が出されていない
    ので役不足の情報のことを詠いました。
☆比べよと 声高らかに 唱えおる 示されしもの 絵に描いた餅
                         さわやか♪さん

【解説】
 『「詩情」的なものに心を配りました』と作者は言われていましたが、その姿勢は、
 抒情詩でもある短歌を詠むうえで大切な心構えと思います。私も未だ出来ていませんが…。
 いずれも難しい題材を扱い、すっきりとした詠歌に仕上げており、分かりやすい歌と
 思います。三首目を少しアレンジしてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★比べよと 声高らかに 唱えおる 示されぬもの あまたあるのに




【詞書】イマジンを 二首
☆Imagine 
   今日も軛と足枷と重荷を背負っている
             夢すらみない
☆変わったかって?
   耳を澄ましてご覧?
      全て希望のままではないが

                自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 ウクライナの進攻を思う時、ジョン・レノンのイマジンを聴きたくなる。
 進攻するロシアの兵士も、守るウクライナ兵士も、砲撃に怯える市民も、とても寒く
 辛い中にいる。
 停戦協定が成立して、ロシア軍が撤退する事を世界中の人々が願っている。
 以下URLにImagineのYouTubeを貼り付けているので、愚永も併せてご覧頂ければ
 幸いである。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/a2c91307fe1995433f08bbf8e14c55c6

【解説】
 偶然でしょうか。私も他のブログで「イマジンを聴きたくなる」との短歌を
 アップしました。想いを共有出来て嬉しいです。
 ジョン・レノンの唄う「殺す理由も死ぬ理由も無く」の歌詞が、いま痛切に
 心に響きます。何よりも「即時停戦」を実現したいですね。
 なお「耳を澄ましてご覧?」の句に、微かではありますが、希望を感じます。


☆春霞 桜前線 聞こえ来る
      平和の声と なって届けよ

                         クロままさん

【解説】
 ウクライナの人々に、桜前線を「平和の声と」して届けたいですね。そんな思いを
 起こさせる詠歌と思います。
 春を待ちわびて慎ましく暮らす人々。その平和な日々が一方的に奪われ、戦禍の下に
 投げ出された人々の生活を思うと心が痛みます。停戦が一日も早く実現することを
 心から祈りたいと思います。


☆たのしみは いらないからねと言いつつも 姉の宅配待っているとき、
☆たのしみは 探し歩いた樹に会えて 咲けし花など見つけたるとき
☆たのしみは 心つながる絵手紙が ポストの中に一枚あるとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 独楽吟の良さと、その描き、表現する世界の広がりを改めて感じています。
 「探し歩いた樹に会えて」「心つながる絵手紙が」の核心をなす言葉のもつ
 重さと、喚起力に学びたい想いです。
 なお、三首目の「一枚あるとき」の句の「一枚」に作者の奥ゆかしさを
 感じます。


【詞書】北国も太陽の軌道が高くなって、ふと春の始まりを感じました。
☆彼岸入り野鳥の台の餌米を春よ早くと大盛りにする
                         『楕円と円』さん

【解説】
 「春は光から」と伺ったことがあります。立春から春分にかけての時期を「光の春」と
 呼ぶようですが、事実この時期は日差しを見るとすっかり春と感じることが あります。
 「光の春」はもともとはロシアで使われていた言葉とのこと。ロシアでは長く厳しい冬が
 終わりに近づき少しずつ日が長く、空が明るくなっていくのを感じる2月を「光の春」と
 呼ぶようです。
 ロシアでは今、心ある方がこの国を後にしているとのニュースに触れましたが、大統領の
 暴走を一刻も早く止めないとウクライナはもとより、世界の破綻が危惧されます。
 「春よ早くと大盛りにする」との句に『楕円と円』さんのお人柄と、優しさが滲む
 温かな詠歌と思います。


☆イマジンを今こそ唄う さざ波もやがてうねりと 成るを信じて
                            ポエット・M

【解説】
 ロシア政府のウクライナ侵略戦争に反対するために、投獄される危険を冒して街頭に
 出たロシアのデモ参加者たち。ウクライナの人々を同胞と見るロシアの真の心をもつ
 彼らへの連帯を込めて、さらに理不尽な侵略に身を賭して闘うウクライナの人々への
 連帯を込めて「イマジン」の歌声を届けたい。その想いで詠ってみました。
 国連が機能不全を起こしている中で、この戦争を停める手段はかなり限定されて
 いますが、私たちの「小さな声」が「さざなみ」になればと思っています。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (28)
7.折々の歌 (2)


   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」
 キリストも
   知るや知らずや
       今の世の
     ユダ子のかかる
       キスの苦さを

   もう泣くな
     涙を拭いて
       立ち上がれ
      裏切り者に
        牙をむけ

       ヌーボーは
          虫と草木に
            恋をして
           デコの幾何学
             模様のとりこ

     ブランディ―
       グラスを取りて
           この地球(ほし)へ
         近づく赤き
           火星(ほし)に乾杯

    我が歌も
      我が人生も
         破綻調
       恩師よゆるせ
         他に道なし
 
   しんまいの
     カラスが鳴くか
        かあ~かあ~と
      鳴かずに区切って
        カッカッと鳴くは




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集以降の歌集】
「万葉集」前回説明していますので、概要のみ記します。
 〇作成時期:奈良時代
 〇特徴:現存する日本最古の歌集(全20巻 約4500首)で、天皇から防人、農民まで
     様々な階層の人々に関わる和歌が収録されています。
     なお、元号「令和」の出典元となったのが万葉集第5巻で、そこに収録されて
     いる「梅花の歌(梅花歌三十二首并せて序)」から引用されました。

「古今和歌集」
 〇作成時期:平安時代
 〇特徴:日本最初の勅撰和歌集(天皇や上皇の勅命によって編集された和歌集)
     (全20巻 約1100首)醍醐天皇の勅命で,紀貫之らが編集。
 古今和歌集は勅命により国家の事業として和歌集を編纂する伝統を確立した作品であり、
 八代集・二十一代集の第一に数えられています。平安時代中期以降の国風文化確立にも
 大きく寄与しました。
 また、古今和歌集は仮名で書かれた仮名序と真名序の二つの序文を持ちますが、仮名序に
 よれば、醍醐天皇の勅命により万葉集に撰ばれなかった古い時代の歌から撰者たちの
 時代までの和歌を撰んで編纂し、延喜5年(905年)4月18日に奏上されました。
 ただし現存する古今和歌集には、延喜5年以降に詠まれた和歌も入れられており、
 奏覧ののちも内容に手が加えられたと見られ、実際の完成は延喜12年(912年)ごろと
 の説もあります。撰者は紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の4人です。

「新古今和歌集」
 〇作成時期:鎌倉時代
 〇特徴:勅撰和歌集(約2000首)後鳥羽上皇の勅命で,藤原定家らが編集
 新古今和歌集は鎌倉時代初期、後鳥羽上皇の勅命によって編まれた勅撰和歌集。
 古今和歌集以後の8勅撰和歌集、いわゆる「八代集」の最後を飾っています。
 古今集を範として七代集を集大成する目的で編まれ、新興文学である連歌・今様に
 侵蝕されつつあった短歌の世界を典雅な空間に復帰させようとした歌集でもあります。
 古今以来の伝統を引き継ぎ、かつ独自の美世界を現出しました。
 「万葉」「古今」と並んで三大歌風の一である「新古今調」を作り、和歌のみならず
 後世の連歌・俳諧・謡曲に大きな影響を残しました。
                      参照: ウィキペディア日本語版 等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イマジンの曲を

2022年03月20日 12時10分01秒 | 短歌
 ロシアによるウクライナ侵略から3週間。未だ激しい戦闘が続いています。
ロシア国防省はウクライナ南部にある軍事基地を爆撃したと発表しました。さらに、
ロシア軍はウクライナへの侵攻後、初めて極超音速ミサイル「キンジャル」を使用し
ポーランドとの国境に近いウクライナ西部にある地下の弾薬貯蔵庫を破壊したと
明らかにしています。



 ウクライナ検察当局によると、ロシア軍の侵攻で犠牲になる子どもが増え続けていて、
19日時点で、少なくとも112人の子どもが死亡。140人以上がケガをしている発表しています。
ウクライナ西部のリビウでは亡くなった子どもの人数を示す100台以上のベビーカーが並べられ、
ロシア軍に攻撃停止を訴えました。
最前線にあるマリウポリでは、市の中心部で激しい戦闘が続き、住宅街の至るところで戦闘に
巻き込まれた住民の遺体がそのまま置き去りにされている状況にあります。



 この状況下で、ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのプーチン大統領に対し停戦に
向けた首脳会談の開催を呼びかけ「今こそ、会って話すときが来たのです。対話するときなのです
ウクライナの正義と領土を取り戻すときがやってきたのです」との声明を19日公開しました。
ウクライナの情勢は、一刻の猶予もありませんが、今こそ、国連が原点に返り戦禍を止める
具体的な行動を起こすべき時と考えます。難しいことは十分理解できますが、その機能不全を
取り除くべく、世界の英知を結集する時とも考えます。



 なお、ウェザーニューズから、2022年の「第六回桜開花予想」が発表されました。今年の
ソメイヨシノの開花は、西日本では平年並かやや早く、東日本と北日本では平年より早くなる
地点が多くなるとのこと。
福岡で全国に先駆け予想発表同日の3月16日に開花すると見込まれておりますが、
ここ横須賀でも染井吉野の開花が、二三輪見られます。

連日の、ロシアによるウクライナ侵略で、命を落とす子供たちを含む多くの無辜の民の
悲惨な状況に胸が痛みます。一日も早い停戦を願わずにはいられません。




こんな思いを「社会詠」の一つとして詠んでみました。抒情詩に程遠いものですが、
今のやむにやまれぬ思いを込めました。

 ☆ウクライナ そしてロシアを「殺す」君 罪なき民の罪が憎きか
 ☆蛮行を重ね重ねるプーチンの いきつく先に地球破壊も
 ☆今まさに世紀の蛮行を止めるべく 国連機関は動くべき時
 ☆せめて今 ウクライナの空守れぬか 国連軍を再編成し
 ☆命をも賭して叫びしジャーナリスト その訴えを心すべしと
 ☆イマジンの曲を今こそ聴きたくて 艦船見えぬ茶店に入る




 この弥生の季節に、散歩の徒然に周辺に咲いた花、また三浦海岸周辺等々の散策の折々に
景観等をデジイチ・スケッチしました。それらと花の写真を中心に掲載致しました。


コメント (18)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その26)

2022年03月16日 05時00分31秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その26)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】2月23日cookieと星野温泉トンボの湯村民食堂で昼食を取り、その後目の前の
    ハルニレテラス遊歩道を散策しました。湯川渓流は残雪が残り日射しの中で
    キラキラと素敵に輝いていました。
☆残雪の 湯川渓流 キラキラと 日射し照らして 春風(しゅんぷう)感ず
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)
【詞書】3月3日風越公園で散歩しながら童謡「ひなまつり」を夫婦で歌いましたが、
    ぐっと込み上げて来るものがあり涙腺が緩みました。「人生の黄昏」に
    想いを馳せました。
☆風越の 二人で歌う ひなまつり 黄昏感じ 涙腺緩むも
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)
【詞書】過日NHKで北海道鶴居村のタンチョウヅルの特集をやっていました。
    二羽が一緒になって宙に浮く姿は癒されますしとても感動的でした。
☆タンチョウの 恋の季節に 舞う姿 繰り広げるは 求愛ダンスも
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)

【解説】
 いずれも、春浅い今の季節を描写し、詞書ともマッチした素直な詠歌と思います。
 特に「ハルニレテラス遊歩道」は、春浅い信濃路の景観を素敵に表現しています。
 二首目の短歌について、詞書がなくても「一首自立」で、分かって頂けるよう
 少し工夫してみましたが、いかがでしょうか。参考として見て頂ければ幸いです。
 ★散歩道 二人で歌う ひなまつり 人の黄昏 思いて泪

【詞書】2011年4月に
☆ほら見て!春になったよ
     海がこんなにきらきら輝いているもの

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 当時、兄一家は三陸に住んでおり、一家全員の無事が確認出来た時に、先祖に
 感謝した。しかし、その後、上の姪の友達はみんな波に飲まれ、兄一家の家は
 全て流され、下の姪の小学校は泥の中にあった。
 そんな時、姉夫婦が急遽、援助物資を車で届けた時、姪たちの笑顔の写真が
 送られて来た。とても嬉しかった。
 全てを失って、途方に暮れる人々に、春になったと告げたいと思った。

【解説】
 「先祖に感謝した」との安堵の想いは、おっしゃる通りですね。多くの奇跡の
 累積の上に得られた「無事」であったことと思います。
 その僥倖を、縁在るものの一人として喜びたいと思います。
 その「無事」の奇跡から漏れた1万5900人(2022年3月9日現在)の方々。その御霊の
 ご冥福を改めてお祈りしたいと思います。
 2011年3月から、未だ「春」が到来しない多くの方々がおられます。その方々に
 一日も早く「春」が到来し、心から喜べる状況になりますことを、祈りたいと
 思います。そんな想いを改めて思い起こさせる詠歌でもあります。


【詞書】現在一連の騒動で体調を崩して寝たり起きたりの生活をしています。
    身体は正直です。
☆善きことのあらむ兆しかかくまでも悪く書かれて有名人に
☆わたくしを痛めつけゐる人あらばこれから幸運弥(いや)増す兆し
☆笑ふしかあらざる虐め受けにつつ身体は真面目に反応すらし

                         びこさん

【解説】
 十首出詠頂きましたが、いずれも作者の今の心境を率直に詠まれた短歌で、選歌の
 難しさを改めて感じています。
 SNSに書き込まれた心無い言葉に傷つきながらも、打ちひしがれることなく、
 前を向き、ゆとりさえ感じられる三首を選歌させて頂きました。作者の心情を
 十分くみ取っていないとのご批判は覚悟の上で、私の想いを優先し三首の歌を
 選歌させて頂きました。
 三首目の「身体は真面目に反応すらし」の下の句が、心に痛く刺さります。

【詞書】日本より先行接種の海外からたくさん情報が入って来ています。
    マスコミが流す情報だけにとらわれることなく、正しい情報キャッチが大事な
    時です。治験中のワクチンですので「わからない」そのことを詠いました。
☆世の流れ どこへ進むか日本丸 情報の海 灯台みえず
                         さわやか♪さん
【詞書】専門医が作るデータは気をつけないと違った解釈ができてしまいます。
    分数の分母が違ったり上限の値を変えたり等々素人には難しいですが、小さな
    文字で(注釈)目立たないように書いてあることに驚いたことを詠みました
☆情報は 命守るる蜘蛛の糸 歴史に学べ 騙しのテクを
                         さわやか♪さん
【詞書】グーグル傘下のユーチューブはグーグルの指令で「ワクチンデメリット情報削除」
    そのため世界が混乱してしまいました。多くのデメリット情報が一瞬に削除され、
    その削除のさまを目撃した驚きを詠みました
☆ユーチューブ 削除の嵐 なに語る リスク情報 電波の彼方
                         さわやか♪さん
【短歌説明】さわやか♪さんご自身の説明です。
 私のブログでは、政府が広報している自己判断・自己責任に役に立つようマスコミで
 出すメリット情報でなく、比較検討のためにデメリット情報を発信しています。
 今まさに5歳からの子供の接種も推奨され、3回目接種も同じくすすめられています。
 与えられた情報だけでなく、自分から情報を取りに行ことが求められる時代だと思います。

【解説】
 「マスコミで出すメリット情報でなく、比較検討のためにデメリット情報」の発信は
 ワクチン接種の「自己判断」にとって必須のデータと思います。十分な検証を経ず
 接種に前のめりの世の動きに「立ち止まって先ず検討を」との広報は、本来マスコミの
 役割ですが、残念ながら十分と言えません。
 そんな思いの籠った三首の社会詠は、貴重な問題提起の短歌と思います。

 なお、社会詠は、その訴える内容が明確に読んで頂く方に伝わること、そして
 そこに調べと共に、そこはかとない詩情が滲むことを目指したいと思います。
 中々難しいのですが、三首目を「内容が伝わる」との視点から、少し工夫して
 みました。いかがでしょうか。ご検討いただければと思います。
【ご参考】
 ★ワクチンの 不都合情報消し去るは グーグル汝(なれ)も ブルータスかと




【詞書】ウクライナ問題で辛い毎日の状態です。
☆本気度が米ソ戦争避けさせた 若きケネディのキューバ危機避け
☆核戦争世界の破滅避けるため 互いの理解愛の伝達
☆世界には人命よりも大切な 物などないよ話し合おうよ

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 五首の短歌を出詠して頂きましたが、そのうち主張が明確で、かつ内容の良く
 分かる三首を選定させて頂きました。
 一首目は「キューバ危機」を詠っています。1962年10月22日ケネディ・アメリカ大統領は
 ソ連がキューバに中距離ミサイル基地を建設中であることを発表し、その撤去を要求し
 艦艇183隻、軍用機1190機を動員してキューバを海上封鎖した事件を指します。
 ソ連フルシチョフ首相と、ケネディ・アメリカ大統領とのギリギリの折衝で危機は
 避けられました。この件での首脳の在り方を「本気度」と表現した良い歌と思います。
 ウクライナを侵略したものへの弾劾と、各国首脳の停戦への「本気度」が必要な時と、
 この歌から改めて教えられます。


【詞書】最近、庭の餌台に来る野鳥が少ないなと思っていたら、これでした。
    自然界の生存競争を目の当たりにしました。焼き物の「飛び鉋」のような模様で
    ハヤブサと知りました。
☆羽毛散る雪面の上ハヤブサの「飛び鉋」の 模様飛び去る
                         『楕円と円』さん

【解説】
 ハヤブサは私たちが散歩で行く観音崎公園でも、灯台わきの高い木の頂におり小鳥や、
 小動物を狙って舞い降りる姿が確認されます。正に、飛び鉋(とびかんな)の模様を
 あしらった胸と、羽を広げた姿は精悍そのものとの印象があります。自然界の厳しさを
 詩情を滲ませながら詠った、考えさせられる詠歌です。


☆たのしみは 恥じらいがちにそっと咲く うす紅色の 侘助見るとき
☆たのしみは 葉っぱ落としたもくれんに ぷっくり膨らむ 蕾見るとき
☆たのしみは あちこち悪いと待合で 薬並べて笑い合うとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 「独楽吟」三首、いずれも「そうそう・・・納得」と言える短歌ですが、
 温かな観察眼に裏打ちされた写生と、詩情、さらに上質なユーモアを備えた
 確かな詠歌と考えます。特に二首目は、春を待つ人々の期待と喜びを、うまく
 表現して共感が持てます。「ぷっくり膨らむ」の表現も効いています。


☆初夏日 やっと咲きだす しだれ梅
   春夏(しゅんか)の乱れ
      時世(じせい)に似たり
☆山の峰 雲と重なる 水蒸気
   久しく降った
      雨は夜中に

                         クロママさん

【解説】
 三月にして、気温28℃と夏日も観測されるご時世ですが、まさに「春夏の乱れ」を
 感じます。一首目はそんな異常気象を詩情豊かに歌った素敵な詠歌です。
 二首目は久々に嬉しいお湿りでしたが、そんな喜びが歌われて共感を呼びます。
 表現を少し工夫してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★峰はるか 雲と霞のたなびくは
    昨夜の雨の
       名残りやうれし


☆春暁に はるか鐘の音ひびきくる ほころび初める 梅の香もつれ
                         ポエット・M

【解説】
 少し前に詠んだ短歌ですが…、春の曙を縫って時を告げる寺の鐘の音が響いてきます。
 そんな時に仄かに梅の香が漂ってきます。遅咲きの臥竜梅の香りかも知れませんが、
 まさに、鐘の音が運んだかに感じ詠んでみました。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (27)
7.折々の歌 (1)

   あるおりおり、ふと心におぼえしを、・・・・
                   「建礼門院右京太夫」

 ただ一言
   「泪」と茶碗に
       記したる
     利休よ汝れの
       死の哀しさよ

   ありがたや
     老師自ら
       手彫りたる
      愛花の二文字
        芸術の印

       「人生は
          短しされど
            芸術は
           長し」と言うも
             哀しかりけり

     我が義母と
       言えどもかかる
            嘘八百
         閻魔大王
           舌抜き給え

    一期とは
      夢よと言うに
         歌人すら
       平々凡々
         平々凡々
 
   精神の
     光も影も
        無き女
      自業自得か
        恋せし男




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【万葉集及びそれ以前の和歌について】
「上代歌謡」

 和歌が現れる以前に、感情の高まりから発せられた叫び、掛け声が次第に成長して、
 祭や労働の際に集団で歌われるようになった歌謡があったといわれています。しかし、
 多くは文字に記されることなく失われてしまったと言われています。
 それら歌謡が現在見られる五音七音でもって構成される和歌となるまでには、その
 形式に様々な過程や変遷を経たと見られます。現在『古事記』『日本書紀』
 『風土記』『万葉集』『古語拾遺』『琴歌譜』『仏足跡歌碑』などに収録される
 韻文を上代歌謡と称しています。その多くは五音や七音の句で構成されるなど、
 すでにかなり洗練された内容となっています。

「記紀歌謡」
 『古事記』『日本書紀』に採られた上代歌謡を、特に記紀歌謡と言います。独立した
 歌謡ではなく、物語の効果を高めるために用いられていることが多いのですが、
 宮廷人が歌った儀式の歌謡や、創作もあるとされています。片歌、旋頭歌、短歌、
 長歌などの五音と七音を標準とする歌体に、対句、繰り返し、枕詞、序詞などの技法が
 用いられています。
 上代歌謡は神楽歌や催馬楽などの楽器を伴う儀式歌の源流となりますが、その歌体、
 技巧は後の和歌の母胎ともなっています。

「万葉集」
 大和朝廷の日本統一が確立してゆく中で、大陸から漢詩が入ってきた影響もあり、個人の
 気持ちや感情を表現する歌が盛んに作られるようになりました。それらを集大成したのが
 『万葉集』です。万葉集の注記によりますと、万葉集以前にも『古歌集』『笠金村歌集』
 『柿本人麻呂歌集』『高橋虫麻呂歌集』『田辺福麻呂歌集』『類聚歌林』などがあったと
 されていますが現存していません。『万葉集』は長い期間を経て多くの人々によって
 纏められましたが、最終的には大伴家持が現在の二十巻の形に編集したと言われています。
 約4500首が収められており、その最も古いものは仁徳天皇の代のものですが、大部分は
 飛鳥時代から奈良時代中期にかけての約100年弱のもので占められています。
 貴族の歌のほかに東歌、防人歌など民衆の歌もあり、現実的、写実的な歌風が多いと
 されています。
                   参照: 「上代歌謡と万葉集」 岡本雅彦著 等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (31)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

― 君へのエール ― 「あの子の分も」再び

2022年03月10日 16時57分37秒 | 鎮魂

「あの子の分も」再び

昨年も、このブログで掲載させて頂いた内容ですが、再び巡りくる3.11を前に、改めて
「共にある」ことの確認を込めてこの記事を掲載いたしと思います。



 今から11年前、多少でも手助けになればとボランティアで訪れた福島の海辺の町は、
すべてを破壊しつくされた瓦礫の街でした。廃墟とも言えるその地で、 しっかりと日々の
生活を立て直し、明日を見据えて踏ん張る多くの方たちに接し、 私たち自身が励まされる
思いがしました。
 お手伝いの合間に、現地の皆さんのお話を聞くことが出来ました。言葉少なに、自らの
現状に折り合いをつけつつ、 絞り出すように語ってくれた多くの方達の言葉は、 私たちの
想像を遥かに超えていました。
 目の前で、大津波にご主人も、お子さんもさらわれたと言われる一人の女性。
立ち直ることも出来ないであろう厳しい状況に直面し、涙も枯れ果てたと言いながら、
それでも気丈にふるまう方。 その方の想いに寄り添い「あの子の分も」との題で、
私なりに詞に紡いでみました。 ずーとしまっておいた歌詞ですが、東日本大震災からの
節目に当たって「共にある」ことを再認識するとともに、 あの想像を絶する事態を改めて
心に刻む意味で、詞を少しブラッシュアップしてみました。



 その詞の作曲・歌唱依頼を含めてYokiさんに提案させて頂きました。
今回もYokiさん、じいじさんの多大なご尽力で、歌詞に命が吹き込まれました。
先に本ホームページで紹介させて頂いた、Yokiさん作曲・歌唱の二曲の延長に、
「あの子の分も」の楽曲を、皆さんにお披露目出来ることに感謝したいと思います。



「あの子の分も」の楽曲公開に当たっては、工藤慎太郎さんの楽曲「旅の途上(なか)」の
作詞の際、 ペンネームとして「ショー・ジロー」を頂きましたので、今回も前二曲に続いて、それを踏襲させて頂きました。 作曲&歌はyokiさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂きました。改めて感謝申し上げます。
今回は、2022年3月11日に、改めて Yokiさんに歌って頂いた曲を掲載させて頂きます。

画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。


ユーチューブの背景画像はニゲラという花で、花言葉は「未来」です。

 「あの子の分も」
     作詞*ショー・ジロー  作曲&歌*yoki  ギター*じいじ

  1.あの子の声がこだまとなって 
    今でもはっきり響いてくる  
    目の前で波に呑まれ さらわれた
    あの子が今でも目に浮かぶ
    あんなに身近な海なのに
    今は見るのも つらい 
    切なくて 悲しくて 
    眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
    でも・・・涙はお日様に預け
    もう泣かない   
    あの子にもらったこの命 
    抱えてしっかり 生きて行くわ

     2.あなたの声がこだまとなって 
       今でもはっきり響いてくる
       目の前で波に呑まれ さらわれた 
       あなたが今でも目に浮かぶ
       あんなに好きな海なのに
       今は見るのもきらい
       寂しくて 苦しくて
       眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
       でも・・・涙はお日様にあずけ
       もう泣かない
       あなたにもらったこの命 
       抱えてしっかり生きて行くわ

  3.あれからもう10年たつのね 
    やっと探した写真には
    あの子とあなたの笑顔が写ってる  
    家も町も光の中輝いてる
    津波が全てを奪っていった
    あの日々が 愛おしいまでによみがえる
    辛いけど 寂しいけれど
    私の愛したあなたと あの子の思い出を
    抱えてしっかり生きて行くわ
    あなたの分も あの子の分も
    私のこの胸にずっと ずっと


 「あの子の分も」の楽曲作成に当たって作曲&歌はyokさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂いた旨は先に申し上げました。ギター&ハーモニカを担って頂いた、じいじさんに「あの子の分も」をカバーして頂きましたので、一挙に公開させて頂きます。

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。


 なお、拙い詩ですが、著作権は放棄していません。
無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ当方へ
連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ嬉しいです。
                        了

コメント (20)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その25)

2022年03月09日 05時59分41秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その25)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「三浦海岸付近に咲き競う 河津桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】2月24日ロシアがウクライナに侵略しました。マスコミは侵攻の文字も使っていますが
    はっきりとした侵略です。プーチンの狙いは旧共産圏諸国の再構築です。ですから私は
    プーチンを絶対に許すことは出来ません。
    ウクライナは民主主義の主権を持った国家です。宣戦布告なしに侵略しました。
    戦争の悲惨さや恐ろしさ、幼児まで含めた一般大衆多数死亡のニュースに毎日胸を
    痛めています。
☆突然の 戦車で侵略 ロシアから 罪なき大衆の 命はかなさも
☆ウクライナの 空に響くは プーチンに 国民の怒りと 怨嗟の声が
☆ミサイルの 連射攻撃 爆弾は 雅な都 焦土と化すも

                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 国連憲章、さらに国際法に違反するロシアのウクライナ侵略ですが、私たちも
 あらゆる場を通じて、このロシアの蛮行を糾弾していくことが大切と思っています。
 その意味で、緊迫する情勢を背景として詠まれた作者の「社会詠」に、学んで参りたいと
 思います。特に人命は言うに及ばず、キエフ等世界的文化遺産に匹敵する「雅な都」を
 灰燼にする侵略はいかに繕おうと許されない蛮行と考えます。
 二首目の「社会詠」を少し修正させて頂きましたが、いかがでしょうか。
 ★プーチンへ民の怨嗟と怒りこめ ロシアの空と大地どよもす

【詞書】子供へのワクチン努力義務は無くなりましたが、接種勧奨はあります。
    健康な子供にも接種をすすめるということ、子供の未来を考え親は慎重に
    検討して欲しいものです。こんな思いを込めて詠んでみました。
☆さりげなく 自己責任と 明記あり 読み飛ばすなよ 重き言葉を
☆判断を 検討できる 情報は 目につかぬ場所 言わぬテレビよ

                         さわやか♪さん

【詞書】5~11歳の子供は日本では重症化もしないし死者も出ていません。周りの人に
    うつさないためと政府は広報していますが、ワクチン接種した人は未接種者よりも
    感染しやすいデータが海外で出ています。2回目の大人の接種の時も「周りの人に
    うつさないため」とCMしていました。現実は2回接種した人も感染しやすくなり
    人にうつしているデータがあります。この現実を詠んでみました。
☆幼子(おさなご)に ワクチン接種 自己犠牲 命に通ず 情報比較 
                         さわやか♪さん

【短歌説明】さわやか♪さんご自身の説明です。
 5~11歳のワクチン接種が承認実行されたことで、より情報の比較検討が重要と
 思います。幸い日本よりも先行している諸外国からもデータが出てきているので
 遺恨を残さないようにしっかりと検討してもらいたい気持ちを詠いました

【解説】
 膨大なデータをもとに「ワクチン接種への警鐘を鳴らす」作者の想いから生まれた
 短歌で、内容には学んで参りたいと思います。
 おっしゃるように、政府広報では接種のデメリット情報がネグレクトされている
 との情報もあり、冷静な判断が必要と思っています。この判断の一助になればとの
 作者の想いの籠った、鋭い社会詠と考えます。
 特に二首目は心したいと思います。少し表現を変えてみましたが、いかがでしょうか。
 ★判断の基たる情報開示せず マスコミの闇ワクチン接種


【詞書】春雨の朝 パッヘルベルのカノンを聴いて
☆街の音が消えている
        何もない
   春の雨とカノンのみの朝だ

                         自閑 (jikan314)さん

【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 YouTubeの映像、音楽を聴いて、短歌を作っています。
 先月の日曜日、関東は大雪注意報が出て、普段でも交通量が減る日曜日で、街の音が
 消えて静かな朝となっていました。幸い降雪とはならず、雨が降っていました。
 パッヘルベルのカノンと素敵な映像の動画で、心が癒されると言う方もおられました。
 下記URLにYouTubeを貼付しておりますので、モーニングコーヒーでも
 飲みながらご視聴し、ついでに愚詠を御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/c5716caecf03bb1b6fa2c673be748f46/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0

【解説】
 「パッヘルベルのカノン」は今から、300年以上前に、ヨハン・パッヘルベルが作曲した
 楽曲とのことです。
 「気持ちのいい和音->不安な印象の和音->それを解決する音階」これらを繰り返し再現
 することで、曲全体が前進していく印象で、聴き入る私たちを元気にさせてくれます。
 YouTubeも視聴させて頂きました。星空、緑の木々の揺らぎ、水辺の煌めき、流星等々
 映像美と曲がマッチし、自由律短歌に命を吹き込んでいるかに感じました。
 このような表現芸術の世界が、益々切り開かれていくことを願っています。




【詞書】私の短歌の会の先生が50年近い歌歴で、初めての歌集を上梓されました。
    秀逸な歌ばかりで流石です。
☆半世紀の歌歴がかもす言の葉の
       歌集に留む修練の刻
☆歌会の鎖のすゑの尾に付いた
       われの老境短歌が照らす

                         リコ(risukurumi48)さん

【解説】
 短歌を志し、短歌を詠む大半の方は「歌集出版」は一つの目標であり、事業目標
 として取り組んでおられることと思います。作者の短歌会の先生が50年近い歌歴で、
 初めての歌集を上梓されたとのこと。敬意とお祝いを申し上げたいと思います。
 一首目の「歌集に留む修練の刻」との下の句は、師への何よりの、はなむけと思います。
 私も、稚拙な歌ばかりでしたが9年ほど前に出版させて頂きましたが、今改めて
 読み返すと恥ずかしい作品が目につきます。作者の師の姿勢に学びたいと思います。


【詞書】私が拙句をいっぱい書き込んだ俳句ノートを、母は亡くなる直前まで手元に
    置いて読んでくれました。俳句の話をいっぱいしました。「これいいね」
    「これ好きやわ」「これどういう意味?」ノートを見るたび母の言葉を思い出し、
    泣けてきます。肺がんが腰骨に転移した後は、貼り薬で痛みは全くなかったのですが、
    副作用で寝る事が増えました。ベッドの脇に読みかけのノートを折ったページを
    今も覚えています。
☆ 我が句帳読みゐし母のこれいいね耳に残りて胸に残りて
☆我が句帳読みて居眠りせし母の折りしページを今も忘れじ
☆母逝きしのちの句帳は母恋の句の多かりし心のままに

                         みっちっちさん

【解説】
 作者は俳句の世界の「写生」で鍛えられた言語感覚と、一瞬の今を切り取る感性が優れて
 いると考えます。この「一瞬の今」に目を凝らす技に、学んで参りたいと思っています。
 いずれも、お母様を詠った内容は胸に迫ります。一首目の下の句はリフレーンが利いて、
 一層の情趣を誘いますが、五句を少し変えてみました。これもあくまでご参考ですが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★ 我が句帳読みゐし母のこれいいね耳に残りて胸にせまりて


☆たのしみは「この気持ちを」と筆をとり 書いて「よしっ」と納得のとき
☆たのしみは そぞろ読みする詩の中に 頷くならび見つけたるとき
☆たのしみは 親しき友が訊ね来て 心おきなく語り合うとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 「水曜サロン」にshima-千恵子さんが『独楽吟』で参加して頂く事になりました。
 このサロンには、既にfumiel-shimaさんが「歌評」者として、参加されていますが、
 今回から『独楽吟』作者として奥様の千恵子さんも加わって頂くことになりました。
 このサロン参加者で、既にご存知の方もおられますが、よろしくお願い致します。
 今回の『独楽吟』は、いずれも内容が良く分かる、温かく笑みを誘う良い詠歌と思います。
 コロナ禍の昨今、三首目の「親しき友が訊ね来て 心おきなく語り合うとき」が
 一日も早く実現するといいですね。
 かつて、『独楽吟』について注釈させて頂きましたが、今回も【質問コーナー】で
 少し触れたいと思います。


☆こんなにも貶められることなどは思はず親しくしてゐたわたし
☆不用意にアップしたわが写し絵を勝手にリンクされて晒さる
☆二三日動悸とまらぬ心臓を宥めて涙ぬぐひてをりぬ

                         びこさん

【解説】
 私も、かつてインターネット技術を含めて、これらSNS等ICT関連の開発に関わって
 参りました。その当事者の一人としてネットの負の部分が、あからさまに「個人」を
 貶めるツールとして使われることに、申し訳なさも含め沈痛な思いを抱いています。
 また、それらを悪用する人々に限りない憤りを感じています。
 ただ、人の心の闇と言うものは、ご本人が理解する以上に深いものがある場合も
 あろうかと思います。他の方を攻撃することで、それを埋める行為を無意識に
 繰り返す寂しい方も、残念ながら少なからずおられると思っています。
 今回の件は、作者もおっしゃりたいことは多々あろうかと思いますが、当面は
 スルーして、心の叫びは、この「水曜サロン」へ作品として表現して参りましょう。
 申し上げるまでもない事ですが「魂鎮め」として詠う事で、想いの昇華も果たされると
 考えます。しかし…、三首目の短歌に心が痛みます。




【詞書】昨年の夏、向かいの高齢のKさんが亡くなられ、この冬、家は記録的な雪に
    包まれました。元気に除雪をしていた在りし日の姿を偲ぶことがありました。
☆住む人の逝きし冬の天空から新しき雪屋根に降り積む
                        『楕円と円』さん

【解説】
 記録的な豪雪にみまわれた今年の冬。昨年までご近所さんとして、共に雪下ろしを行って
 きたKさんはもういない。在りし日の元気なその方を偲ぶ、しみじみとした詠歌と
 なっています。
 昨年まで当たり前であった光景が、ある日を境に突然断ち切られる、人の世の無常感も
 滲む味わいのある作品と思います。


☆ウクライナ 残る父との 国境
      又会える日を ハグして祈る
☆湖ひでり 川面に落ち葉 ヒラヒラと
       浮きつ沈みつ 流れもせずに

                         クロママさん

【解説】
 「何の為に人に言葉を与えられたか~しっかり考えたいと思います」は
 おっしゃる通りですね。ただ、その言葉すら通じなくなっている暴君が確かに
 存在することを、今回のロシアのウクライナ侵略で残念ながら知りました。
 今こそ、世界の英知を結集し、この蛮行を止める具体的な行動が必要と考えます。
 いずれも詩情も感じられ、調べも良く良く分かる詠歌と思います。
 なお、二首目の「川面に落ち葉」は、「湖ひでり」に続くと「水面に落ち葉」の
 方が適切と思いますが、いかがでしょうか。


1. 生きること苦しみありもなお多く 喜び勝りファイトあふれる
2. 戦争の善悪よりも命ある ことの大切選択基準
3. 一方的解釈よりは相手みて 優しさ贈る愛情が好き
4. 人生は短いものと理解する なぜに戦い煽る世界よ
5. 愛こそが相手の心いやすなり 戦うよりは命選択
6. 我がモットー人生の旅健康で 感動多き生きる喜び
7. 歳重ね論破するより和を思う そこに喜びあふれる愛が
8. プーチンもゼレンスキーも権力を かざして命ないがしろにス

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 作者から8首の投稿があり、選歌を依頼したいとの伝言でしたのですべて掲載させて
 頂きましたが、歌の内容と、そこに表現された作者の想いの深さを基準に、次の
 三首を選定させて頂きました。
 5. 愛こそが相手の心いやすなり 戦うよりは命選択
 6. 我がモットー人生の旅健康で 感動多き生きる喜び
 7. 歳重ね論破するより和を思う そこに喜びあふれる愛が

 なお、「選歌こそが 最大の歌評」と、かつて先輩歌人に言われたことがあります。
 なぜその歌が選ばれたのか、自ら良く吟味しなさいとのことでした。自分の想いが
 作品としてほかの方に届いているか否かを、先ず検討してみましょう。

 これらの選定短歌について添削してみました。参考にして頂ければ幸いです。
 5. 愛こそが相手を癒すいしずえと 命尊き 代え難きもの
 6. 人の世の旅路は遠き道なれど 健やかに生き なお喜びも
 7. 歳重ね論破するより和を思う そこにあふれる愛と喜び

 なお、8首目は、見解の相違はあるでしょうが、私たちの得ている情報を基に総合的に
 判断しても、明らかにロシア・プーチンの国際法及び国連憲章違反の、ウクライナ侵略と
 断じざるを得ません。「権力を かざして命ないがしろ」にしているのは、ロシアであり、
 プーチンである旨を確認したいと思います。


☆戦禍をも越えて咲き継ぐ沈丁花 香りと届けよ ウクライナの地へ
                         ポエット・M

【解説】
 春浅い宵闇の底から、艶やかな沈丁花の香りが漂い始めています。真紅のつぼみが
 一転して純白の花となる沈丁花は、いち早く香り立ち慎ましやかに春の到来を告げる
 花でもあります。
 1945年3月10日、死者数が10万人以上と言われた東京大空襲で、半身を焼かれながら、
 なお咲き継ぎ、悲しみから立ち上がろうとする人々を励ましたと言う伝説の花、沈丁花。
 そんな生命力に満ちた花の香りを、今まさに侵略され空爆されつつあるウクライナ市民へ、
 さらにその人々を守るため命を賭して闘う大統領をはじめとした、闘う人々に届けたいとの
 思いを込めて詠んでみました。



     「咲き初める 沈丁花」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (26)
6.故里慕情 (3)

   ふる里は遠きにありて思ふもの
         そして悲しくうたふもの  「室生犀星の詩の一節」
        

  母上よ
    ああ母上よ
      何故に
     かくも冷たき
       死の床に伏す

     遠き日の
       母のみ胸に
         泣きし日を
        運びきたるや
          夜の海鳴り

        おかあさん!
          ああ!おかあさん!
            赤々と
           海の彼方に
             夕陽は沈む

    もう止まれ
       理性の声が
         また叫ぶ
           浜に真赤な
          夕陽を追えば




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【『独楽吟』の説明 】
 橘曙覧が始めたと言われる『独楽吟』は、かつてクリントン米大統領が天皇・皇后両陛下の
 訪米歓迎式典において
  ☆たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見る時
 を引用してから再び注目されるようになったとのことです。

 独楽吟は「たのしみは~とき」の形で詠まれた52首の連作の短歌です。まるで独楽(こま)を
 回しながら遊ぶように、日常の些細な出来事に楽しみを求め、その喜びを感動的に詠み上げて
 います。明治になってからは正岡子規に絶賛され、斎藤茂吉などにも多大な影響を与えました。

 なお、橘曙覧(たちばなのあけみ)(1812~1868)は、幕末の歌人・国学者で、本居宣長に
 私淑し、その弟子で飛騨高山の国学者、田中大秀に入門しています。福井藩主松平春嶽や
 重臣中根雪江らと親交を深めたとも言われています。

 何気ない日常の出来事を愛おしみつつ、そこに喜びを見出し表現していく。ここにこそ、
 短歌の原点があると思っています。皆さんも折々に詠まれることをお勧めします。
                            参照: 日本文学ガイド等



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (24)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「綜合詩歌」誌鑑賞(9)「沈丁花の香り」

2022年03月05日 16時02分07秒 | 短歌

-戦時下、空白の短歌史を掘り起こす その9-
    「沈丁花の香り」


 闇のそこから沈丁花の香りが漂ってくる。甘くなぜか官能的とも言える匂い。それは目覚めへと向かう、生命のいぶきの香りでもある。春を告げる他の花々と比べ、決して華やかとは言えない慎ましやかな沈丁花。はにかみにも似た、薄紅を浮かべた白い花。香りとの絶妙なバランスの上に、気高さと凛々しさをまとっている。
 冬の季節からの解放を静かに人の臭覚に訴え告げる花。その香りは廻る季節の中で、春を心待ちする少なからぬ人々に、鮮やかで懐かしい記憶をよみがえらせて来た。北風の未だ吹く家々の庭隅で「もう春はそこまで・・・」と漏らす女人達の言葉を、沈丁花は幾たび聞いたことか。

 昭和二十年三月十日未明、既に日本の制空権をも手に入れたアメリカ軍の、B29による東京大空襲で一面焦土と化した大東京。その下町の片隅で半身を焼かれながらも、白い花を咲かせ芳香を放っていたという沈丁花。その花の生命力の強さと、懸命に咲き継いだ花の祈りにも似た思いを今思い起こしている。
 推定十万人と言われた死者の一人ひとりの思いを、残された半身の花で弔うかのように懸命に咲き継ぎ、匂い立った花の生命。その花が命がけで語ろうとした言葉と思いを戦時下の文学の世界に訪ねてみたい。


     「咲き初めた 沈丁花」

 昭和二十年四月発行の「綜合詩歌」四月号。この詩歌誌について、前号に引続き短歌、歌論を中心に紹介、鑑賞を行っていきたい。当月号に作品を寄せた代表的歌人は、谷鼎、泉四郎、大澤衛、米田雄郎、千賀すず子、野村泰三の各氏を含む十六名である。
 昭和十九年三月。日本ビルマ方面軍はインド侵攻作戦を開始しインパールを目指したが、たちまち英印軍の反攻をうけて敗退し作戦の中止を余儀なくされた。これらの作戦失敗に象徴されるように、戦局は熾烈さを極め敗色が日毎に増していった。

 「必勝の信念剛操の志」との戦時スローガンを表紙に掲げた「綜合詩歌」誌に、代表歌人として名を連ねた、これら歌人の歌にも戦局を覆う暗雲は重くのしかかっていた。これらの情況を己の裡に取り込み、表現者としてぎりぎりの地平で歌った歌。時代の一つの証言として、また、先達の魂からの叫びとして心に刻み、受け止めて行きたい歌を抄出させて頂いた。


 南の島                     大澤 衛
  撓みつつ雪撥ね返すつげの枝のかへす力の今盛り上がる
  今はしも働きがひのある世とふ言葉残して弟出で征きぬ

 海                       泉  四郎
  あめつちの深きなげきやきさらぎの沖へひと色この海の凪
  国の名を知れるかぎりが戦ひて或はなげく民やあるべし

 国難                      和田 山蘭
  我等が行く手みちは只一つ国難を乗越ゆるべき大き直き道
  ケゼリン、コット 全員戦死と発表すああ玉砕も三度となりし

 戦う冬                     千賀 すず子
  ひとりゐに聞くや戦況うらたぎちかたへに眠る猫揺り起こす
  節電はただに思へり日暮れ時残り仕事を縁に持ち出す

 ますらをの道                  水城 秋歩
  ますらをの道ひとすじをゆききはめのこらず死してたたかひやみぬ
  かへり路は消しぬべくもあらぬ面影にかつはさびしきわが理性なる

 冬の白百合                   野村 泰三
  寝しづまり霜ふる夜は惜しめども開きひらかず白百合の花
  脾肉の嘆きわれにはふかし戦局の推移はげしきなかに暮らしつつ


 老いの身への「自愛」を、心の弛みとして自省しつつ詠った千賀すず子氏の「戦う冬」一連。戦場を遠く離れた「もう一つの戦さ場」で闘う女性たちの、秘めた悲しいまでの決意の表出でもある。これらの決意が固ければ固いほど、それに至る葛藤の日々への思いが行間に滲んで見える。


     「ヒマラヤ雪ノ下」

 前号では中断した「古典抄」が、当月号には復活し、香川景樹氏の「新学異見」、伊澤幸平氏の「加茂の行方」等の歌論が掲載され厳しい戦局の下、なお初学者への系統的な啓発が図られている。また、前号にも掲載し紹介した「誌上歌会」とも言える作品評欄はさらに拡充され、本誌の「顔」として定着した感がある。この欄から一部抜粋し歌評のポイント、あり方等を学んでいきたい。


 ○熟れ茱萸のあけのあけ実を見てあればいのちほとほといとしくなりぬ
                     海輪小枝子

 【熊倉】技巧が眼に付く。しかし、かさかさした拙い戦争歌よりも良い。
     ただし、平俗な感を私はもつ。「あけのあけ実」および、
     「いのちほとほと」にわざとらしさを感じませんか。もっと直接の
     写生による必然的な哀感が欲しい。
     私はむしろ海輪さんの「旅を来て心足へり茱萸の実のふさなりの
     実のひかる川原に」を好む。
 【田辺】歌意は明瞭であるが、自己感傷に陥ってしまっている。それに、
     読者に凭れ過ぎてはいないか。しかし、歌は美しい。

 【小田部】かような一種の古今調の歌(もっともその萌芽は万葉集中
     「水の江の入り江のはちす花はちす」等にみえていますが)を
     排斥する人もいますが、私の考えでは、それは却って今日の忙しさに
     素直さを失っているためではないでしょうか。この歌はその意味で、
     細やかな美しさと素直さをもっています。


 抜粋文中、熊倉、田辺、小田部は、それぞれ熊倉鶏一、田辺信晴、小田部胤明の各氏である。歌の持つ「細やかな美しさと素直さ」を評価しつつも、「直接の写生による必然的な哀感が欲しい」と言う厳しい指摘もある。結社内の仲間褒めが、云々される昨今の潮流の中で歌評の厳しさ、深さ、それゆえの温かさをこれらの批評内容から学んで行きたい。



 当月号にはこれら作品評、歌論と共に金井章次博士の「二つの支那観」を初め、久松潜一、大野勇二、泉四郎、鶴田吾郎、海輪小枝子の各氏が論文、随筆、評論等多彩な研究成果を寄せている。
 特に金井博士の論文は、モンテスキューとケネーという十八世紀の法理学者及び、経済学者の世界観を比較検討しながら自らの建国体験を法則化しつつ、漢民族のもつ歴史観を深い理解の下に平易に解き明かしている。


 今月号より新企画として前田夕暮氏ら代表歌人による題詠選歌の欄が設けられた。
 課題は「海」であったが「秀逸」は次の五首であった。
 ○ このあした海の果てまでひびけとて出港用意のラッパ吹奏す    鈴木 康三
 ○ あだふねが砲撃したる北千島寒波のうねり眼に顕ち来る      井上 龍生
 ○ 南に戦ふ弟の蔭善は海遠く見ゆる窓に据ゑけり          権田 俊男
 ○ 益荒男はのどには死なじと海峡をいゆきこえ征きいまぞ戦う    小島 赤麿
 ○ 沖暗くこもれる雲の南におしうつりつつ明るき海さか       飯塚 清


 与えられた課題に挑戦し自らの詩情を研ぎ、歌心を磨き作歌技術の向上を図る企画 として、この題詠選歌の欄は画期的と言える。戦時下と言う背景を考慮に入れても、この試みのもつゆとりと静謐さは今日の結社誌にも継承したい企画でもある。



 アッツ島、ケゼリン島、さらにコット島と三度の玉砕の報により、戦局の暗雲が実感として人々を重く包み始めた。この重苦しさと肉親、隣人の戦死に直面した人々の慟哭、呻吟を句間に滲ませた歌を、紙面の許す限り投稿歌より抄出させて頂くものとする。

 ○なまやさし戦ひならず征き征きて遂に還らぬ若者(わか)等いくたり  笹川 祐資
 ○事しあらば吾子にかたみのみ心か討伐行を前のこの文         土井 博子
 ○木枯らしの吹きすさぶ夜は火によりてはるけき人をひたぶるに恋ふ   小笠原一二三
 ○庭隅の埃まみれの沈丁花つぼみ赤らむ春はいまだし          阿部 鉄子
 ○大戦果の終りに小さく印されし未帰還四機の文字の現実        三日月信之
 ○二十余機なき故に玉砕すてふマキンタラワは聞くにたへめや      沼田 直梓
 ○吾子故に吾子故にとぞ繰り返す母が言葉にあつきおもひす       吉本 長子
 ○事あれば静かに散らんと夫が文さりげなくして我に迫りぬ       小島 かずよ
 ○想ひ深くは言葉で征かむと最後なる君がみ文はおだしかりけり     菅野 貞子
 ○海征きてつひに還らぬつはものの最後の叫び波に聞かなむ       夏原 栄一
 ○言ひそびれ言葉のみし悲しみは告ぐる人もなく今も残れり       橋詰 公乃
 ○吾子の死の打電いかにか見ますらん故里に在す父母はらからは     飯田 秀男


 「事あれば静かに散らん」と記した夫の文を受け取った妻の思い。吾子の戦死を告げる電報を受け取った父母の嘆き。波間に消えた「つわものの最後の叫び」を聞く戦友の慟哭。これらが表現を超えて歌群より聴こえてくる。抑制された表現ゆえに、その悲しみの深さと痛ましさを際立たせている。



 紅のつぼみが一転して白い花となる沈丁花。どんな厳しい冬の季節にも必ず春が来ることを、いち早く香り立ち慎ましやかに告げる花。大空襲で半身を焼かれながら、なお咲き継ぎ死者を弔い、悲しみから立ち上がろうとする人々を励ましたと言う沈丁花。
暴君となった人間の愚かさと、政治の道具に使われる戦争の悲惨さを改めて想起しつつ、ロシアのウクライナ「侵略」の戦禍は、今まさに続いている。
沈丁花が自らの生命を賭して語ろうとした言葉、それは「神でない人間の限界と、その原罪」だったのかも知れない。

 春浅い闇の底から、時代を越えた戦死者達の呻吟が、沈丁花の香りにまぎれて響いてくる。その響きに深い悲しみと、むなしさを感じて涙するのは我々の世代で終わらせなければならない・・・。歴史から、そして時代の情況から何を学び、何を次の世代に引き継ぐべきか、その重い選択は我々の世代にも課せられている。     了
    注)現在の情勢を踏まえ一部修正しました。   初稿:2008年3月10日

コメント (15)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その24)

2022年03月02日 05時33分44秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その24)   短歌の投稿を歓迎します!!

   ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
   ☆☆☆ 「口語短歌・水曜サロンの会」は2021年9月発足以来、半年を経過しました。
        皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。        ☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている
 皆様の詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、
 自由に短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと
 思っています。皆様の短歌の投稿と、ご意見を歓迎します。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「馬堀海岸遊歩道に咲く 河津桜」

「ブログ友の投稿歌 交流コーナー」

【詞書】2月17日女子スピードスケート1000m13組出走高木美帆選手圧巻の1分13秒19
    日本中積もっていた悔しさが一気に爆発したような見事な走りでした。
☆美帆選手 魅せた走りに 渾身の 悔しさ晴らす 金メダルこそ
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】ブロ友ベルさんの掲載写真が幻想的で感動的でしたので、1首詠んで見ました。
    ベルさんにもコメントで私の短歌作品を見せています。
☆梅まつり あざやかな光 眩くて 春の色香が 幻想的も
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん
【詞書】2月20日冬季北京五輪閉幕しました。メダルを取れなかった選手たちにも精一杯の
    エールを送りたいと思います。
☆夢破れた アスリートたちの 冬季五輪 流した涙に 真の価値こそ
                         浅間山明鏡止水(knsw0805)さん

【解説】
 オリンピックでの高木美帆選手と、メダルを取れなかった選手たちにフォーカスした
 短歌は、私達みんなの想いを代表するものであり、共感を呼ぶ詠歌と思います。
 特に、「夢破れたアスリートたち」へのエールは、大いに詠う題材と思っています。
 また、愛媛県南楽園の梅まつりを詠んだ短歌は、「春の色香」が効いていると思います。
 なお、三首目の表現を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。
 ★メダリスト その栄光を支えたる 敗者の涙それもメダルと


【詞書】「もう終わった話」 竹内まりやの告白を聴いて
☆突然のベル
  「もう終わった話だ」と静かに受話器を落とす時

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 gooblog新古今和歌集の部屋で、日々勉強した事、思い付いた事、歴史的名所訪問、
 短歌や俳句などを投稿しております自閑と申します。
 YouTubeの映像、音楽のイメージを自由律短歌などにしております。竹内まりやの
 告白を聴いて。この曲は、1990年9月~91年10月、火曜サスペンス劇場主題歌です。
 新しい短歌のようでも、新古今調の物語性、体言止めによる余情、艶を表現しようと
 作りました。
 愚詠はさておき、様々なサスペンス・ドラマを、下記URLの竹内まりやさんの曲で
 思い出して下さい。最近、2時間ドラマが少なくなってさみしいものです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/cf4cecb149ace58bb58b47faab96af5d

【解説】
 告白 (作詞・作曲:竹内まりや)は『火曜サスペンス劇場』9代目主題歌でしたが、
 かつての恋人から、電話越しに再び愛を打ち明けられた女性の揺れる心情を描写した
 曲でした。不思議と「サスペンス劇場」のいずれのテーマにも合っていたとの印象が
 ありました。
 この曲のイメージを取り込み、「新古今調の物語性」を表現した短歌は、独特な
 作者の世界を創っていると感じます。自由律における「体言止め」の成功例として
 学んで行きたいと思います。


【詞書】サギは単体で普段は行動しています。川の中に一羽でじっとしている姿を見ると
    かわいそうに思えてきます。その時の様子を詠みました
☆餌探し 鷺動かずに 川の中 我も佇む 寒さこらえて
                         さわやか♪さん
【詞書】広場に桜の木が植えられています 暖かな日差しの中で枝の美しさに気づきました
    その時の気持ちを詠みました
☆冬日受け 銀色に枝 輝きて 花咲かぬとも 桜はさくら
                         さわやか♪さん
【詞書】雑木林の中 梅の木は見当たらないのに香りがしてきました 春は近いと
    感じたことを詠いました
☆何処からか 梅香ほのかに 流れくる 春は近しと 足どり軽く
                         さわやか♪さん

【解説】
「口語短歌の57577の世界では、なんとスッキリと自分の想いを表現できることかと
 驚きました」と、作者は言われていましたが、31文字の中に事象の核心と、自らの
 想いとを詠み込む事は可能と思います。
 それが人の心に響き、心を打つ文学作品に昇華すれば、なおさらいいのですが…、
 先ずは自分の想いを率直に詠うことが大切と思っています。
 今回の三首も、対象をじっくり観察し、そこにご自身の想いを投入し素敵に
 詠まれていて好感が持てます。
 なお、三首目の短歌、「足どり軽く」を具体的な情景として、詠んでみましたが…、
 一つの参考例として検討して頂ければ幸いです。
 ★梅の香も 漂う道を 歩みきて 春も近いと スキップを踏む


「詞書」寒雀(かんすずめ)は俳句では冬の季語で、まん丸に膨れた雀の姿は可愛くて、
    俳句ではよく詠みました。
☆旭光(きょっこう)の雲に透けゐる白梅の枝(え)に丸々と寒雀かな
☆あけぼのの狭庭(せにわ)に二羽の寒雀 上枝(ほつえ)下枝(しずえ)と春を待つやに
☆ネモフィラの芽吹きを待てる凍土(いてつち)を裏返すやに寒雀二羽

                         みっちっちさん

【解説】
 寒雀は晩冬の季語でしたね。今回の寒雀も、その可愛らしさが表現されていて
 いいですね。雀は今では、すっかり私たちの生活に溶け込んでいる小鳥ですが、
 一番身近に居ながらも、警戒心の強い鳥と感じることがあります。
 なお、「雲に透けゐる白梅の枝」の、情景描写が秀逸と思います。観察眼の光る
 味わい深い短歌と考えます。


☆春近し冒険エッセイ読みふける太陽光を溜めたランプで
                         『楕円と円』さん

【解説】
 今年は記録的な積雪が、お住いの北海道をはじめ、多くの場所で観測されました。
 新潟県津南町では16年ぶりに4メートルを超える積雪、富山では平年の6倍、鳥取では
 平年の8倍の雪が積もったとの報道がありした。これも、地球温暖化による異常気象の
 現れでしょうか。
 でも、「光の春」ではありませんが、春の兆しは確かに感じられますね。
 作者にとっては、気分は既に自転車旅に飛び、ペダルを踏んでいることと思います。
 そんなワクワク感が感じられる、素敵な詠歌と思います。



     「河津桜をついばむ メジロ」

☆我がブログ訪れ和歌をプレゼント 女史のサイトは短歌あふれる
☆ありがたし我がブログ見て和歌を詠み 伝えてくれるポエムの世界
☆プーチンは核爆弾で対応と 脅し現実間近に迫る

                         ベトナムのKenさん

【解説】
 和歌の基本を押え、詩情と共にご自分の想いもしっかり詠み込む作者の詠いぶりに
 感嘆しています。びこさんとの交流と、ご指導のたまものと思っています。
 いずれも、捨てがたい七首の短歌ですが、上記の三首を選定させて頂きました。
 最初の二首はびこさんとの交流で生まれた歌でしょうが、心の通い合いも感じられる
 温かな短歌になっています。三首目はプーチンの「狂気」を指摘する鋭い社会詠に
 なっています。このような詠いぶりを継続することで、表現力も磨かれると考えます。


☆亡兄の母校に合格せし孫を祝つてやらむ亡兄しのび
☆亡兄のやうに学業頑張れとわが初孫に発破をかける

                         びこさん

【短歌説明】びこさんご自身の説明です。
 今週は自慢話めきますが、私の初孫が志望大学に合格しましたのでそれを詠った歌で
 ございます。偶然亡くなった兄と同じ大学でしたから嬉しくて詠いました。
 亡兄は、高校時代は、それほど勉強しなかったのでしたが、大学では学問の面白さに
 取り憑かれてよく勉強しました。

【解説】
 先ずは、お孫さんが志望大学に合格されたとのことで、おめでとうございます。
 お子さんの場合も当然ですが、お孫さんの合格はとりわけ嬉しさがこみ上げるものと
 思います。
 しかも、尊敬する今は亡き、お兄様と同窓になる縁は、お兄様のお導きと思います。
 嬉しいことを「嬉しい」と表現し、祝うことに憚ることはありません。
 大いに祝いましょう。短歌はそんな喜びを盛る器にもなると思います。


☆早春の 香りをのせて 花蕾
        ベンチにすわり ひとときの風
☆縁側で ままごと遊びの 我のそば
        菜の花活ける 祖母の笑顔が

                         クロママ(pdk11433)さん

解説】
 早春の穏やかなひと時、さらに、遠い日のおばあ様との思い出を詠んだ味わいの
 ある短歌と思います。
 一首目の「ひと時の風」の表現を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★早春の 香りしのばせ花蕾
         ベンチにすわり風とたわむれ


☆幼子の ひとみ溢れる涙をも 踏みにじるかのプーチン蛮行
                         ポエット・M

【解説】2022年2月28日に詠む
 国連憲章、さらに国際法の基本原則に反したロシアのウクライナ「侵攻」は、どう大義を
 掲げようと、れっきとした独立国に対する侵略戦争であり、国際法違反の蛮行と考えます。
 ロシアの狙いは自らの言うままに従う「傀儡政権」の樹立でしょうが、この蛮行の企ての
 裏で敵味方かかわりなく失われる多くの命と、それに倍する、子供たちの涙があります。
 ブログ友も語っていましたが「子供たちの澄んだ瞳から溢れる涙を一刻も早く止めたい」
 との想いは万国共通の想いです。そんな思いを短歌と言う「小さな声」に託し、詩情は
 ありませんが、詠み続けたいと思っています。




「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (25)

6.故里慕情 (2)
    ふる里は遠きにありて思ふもの
          そして悲しくうたふもの
              「室生犀星の詩の一節」
 遠き日の
   夢かまぼろし
     見るように
    そんな気がする
      夕焼け小焼け
    
    「これこれっ」と
       いたずら坊主に
         拳骨を
        そ~と乗せしは
          千草先生

          遠き日の
            学びの窓の
              かの慕情
             胸に疼きて
               また春が来る

       黙々と
         生きたる父は
           黙々と
          ただ死にゆけり
            さらばも言わず
    
    父上は
      煙となりて
         もくもくと
        梅雨の晴れ間の
          空に消えゆく
       


     「観音崎海岸から房総半島を望む」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでのヒント、
 さらに質問、諸々の疑問点等にいて、触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せいただければ幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、反論、
 ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しいです。

【「国際連合憲章」の説明 】
 国際連合憲章は国連の基本文書で、加盟国の権利や義務を規定するとともに、
 国連の主要機関や手続きを定めています。また、国際条約としての国連憲章は
 加盟国の主権平等から国際関係における武力行使の禁止にいたるまで、
 国際関係の主要原則を成文化しています。
 なお、国連憲章は前文と全19章、111条からなっています。
 今回のロシアのウクライナ侵攻は
 「国連憲章2条4項が禁じる、違法な武力の行使であり、国際法違反」に当たります。

 「2条4項」
  すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、
  いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と
  両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

 「前文」
  われら連合国の人民は、
  われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から
  将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の
  同権とに関する信念をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の
  源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、
  一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること、
  並びに、このために、
  寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互に平和に生活し、
  国際の平和及び安全を維持するためにわれらの力を合わせ、
  共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の
  設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために
  国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、
  われらの努力を結集することに決定した。
                     出典: 国際連合広報センター



【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    注)投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                       了
コメント (44)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする